あらすじ
しばらく蓮子(仲間由紀恵)の家には近づくなと吉太郎(賀来賢人)から言われた花子(吉高由里子)は、龍一(中島歩)が和平のための活動をしていると蓮子から聞いたことを思い出し、心配になり電話をかけようとする。夜遅くだからやめた方がいいと英治(鈴木亮平)に止められた花子は、翌日電話をかけ、蓮子たちをお茶に招く。蓮子が富士子(芳根京子)を連れて村岡家へ出かけようとした時、吉太郎はじめ数人の憲兵が現れる…。
134回ネタバレ
村岡家
玄関前
子どもたち「やあ~!」
ブラックバーン「Stop! ゴキゲンヨウ。」
玄関
花子「ミス ブラックバーン…。」
居間
ブラックバーン「Hana. 『あなたが私の夢を 引き継いでください』
玄関
吉太郎「明日から しばらく 蓮子さんのうちには 近づくな。」
花子「どうして?」
北太郎「何でもいい。 ここは 俺の言うとおりにしておけ。」
書斎
英治「お客さん 誰だったの?」
花子「兄やん。 でも すぐ帰っちゃったけど…。」
英治「えっ?」
花子「『蓮様の家には しばらく近づくな』って… それだけ言って…。 どういう意味かしら。」
英治「何か言えない事情が あるんじゃないかな…。 憲兵の任務上の事じゃないのか?」
回想
蓮子「彼は 中国との戦争を 終わらせるために 昔の仲間たちと活動しているの。 家族には 迷惑かけたくないと 言って あまり話してはくれないけれど…。」
回想終了
英治「わざわざ言いに来るなんて 多分 よっぽどの事だ。」
花子「でも 心配だから お電話してみるわ。」
英治「でも 今日は もう遅いから。」
<蓮子と龍一の身に何か大変な事が降りかかろうと しているのでしょうか。>
宮本家
居間
蓮子「はい 宮本でございます。」
村岡家
居間
花子「蓮様? ごきげんよう 花子です。」
蓮子『まあ はなちゃん。 ごきげんよう。』
花子「蓮様… お変わりない?」
蓮子『ええ。』
花子「龍一さんも?」
蓮子『ええ。 変わりないけれど…。 はなちゃんがお電話くれるなんて 珍しいわね。 どうしたの?』
花子「あっ… えっと…。 あっ おいしいきんつばがあるから もし よろしければ うちにいらっしゃらない? 今日は 私 ラジオの仕事もないの。 よろしければ 龍一さんたちもご一緒に。」
蓮子『まあ うれしい。 じゃあ お言葉に甘えて お昼過ぎに伺わせて頂くわ。』
花子「よかった…。 お待ちしてます。 ごきげんよう。 はあ…。」
英治「花子さん。」
花子「あっ きんつば買ってこないと。」
英治「そういう問題じゃないだろう。」
花子「『蓮様のおうちに行くな』とは 言われたけれど 『呼ぶな』とは言われてないもの。」
宮本家
居間
富士子「これ 美里ちゃんにあげるの。」
蓮子「そう。 美里ちゃん喜ぶわね。」
富士子「お父様も 花子さんのおうちに 行きましょうよ!」
蓮子「はなちゃんが 龍一さんも一緒にどうぞって。」
龍一「ああ いや… 僕は 遠慮しとくよ。 やっておかなければいけない 仕事があるんだ。 富士子。 お母様と行っておいで。」
蓮子「お父様は お忙しいのよ。 さあ 支度して行きましょう。」
(戸をたたく音)
『ごめんください。』
蓮子「はい。」
浪子「誰だろうね?」
玄関
吉太郎「宮本龍一さんは ご在宅ですね?」
蓮子「ええ… おりますけれど…。」
吉太郎「失礼します。 宮本さん!」
蓮子「あの…。」
居間
憲兵「宮本!」
富士子「お父様…。」
憲兵「逃げても無駄だ。」
龍一「離せ!」
浪子「龍一!」
蓮子「吉太郎さん 一体どういう事ですか? 主人が何かしたとでも? 説明して下さい!」
吉太郎「宮本龍一さん 和平工作の一件で 確かめたい事があります。 憲兵隊まで ご同行願います。」
浪子「和平工作…?」
吉太郎「調べは ついています。 仲間と 大陸を渡る計画をしている事も。」
浪子「龍一… 本当なの!? 仕事で行ってたってのは 嘘だったのかい!」
龍一「ああ そうだ…。 何が悪い!? こんな戦争は さっさと やめさせるべきなんだ!」
吉太郎「では 申し訳ありませんが 家の中を調べさせて頂きますが よろしいですね。 行け。」
憲兵「はっ。」
浪子「あっ な… 何をするんです!」
富士子「お母様…。」
蓮子「大丈夫よ 富士子… 大丈夫。」
吉太郎「あなたは 何をやってるんだ! 蓮子さんや子どもたちの事を 考えたら どうだ? 何よりも まず 守るべき人たちがいるだろう!」
龍一「この国は どんどん おかしくなっていく。 それを止めずに 妻や子どもを守れるか!」
吉太郎「連行せい!」
憲兵たち「はっ!」
蓮子「龍一さん…。」
<宮本家は そんな騒ぎに なっているとは 夢にも思わず 花子は 蓮子を待っておりました。>
村岡家
居間
もも「蓮子さん 遅いね。」
花子「うん…。 どうなさったのかしら…。」
もも「そんなに心配なら 電話してみたら?」
花子「あ… そうね。」
宮本家
玄関
浪子「龍一!」
龍一「離せ。 逃げも隠れもしない。」
吉太郎「よし。」
蓮子「龍一さん…。」
龍一「心配するな。 すぐに帰ってくる。 母さんと子どもたちを頼む。」
憲兵「行くぞ。」
蓮子「主人をどうするんですか?」
吉太郎「申し訳ありませんが お答えできません。 失礼。」
村岡家
居間
花子「蓮様…。」
宮本家
玄関前
純平「お父様…。」
憲兵「おい!」
富士子「お父様!」
浪子「龍一!」
「国賊め!」
「非国民!」
「この売国奴!」
(人々の非難する声)
憲兵「行くぞ。」
純平「お母様… どういう事ですか? お父様は なぜ憲兵に…。」
蓮子「純平…。」
純平「憲兵に連れていかれるなんて お父様は 一体 何をしたんですか?」
蓮子「お父様は…。」
純平「お父様は 国賊なんですか!?」
村岡家
居間
英治「あれ? 蓮子さん 来なかったのか。」
花子「ええ…。 電話しても 誰も出ないの…。 何か あったんじゃないかしら。 もも。 ちょっと美里をお願い。 やっぱり 行ってくるわ。」
英治「花子さん! (ももに向かって)…お願いします。」
宮本家
玄関
花子「ごめんください…。 蓮様! 蓮様 どうしたの?」
英治「何か あったんですか?」
蓮子「さっき 吉太郎さんがいらしたわ。」
花子「兄やんが?」
蓮子「龍一さんを連れていったわ。 はなちゃん… 吉太郎さんに話したのね。」
花子「えっ…。」
蓮子「龍一さんの事 何か話したんでしょう! はなちゃんの事 信じてたのに!」
花子「蓮様…。」
(雷鳴)
花子「私は… 私は何も…。」
英治「誤解です。 約束の時間にいらっしゃらないし 電話もつながらないので 花子は 心配して こちらに…。」
浪子「お帰り下さい。」
<ごきげんよう。 さようなら。>