あらすじ
蓮子(仲間由紀恵)に勧められるまま「ぶどうで作った薬」を飲んだはな(吉高由里子)は、夜中に校内を大声で歌いながら歩き回り、教師たちが駆けつける騒ぎに。飲んだのは、なんとぶどう酒だった。翌朝、目を覚ましたはなはブラックバーン(トーディ・クラーク)たちに事情を聞かれるがよく思い出せない。一方、蓮子は「はなさんが勝手に飲んだ」と言い放ち、はなはがく然。前代未聞の不祥事に、はなは処分保留のまま謹慎に…。
21回ネタバレ
修和女学校
庭
はな「気持ちいい! みんな 起きろ~! お星様が あんなにきれいですよ! ♬『Twinkle, twinkle, little star, How I wonder what you are Up above the world so high, Lile a diamond in the sky.』
醍醐「はなさん… どうしちゃったの?」
畠山「あれは 帝大生の北澤様が 歌っていらした歌ですわ。」
醍醐「まだ あの失恋を 引きずってたのね。 早く止めないと 先生たちが起きてしまうわ!」
はな「お星さまが あんなにきれいですよ…。 これは これは! 皆様 ご清聴 誠に ありがとうございます!」
茂木「はなさん!」
ブックバーン『ワインの匂いが』
茂木「ワ… ワインって ブドウ酒の事ですか? まさか!」
醍醐「ブドウ酒ですって!?」
(どよめき)
<はなが お薬だと思って飲んだのは ブドウ酒だったのです。 当然の事ながら 飲酒は 最も重い校則違反です。 すやすや寝てる場合じゃ ありません!>
茂木「はなさん!」
校長室
はな「ここは…。 ブラックバーン校長…? 私 どうして こんな所に…?」
ブラックバーン『はな、気分は?』
茂木「はなさん。 まさかとは思うけど ゆうべ お酒を飲みましたか?」
はな「お酒… イタッ。 まさか! お酒なんて飲んだ事ありません!」
富山「おかしなものを飲まなければ そうはなりませんわね。」
はな「あ… 昨日 葉山蓮子さんのお部屋で ブドウのお薬なら飲みました。」
茂木「ブドウのお薬?」
ブラックバーン『彼女を呼びなさい』
蓮子「お呼びでしょうか?」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『単調直入に聞きます』。
ブラックバーン「(英語)」
富山「『はなさんに ブドウ酒を飲ませたのは あなたですか?』。」
蓮子「いいえ。 ブドウ酒は 滋養のために 私が 家から持ってきたものです。 はなさんが それを勝手に飲みました。」
はな「えっ!?」
ブラックバーン『はな、本当ですか』
富山「本当の事を答えなさい。」
はな「私… あまり よく覚えてなくて…。 初めは 蓮子さんがお薬だと言って 注いでくれて…。 そうですよね? お薬だと おっしゃいましたよね?」
蓮子「お酒は 百役の長と申しますもの。」
富山「つまり 葉山さんの部屋にあったブドウ酒を あなたが見つけて 勝手に飲んだんですね?」
茂木「はなさん。 校長先生の目を見て答えなさい。」
はな「私… 本当に よく覚えてなくて… ごめんなさい。」
(通訳する富山)
ブラックバーン「Dear dear dear dear…。」
茂木「ここでは 飲酒は もちろん お酒を持ち込む事も 禁じられています。 酔っ払って夜中に騒ぐなんて もっての外です!」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『ブドウ酒は 没収します。 反省文100回』。」
蓮子「分かりました。 以後 気を付けます。 もう 下がってよろしいですか?」
はな『私はどうなるのでしょう』
蓮子の部屋
白鳥「ほかに持ってませんか?」
蓮子「いいえ。」
白鳥「ブラックバーン校長は 寛大ですね。 よく 反省文くらいで 済みましたよ。 大体 あなたはですね…。」
蓮子「授業が始まりますので 失礼致します。」
教室
「酔っぱらってたんですって。 葉山様のお部屋で こっそり ブドウ酒を飲んだそうよ。」
「葉山様も さっき 校長室に呼ばれてましたわ。」
富山『静かに』
醍醐「先生! はなさんは どうなるんでしょう?」
富山「とりあえず 謹慎中です。」
醍醐「『とりあえず』?」
富山「修和女学校始まって以来の 不祥事ですから 退学は 免れないでしょう。」
醍醐「退学!?」
廊下
醍醐「葉山様! 私たち はなさんを助けたいんです。 はなさんは 真面目な給費生で 校則を破って はめを外すような 人じゃないんです! 勉強熱心で 家族思いで 私たちの何杯も いい子なんです!」
畠山「そんな はなさんが どうして お酒なんか飲んだのか…。」
醍醐「葉山様。 はなさんが 退学にならないように 一緒に校長先生に 掛け合って頂けませんか? お願いします!」
一同「お願いします!」
蓮子「私には 関係ない事なので。」
綾小路「ブラックバーン校長は なぜ あのような生徒を 編入させたのでしょう。」
富山「彼女の家は 由緒ある伯爵家ですよ。 きっと 多額の寄付を なさったんでしょう。」
綾小路「なるほど…。」
寄宿舎
はな「おとう… おかあ…。 今度こそ 本当に ここに いられなくなるかもしれない…。」
伝道行商
吉平「さあ 見て下さいよ。 ああ そこの学生さん! ちょっと 寄って下さいよ!」
<そのころ 吉平は 東京におりました。>
吉平「今の世の中を変えるためには 是非とも 社会主義なる思想を 知って頂きたい。 是非とも 本を買って下さい。 応援して下さい!」
山田「先輩! 先輩! ちっと ごめん。 娘様の学校 修和女学校って言ったべ?」
吉平「ああ。」
山田「近くの八百屋で聞いたんだけど そこの生徒が 酒 かっくらって 大騒ぎして 退学になりそうなんだと。 それが 何でも… 甲府から出てきて 真面目に頑張ってた女の子って いうでねえか。」
吉平「てっ!」
修和女学校
面会室
(戸が開く音)
吉平「グッド アフタヌーン。 はな。」
はな「おとう…。」
吉平「何か あっただか? 実は 変なうわさ 聞いたんじゃ。 修和女学校で 甲府出身の生徒が 問題 起こしたって。 まさか… はなのこんじゃねえよな。」
はな「おとう…。 ごめんなさい。 私… 多分 退学になると思う。」
吉平「バカ野郎! 何でじゃ… 何で 酒なんか!」
はな「私 お酒だって知らなかったの! ある人のお部屋に行ったら 懐かしいブドウの匂いがして… 滋養のお薬だと言って 勧められて…。」
吉平「ほれが ブドウ酒だっただか。」
はな「お酒って知ってたら 私 絶対飲んだりしなんだ! 本当だよ! おとう 信じて…。 おとうも信じてくれんだけ…。」
吉平「分かっとる。 はなは 嘘なんか言っちゃいんって おとうが一番 よ~く分かっとる。 でも… ほんでも 悪いこんは 悪い! はなは 退学になっても しかたねえこん しちまっただ…。」
はな「本当に… ごめんなさい。 私… みんなの希望の光になれなんだ…。」
吉平「(すすり泣き)」
<はなは 生まれて初めて 父親にぶたれました。 でも はなにとって それよりも つらかったのは おとうの涙でした。 ごきげんよう。 さようなら。>