【 連続テレビ小説「純と愛」】62話のネタバレです。
あらすじ
宮古島のホテルの再生を夢見て大阪で働く狩野純と、彼女を支える不思議な青年・愛が織り成すラブストーリー第6巻。オオサキプラザホテルは外資系に買収され「カイザーオオサキプラザ大阪」へと変わることに。
62話ネタバレ
カイザープラザホテル
フロント
純「あら? どうしたの 千香ちゃん?」
千香「お願いがあるんだけど 一緒に来てくれない? クレーマーみたいなお客様がいて ずっと文句ばっか言ってて。」
客室
純「失礼します お客さ…。」
善行「なんや?」
純「お父ちゃん 何やってんの?」
善行「あのな ちょっと あの 大阪でな こう用が出来たから わざわざお前のホテルにな 泊まってやってんねん。 それよりもな さっき あの廊下で耳に挟んだんやけど ここには何でも ビジネス割引っちゅうのがあって 普通に泊まるより 1万円も安いそうやな 俺そっちに変更するわ な?」
純「いやいや それはね ネットで予約したお客さんの その特典だから 今更そんなこと言われても 無理なの。」
善行「お前んところはな サービスがわるなったって 合併してから もっぱらの評判やぞ?」
純「そっちこそ 何やってんのよ ねえ 宮古の方ほったらかして なんでしたっけ こんこんいってき? けんこんいってき?とか 起死回生とか言って どうせまた 変なこと企んでるんでしょ?」
善行「客やぞ?客? 失礼な おーい 君、君。」
千香「あ はい。」
善行「ここのホテルはな お客に向かって 失礼な口を利く従業員がおるで 支配人呼んでくれ 支配人呼んでくれ はよ!」
純「申し訳ありませんでした。 それでは 私の仕事が終わり次第 改めてご連絡させていただきますので それでは 失礼します。」
善行「おい ちょっと待て」
純「うわ~!」
善行「な! 明日な ビジネスで使うんや それ 洗といてくれ 明日の朝までに な?」
千香「あの 申し訳ありません お客様 この時間ですと それまでに仕上げるのは ちょっと難しいかと。」
善行「何でや?」
千香「実はランドリー部門のスタッフが 本日は もういないものでして。」
善行「なんや これもまた あれか 合併したせいか? こんな ささやかなことも出来んと情けない しょうもないホテルですよ お客さん このホテル気をつけなはれよ。」
千香「申し訳ありません。」
善行「もうええわ。」
純「承知しました 承知しました。 それでは 明日の朝までに必ず届けさせていただきますので それでは 失礼します。」
千香「失礼します。」
善行「おう 頼むで!」
千香「ねえ でも あの 大丈夫?」
純「うん 心配しないで こっちでなんとかするから うん。」
ああ むかつく おじぃ 一体なに企んでんの あのアホ親父
純の自宅
純「ごめんね こんなことやらせて。」
愛「いいんですよ アイロン好きだし それより 分かったんですか? 大阪にお父さんが来た理由。」
純「ううん あれから 部屋に電話しても 全然でないしさ。」
☎『ただいま電話に出られません…」
純「ダメだ 誰も出ない。」
愛「宮古のお義母さんは知ってるんですかね? 大阪にお義父さんがいること?」
純「そっちんも相変わらず誰も電話に出ないのよ。」
☎『ただいま電話に出られません 発信音のあとに メッセージをどうぞ」
純「ほら もう出ない もしもし? ちょっとさ お母ちゃんさ いい加減電話に出てよ もう 一体 何考えてんのよ ねえ お父ちゃん ウチのホテル泊まってんだけど どういうこと? とりあえず連絡下さい。 じゃあね。」
純「ああ こうしてる間に おじぃのホテルになんか嫌なことが起きてそうな気が… ねえ 愛くん どうしよう…。」
愛「とにかく 明日は このシャツを お義父さんに届けましょう ね?」
カイザープラザホテル
客室
純「おはようございます。」
善行「うん ああ。」
純「ちょっと。」
善行「肩凝りや なんや? はよ。」
純「昨日の洗濯物をお届けに参りました。」
善行「ほい お前んとこのホテルは洗濯代 ぼったくるんやろな。」
純「そんなもん要らないから 愛君に ちゃんとお礼 言いなさいよ。」
善行「え?」
純「プロもビックリの本格仕上げだから。」
善行「なんやて?」
善行「はあ…。」
愛「お久しぶりです。」
善行「もう お前の顔なんか見とうないわい! なんや? なんや気色の悪い。」
愛「すぐに済みますから。」
善行「なんや?」
純「お父ちゃん 教えてくれないから 愛君に心読んで もらうことにしたの お父ちゃんが何企んでるか。」
善行「なんや? なんやお前? 何をすんねん お前は?」
愛「あ! 浪花恋しぐれ!」
善行「ん!」
愛「うわ~!」
純「キャー!」
善行「プライバシー覗くからや 俺の目見るな 俺の目はな立ち入り禁止や 見られてたまるかい! これやぞ これ! ドンディスカード 立ち入り禁止や!」
愛「目がスースーする。」
医務室
純「ありがとうございました。」
愛「ありがとうございました。」
医師「お大事に。」
純「ごめんね アホ親父のせいで。」
愛「大丈夫です。 先生も大したことがないって 言ってくれたんで。」
純「あの それでさ…。」
愛「はい。」
純「少しは 分かった? アホ親父が考えてること?」
愛「♬『芸の為なら女房も泣かす』」
純「いや 何歌ってんの?」
愛「お義父さんが心の中読まれまいとして『浪花恋しぐれ』を ず~っと心の中で歌いつづけてたんです だから 頭から離れなくなっちゃって。」
純「ああ…。」
愛「『あんた 遊びなはれ 酒も飲みなはれ』」
純「いや…。」
愛「間奏のセリフです。 ああ もう本当に頭から離れないなあ 痛って!」
純「だ 大丈夫? あの もういいからさ。」
愛「はい。」
純「先帰ってて。 そこまで送っていくから。」
くそ~ 演歌で妨害するとは 恐るべし アホ親父
休憩室
水野「水野です。 はい そちらでお世話になろうと思ってます。 はい 上司には明日にでも…」
水野「上司には明日にでも話すつもりです。 すみません もう一度 またかけ直します 失礼します。」
純「あ ちょっと待って 水野さん。」
水野「相変わらず 仲良さそうだね。 職場デート?」
愛「あ いや…。 あの僕は もう帰りますから。 じゃあ。」
純「ごめんね。 ありがとう。」
純「あの…。 水野さん。 本当に他のホテルに移る気ですか?」
水野「もしかして君も行く気になった? だったら俺の方から言っておくよ。」
純「そんなこと言わないで下さいよ。 水野さんは オオサキに必要な人なんですよ。」
水野「それはどうかな? カイザーになってから コンシェルジュのことはあまり考えてないみたいだけど。」
純「今の体制が不満なら 私達の力で変えていけばいいじゃないですか ここだけの話 オオサキを再生させれる為に 桐野さんを社長にしようってプロジェクトがあるんです。 それに水野さんも入って下さいよ。 ね?」
水野「いい加減にしてくれないかな?」
純「え?」
水野「ホテルがどうとか上司がどうとか そんなのどうでもいいんだよ。 俺はただ 君と一緒に居たくないだけなの そうやって 君がバカみたいに一生懸命に頑張ってる姿見る度に フラれた自分が惨めになるんだよ。」
おじぃ 教えて どうやったら こっちの言うこと 分かってもらえるのかな 水野さんやお父ちゃんに
フロント
純「あ!」
エレベーターホール
フロント
純「あの すみません ちょっと一瞬離れます。」
スタッフ「ああ…。」
エレベーターホール
純「お父ちゃん… じゃない お客様 お客様 どちらかにお出かけですか?」
善行「うるさい お前には関係ない ああ エレベーターけえへんな もう! 使い物にならんわ このホテルは。」
純「お父ちゃん 何考えてんのか 教えてよ お願いだから。」
善行「ついてくんな。」
純「ちょっと。」
善行「自分の仕事せえ。」
純「待ってよ。 お父ちゃん。」
善行「自分の仕事せえ。 自分の仕事せえ。 はよ。 なんやお前は!」
純「お荷物お持ちします。 どうぞ」
「すみません。」
善行「あとにしてもらえませんか? ねえ 急ぐからあとにしてもらえませんか?」
純「仕事なんで。」
善行「あとにしてもらえませんか?急ぐから。」
「お急ぎですか?」
善行「とっても(携帯の通知)あ!もしもし はい 狩野でございますが はい 今ですね ちょうど ホテル出るところです はい 分かりました。 はい じゃあ すぐ参ります。 はい。」
純「お急ぎならタクシーをお呼びしましょうか? どちらまで 行かれます?」
善行「ん?その手は食わんわい。」
タクシー乗り場
「ちょっと待って」
純「お父ちゃん待って!」
「私の荷物!」
純「ちょっと これ これ お願いしますね。」
皆川「ちょっと 何?」
「あのね あのね ここに行きたいんですけどね」
純「あ! ちょっと! お父ちゃん!」
純「あ! 痛っ!」
晴海「あ! 痛っ!」
純「ああ すみません! お母ちゃん!」
晴海「ああ!」
純「何やってんの?」
晴海「純が電話くれたから来たんでしょう。」
純「え?」
晴海「おとうさん居るって。」
純「あ!」
善行「はい おねがいします。」
純「ちょっと お兄ちゃん あのタクシー止めて!」
正「なんで?」
純「お父ちゃん 乗ってるから!」
正「あー! ちょっと待って! ああ!」
マリヤ「お義父さん カムバック!」
純「お父ちゃん! お父ちゃん! ああ! もう!」
ロビー
晴海「ありがとう。」
純「大丈夫 お母ちゃん?」
晴海「ちょっと くじいただけだから。」
純「ねえ いい加減教えてよ お父ちゃんが何考えてるんのか。」
晴海「ウチのホテルと 家を全部売って 大阪に引っ越すって言ってるさ おとうさん。」
純「は?」
正「昔勤めてた商社で部下だった人が 今宮古にリゾート開発やってて 家もホテルも売ってくれれば 借金も肩代わりするし 大阪の子会社の重役に迎えるって言われたみたい。」
善行サイド
梨田「おお! どうも! どうも すみません 狩野さん。」
善行「いえいえ。 とんでもございません。」
梨田「大阪まで わざわざ」
善行「梨田君は あ! 君やないな 梨田君やない 梨田さんやな もう。」
カイザープラザホテル
純「ねえ そんなん 許していいの お母ちゃん。」
晴海「私だって反対さ でもお父さん もう決めた 俺一人でも契約してくるって 聞かんわけさ。」
純「じゃあ 何? お父ちゃん そのハンコ押しに行ったの?」
善行サイド
梨田「じゃあ ここに 捺印をお願いします。」
善行「ここですね はい。」
ああ どうしよう おじぃ