ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カーネーション」第150回「あなたの愛は生きています」【最終週】

あらすじ

入院して数日後。糸子(夏木マリ)の病室は見舞い客が多く、花であふれる。糸子はオシャレをして客を出迎え、楽しく過ごしている。譲(川岡大次郎)や栄之助(茂山逸平)もやってきて、糸子が美しくなったとひやかす。譲らを見送って病室に戻った里香(小島藤子)は、ある予感に思わず泣きだす。3月26日、イギリスは母の日だった。ロンドンの聡子(安田美沙子)に、優子(新山千春)と直子(川崎亜沙美)から悲しい連絡が入る。

150ネタバレ

病院

病室

(ノック)

糸子「は~い!」

相川「まっ!」

糸子「あ!」

相川「先生!」

糸子「うわ 孝ちゃんかと思た。」

相川「お化粧は あかんちゅうたでしょう! 顔色が 分からへんやないですか!」

糸子「いや ちょっ その 今日は 見舞い客があるよってな。 病人みたいな顔 見せる訳には いけへんやないか。」

相川「先生は 病人なんです。 病人らしい顔しといて下さい。」

糸子「いや 堪忍。 ほんま堪忍 今日だけ。」

栄之助「ほんまに お花畑ですね。」

糸子「あんたら 何 食べる?」

譲 栄之助「え?」

糸子「ケーキ!」

栄之助「ああ これですか?」

糸子「おかき せんべい。」

栄之助「ああ~。」

糸子「チョコレート。 何でもあんで。」

譲「せやけど 何や先生。 ちょっと 若返りはった事ないですか?」

糸子「はれ。 珍しい事 言うてくれるやないか。」

栄之助「僕も さっき そない思いまして。 パッと 先生の顔 見た時に。」

里香「へ~!」

栄之助「好きな人でも できはったん ちゃいますか?」

糸子「フフフ…。」

譲「ああ そっか…。 そうでしょ 先生。」

糸子「ハハハ!」

里香「えっ まじで? そうなの? おばあちゃん!」

糸子「ハハハ!」

栄之助「そうなんや! ハハハ!」

里香「え~!」

糸子「ほうか そない見えるか。 ハハハ!」

<確かに 恋をした時と よう似てる。 あの朝 目ぇが覚めてから>

(小鳥の鳴き声)

<世の中が えらい 何でもかんでも きれえに 見えるようになってしもた>

(ノック)

糸子「はい。」

里香「見送ってきたよ。」

糸子「ほうか。 おおきになあ。 うん?」

里香「そんな… しみじみ言わないでよ。」

糸子「おっかしか?」

里香「おかしいよ。 見送ってきただけなのに。」

糸子「あんた…。 きれえやなあ。 どないした?」

聡子のアトリエ

(英語で)

聡子『ミッキー どこいってたの? この忙しいのに』

ミッキー『ごめん お花買いにいってたの 今日は母の日だから』

『そんなの あとにしてよ 今 忙しいのに』

ミッキー『だって 早く買わないと 売りきれちゃったら困るじゃん』

(携帯の着信)

ミッキー『ママになんてゆうのよ』

聡子「ハロー!」

優子『聡子…。』

聡子「優子姉ちゃん? どないしたん?」

(鐘の音)

聡子「もしもし?」

優子『あんな 聡子…。 お母ちゃんがな。』

聡子「嘘や。」

優子『亡くなったよ。』

聡子「嘘や!」

(泣き声)

(泣き声)

病院

(泣き声)

小原家

オハラ洋装店

枝「あ…! まだ見てはらへんのと ちゃいます?」

2階

(感嘆の声)

孝枝「ええでしょう?」

直子「はあ~!」

優子「うわ~! また 立派なバーカウンター!」

直子「ああ。」

優子「お酒もグラスも びっしり。 はあ『なんぼでも飲んでや』ちゅう事やな。」

直子「好きなだけ飲んで 好きなだけ だんじり見てや。」

優子「せやな。 どないしたん?」

直子「これ。 ここに写真飾ってな ちゅう事やで。『ほんで ここに 花 置いてや』。」

優子「そうや。 はあ~。 ほんま かなわんなあ。」

直子「ほんまなあ。」

優子「やっぱし うちらの 何枚も うわてや。 あの人。」

リビング

(泣き声)

聡子「お母ちゃん! ただいま!」

(泣き声)

聡子「イギリスはな…。 母の日やったんやで 昨日。 ごめんな お母ちゃん。 娘のくせに 見送る事もでけんで ごめんな!」

(泣き声)

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