ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「花子とアン」第58回「乙女よ、大志を抱け!」【第10週】

あらすじ

朝市(窪田正孝)の好きな人がはな(吉高由里子)であると知って、ショックをひきずりながら帰宅したもも(土屋太鳳)。だが、家族たち、とりわけはなの前では、いつも通り明るく振るまうのだった。翌朝、ももは「縁談を受けて北海道へ行く」と宣言し、みんなをびっくりさせる。吉平(伊原剛志)は「本当にいいのか」とももに問うが、ふじ(室井滋)は「ももが決めたことだから」と賛成する。納得いかないはなは、朝市に…。

58ネタバレ

教会

図書室

<大好きな朝市の心の中にいるのは 自分ではない事を ももは 知ってしまったのです。>

安東家

居間

もも「はあ…。 ただいま!」

吉平「もも やっと帰ってきただか!」

はな「どけえ行ってたでえ?」

もも「教会の本の部屋行ったけんど お姉やんに会えなんで ほれで 学校の方も 見に行ってたさ。」

はな「おら 本の部屋にいたよ。」

もも「てっ! どうして見えなんだずら!」

はな「あ… おら グーグー寝てて ももが来てくれたの ちっとも気付かなんださ。」

周造「ハハッ なにょう やってるだ はなは。 嫁入り前の娘が そんなとこ 人に見られたら どうするだ。」

もも「朝市さんとお姉やんなら お似合いじゃん。」

<その晩 ももは 重大な決意をしたのです。>

居間

もも「おとう。 おら あの縁談 受けようと思う。」

はな「もも…。」

吉平「本当け?」

もも「うん。 おら 北海道行って 森田さんって人と幸せになる。 ガール… ビー… 何とかだ!」

周造「もも 急にどうしたでえ?」

はな「『なるべく 近くの人と結婚してえ。 家族と離れるのは嫌だ』って 言ってたじゃん。」

もも「もう決めたさ。 おらは おとうが選んでくれた人と 結婚する。」

はな「だって ももには 好きな人が…。」

ふじ「はな。 もういいら。」

はな「おかあ…。」

ふじ「ももが自分で考えて決めた事さ。 おかあは 賛成じゃん。」

はな「ほんな…。」

尋常小学校

教務室

はな「何で 急に 縁談受けるなんて 言いだしたずら…。」

(戸が開く音)

朝市「おはようごいす。」

緑川「ほい おはようごいす。」

朝市「おはよう。 はな 今日は 先に来てたのけ。」

はな「おはよう。」

朝市「何でえ?」

はな「ももが 縁談受けるって言いだしただ。」

朝市「てっ! ほれじゃあ ももちゃん 決心したのか。」

はな「なにが 『決心したのか』よ。 朝市は ももが 結婚しちまってもいいだけ?」

朝市「いいも何も ももちゃんが自分で決めたずら。 おらが口出しする事じゃ…。」

はな「朝市の鈍感!」

朝市「鈍感?」

安東家

吉平「もも。」

もも「ん? 何?」

吉平「本当に縁段進めていいだけ?」

もも「えっ? おとうが 勧めたずら。」

吉平「まあ ほうだけんどな…。 朝市のこんは いいだけ?」

もも「何で 朝市さんが出てくるでえ? 変なおとうじゃん。」

尋常小学校

教務室

緑川「ふんじゃあ 木場先生 よろしく頼むじゃん。」

朝市「はい。」

はな「このままでいい訳ねえ。 ねえ 朝市。」

朝市「どうしたで? ほんな顔して。」

はな「後で 教会の本の部屋に来て。 待ってる。」

安東家

もも「お姉やん お帰り。」

はな「もも。 行こう。」

もも「どこに?」

はな「朝市が本の部屋で待ってる。」

もも「てっ!」

はな「ももは 朝市の事が好きなんだよね。」

もも「やだなあ! お姉やんまで なにょう言ってるでえ。」

はな「縁談の話受ける前に 朝市に ももの気持ち こぴっと伝えた方がいいと思うの。」

もも「ふんだけんど…。」

はな「気持ちを伝えないまま ほかの人と結婚するなんて 絶対駄目だよ。 きっと後悔する。 ももの気持ちが本物なら 勇気出して。 心に思ってる事を伝えないのは 思ってない事と同じ事だよ。」

もも「お姉やん…。」

はな「行こう。」

もも「分かった。」

教会

図書室

はな「お姉やん まだ仕事があるから 学校に戻るけんど…。」

もも「おら 勇気出して 気持ち ぶつけてくる。」

はな「こぴっと頑張れし。」

もも「朝市さん。」

朝市「あれ? ももちゃん。 どうしたでえ?」

もも「あ… お姉やんが来ると思った?」

朝市「うん… まあ。」

もも「朝市さん。」

朝市「あ… 聞いたさ。 ももちゃん 縁談決めただって?」

もも「あ… うん。 あのね 朝市さん。 おら…。 朝市さんが… 好きだ。」

朝市「ふんだけんど… ももちゃん 北海道にお嫁に行くって…。」

もも「ほの前に ちゃんと言いたかっただよ。 子どもの頃から ずっと好きだった気持ちを なかったこんにするなんて 寂しすぎるら。 ふんだから 朝市さんに こぴっと気持ち伝えてから お嫁に行く事にしただ。 朝市さんも こぴっと伝えんきゃ駄目だよ。 朝市さんは お姉やんが好きずら?」

朝市「うん。 好きだ。」

もも「ちゃんと言ってくれて ありがとう。 おら これで 安心して北海道に行ける。 絶対… 幸せんなる。」

朝市「ももちゃん…。」

もも「お姉やんの事 よろしくお願いします。 さいなら。 ふんじゃあね!」

安東家

ふじ「もも。 お帰り。」

もも「おかあ…。」

ふじ「今夜は ももの好きな ほうとう 作っただよ。」

もも「おかあ…。」

ふじ「もも。」

もも「おら…。 (泣き声) おかあ~…。 おら…。」

ふじ「何も言わんでいいだよ。 もも 偉かったじゃんね。」

もも「(泣き声)」

<もも いっぱいお泣きなさい。>

もも「(泣き声)」

<ごきげんよう。 さようなら。>

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