ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「花子とアン」第12回「エーゴってなんずら?」【第2週】

あらすじ

スコット先生(ハンナ・グレース)の恋文を丸写ししたことがバレてしまったはな(山田望叶)は、ブラックバーン校長(トーディ・クラーク)から自室での無期限謹慎を命じられる。退学は免れないだろうという周囲の予想に醍醐(茂内麻結)は心配するが、はなは自分のこと以上にスコットを傷つけてしまったことを深く後悔していた。ある日、面会にやってきた吉平(伊原剛志)は、はなからことの次第を聞き校長に直訴に向かうが…。

12回ネタバレ

修和女学校

廊下

はな「先生の部屋の掃除してて ごみ箱に落ちてた 紙っぺらを見たら 英語が書えてあったから それを丸写しにしちまったです! ごめんなさい!」

富山「安東はなさん。 今の話は 本当ですか?」

はな「はい。 全部 本当です。」

富山「やっぱり。 そんな事じゃないかと 思っていました。 ブラックバーン校長に報告して 厳重に処罰して頂きます。」

<はなが 2学期の課題で スコット先生の恋文を 丸写しした事が とうとう ばれてしまいました。>

校長室

茂木「生徒に不正があった事を 心から おわびします。 私の監督不行き届きです。」

富山『不正は不正です 厳しい処分を』

ブラックバーン「Ando Hana.」

はな「…はい。」

ブラックバーン『ベッドに行きなさい! 永遠にベッドに行ってなさい!!』

給湯室

一条「退学は 免れませんわね。」

白鳥「はなさんがいなくなって 一番困るのは あなたですね。 これからは サボらずに自分で お掃除当番をしなければ いけませんものね。」

寄宿舎

回想

ブラックバーン「(英語)」

回想終了

<その夜 はなは 眠れませんでした。>

講堂

<翌日になっても はなの謹慎は 解けませんでした。」

寄宿舎

(ノック)

白鳥「起きなさい。 面会の方がいらしてます。」

はな「面会?」

白鳥「早く お支度をなさい。」

面会室

吉平「グッド アフタヌーン。 はな。」

はな「てっ?」

吉平「はな 久しぶりじゃな。」

はな「おとう。 おら 何べんも何べんも 夜 ガス灯の下に行っただよ。 おとうが来ると思って。」

吉平「すまんな。 急に忙しくなって あちこち飛び回ってたんじゃ。 はな。 勉強は どうじゃ? こぴっと精進してるけ。 大丈夫じゃ 自信持て。 はなは ほかの子とは違う 神童じゃからな。」

はな「おとう… 申し訳ねえ…。 おら… もう この学校には いられんだよ…。」

校長室

吉平「この度は 娘が とんでもない事を しでかしてしまって 本当に申し訳ありませんでした! このとおりでございます! はなは 私のような学のない親のもとで 小さい頃から働きづめでした。]

吉平「本が大好きなのに 学校にも ろくに行かせてやれなくて でも ここに入れて頂けて 娘の進むべき道は 大きく広がりました。 はなは うちの一家の希望の光なんです! ともった光を どうか消さないで下さい! お願えします! …と通訳して頂けますか?」

富山「はっ?」

はな「おとう。 もういいだよ。 おら 退学になって当たり前だ。」

吉平「はな…。」

はな「だけんど ここを出てく前に スコット先生に ちゃんと謝りてえだ。 英語がしゃべれたら どんなにいいかって おら 布団の中で ほればっかし考えてた。」

茂木「富山先生 はなさんの謝罪の気持ちを スコット先生に 英語で伝えてやって下さい。」

富山「どうして私が この子の通訳なんか しなきゃならないんですか。」

はな「お願えしやす! おら スコット先生の歌 聴いて あんな嫌だった英語も 初めて 心に響いてきただ。」

吉平「はな…。」

はな「ほれなのに ひでえ事しちまって 謝らんと どうしても甲府に帰れねえだよ! お願えしやす!」

富山『スコット先生に謝りたいから 私に通訳しろと』

ブラックバーン「Hana! Speak English. (英語)」

富山「『ここにいたければ 英語を学びなさい』。」

ブラックバーン「(英語)」

富山「『そうすれば あなたは 強くなれます』。」

はな「はい!」

吉平「ブラック先生 ありがとうございます! 先生方も ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます!」

教室

<その日から はなは 生まれ変わったように 猛勉強を始めました。>

一同「(英語)」

スコットの部屋

はな「スコット先生。」

はな『スコット先生 ごめんなさい 私は悪い子でした 私は 先生を 傷つける気はなかったんです』

はな「I’m sorry. I’m sorry.」

スコット「Hana.」

スコット『あなたを許します ありがとう』

はな『おかあ 元気け。 今日 おらのしゃべった英語が 初めて通じただよ。 スコット先生に 『ごめんなさい』が やっと言えただよ!』。

安東家

朝市『学校にも 残れるこんになっただよ』。

ふじ「てっ! よかったよ~!」

リン「朝市 続き 早く読めし。」

朝市「『毎日毎日 朝から晩まで 英語の勉強を こぴっとしてるだよ』。 …あれ?この字は 何ずらか?」

リン「こりゃあ 西洋の字じゃねえだけ?」

周造「う~ん そうさな。」

教会

森「サンキューは ありがとうという意味です。」

ふじ「はあ~!」

森「へえ~! はなさんは もう 英語が書けるんですか。」

武「お父様 英語って何ずら?」

徳丸「西洋人の使う言葉じゃんけ。」

武「てっ! やっぱし はなたれは バカじゃん。 英語なんて クソの役にも立たんだに。」

徳丸「タケシ おまんも精進しろし。 小作のボコに負けたら 承知しんぞ。」

ふじ「サンキュー。」

修和女学校

校庭

茂木「お茶の時間も お部屋に戻ってからも ずっと ああなんです。 あんなに根を詰めて 大丈夫かしら?」

富山「そんなに長くは続きませんよ。 富山先生…。」

5年後

廊下

はな「(英語)」

<はなは 15歳になりました。 修和女学校の本科へ進み 英語が本当に好きになりました。>

はな「この単語 何だろう?」

ブラックバーン『止まりなさい!』

はな「イタッ イタタタタ!」

ブラックバーン『はな、また廊下を走りましたね』

はな「校長、ごめんなさい 急いでるんです どうしても辞書が必要で 図書室へ…」

茂木「また口答えですか?」

ブラックバーン「Go to bed, Hana !」

はな「あの! はなじゃありません! 私の事は 花子と呼んで下さい!」

<まだ一度も 花子と 呼ばれた事のない はなでした。 ごきげんよう。 さようなら。>

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