あらすじ
蓮子(仲間由紀恵)が石炭王・嘉納伝助(吉田鋼太郎)と婚約したという新聞記事に、何も聞かされていなかったはな(吉高由里子)はショックを受ける。急いで蓮子の部屋へ向かうが、もはや蓮子の姿はなかった。いても立ってもいられないはなは、ブラックバーン(トーディ・クラーク)や富山(ともさかりえ)が止めるのも聞かず、学校を飛び出して蓮子の実家・葉山邸へ向かう。しかし、屋敷の前で大勢の記者たちに囲まれてしまう…。
37回ネタバレ
修和女学校
校庭
はな「歌人 白蓮。」
<はなの 蓮子への友情は 初恋にも似た感情でございました。。
川
蓮子「この キラキラした時間を 私 決して忘れない。 遠く離れても。」
はな「蓮様 どうして 急に そんな事言うの?」
<2人が甲府から戻った直後の事。>
修和女学校
廊下
醍醐「はなさん! 大変 大変! 25歳も年上の石炭王ですって。」
はな「蓮様… どうして…。」
醍醐「まさか はなさんも 何も聞いていなかったなんて…。」
はな「こんなの嘘よ。 何かの間違いよ!」
蓮子の部屋
はな「蓮様! はなよ! 開けて! ここ 開けて! あんな記事 でたらめよね1 蓮様 答えて! 蓮様! 蓮様!」
茂木「はなさん。 はなさん! 蓮子さんは いませんよ。 ご婚礼のお支度で おうちに お帰りになりました。」
<これほどの裏切りが あるでしょうか。 腹心の友と思っていた蓮子は 結婚の事を はなに ひと言も 打ち明けてくれなかったのです。>
教室
醍醐「この写真をご覧になって。」
畠山「葉山様… こんなに年の離れた方と…。」
大倉「何だか 怖そうな おじ様だこと…。」
畠山「九州一のお金持ちだとしても よく嫁ぐ気になられたこと。」
醍醐「政略結婚ですわ…。」
一同「政略結婚?」
醍醐「私 はなさんの事が心配で…。」
畠山「ひどく 取り乱していらしたわね。」
校長室
はな『ブラックバーン校長 外出許可をください お願いします』
ブラックバーン『どこに行くんんですか』
はな『葉山蓮子さんに 会いに行きます』
富山「会って どうするんですか。」
はな「とにかく 会って話がしたいんです。 そうしないと 私… 私…。」
富山「葉山さんが 黙って出ていった理由が 私には 分かります。 あなたに話せば そんなふうに取り乱して 何をしでかすか 分からないと 思ったんですよ。 学校の外は 新聞記者でいっぱいで 外出は 危険です。」
ブラックバーン『はな 外出は許しません』
はな『お願いですから』
ブラックバーン『だめです』
校庭
(悲鳴)
綾小路「何ですか あなたは。 ここは 男子禁制ですよ。 出ていって下さい。」
「怪しい者ではありません。 葉山蓮子さんの事を 2~3 お訪ねするだけですから。」
茂木「無礼者! 葉山蓮子は 大切な生徒です。 あなた方に お話しする事など ありません。 出て行きなさい。」
「本当に すぐ済みますから。」
茂木「やあ!」
「暴力は やめましょう。」
茂木「はなさん。」
はな「茂木先生。」
茂木「やあ! はなさん 行きなさい!」
はな「はい!」
葉山邸
<はなは 矢も楯もたまらず 学校を飛び出し そこに立っておりました。>
はな「蓮様! はなよ! 蓮様!」
「おお!」
はな「何ですか…。」
「葉山蓮子さんのご友人ですか? お話 聞かせて下さい。 学校では どんな生徒さんでしたか?」
「あなたは 石炭王との縁談を ご存じでしたか?」
「お見合いは これ以前にも なさってましたか?」
「本当なんですか?」
はな「すみません 帰らせて下さい! すみません!」
「お前たち 何やってるんだ!「
「離れなさい! しょっ引くぞ!」
修和女学校
校長室
富山「あれほど 外出を禁じたのに 警察に保護されるとは 言語道断です!」
はな「申し訳ございません…。 『申し訳ございませんでした』」
ブラックバーン『はな』
はな『はい』
ブラックバーン『ベッドに行きなさい 今日はゆっくり休みなさい』
<ブラックバーン校長も はなの やるせない気持ちを分かって それ以上のおとがめは ありませんでした。>
寄宿舎
はな「私 何やってんだろう…。 蓮様…。」
安東家
庭
<蓮子の婚約のニュースは 甲府にも届きました。>
ふじ「朝市 ここに何て書えてあるでえ。」
朝市「蓮子さん 九州の石炭王と婚約したんです。」
リン「てっ!」
吉太郎「婚約…。」
もも「石炭王と伯爵様じゃ どっちが偉えずらか?」
リン「ほりゃあ 身分は 伯爵様が上で お金は 石炭王の方が 何十倍も持ってるだよ。」
もも「てっ! 蓮子さん 大金持ちのお嫁さんになるだけ? いいな~!」
リン「ほんのちょこっとの間 おらたちの仲間かと 思ったけんど やっぱし 住む世界の違う お嬢様だっただね~。」
周造「そうさな。」
ふじ「蓮子さん あんときゃ もう 決心してただね…。 誰にも打ち明けずに 自分の胸にしまい込んで…。」
朝市「あの日の魚釣りは 楽しかったじゃんね。 蓮子さん 独身最後の思い出を 作りに来たずらか。」
回想
はな「こういうの 英語で ビギナーズラックっていうんですよ。 初めての人にだけ訪れる 幸運の事。」
朝市「ふんじゃあ 一回きりってこんけ。」
はな「アハハ ほういう事になるね。」
蓮子「最初で最後の幸運…。」
蓮子「『君死にたまふことなかれ』。 吉太郎さんが持っていて下さい。」
回想終了
<ここにも1人 淡い初恋を打ち砕かれ 胸が張り裂けそうな若者が いたのでございます。>
葉山邸
園子「嘉納様と 亡くなった奥様との間に お子様が 一人も いらっしゃらなかったのも 幸いでしたわね。 蓮子さんは まだお若いから 跡継ぎを何人でも 産めるじゃありませんか。 こう言っては なんですけれど その子が 嘉納家の莫大な財産を 引き継ぐんですからね。」
葉山「まさに金の卵だな。」
蓮子「そんなに すばらしい結婚なら お譲りしましょうか。 お兄様と離縁して お姉様が 金の卵を お産みみなったらいかが?」
園子「蓮子さんったら そんな 面白いご冗談をおっしゃって。 ホホホホホホ。」
(虫の声)
葉山「昼は記者たちがうるさかったのに 静かになったな。」
園子「警察に通報しましたの。」
葉山「ああ…。」
園子「あっ そういえば 修和女学校の生徒が1人 保護されたそうですよ。 家の前で 記者に もみくちゃにされたんですって。」
<蓮子は はなだと確信しました。>
蓮子「お兄様 学校に行かせて下さい。」
葉山「学校?」
蓮子「置いてきた本を 取ってきたいんです。 1時間でいいから 行かせて下さい。」
修和女学校
教室
<蓮子の婚約報道から1週間 はなの心には 大きな穴が開いたままでした。>
富山「安東さん?」
はな「すい… すいません…。 私… あの…。」
醍醐「先生! はなさん 急に おなかが痛くなったそうです!」
富山「仮病使って 誰に会いに行くんですか? ずっと 授業に 身が入っていませんね。 そんな様子で 教室に座っていられても迷惑です。 Go to bed!」
蓮子の部屋
はな「蓮様…。 蓮様!」
蓮子「ごきげんよう。 お久しぶり。」
はな「蓮様 本当に結婚なさるの?」
蓮子「ええ。」
はな「どうして 何も話してくれなかったの? ずっと隠してたなんて ひどい!」
蓮子「新聞 ご覧になったでしょう? とてつもない玉のこしなのよ。」
はな「その方の事 愛してるの?」
蓮子「一度しか お会いにしてないから 分からないわ。 でも 彼には 有り余るほどのお金があるのよ。」
はな「そんな結婚なさるなんて 恥ずかしくないの!? 蓮様の嘘つき。 お兄様が持ってらした あの縁談は 断ったんじゃなかったの? 自分は 操り人形じゃないって 蓮様 言ってたじゃないですか! それも嘘だったの!?」
<蓮子が 家の犠牲になって 結婚させられるとは知らず 怒りをぶつける事しかできない はなでした。 ごきげんよう。 さようなら。>