ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「花子とアン」第78回「その恋、忘れられますか?」【第13週】

あらすじ

大事な話があるから会えないかと言われ、はな(吉高由里子)はカフェーでドキドキしながら英治(鈴木亮平)を待つ。しかし村岡印刷では、カフェーに向かおうとした英治に病院から電話が入る。妻・香澄(中村ゆり)の容態の事だった。そうとも知らずはなは待ち続けるが、刻々と時間は過ぎる。始めは宇田川(山田真歩)に呼びつけられたとばかり思っていたかよ(黒木華)も、ひたむきなはなを見て英治を待っているのだと気づき…。

78ネタバレ

村岡印刷

蓮子「あなた… はなちゃんに 何か隠してる事が あるんじゃない? ちゃんと向き合わないで 逃げるなんて ひきょうよ。」

英治「今夜 仕事が終わってから 会えませんか? 大事な話があるんです。」

はな『分かりました。」

カフェー・ドミンゴ

女給「いらっしゃいませ。 あちらの席へ どうぞ。」

村岡印刷

郁弥「はい。 村岡印刷です。 はい そうです。 はい。 えっ!? 兄さん 病院から! 義姉さんが喀血したって!」

英治「もしもし? 先生 村岡です。」

カフェー・ドミンゴ

(時計の時報)

(ドアベル)

かよ「いらっしゃいませ。 こちらへ どうぞ。」

(時計の音)

かよ「お姉やん。 また あの宇田川先生に 呼びつけられたの?」

はな「えっ?」

かよ「もう 2時間も待ってるじゃん。 すっぽかされただよ。 もう… 許せんね あの先生。」

はな「ううん… 違うの。」

(ドアベル)

かよ「いらっしゃいませ。 こちらへ どうぞ。」

<ひたすら待っている はなを見て かよは 気付きました。>

村岡印刷

郁弥「もしもし かよさん? うらしいな。 かよさんから電話もらえるなんて。」

かよ『お兄さんは いらっしゃいますか?』

郁弥「えっ? 兄ですか? 義姉さんの病院へ行きました。 今日は 戻れないと 思いますけど…。」

かよ『そう… ですか。』

カフェー・ドミンゴ

かよ「もう お店 閉店じゃん。 帰ろう。」

道中

かよ「お姉やん。 もう あの人の事 待ったりしちゃ駄目だ。」

はな「え…?」

かよ「村岡さんにすっぽかされたずら。」

はな「どうしたのかな…。 何か あったのかもしれねえ。 事故にでも 遭ったんじゃないかな…。 ごめん。 先 帰っててくりょう。 お姉やん 村岡印刷さんとこ 行ってみる。」

かよ「お姉やん! 何で… ほんなに好きになっちまったの?」

はな「『何で』って…。」

かよ「村岡さん 事故になんか遭ってねえよ。 奥さんの病院に行っただ。」

はな「かよ… 何言ってるでえ。 奥さんって?」

かよ「胸を患って入院してる 奥さんがいるだ。 村岡さんは 結婚してるだ。 おら 知ってたのに… 黙ってて ごめん。」

はな「な~んだ…。 ほういう事だったんだ。 ほうか ほうか。 ほういう事か…。 かよ… 教えてくれてありがとう。 お姉やん 本当にバカっちょだったね。 おとうからも あれだけ言わたのに…。 全く 東京の男は 信じられんさあ…。 さあ 帰ろ 帰ろ。」

かよ宅

居間

はな「忘れよう…。 忘れるだ。 今度こそ。」

聡文堂

郁弥「いかがでしょうか。」

はな「わあ… 挿絵が増えてますね。」

醍醐「はなさんの翻訳したページ すごく すてきになったわね。」

梶原「村岡君に提案された時は どうかと思ったけど すごく いいな。 うん 特に挿絵なんかいいな。」

須藤「でも やっぱり ほかのページとは違い過ぎますね。」

醍醐「これくらい 遊び心があった方が いいんですよ!」

はな「こんな すてきなページに 仕上て頂いて… 本当に ありがとうございます。」

郁弥「それは 兄に言ってやって下さい。」

はな「えっ?」

郁弥「その挿絵も 全て 兄が描いたんですよ。」

醍醐「英治さん 絵の才能もあるのね。 すばらしいわ。」

郁弥「兄 何度も割り付けし直したり 挿絵も 何度も描き直したりして 随分 熱心でした。」

須藤「お先に。」

醍醐「ごきげんよう。」

はな「ごきげんよう。」

醍醐「はなさん。 私 英治さんの事 諦めるわ。」

はな「え…?」

醍醐「だって こんな すてきなページを 作っちゃうくらい はなさんの事を 思ってるんですもの。 私の入る隙なんて ないわ。 私 諦めて 次の恋に行くわ。」

はな「醍醐さん…。」

醍醐「はなさんたちの事は 応援するから。 ごきげんよう。」

はな「ごきげんよう…。」

(ため息)

かよ宅

玄関前

英治「お帰りなさい。 ゆうべは すいませんでした。 僕の方から 時間を 作っておいてもらいながら… 本当に すいません。」

はな「あ… 別に 気にしてませんから。」

英治「あの…。 ゆうべ 話そうと 思っていたのは…。」

はな「奥様の事でしょう? 聞きました。 全部。」

英治「そうですか…。 いいそびれていて すいません。」

はな「どうぞ お大事になさって下さい。」

英治「ありがとうございます。」

はな「こちらこそ 『王子と乞食』の挿絵 ありがとうございました。」

英治「これからも 花子さんの翻訳するページは 手伝わせて下さい。」

はな「どうしてですか? お願いしたでしょう? もう 優しくしないでって…。」

英治「優しさなんかじゃ… ないんです。 今の僕には それしかできないから…。 あなたのためにできる事は それしかないんです。」

<ごきげんよう。 さようなら。>

モバイルバージョンを終了