あらすじ
意を決し蓮子(仲間由紀恵)の部屋を訪れたはな(吉高由里子)。ところが部屋は散らかり、荒れ放題。自分で片づけもできない蓮子のお嬢様ぶりにはなはあきれつつ、てきぱきと掃除をする。はなはぶどう酒の件で助けを求めるが、蓮子は取り合わない。だがはなが、自分が退学になると家族を悲しませるのが一番つらいと言うと、蓮子は家族はそんなに大切なものなのか、と問う。家族への思いを語るはなに、蓮子は意外なことを口にする。
23回ネタバレ
修和女学校
蓮子の部屋
<はなは 意を決して 葉山蓮子様の部屋に 乗り込みました。>
はな「お話があります。」
蓮子「今は お話ししたくありません。」
はな「このまま 私だけ退学になるなんて どうしても納得いかないんです。 中に入れて下さい。」
蓮子「分かりました。」
<いよいよ はなと蓮子様の対決です。>
はな「何これ? 大変! 泥棒が入ったんですか!?」
蓮子「世話係のあなたが 謹慎になってしまったので 片づける人がいないんです。」
はな「これでは 落ち着いて話もできません。 とりあえず きれいにしましょう。」
<『華族様のご令嬢なる者は なんて バカバカしい 怠け者なのだろう』と あきれる はなでした。>
はな「こんな物が…。」
蓮子「あら。 そんな所にあったの。」
はな「『あら』ではなくて 『ありがとう』ではないでしょうか。 人に何かをしてもらった時 ありがとうと言えと お父様やお母様から 教わらなかったんですか?」
蓮子「ありがとうと 言ってほしいんですか?」
はな「結構です。」
はなさんは 私に文句を言いに いらしたのでしょう? 『自分は 真面目な給費生なのに 退学の危機にひんしている。 全部 あなたのせいだ。」
蓮子「「滋養の薬た」と ブドウ酒を飲ませた あなたのせいだ。 それなら かばってくれるのが 筋だろう』と 糾弾しに いらしたんでしょう?」
はな「そうです。 そこまで お分かりなら 私を この窮地から 救って頂けませんか?」
蓮子「お断りします。」
はな「そんな…。」
蓮子「私は 止めました。 あなたが 外に出て騒いだりするから あんな事になったんです。 あなたは 酔っていて 覚えていないかもしれませんが。」
回想
蓮子「もう そのくらいにしておいたら?」
はな「え~? もっと飲みましょうよ 先輩。」
蓮子「『先輩』?」
スコット「My girl, good night.」
はな「あ~! この声 スコット…。」
蓮子「(小声で)はなさん。」
回想終了
はな「おっしゃるとおり 調子に乗った私が一番悪いです。 でも… お酒だと知っていたら 絶対に 口にしたりなんか しませんでした。」
蓮子「私も 1つ 聞きたい事がございます。」
はな「何ですか?」
蓮子「なぜ あなたは 告げ口しないんですか? あの時 私も ブドウ酒を飲んでいたのに 先生方に言いつけないんですね。」
はな「告げ口して 何が変わるんですか? 私 それどころじゃないんです。 自分の事で精いっぱいなんです! もし 本当に 退学になんかなったら これまで支えてくれた 家族の苦労が 全部 水の泡になってしまうんです! 家族を悲しませると思うと 情けなくて… 自分に腹が立って!」
蓮子「家族は そんなに大切なもの?」
はな「どうして そんな事聞くんですか? 離れていても 家族は いつも 私のここにいます。 みんな そうでしょう?」
<はなは この時 まだ知りませんでした。 家族の愛情を知らない人も いるという事を。>
廊下
醍醐「ねえ はなさん知らない?」
畠山「えっ お部屋にいらっしゃらないの?」
醍醐「謹慎中なのに どこにもいないの。」
蓮子の部屋
蓮子「あなた いくつ?」
はな「私 16ですけど。」
蓮子「そう…。 16なら たとえ退学になったとしても いくらでも やり直せるじゃないの。 私から見れば あなたは 自由で幸福な小鳥よ。」
はな「幸福な小鳥? 何言ってるんですか? 私 絶望のどん底ですよ! あなたのせいで!」
蓮子「大げさね。」
はな「何の苦労もした事ない人に 言われたくなありません!」
蓮子「私は あなたより 8つも年上なんです。」
はな「それが どうしたんですか? あなたは いつも 周りの人守られて 面倒な事は 全て周りにやらせて 何も傷ついた事ないんでしょう。」
蓮子「私は 16の時…。」
はな「蓮子さん?」
(ノック)
醍醐「はなさん こちらにいませんか?」
はな「16の時 どうしたんですか?」
蓮子「何でもございません。 今日は 小鳥たちが うるさいこと。 中にいますよ。」
寄宿舎
醍醐「何で こんな大事な時に 葉山様のお部屋なんか 行ったのよ?」
はな「心配かけて ごめんなさい。」
白鳥「安東はなさん いますか? ブラックバーン校長から伝言です。 明朝9時 校長室に来るようにと。」
はな「分かりました。」
白鳥「はなさん。 あなたとは 同じお部屋で 寝起きを共にした先輩 後輩です。」
はな「はい。」
白鳥「編入生として来た頃 あなたは まだ小さく 大層 なまっていました。」
はな「ええ…。」
白鳥「こんな事になるなんて 誠に哀惜の念に堪えません。」
醍醐「白鳥様! まだ退学と 決まった訳じゃないのにどうして そんな事 おっしゃるんですか!」
白鳥「では 明朝9時 遅れないように。」
醍醐「はなさんがいなくなるなんて 私には考えられない…。」
はな「醍醐さん…。」
醍醐「10歳の頃から 私の隣には いつも はなさんがいたんですもの。」
蓮子の部屋
回想
葉山「この金は お前にやるから 二度と家に戻ってくるな。 ここを追い出されたら お前に居場所は もう どこにもないんだからな。」
回想終了
廊下
(鐘の音)
校長室
(ノック)
はな「安東はなです。」
ブラックバーン『入りなさい』
はな『校長先生、お早うございます』
ブラックバーン『ゆうべは眠れましたか』
はな『いいえ』
富山「そうでしょうね。」
ブラックバーン『はな』
はな『はい。』
ブラックバーン『あなたの処分ですが』
(ドアが開く音)
茂木「葉山さん…。 どうしたんですか? ノックもしないで。」
富山「今 大事な話をしているから 出ていきなさい。」
蓮子「ブラックバーン校長。 安東はなさんに お酒を飲ませたのは 私です。 私が先に 部屋で ブドウ酒を飲んでいたのです。 そこへ はなさんが来たので 滋養のお薬だと言って勧めました。」
茂木「何ですって?」
ブラックバーン『自分が何をしたか わかっていますか?』
蓮子「どうぞ 私を退学させて下さい。」
はな「蓮子さん…。」
<蓮子様の爆弾発言に ただただ混乱する はなでした。 ごきてんよう。 さようなら。>