ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カーネーション」第149回「あなたの愛は生きています」【最終週】

あらすじ

糸子(夏木マリ)は自宅で倒れ、緊急入院する。孝枝(竹内都子)からの連絡を受け、優子(新山千春)と直子(川崎亜沙美)が駆けつけ、聡子(安田美沙子)もロンドンから戻ってくる。三姉妹は病室の糸子のそばで一晩を過ごすが、翌朝目覚めた糸子の容態が小康を得たことに安心し、慌ただしくそれぞれの仕事に戻る。感謝の思いで見送る糸子。従業員や病院スタッフへの思いもかみしめ、自分を幸せだと思うのだった。

149ネタバレ

病院

廊下

「小原さん!」

「聞こえますか?」

「大丈夫ですか?」

「小原さん!」

「分かりますか?!」

「小原さ~ん。」

「大丈夫ですか~?!」

「小原さ~ん!」

<…ん?>

「小原さ~ん!」

「小原さん!」

手術室

「小原さ~ん! 小原さ~ん!」

<何や? どないしたんやったかな うち?」

小原家

リビング

フミ子「うちも女の子やったら おひなさま買えたんですけどねえ。」

孝枝「ああ フミちゃんとこ 男の子ばっかしやもんなあ。」

フミ子「そうなんです~。 まあ 男は男で ええんですけど こうゆう楽しみは ありませんわ。」

孝枝「浩ちゃんとこなんか おひなさま 飾るの?」

浩二「昔は 飾ってましたけど 娘が 大きなってからは もう飾りませんねえ…。」

糸子「まあ 7段出そ思たら 大変やけどな おひなさまと お内裏様だけでも ええんやで。 飾っちゃり なるべく こないして。 桃と 菜の花とな…。 ああ~ ええなあ~ 春は。」

孝枝「うちも 大好きや。」

糸子「もうすぐ 桜 咲くしな。 何べん来ても うれしいもんやでな 春ちゅうたら。」

(ラジオ)

(笑い声)

(フミ子の笑い声)

篠山「あっ あかん! あ~! 春は あかな~! この春の日ざしちゅうんが くせ者や! ああ~!」

糸子「孝ちゃん コデマリの枝 買うてきといてくれたか?」

孝枝「はい ダイニングにおあります。」

糸子「ほな これに足しとこか。」

孝枝「大丈夫ですか?」

糸子「うん。」

孝枝「いや うち 取ってきますわ。」

糸子「かめへん フフッ…。」

(ラジオ)

孝枝『あんた そない眠たいんやったら 表 一っ走り してきたら?』

篠山『もう大丈夫。 大丈夫!』

孝枝『全然 大丈夫 ちゃうやん。 あんた フラフラやんか。』

糸子「はあ… はあ… はあ…。」

<…せやった>

病院

手術室

「小原さ~ん 小原さ~ん!」

<こら えらい事になってんやなあ」

優子のオフィス

優子「いつ?」

病院

休憩室

孝枝「1時間ほどまえです。 すぐに 救急車 呼んで 今 岸和田中央病院です。」

空港

直子「お医者さんは 何ちゅうてん?!」

病院

休憩室

篠山「ま とりあえず まだ 何とも言えんそうです。」

直子『『何とも言えん』て 何や?!』

篠山「せやから 意識も まだ回復してないし…。」

聡子のアトリエ

『日本に飛ぶ次の便の チケットが どうしてもいるんだ できる限り早く 緊急なんだ いや それじゃ だめなんだ』

病院

病室

(笑い声)

優子「あ! ちょっと 聡子や。 ハハッ!」

直子「ちょっと あんた まだ 入ってきた あかんで!」

聡子「は?」

優子「あんたも はよ 化粧 落としてき。」

直子「せやないと 入れちゃらへん。」

聡子「はあ?」

直子「いや~ 姉ちゃんのすっぴん 久々に見たら ほんま ごっつい事 なっててな。」

優子「あんたかて これ 人の事 言われへんやろ。」

直子「ちょっと見といで。 見といで!」

聡子「何…?」

(2人の笑い声)

優子「鼻… ブタ鼻 なってる。」

直子「鼻… アハハハハハ!」

優子「フガッ!」

直子「アハハハハハ!」

直子「もう 真ん中 寝にくいわ。」

優子「聡子。」

聡子「ん?」

優子「何時に 日本 着いたん?」

聡子「7時半。」

優子「ふ~ん。 関空?」

聡子「うん。 お姉ちゃんらは?」

優子「うちは 朝イチの新幹線や。 昨日中に来たかったんやけど どないしても 都合がつかんでな。」

直子「また あんなん言うてんで。」

優子「何や しゃあないやんか。 あんたかて 昨日中に来たはええけど 夜 ぐうぐう寝てたらしいやん。 孝枝さん びっくりしてたで。『うちの親でもないのに うちのが よう寝んかった』て。」

直子「ほんでも うちが一番に来たんは 間違いないよってな。 お母ちゃんが起きたら これだけは言わしてもらうで。」

優子「よう寝といてか?」

直子「チッ! う~ん。」

聡子「どうなん… お母ちゃん?」

優子「うん?」

聡子「今 どうゆう状態なん?」

直子「今夜が 山やて。」

(泣き声)

(3人の泣き声)

翌朝

(小鳥の鳴き声)

優子「ちょっと! お母ちゃん? お母ちゃん!」

糸子「うう う~ん。」

優子「ちょっと… えっ お母ちゃん!」

直子「どないしたん?!」

優子「お母ちゃんが…。」

聡子「お母ちゃん?」

優子「やった 起きた!」

直子「お母ちゃん 起きた! お母ちゃん!」

糸子「ちょっと… うるさい あんたら。」

優子「よかった お母ちゃん!」

糸子「あ 痛い痛い痛い…。 うるさい。」

優子「あ~ よかった お母ちゃん!」

直子「えらいこっちゃ 2日分の予定 全部 放り出してきてしもた。」

優子「あ せや。 今日の夜のレセプション あれ 断ったけど やっぱし 行けんな。」

直子「レセプション?」

優子「うん。」

直子「どこのん?」

優子「ミューズのな 青山店。」

直子「ああ 大した事ないで あれ。」

優子「ほんまか?」

直子「聡子 聡子?!」

聡子「はあ?」

直子「あんたも はよ チケット取っとかな 今日中に ロンドン 帰られへんで。」

聡子「もう さっき ミッキーに頼んだ…。 あ~ 時差ボケや…。」

優子「なあ あんた 次 いつ帰ってくるん?」

聡子「まだ決めてへん 忙しいねん。」

直子「あ 聡子。 来月な うち パリ 行くから その帰り 寄るわ。」

聡子「ああ 待ってるわ。 忙しいから 会えへんかもしれんけど。」

優子「うちも 来月 ニューヨークや。」

聡子「ニューヨーク 行くん? 忙しいなあ。」

優子「ほな お母ちゃん うちら ひとまず 帰るけど 孝枝さん 来たら よろしゅう言うといて。」

糸子「うん。」

直子「また都合つけて すぐ来るよって 先生の言う事 よう聞きや。」

聡子「はよ元気になってな お母ちゃん!」

糸子「心配かけたな。 気ぃ付けて。 おおきにな。」

優子「ほなな!」

糸子「うん…。」

直子「ほな!」

聡子「ほなな お母ちゃん!」

優子「無理した あかんで。」

直子「ほなな。」

聡子「ほなな。」

<おおきに 優子 おおきにな

エントランス

直子「ちょっと 姉ちゃん 駅まで 行くやろ?」

優子「うん。」

直子「うちも一緒に乗っけて。」

優子「ああ ええよ。」

<直子 おおきにな>

休憩所

聡子『ミッキー チケットはとれた?』

<聡子 おおきにな>

小原家

オハラ洋装店

フミ子「どうも。 はい お疲れさまでした。」

「先生 お加減は?」

<フミちゃん 浩ちゃん>

篠山「こないだ お話しした カタログの件なんですが…。」

<まこちゃん>

病院

廊下

孝枝「おかげさんで ほんまに よかったです。」

相川「よかった。」

孝枝「ありがとうございました!」

龍村「いや~ ほんま ご本人の精神力ですから。」

<おおきに おおきに… うちは 果報者です>

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