ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「花子とアン」第92回「あなたがいる限り」【第16週】

あらすじ

はな(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)の結婚式を甲府ですることになり、久しぶりにかよ(黒木華)ともも(土屋太鳳)が帰って来た。家族に借金を背負わせたことを気に病むかよは、吉平(伊原剛志)やふじ(室井滋)から温かい言葉をかけられ思わず涙する。朝市(窪田正孝)や武(矢本悠馬)が手伝い婚礼の準備は整えられ、平祐(中原丈雄)や郁弥(町田啓太)も到着。森牧師(山崎一)の司会で式は和やかに進むかに見えたが…。

92ネタバレ

安東家

玄関

もも「ただいま!」

<はなの結婚式にために 北海道から ももが そして かよが 久しぶりに 甲府に帰ってきました。>

ふじ「よく帰ってきたねえ!」

もも「ただいま帰りました。」

<3姉妹が顔を合わせるのは 大層 久しぶりでした。>

居間

ふじ「こうして 2人とも 帰ってきてくれて おじぃやんも喜んでるら。 村岡さんのおかげじゃんね。」

はな「うん。」

吉平「もも どうでえ? 北海道は。」

もも「おとうが言ったとおり 広い土地が いっぺえあるだよ。」

吉平「やっぱし 北海道に嫁いで よかったら。」

もも「うん!」

ふじ「かよ。 元気そうじゃん。」

かよ「おとう… おかあ…。 ごめんなさい。 おらが製糸工場から 逃げちまったせいで 借金背負わせちまって… ごめんなさい。」

ふじ「ほんなこん 気にしてただけ。 かよは こぴっと 仕送りしてくれてるじゃん。」

かよ「まだまだ足りん。 もっと稼いで また送る。」

ふじ「いっつも 大事なお金 ありがとね。 ふんだけんど… もういいだよ。」

吉平「かよ。 おかあはな かよが送ってきた金 全部 取ってあるだよ。 かよが嫁ぐ時 全部持たせるだとう。」

かよ「てっ…。」

ふじ「ふんだから かよも早く いい人見っけて 一緒になれし。」

かよ「おかあ…。」

ふじ「何も気にする事ねえだよ。 ん?」

これっからは いつでも好きな時に帰ってこうし。」

吉平「ほうだ。」

(泣き声)

ふじ「かよ…。」

(泣き声)

式場

<そして いよいよ はなと英治の祝言の日です。>

武「あ~ もう! 何で おらが はなたれのために 準備しんといけんだ!?」

朝市「武! 時間ねえから早くやれし! 早く 早く!」

郁弥「兄さん。 Look greet! 似合うじゃないか。」

英治「郁弥。 父さんは?」

郁弥「ちゃんと連れてきたよ。」

平祐「全く… 結婚も式の事まで 勝手に決めおって。」

英治「頼むから 妙な事言わないで下さいよ。」

♬~(『ローエングリン』結婚行進曲)

森「ただいまより 村岡英治さんと安東はなさんの 婚礼の儀を執り行います。」

武「てっ…。 ありゃ 本当に はなたれけ…。」

森「神の御前で誓う前に 出席されている皆さんのうちで この結婚に 正当な理由で異議のある方は 今 ここで申し出て下さい。 ありませんか。」

平祐「異議あり!」

はな「てっ…。」

英治「父さん…。」

平祐「私は この結婚には反対します。 はなさん。 君は そこそこの編集者になったが 村岡家の嫁には 失格だ。」

吉平「はなの どこが不満だっちゅうだ!」

平祐「英治には 結婚したら家に入って 夫を支える嫁を迎えたい。 仕事を続けるなど言語道断!」

英治「ちょっと 父さん…。」

吉平「てっ…。 俺も異議ありじゃん!」

はな「てっ… おとう!」

吉平「こんな古くせえ考えの舅の家に 嫁いでも はなは幸せになれん!」

ふじ「ちょっと あんた なにょう言うでえ!」

かよ「ほうだよ おとう。」

もも「落ち着いてくれちゃ。」

森「お父様方 冷静に!」

武「ほれなら おらも異議ありじゃん!」

一同「てっ!」

徳丸「武… おまん どういで 反対するだ?」

武「はなたれが あんな きれいな花嫁になるなら おらがもらってやれば よかったじゃん! はなたれ! おらの嫁んなれ!」

徳丸「このバカっちょが! 今っ頃 なにょう言うだ!」

朝市「武!」

リン「ほれなら おらも異議あり!」

武「てっ!」

朝市「おかあ…。」

はな「おばさんまで!?」

リン「(小声で)朝市。 おまんこそ 異議があるじゃねえだけ? ほら 反対しんと はなちゃん 結婚しちもうよ。」

森「異議のある方が4人も…。 このような事態は 今までありませんでしたが… 取りやめますか?」

英治「そんな…。」

朝市「異議なし!」

もも「おらも異議なし!」

かよ「異議なし!」

郁弥「異議なし!」

周造「そうさな… 異議なし!」」

かよ「今… おじぃやんが…。」

吉平「ほれじゃ 俺も異議なし! 異議なしじゃんな!」

平祐「アイタ…。」

郁弥「父さん…。」

森「異議なしと認めます。 では 続けましょう。 村岡英治さん。」

英治「はい。」

森「安東はなさん。」

はな「あっ すいません ちょっと待って下さい。」

森「まさか… あなたまで異議があるんですか?」

英治「えっ?」

はな「いえ 異議ではないんですが…。 はなではなく 花子と呼んで下さい。」

(笑い声)

もも「お姉やん また言ってる。」

英治「僕からも お願いします。 花子と呼んで下さい。」

森「分かりました。 では 誓約して頂きます。 村岡英治さん。 あなたは 安東花子さんを妻とし 生涯 愛する事を誓いますか?」

英治「はい! 誓います!」

森「そんなに大きな声で 返事した人は 後にも先にも初めてです。」

(笑い声)

森「花子さん。 あなたは 英治さんを夫とし 共に歩み 生涯 愛する事を誓いますか?」

花子「はい。 誓います。」

周造「そうさな。」

朝市「牧師様。 今日は 急なお願いだったに ありがとうごいした。」

森「はなさんの… ああ いや 花子さんの 結婚の誓いに立ち会えて 私も 大変うれしかったです。 まあ 途中は どうなる事かと 思いましたが。 ハハハハ…。 朝市君。 あなたにも 神の祝福がありますように。 じゃあ。」

かよ「おらたちから英治さんに これ ささやかなお礼です。」

もも「お姉やんが初めて読んだ本。 おらたちに 何べんも何べんも 読んでくれた 3人の宝物。」

かよ「いつか お姉やんと一緒に こんな すてきな本 作って下さい。」

もも「お姉やんの事 よろしくお願いします。」

英治「ありがとう。 きっと すてきな本を作ります。」

花子「ありがとう。」

もも「お姉やん。 お幸せに。」

(シャッター音)

<はな… じゃなくて 花子 おめでとう! ごきげんよう。 さようなら。>

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