ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「純と愛」83話「あかずのま」ネタバレ

【 連続テレビ小説「純と愛」】83話のネタバレです。

あらすじ

宮古島のホテルの再生を夢見て大阪で働く狩野純と、彼女を支える不思議な青年・愛が織り成すラブストーリー第8巻。新しいホテル「里や」で働くことになった純は、希望を胸に抱き、渡船に乗って大正区へと渡るが…。第15週と第16週を収録。

83話ネタバレ

里や

愛「本当にいいんですか それで? 僕は 純さんに合ってると思いますけど ここのホテル。」

純「いいの また 明日から 違うホテル探すから。」

愛「純さん。」

純「止めても無駄だから。」

愛「違います! 純さん!」

大変だ!

愛「純さん!」

サト「ちょっと どうしたの?」

愛「大変なんです!」

サト「あんた ちょっと辞めたんじゃなかったの?」

客室

純「世捨人さん! 開けて下さい。」

愛「純さん どいて!」

扉に体当たりして外す

天野「(せき込む)」

純「大丈夫ですか? 世捨人さん大丈夫ですか?」

サト「救急車呼ぼうか?」

純「お願いします!」

天野「大丈夫だ!」

純「どうしてこんなことするんですか 世捨人さん? 一体なにがあったんですか? わけを教えてください 世捨人さん。」

天野「天野や。」

純「え?」

天野「俺の名前や 天野巌!」

純「天野さん どうして死のうなんて思うんですか?」

天野「決まってるやろ 生きる希望がないからや!」

純「どうしてですか?」

天野「ほんなん お前らに言う必要ない!」

純「分かりました。 じゃあ ウチの旦那に教えてもらいます。」

天野「何を言うてんねん!」

愛「あ はい。」

純「愛君。 お願い。」

愛「はい。 俺は小さい頃から貧しかったから バイトをしながら 必死で勉強して 奨学金をもらって大学を出て 一流企業に就職した 高校の頃から 憧れてた同級生とやっとの思いで結婚して 可愛い娘も出来た。」

愛「だが… 俺の人生はそこまでだった 会社では 信頼してた上司にミスを押し付けられて家庭では 無二の親友だと思ってた男に妻を奪われた 俺は激情して親友や上司に暴力を振るった。 それで刑務所に入った。」

愛「出てきてから 俺は酒に溺れた 何度も死のうと思った。 だが 娘が結婚すると聞いて 立ち直ろうと決心した 仕事も探した しかし 俺みたいなヤツを雇ってくれるところは どこにもなかった。」

天野「はあ はあ…。」

愛「俺は自分に負けて また酒に手を出した。 そんな俺を見て娘は言った。 もう二度と あなたと会うことはないって… だから 俺は生きていても仕方ないんだ。」

サト「ちょっと 当たってるの? 一体どういうこと?」

純「ウチの旦那 人の本性みたいなものが見えるんです。」

愛「あの 違うんです。 今日はこれがあったので…。」

純「死ぬなんて やっぱりダメですよ。」

天野「なんでや!」

純「それは… 女将さん! なんか言ってあげてくださいよ。」

サト「ああ うん。 ドラマチックな人生だねえ。」

純「それだけですか?」

サト「ダメ? 感想正直に言っただけだけど。」

純「もっと こう 励ますとか 慰めるとか そういう言葉をかけてくださいよ。」

サト「でも 私 そういうキャラじゃないから!」

なんじゃそりゃ?

純「お話し聞くと 天野さんって とても頑張り屋じゃないですか ここに閉じこもってたのって もう一度お酒やめて なんとか 娘さんに 会おうとしてたからなんじゃないんですか 本当は? だったら 私 応援しますから。 諦めないで 頑張れば きっと いいことありますよ ね?」

天野「お前みたいな人間が いっちゃん腹立つ。」

純「え?」

天野「頑張ったら ええことあるとか ウソくさい言葉を並べて そんなんは愛されて ヌクヌクと育った人間の戯言や!」

純「私は ただ 天野さんのために…」

天野「人の為と書いて なんて読むか知ってるか?」

純「じんい?」

愛「偽りです。」

天野「お前みたいな ウソくさい人間は 見てるだけで不愉快や! 出ていけ! お前も出ていけ!」

純「ちょっと。」

天野「出ていけ はよ!」

純「待って下さい。」

天野「出ていけ。 もう ここから 一歩も出ず 一生誰とも会わへんのや!」

食堂

蘭「大丈夫ですか 女将さん。 警察とか呼ばなくて?」

サト「ああ。 うん ごめん 心配かけて。」

蘭「そんなんじゃないんです。 また この子になにかあったら 大変だから。」

サト「あの子住み込みで働いているからさ。」

純「あの… 私もこれで 失礼します。」

サト「ああ。」

純「お世話になりました。 行こう愛君。」

愛「天野さん どうするんですか?」

純「いや そんなこと言われても?」

愛「逃げないでください!」

純「だって… 偽りって言われちゃったんだよ 私?」

サト「ああ ごめん 邪魔だよね。」

純「私のやってることは ウソくさいって言われたんだよ 天野さんに。 それにね 私は もうここを辞めた人間なの。」

サト「これだったら 破っていいけど?」

愛「お願いします。」

純「やめてください。」

サト「え? え どっち?」

愛「女将さんは いいんですか このままで?」

サト「え? 私は 宿泊費も貰ってるから出ていけとは言えないし。」

純「ほら。 女将さんも こういうふうに言ってるし。」

愛「なんで簡単に諦めるんですか 助けたい人がいるのに。」

純「だって また私がなんかやったら 多分 後悔するし また…。」

愛「何もしない方が 絶対後悔します。」

純「だから 無理だよ 私に あの人を救うのは無理。」

愛「待田純の辞書に 無理って言葉は ありません。 どうして ダメだ助けられないじゃなくて よし 助けてあげようって思ってくれないんですか? いつだって 無理だって言わない人が歴史を変えてきたんです。 マザーテレサは こういっています。『愛の反対は憎しみではなく 無関心』だって。」

純「なんで そんなに 今日はムキになってるわけ 愛君?」

愛「水野君に負けないように 名言集とか 色々読み漁ったのと それと。」

純「それと?」

愛「それと 純さんと出会ってなかったら 僕も天野さんと同じように生きる希望を持つことが出来なかったからです。」

愛「純さんと出会わなかったら 僕も 天野さんみたいに なってたかもしれないからです。」

サト「あの… 邪魔して悪いけど これは破っていいのかな?」

純「お願いします。」

サト「おっけー。」

客室

純「(ノック)天野さん ちょっと いいですか? 私 やっぱり諦めないことにしました ウソくさいとか 偽りとか言われても構いません。 私 やっぱり 間違ってると思います。 そこに閉じこもって 誰とも会わないなんて 私は 天野さんに そこから 出てきてもらって それから… 生きる希望を持ってほしいんです。」

天野「分かった。」

純「本当ですか?」

天野「ほんまや 教えてくれ。 生きる希望っちゅうやつを。」

純「え?」

天野「それが 湧いてきたら 出てきたるわ。」

純「分かりました。 教えてあげます。 生きる希望ってやつを。」

おじぃ こうなったら 受けて立ってやろうじゃない。

モバイルバージョンを終了