【 連続テレビ小説「純と愛」】111話のネタバレです。
あらすじ
宮古島のホテルの再生を夢見て大阪で働く狩野純と、彼女を支える不思議な青年・愛が織り成すラブストーリー第10巻。認知症の晴海のために家族会議が行われ、純たちが皆で面倒を見ることになる。第19週「おもいよとどけ」と第20週「まほうのことば」を収録。
111話ネタバレ
里や
食堂
純「里やを辞めるなんて言わないでください。 私達みんなで力を合わせて 少しでも借金返せるように頑張りますから。」
サト「あんたたちも早く新しい就職先決めたら? 土曜日までには 出て行ってもらわなきゃいけないんだから。」
純「ちょっと待ってくださいよ…。」
蘭「おたくのおかあさんなら なんとかしてくるんじゃないの? 私と士郎のこと助けてくれたみたいに。」
愛「え?」
純「そっか。」
扉が開く
純「お義母さん。 今日はどうして?」
多恵子「誠が久しぶりに出かけようって言うから ついてきたら こんなところに来ただけよ。」
誠「近くまで来たから 純さんにの顔を見に行こうかなと思ってね。」
愛「あの… お母さん。」
多恵子「帰る私。」
純「え? ちょっと 待ってください。 お義母さん。」
多恵子「触らないでよ! 見てるだけで 不愉快なんだから あなた。」
純「すみません。 でも ここにいるみんなのために 聞いていただきたことが あるんです。」
(ノック)
純「女将さん すみません 女将さん あの うおお!」
サト「なに?」
純「あの あの… 借用書と帳簿って 良かったら見せてもらえませんか?」
サト「なんで?」
純「あの ここが なくなる前に 参考までに見ておきたいなー なんて思って。」
小部屋に入るサト
純「ちょっと あの? お? ちょっと危ない。」
サト「なに考えてるか知らないけど 私の気は変わらないよ。」
そんなこと言わないでよ 女将さん。
多恵子「眼鏡。」
純「眼鏡 眼鏡。」
誠「ああ 眼鏡。」
多恵子「こんなもの。」
純「なにか わかりました?」
多恵子「全然 わからない。」
純「え?」
多恵子「ああ 疲れたわ。 ちょっと 寝かせてくれる?」
ふらつく多恵子
純「危ない 危ない。」
誠「ママ?」
客室
誠「このごろ ずっと あんな感じやねん 仕事は やる気ないし 裁判も連戦連敗で この前なんか ウチの法律事務所 たたもうとか言いだして。」
純「え ウソ? あ しー!」
愛「確かに あんな母 一度も見たこと ないですね。」
誠「ここに連れてきたら ちょっとは 元気になってもらえるかなと思って この前ここに来た時 久しぶりに ぐっすり眠れたって 言うてたし。」
愛「ウチの母に頼るのは 無理ですね。」
食堂
志道「うう 寒い寒い。」
純「師匠。」
志道「ねえねえ あれからどうなった? ここを続けていく 何か良いアイディア浮かんだ?」
純「それが… 莫大な借金があるっていうことは わかったんですけど 女将さんは あそこから 出てこないし。」
誠「ねえ どうでも いいけど あの人 あそこで何やってんの?」
純「さあ?」
蘭「ねえ もう諦めるしかないんじゃないの?」
純「そんなこと言わないで なんと考えましょうよ。 この危機を乗り越える方法を。」
蘭「じゃあ どうやって 借金返すの?」
純「え? だから… 出資してくれるお金持ちを探すとか?」
誠「そんなこと してくれる人 おるとは思えへんけどな こんなホテルに見えへんホテル。」
純「え? じゃあ みんなで 募金活動するとかってのはどう?」
誠「そんな 悠長なこと言ってる場合?」
純「あああ!」
志道「ああ びっくりした。 なによ?」
純「いや ホテル経営って大変なんだなって思って。」
誠「今更 なに言うてんねん。」
愛「純さん。」
純「うん?」
愛「純さん。」
純「お義母さん?」
純「ああ! お義母さん大丈夫ですか?」
多恵子「だから 触らないでくれる。」
純「すみません すみません。」
多恵子「おなか… おなかすいたんだけど なんか… 食べるものないの?」
純「あ セニョールさん お願いします。」
忍「あ 沖縄そばでいいですか?」
純「はい。」
多恵子「ダメ! 沖縄料理じゃないの 作ってくれる?」
忍「ええ?」
多恵子「そうね。 ペスカトーレでいいわ。」
忍「え いや いや… あの 無理です そんな。」
多恵子「なにいってるの あなた? プロでしょ? そんなこと言ってるから 潰れるんじゃないの こんなホテルに見えないようなホテル。」
忍「あ いや それは…。」
愛「わかりました。 ペスカトーレですね よろこんで。」
厨房
食堂
愛「お待たせしました。」
誠「美味しそう!」
志道「ほおー。」
純「どうですか? 愛君の料理 なんでも美味しいですけど。」
誠「そういや 初めてやろ? 愛ちゃんが作った料理食べんの?」
多恵子「まあ 食べられるんじゃない?」
愛「ありがとうございます。」
誠「とか言って メッチャ食べてるやん ママ。」
純のお腹が鳴る
純「あ!」
愛「はは。 皆さんも 食べませんか? 腹が減ってはなんとやらって言いますし。」
志道「うん そうね。」
愛「ペスカトーレでも いいですか?」
志道「私はやっぱし ゴーヤチャンプルーの方がいいわ。」
愛「よろこんで。」
誠「私 ゴーヤ苦手やし 麻婆豆腐がいい。」
愛「よろこんで。」
愛「ハンバーグ よろこんで。」
蘭「じゃあ 私はグラタンで。」
羽純「オムライス。」
純「私はやっぱり クリームシチューかな。」
愛「よろこんで。 セニョールさんは?」
忍「ああ じゃあ あの ニース風サラダを あの これに載ってて 1度食べてみたかったんで。」
純「ああ よろこんで。」
厨房
愛「おお!」
愛「じゃあ さっそく 作りましょうか セニョールさんも 手伝ってください。」
忍「あ はい。 よろこんで。」
愛「よし。」
忍「なにから いきますか?」
愛「あ すみません 冷蔵庫から ハンバーグ出してもらえますか?」
忍「あ はい。」
愛「ドレッシング完成しているようだったら 味見させてください。」
忍「はい。」
愛「レモン もう少し足してもらえますか。」
忍「はい。」
愛「もっと。」
忍「はい。」
愛「それくらいです。」
忍「はい。」
愛「味見してみてください。」
忍「はい。」
愛「どうですか?」
忍「おお。」
愛「その味覚えておいてください。」
忍「はい。」
愛「メモしないで 舌で覚える。」
忍「はい。」
食堂
愛「bon appétit」
一同「いただきます。」
愛「どうぞ。」
志道「あらー 豪華じゃない ちょっと。」
誠「ウマ!」
純「熱っ!」
愛「みなさん どうですか?」
純「うーん 美味しい。」
忍「ありがとうございます。」
純「どれどれ 食べみようっと。 ウマい。」
志道「ステキね これ。 うん。」
忍「あの 師匠。」
志道「うん? なに?」
忍「あ 師匠じゃなくて。」
志道「うん?」
愛「え? 僕ですか?」
忍「これからも 色々教えてもらえませんか?」
愛「あ いや そんな。」
忍「自分が作った料理 こんな顔して 食べてもらったこと 1度もなくて私。 お願いします。」
愛「いや そんな ええ?」
純「そうだよ 愛君 これからさ セニョールさんと2人で美味しい料理作っていけば いいじゃない。」
志道「そうよ。」
誠「ここが無くなったら そんなことしても 意味ないんちゃうん?」
小部屋から 出てくるサト
純「女将さん やっと出てきた。」
サト「あら いい匂いがすると思ったら 美味しそうだねえ。」
愛「女将さんは なにが食べたいですか?」
サト「じゃあ ヴィナーシュニッツェル。」
純「はい? び び?」
愛「オーストリアのカツレツですよね?」
サト「死んだ 旦那と新婚旅行でウィーンに行った時に食べたの あの味が忘れられなくて。」
愛「わかりました よろこんで。」
純「本当?」
サト「うんうん。」
純「どうですか?」
サト「天才だね。 あんたの旦那 ああ なんかウィーンでの思い出が蘇って 泣けてきちゃったな。」
純「あ 女将さん。」
サト「なに?」
純「私 考えたんですけど これから 愛君に料理作ってもらって 里やの売りにするって言うのは どうでしょう? 沖縄料理だけじゃなくて 世界中の どんな料理も出来る 奇跡のメニューって宣伝すれば きっとお客さん いっぱいくると思んです。」
純「借金を返すの 簡単なことじゃないことは わかっています。 でも ここにいるみんなで もう1度だけ頑張ってみませんか? 私 このまま 何もしないで 諦めるのイヤです。」
愛「女将さん 僕からもお願いします。」
忍「自分も頑張りますんで。」
純「お願いします。」
純「あの…?」
サト「ごちそうさまでした。」
純「あの 女将さん?」
サト「ごめんね 悪いけど 私 脚本家になるって決めたの 日本のドラマ界の未来のために。」
愛「え?」
純「え?」
サト「じゃあ シナリオをコンクールで書いているやつ 続き書かないといけないから。 あ 火元とか ちゃんと消してよ。」
女将さん? マジっすか?