あらすじ
反対を押し切って自分のブランドを始めた手前、糸子(夏木マリ)は宣伝に娘たちの力を借りることを嫌がるが、守(藤間宇宙)に説得される。いよいよ発表の日が近づき、必死で準備をする糸子たちを里香(小島藤子)も手伝う。膝を痛めている糸子を心配する里香だが、糸子は、自分はただ夢中なのだと笑う。聡子(安田美沙子)もロンドンから帰国し、有名デザイナー三姉妹と糸子は、そろってテレビのワイドショーに出演することに。
138回ネタバレ
小原家
オハラ洋装店
高山「娘さん達には 何が何でも 宣伝協力して頂きます。」
糸子「ほんでも うちは よう 頭下げんで。」
高山「は?」
糸子「死んでも うちの口からは 頼まへんよってな。 頼むんやったら あんた 頼んでや。」
高山「分かりました! じゃあ 僕の方から 電話しておきます。 先生の代理って事で。 失礼しま~す。」
<はあ~ ほんな 不細工な>
リビング
(テレビの音声)
回想
糸子「敵に塩送るようなまねした あかんで。」
優子「敵?」
糸子「あんたらみたいな商売敵から ほんな情け 受けたない。」
回想終了
<あんなけ格好つけといて 今更 宣伝に引っ張り出すんけ あんたも 欲かいちゃあ 損してたけどなあ。 うちも 格好つけちゃあ 恥かいてるわ>
高山「あっさりOKでしたよ!」
糸子「ほんまけ?」
譲「はあ~!」
栄之助「そら 心強いですわ なあ。」
高山「優子さんも直子さんも そうくるだろうなと 思ってましたって。 あと 聡子さんには 優子さんの方から 連絡取って下さるそうです。」
糸子「聡子まで ロンドンから帰すんかいな?」
高山「ええ もちろんです。」
譲「ハハハ! そら 絶対 見のものですわ。 だって 3人 そろてるとこなんぞ 見た事ないですもん。」
孝枝「そら ふだんは 仲悪いよって。 な!」
栄之助「こら 見ものやなあ! 仲悪いんですか?」
孝枝「えげつないで!」
高山「パンフレットを 6月20日までに。 案内状を 27日までに。 関係各社 マスコミなどに配ります。 7月20日の発表展示会で このブランドの魅力を 最大限にアピールして バイヤーからの注文を 少しでも多く 受注します。 注文数が決まったら 早速 生地を仕入れて 工場での生産を手配を 行っていきます。」
糸子「これ ええやろ!」
栄之助「あ~!」
糸子「ここがな こないなってんのが ポイントや。」
譲「こら ええわ!」
栄之助「よう でけてるわ!」
糸子「柄も うまい事いった。」
栄之助「ほんまに ようでけてますわ。」
譲「ここが またええで。」
糸子「これもな 仲に何か はいたらええ。」
(一同の感嘆の声)
孝枝「やっぱり こっちの方が しゃれてるん ちゃいます?」
糸子「まあなあ ここの感じは 確かに こっちがええけど あんた どない思う? 声 ちっちゃいねん。」
浩二「これが先生の…。」
リビング
オハラ洋装店
糸子「どこの素人や! 冗談ちゃうで こん縫製! 見てみ これ! あんた こんなん よう受け取って 帰って来んな? 縫製屋 替え! こんな 根性入らん 仕事するとこはな 何べん言うたかて 一緒や!」
(ミシンの音)
浩二「先生…。」
孝枝「大丈夫ですか? 膝。」
糸子「ちょっとだけや。 かめへん。 このごろの子ぉらには おちおち 仕事 任せられへんやさかい。」
里香「おばあちゃん 御飯 出来たけど。」
糸子「うん。 いてて!」
里香「おばあちゃん! おばあちゃん!」
(うめき声)
里香「大丈夫?」
糸子「大丈夫。 いててて! ああ~! あ~!」
里香「おばあちゃん。」
糸子「ん?」
里香「やめて。」
糸子「何をや?」
里香「見たくない。 おばあちゃんが 苦しんでるところ。」
糸子「フフフ! あ~! ほうか。 あんたには うちが 苦しんでるよう見えるんけ? そら 誤解や。 うちはな 苦しんでなんかない。 夢中なだけや。 人間 ほんまに夢中な時は 苦しそうな顔に なるもんなんや。 運動の選手とかかて 見てみ。 みんな 試合中は 苦しそうやろ? おおきに。 え~ おおきに。 心配 要らんで。 泣きな 泣きな。」
玄関前
(せみの鳴き声)
ミッキー「は~い こんにちは!」
篠山「どうも。」
(英語で)
篠山「は?」
ミッキー「お店 何?」
篠山「あ 店? 金券屋。 切符 切符…。 あ チケット。」
ミッキー「おう! チケット ショップ!」
篠山「イエス。」
ミッキー「アイ シー サンキュー!」
聡子「ミッキー!」
(英語で)
聡子「はよ 来いて お母ちゃん 待ってんやさかい。 こんにちは~! お母ちゃんが お世話んなってます! ほな。」
篠山「あ ちょっと バッグ。」
オハラ洋装店
聡子「お母ちゃん ミッキー!」
糸子「ミッキー!」
ミッキー「おかあちゃん!」
糸子「久しぶりやなあ!」
<ブランド発表会が いよいよ3日後に迫って 聡子が ほんまに ロンドンから帰って来てくれました>
高山「あさってには いよいよ 目玉の ワイドショーの出演があります。」
聡子「はあ ワイドショー?」
高山「はい。 優子さん 直子さん 聡子さんに 糸子先生を『うちのお母ちゃんです!』と ご紹介して頂くという形です。」
聡子「ワイドショーやて お母ちゃん!」
糸子「大きな声で言いな 緊張するやろ!」
聡子「へえ~ すごいな 大々的やな!」
高山「もちろんですよ!」
<人生 何が起こるや 分かりません>
寝室
<お父ちゃん お母ちゃん 勝さん おばあちゃん。 うち… ワイドショー 出てきます。>
テレビ局
3人「先生 おはようございます!」
糸子「おはようさん!」
聡子「どうも 初めまして! 聡子です。」
3人「初めまして!」
聡子「ミッキー。」
ミッキー「ミッキーです。」
糸子「優子と直子は?」
高山「もう入られてます。 今…。」
糸子「ええ ええ! 呼ばんでええ。 どんな顔して会うたらええか 分からんよって。 うち ちょっと その辺 散歩しとくわ。 時間なった 呼んで。」
3人「いやいやいや!」
糸子「何や?」
譲「先生 ウロウロされたら 困りますよ。 控え室 おって下さい。」
糸子「ほな その控え室 どこ?」
譲「控え?」
栄之助「あ~!」
糸子「何や?」
栄之助「明菜や。」
高山「ほんまや!」
糸子「紛らわしいな!」
ミッキー「聡子 ウエイト 聡子 ウエイト ウエイト! パーフェクト!」
(英語で)
聡子「サンキュー! 行ってきます!」
ミッキー「行ってらっしゃい!」
(拍手)
司会者「…と まあ このように 優子さん 直子さん 聡子さんの3人ともが ファッション界の第一線を走り続けて 来られてきた訳ですね。 本当に すごい事ですよねえ。 大阪・岸和田に生まれた 3人姉妹が 3人そろって 世界で活躍する ファッションデザイナーになる。 一体なぜ そんな奇跡のような事が 起きたんでしょうか? その謎を解き明かす方に 今日は お越し頂いております。 それでは 3人のお嬢さんから ご紹介をお願い致します。」
優子「はい。 え~ 実は 小原家には 優子 直子 聡子のほかに もう一人の オハラがいるんです。」
直子「人生の師であり 仕事の大先輩。 母親というより 父親という感じの人。」
聡子「ほんまに怖い 子供の頃から とにかく怖い。 けど 大好きです。」
3人「せ~の! お母ちゃ~ん!」
糸子「は~い!」
(拍手)
司会者「小原3姉妹のお母様 小原糸子さんでいらっしゃいます。」
糸子「小原糸子でございます。 よろしゅうお願い致します。」
(拍手)
司会者「もう一度 大きな拍手を お願い致します!」