ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第100話「1994-2001」【第21週】

あらすじ

衰退する一方の時代劇を救うため、英語の勉強を続けるひなた(川栄李奈)。時がたち、ついにノストラダムスが地球滅亡を予言した年が到来します。回転焼きにライバルが出現しても、上司の榊原(平埜生成)から時代劇界を揺るがすビッグニュースを聞いても、これが恐怖の大王なのかと疑うひなた。そんなある日、親友の一恵(三浦透子)が浮かない表情で「大月」を訪ねてきて…。

100話ネタバレ

俳優会館

廊下

ひなた「お疲れさまです。」

<Sadly, Japanese period dramas aren’t as popular as they once were(悲しいことに 時代劇は衰退していく一方です)>

大月家

回転焼き屋・大月

メアリー「Hi, Hinata!(あら!ひなたじゃない)」

ひなた「あっ! Hi, Mary!(メアリー)」

メアリー「It’s been a while. How are you doing?(ひさしぶりね 元気?)」

ひなた「I’m fine thank you, and you?(元気です そちらは?)」

メアリー「I’m fine thank you.(元気よ ありがとう)」

ひなた「Oh. It’s….(あ それ…)」

メアリー「Kaiten-yaki. I came here to buy some.(回転焼きよ 同僚においしいって聞いて来たの)My colleague told me they’ yummy.」

ひなた「I’m glad to hear that. The shop is my home.(それはありがとう うちの店です)」

メアリー「Really?(そうなの?)」

ひなた「Yes. I hope you’ll like them.(はい 気に入ってくれたら うれしいです)」

メアリー「I’m sure I will. See you around.(きっと気に入るわ じゃあまた)」

ひなた「Yes. It was nice seeing you again.(さよなら 会えてよかったです)」

メアリー「Hey, Hinata. Your English has improved a lot.(すごく英語が上達したわね)Keep it up!(その調子でがんばって!)」

ひなた「Thank you.」

<But I belibve.(そやけど わたしは信じてる Someday my English ability will bring Japanese period dramas back to life!(いつかわたしの英語力が 時代劇を沈滞から救い出すって!)>

ひなた「ただいま!」

るい「お帰り。」

居間

『私 木暮さんのことが好きです!』。

『えっ…』。

るい「ジョーさん。 まだ そないしてんの? はよせんと バス乗り遅れるで。」

錠一郎「うんうん うんうん…。 帰ってくる頃には 最終回かなあ。」

ひなた「お父ちゃん。」

錠一郎「うん?」

ひなた「パスポート持った?」

錠一郎「あれ… パスポート…。」

るい「お母ちゃんが2冊とも持ってます。」

錠一郎「あ… そうか。 ありがとう。」

ひなた「アメリカで迷子にならんといてや。」

錠一郎「それは大丈夫や。 るいがいるから。」

ひなた「その発想が心配や言うてるんやん。」

錠一郎「確かに。」

玄関

るい「そしたら ひなた。 悪いけど お留守番よろしくね。」

ひなた「うん。 会社休みの日は できるだけ店開けるわ。」

るい「ありがとう。」

ひなた「行ってらっしゃい。」

錠一郎「行ってきます。」

るい「行ってきます。」

ひなた「気ぃ付けてな。」

<Mom and dad have gone to America,(お父ちゃんとお母ちゃんは アメリカに旅立ちました)hoping to see grandma again(おばあちゃんに会えることを祈って)>

回転焼き屋・大月

ひなた「おはようございます。」

森岡「ああ ひなたちゃん。 おはようさん。」

ひなた「大丈夫?」

森岡「えっ?」

ひなた「そろそろ配達は しんどいんとちゃう?」

森岡「なんの。 注文してくれる ご家庭やお店がある限り 死んでも わしゃ 配達やめへんで。」

ひなた「行ってらっしゃい。」

森岡「ああ ありがとう。」

ラジオ・磯村『さて 皆さん。 春ですねえ。 しかし 私はね 今年の春は どうも心が躍りません。 何しろ 今年は あの大予言の年。 7の月に 空から恐怖の大王が 降ってくるというんですから まあ 怖い 怖い 怖い 恐ろしいですね』。

吉右衛門「ほら 小夜吉。」

ひなた「おはようございます。」

初美「あら ひなたちゃん。 おはようさん。」

吉右衛門「小夜吉。 おばちゃんに ご挨拶は?」

ひなた「おばちゃんて…。」

小夜吉「おはようございます。」

ひなた「おはよう 小夜吉っちゃん。」

初美「お利口さんやねえ。」

小夜吉「この度のこと 回転焼き屋さんに 災難なこっちゃけど どうか くじけずに お気張りやす。」

初美 吉右衛門「えっ?」

ひなた「災難?」

ラジイ・磯村『さあ 聴いてください。 『だんご3兄弟』』。

♬~(ラジオ)

小夜吉「♬『串にささって だんご だんご 3つならんで だんご だんご しょうゆぬられて だんご だんご だんご3兄弟 一番上は長男 長男 一番下は三男 三男』

♬『あいだにはさまれ次男 次男 だんご3兄弟』

小夜吉「一串に4つのおだんごでは 売れへんもんやさかい 1つ減らして3つ 3兄弟にする だんご屋さんもあるいうんやで。 世も末やなあ おじいちゃん。」

吉右衛門「小夜吉… 何で お前は そないに賢いんや。 ハハ… 行こうか。」

回想

テレビ『1999年7の月。 空から恐怖の大王が降ってくる』。

回想終了

ひなた「これか…? これが恐怖の大王なんか…?」

ラジオ♬『だんご3兄弟』

太秦映画村

「Excuse me.(すみません)」

ひなた「Yes.(はい)」

「Where’s the haunted house?(お化け屋敷はどこですか)」

ひなた「It’s just around that corner.(あの角を曲がったところです)」

「Thank you.(ありがとう)」

ひなた「My pleasure. Have a spooky time!(どういたしまして 気味悪がっていってくださいね)」

2人「We will.(そうします)」

榊原「いっつも ありがとう。 ホンマに助かるわ。」

ひなた「あっ いいえ。 けど なかなか増えませんねえ。 外国人のお客さん。 ツアーとか組めるぐらいになったら ええんですけど。」

榊原「実はな 大月さん。」

ひなた「うん?」

榊原「時代劇界に 久々のグッドニュースや。」

ひなた「えっ 何ですか? 当分は極秘の情報なんやけどな。 ハリウッドが来るんや。」

ひなた「へっ?」

榊原「ハリウッドのチームが 江戸時代の日本を 舞台にした映画を撮るんやて。」

ひなた「ええっ!」

榊原「条映も いろいろ協力することになった。 まずは 何人かのスタッフが 日本へ視察に来はるそうや。」

ひなた「視察?」

榊原「そや。 まあ ほとんど東京やろけど 京都にも 時代劇の撮影スタジオやら ロケ地やら 見に来はるらしいわ。」

ひなた「ほな…。」

榊原「もちろん 通訳さんは ついてはるけど もし映画村を案内するいうことになったら そん時は 大月さん…。」

ひなた「やります。」

榊原「ハハハッ そない言うと思た。」

ひなた「いつですか? その視察団が来んの。」

榊原「7月や。」

ひなた「えっ…。 7の月に… アメリカから視察団が…。」

回想

テレビ『1999年7の月。 空から恐怖の大王が降ってくる』。

回想終了

ひなた「これが恐怖の大王なんか…?」

榊原「大月さん。」

ひなた「はい!」

榊原「言うまでもあらへんけど これは条映にとって そして時代劇にとって またとないチャンスや。 絶対にミスしいひんよう 万全の準備で臨もう。」

ひなた「はい!」

大月家

回転焼き屋・大月

ひなた「いっちゃん?」

一恵「あ… よかった。 お帰り ひなちゃん。」

ひなた「ただいま。」

一恵「来たら閉まってるから どないしよ思てたん。」

ひなた「ああ ごめん ごめん。 どないしたん?」

ひなたの部屋

ひなた「はい。 残りもんで悪いけど あっためたから。」

一恵「ありがとう。」

ひなた「それで? 何かあった?」

一恵「ひなちゃん。 私 いつまで ほっとかれんのやろ。」

ひなた「えっ?」

一恵「榊原さんに。」

ひなた「あんまり会うてへんの?」

一恵「あんまりどころか 全然。」

ひなた「そうなんや…。」

一恵「大体 私ら ホンマに つきおうてんのやろか。」

ひなた「えっ?」

一恵「榊原さんが失恋しはって。私が お茶に誘て。 そしたら お礼や言うて映画に誘てくれて。 そのあと ごはん食べに行って『今度 嵐山行かへん?』言うて。 それから 誕生日とか クリスマスとか イベントごとは一緒に過ごして…。」

ひなた「いやいやいや それ 完全につきおうてるて。」

一恵「けど… 言葉にして言うてもろたことあらへん。」

ひなた「その手のことには 口下手なタイプちゃう?」

一恵「私 もう34え!」

ひなた「知ってます。 同い年やし。」

一恵「何なん? あいつ。 なあ ひなちゃん。 あいつ 何考えてんの? もしかして すみれさんのこと 忘れられへんわけ?」

ひなた「いや それはない思うけど。」

一恵「榊原さん 言うてはった。 すみれさんが結婚しはった時。」

回想

榊原「僕は満足なんや。 すみれさんが 機嫌よう笑てくれてはったら。 それが僕の すみれさんを思う気持ちや。」

回想終了

一恵「それ聞いて 私 思たん。 あほな人やなあって。 あほやけど すてきな人やなあって。 けど… きっと 私には そんなふうに思てくれてへん。」

ひなた「いっちゃん…。」

一恵「フフフ… ごめん。 ひなちゃんに ぶつけてしもて。」

俳優会館

廊下

榊原「よいしょ…。」

ひなた「榊原さん。」

榊原「うわっ!」

ひなた「ちょっと お話が。」

榊原「何?」

ひなた「いっちゃんのことで。 今晩 うちいりに行ってください。 いっちゃんにも 行くように言うてありますから。」

榊原「ごめん。 今夜中に この資料 作ってしまいたいさかい。」

ひなた「榊原さん! いっちゃんって 小さい時から しっかりもんなんです。 いっつも私の世話 焼いてくれて…。」

回想

ひなた「面目ねえ。」

一恵「ほら やろ。 手伝うてあげるさかい。」

ひなた「どないしよう… 間に合わへん…。」

一恵「ほら はよしい。 手伝ったげるさかい。」

ひなた「ありがとう…。」

回想終了

ひなた「初めてなんです。 いっちゃんが あないに不安そうな顔して 私を頼ってくるやなんて。 そやから…。」

そば処・うちいり

「お待たせしました。 いらっしゃいませ。 お好きな席に どうぞ。」

すみれ「あら 榊原じゃない。」

榊原「すみれさん!」

大月家

居間

ひなた「頂きます。」

テレビ・すみれ『え~ この度は…』。

ひなた「うん? すみれさん?」

すみれ『え~ 私 美咲すみれと 星川凛太朗さんは 離婚する運びとなりました』。

ひなた「ん~!?」

『離婚届の提出は いつでしょうか?』。

テレビ・すみれ『今朝 星川さんが出されたと…』。

そば処・うちいり

すみれ「破天荒のやつがさあ 全然 破天荒じゃなかったのよ。 あいつのドラマがね 『破天荒将軍』が 終わった時に 言われたわけ。 そろそろ『水無月ぼたん』のシリーズも やめてくれないか。 家事に専念してくれないかって。 『水無月ぼたん』のシリーズが 絶好調の時によ? どっからどう見たって ジェラシーじゃない?」

榊原「あっ はい。 そうですね。」

すみれ「ねっ 焼きみそ切れてるわよ。」

榊原「すんません。」

「はい。」

榊原「焼きみそ 1つ。」

「少々お待ちください。」

すみれ「あれ? あんた 全然飲んでないわね。」

榊原「あっ いや ちょっと 今は…。」

すみれ「榊原にしとけば よかったなあ…。」

榊原「えっ!?」

すみれ「ヘヘッ… あんただもんね 私を復活させてくれたの。」

榊原「いえ。 それは 監督さんらの力であって 僕は何も。」

すみれ「フフッ そういう謙虚なとこも 破天荒とは大違い! 美咲すみれ 一生の不覚。 あんたにしとけば よかった。」

榊原「いや… あの~…。」

大月家

居間

すみれ『この度は お騒がせして申し訳ありませんでした』。

ひなた「何か… 胸騒ぎがするのは なぜだろう…。」

すみれ『星川さんには 本当に感謝していますし…』。

そば処・うちいり

「焼きみそです。」

榊原「あっ すんません。 ありがとうございます。」

大月家

居間

ひなた「もしかして… もしかして… もしかして これが 恐怖の大王!?」

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