ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カーネーション」第37回「移りゆく日」【第7週】

あらすじ

奈津(栗山千明)の父が亡くなり、吉田屋は若おかみの奈津が支えることに。強がりの奈津に、糸子(尾野真千子)は、いらだちさえ覚える。一方、勝(駿河太郎)が予想したとおり、糸子が作るドレスは踊り子の間で評判になり、紳士服ロイヤルは大繁盛。糸子は自宅でもミシンを踏む日々。だが店主(団時朗)はドレスを見下していて、糸子はおもしろくない。そんなある日、迷子の長男を探す泰蔵(須賀貴匡)が、奈津の前に現れる。

37ネタバレ

吉田家

寝室

<奈津のおっちゃんが 亡くなりました>

小原家

子供部屋

ハル「糸子? 糸子?!」

糸子「ん?」

ハル「ほら あんたもな はよ着替え。」

糸子「うちは 行けへん。」

ハル「何でや? あんたの同級生の お父ちゃんやろ?!」

糸子「うちは 行けへん方が ええんやて。 奈津には その方が ええねん…。」

ハル「何を 訳の分からん事を 言うてんねん。 ほれ! はよ着替え!」

(せみの鳴き声)

吉田家

玄関

玉枝「あ 小原さん。」

善作「ああ ご苦労さん。」

玉枝「どうも。」

糸子「なあ。」

勘助「え?」

糸子「うち 入ってええと思う?」

勘助「何が?」

糸子「奈津 嫌がんの ちゃうやろか?」

勘助「何で?」

糸子「あんた 言うちゃったやんか。『奈津は うちに 弱いとこ 見られるの 嫌がる』ちゅうて。」

勘助「ああ せやけど まあ しゃあないで こればっかしは。」

糸子「奈津 泣いちゃあった?」

勘助「いや 泣いては なかったけどな。」

糸子「ああ どなしよう。 うち 逃げちゃろかの。」

善作「おい 糸子! 何してる?!」

糸子「な お父ちゃんに 適当に 言うといて。」

勘助「いやいやいや! 俺が おっちゃんに 怒られるやんけ!」

糸子「堪忍して!」

勘助「こっちが堪忍や!」

糸子「堪忍!」

勘助「糸やん!」

仏間

(読経と木魚の音)

<ごめんな 奈津 来てしもて お顔 拝んだら とっとと 帰るよってな>

紳士服・ロイヤル

店内

<ところで あれから 店は えらい事になってました。 川本さんが言うたとおりです。 サエのドレスを見た 他の踊り子さん達が 一斉に 注文に やって来たんです>

試着室「ほな 頼むよって。 しつこいようやけど なるべく はよしてな。」

<踊り子さんらは みんな とにかく 一日もはよ ドレスで踊りたいらしい>

店主「ええか 1着 3日で こさええ。」

糸子「3日?! そら むちゃです!」

店主「あない 客がみんな 急いでんや。」

糸子「けど あんまし慌てても 仕事が 雑になります。」

店主「かめへんわい! どうせ ダンスホールで 踊り子が着るようなもんや。 さっさと作って とっとと 売ったった方が ええんじゃ。 そらな 背広は きちんと こさえな ならんど? 洋服屋は ええ背広 こさえて なんぼやさかいな。 けど ドレスみたいなもん 女 子供が 遊びで着る服や。 ちゃったと やれ。 めりはり つけえ!」

「大将 ちょっと。」

店主「うん?」

<大将は ドレスを ばかにしてます。 服の中で 背広が 一番偉いと思てる>

店主「ああ…。」

<けど お客がみんな はよ 欲しがってんのも確かです。 どないか それに 応えちゃられへんもんか…>

<そこで…>

糸子「これ ちょっと 持っとって下さい。 ちょっと じっとしといて下さいね。」

<お客さんの体に 直接 布を当てて 裁断する事にしてみました。 こないしたら 型紙を作るちゅう 手間が 一個 省けて その分 はよ仕上げる事が できるんやけど…>

糸子「いきますよ。 はい!」

「いや~! ごっつ ええわ! おおきに!」

糸子「大丈夫や。」

「うわ~!」

<よし この方法は いけんで!>

店内

「おおきにな!」

店主「また どうぞ。」

糸子「毎度 おおきに。」

店主「その調子や。」

糸子「はい。」

<大将は うちが言われたとおり ちゃんと 手ぇ抜いてると思て 上機嫌でした。 手間は 省いたけど 手ぇは 抜いてへんよってな!>

作業場

糸子「すんません。 ミシン 使わせてもうて ええですか?」

「見て分からんのか? 使てるやろ!」

糸子「いや けど 今 それ やってるやないですか?」

「また すぐ使うんじゃ!」

勝「こお 使い。」

糸子「はあ 助かります!」

「こら 川本!」

勝「はい!」

「お前は さっさと 自分の仕事 仕上げんかい!」

勝「はい。」

「女が オモチャ 作んのに 譲っとる場合け!」

糸子「オモチャ…?!」

<オモチャ?! ドレスの事を オモチャて言いました?!>

店内

糸子「大将 すんません。 やっぱし うちのミシンで 縫うてきます! ほな!」

小原家

小原呉服店

糸子「も~う 腹立つな もう!」

ハル「糸子? 糸子!」

糸子「何?!」

ハル「あんた スイカ 食べるか?」

糸子「食べる!」

駒子「こんにちは~。」

糸子「駒ちゃん?!」

駒子「糸ちゃん!」

糸子「いや~! 久しぶりやなあ! 元気にしちゃあった?!」

駒子「うん 糸ちゃんこそ!」

糸子「いや はは~! 元気やったあ!」

駒子「よかった 繁盛してんなあ!」

糸子「してる してる!」

(笑い声)

駒子「そうかあ。 ほな そのドレス作りは いつごろ 終わりそうなん?」

糸子「う~ん 全員の分が終わるんは そやなあ… あと2か月。」

駒子「ほな それまで待つわ。 やっぱり 糸ちゃんに縫うてほしいよって。」

糸子「ごめんやで。 けど はよ出来るように するさかい。」

駒子「そうゆうたら あれから 若女将に会うた?」

糸子「奈津か? 会うてない。 どないしてる?」

駒子「いや 若女将は どうっちゅう事 ないけど やっぱり 女将の方が かなり がっくり きてるわ。」

糸子「そうか… 結婚 どないなったんやろ?」

駒子「入籍だけ するんやて。」

糸子「そうか。」

駒子「喪中やさかい 式が挙げられへんやろ。」

糸子「延期したら ええのにな。」

駒子「いや そやけど 大将 いてへんようなったし 女将が そんな調子やし 若女将も とにかく はよ 店に 男手が欲しいちゅうんも あんちゃうか。」

糸子「ほうか…。」

駒子「いや せやけど 案外 元気やで 若女将。」

糸子「え?」

駒子「会いに行ってみい。 ケロっとしてるさかい。 相変わらず ツンツンしてるし ズケズケ物言うし あれは 心配いらんわ。」

糸子「元気…? 元気な…。」

<元気? 奈津のアホ。 何 強がってんよ>

吉田家

書斎

奈津「はあ お母ちゃん?! 何 寝てんのん?『木野旅館に 京都の西岡さん だんじり 見に来てるよって 挨拶 行っとくこ』て 言うたやろ?」

志津「ああ…。 あんた一人で 行っといて。」
(ため息)

<何を一人で 我慢してんよ>

<泣かな あかん。 こらえた あかん。 うちが 泣かしちゃる。 けんかでも 何でも 吹っかけて 泣かしちゃるよって>

小原家

玄関前

「ソーリャ ソーリャ ソーリャ ソーリャ ソーリャ!」

八重子「ちょっと すんません! ごめんなさい すんません! 太郎! 太郎…!」

糸子「八重子さん? どないしたん?!」

八重子「糸ちゃん。 太郎 見れへんかった?」

糸子「太郎?」

八重子「いてへんねん! どこ 行ったんやろ?」

糸子「ええ?!」

八重子「太郎!」

糸子「太郎~? 太郎?! あっ おっちゃん 太郎 知らんけ?!」

奥中「太郎?」

糸子「うん。」

奥中「どないしたん? おれへんよう なったんけ?!」

糸子「うん!」

奥中「そら あかん…。 太郎!」

糸子「太郎!」

奥中「太郎~!」

糸子「太郎~!」

河原

(ひぐらしの鳴き声)

奈津「こら。 そっち行った あかん! はい。 あれ? あんた どこの子やったっけ? まあ ええわ。 おいで。」

泰蔵「太郎! おおきに。 お前 何してん! 大変やったな…。 おやっさん。」

奈津「うちの事… 知っちゃあったん?」

泰蔵「吉田屋の 奈っちゃんやろ?」

奈津「ほな…。」

泰蔵「ほんま おおきにな。 よっしゃ 帰るで。」

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