ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第101話「1994-2001」【第21週】

あらすじ

すみれ(安達祐実)の離婚を知り、ひなた(川栄李奈)が胸騒ぎを覚えているそのころ、蕎麦屋「うちいり」を訪れた一恵(三浦透子)は、酔ったすみれをやさしく介抱する榊原(平埜生成)の姿を目撃します。ショックを隠せず、涙ながらに「大月」へ駆け込む一恵。後を追ってやってきた榊原が必死に事の経緯を説明しても、一恵は耳を貸そうとせず…。

101話ネタバレ

大月家

居間

ひなた「ごちそうさまでした。」

テレビ・すみれ『ささいなことですね…』。

ひなた「何か 何か 何か 何か… 胸騒ぎがする。」

テレビ・すみれ『理不尽な物言いになってきて…。 もう… 亭主関白どころじゃないんですよ。 将軍ですね。 理不尽将軍です』。

玄関前

ひなた「うん いっちゃん!?」

一恵「ひなちゃん…。 う… ううっ…。(泣き声)」

居間

ひなた「多分 榊原さん 酔っ払った すみれさんに 巻き込まれただけやと思うえ。」

(すすり泣き)

一恵「そやったとしても… 見たなかった。 あんな優しい目で すみれさんのこと見てる榊原さん。」

ひなた「いや… 誰でも すみれさんの寝顔見たら そんな顔になるて。 黙ってる時のすみれさんは 天使なんやさかい。」

榊原『ごめんください!』

回転焼き屋・大月

ひなた「榊原さん…。」

榊原「もしかして 一恵ちゃん来てへん?」

ひなた「あっ… えと…。」

榊原「上がらせてもろてええかな?」

ひなた「はい。」

榊原「お邪魔します!」

居間

榊原「一恵ちゃん! やっぱり ここやったんや。 家に電話したら お母さんが出はって 帰ってへん言われたんや。 それで もしかしたら 大月さんとこかもと思て…。」

榊原「ごめんな。 すぐに追いかけられへんかって。 すみれさんは条映にとって 大事な女優さんや。 僕が急に立ち上がって けがさせたら えらいことやし そば屋に一人で ほったらかすわけには いかへんやろ? えっ痛…。」

すみれ「ばかねえ 榊原。 そういとこよ。」

榊原「えっ。」

すみれ「そうやって いっつも頭の片隅に仕事があるとこ。 一恵なんて 偉そうに お茶の指導なんかしてるけど 着物着てなきゃ そこらへんの若い女と な~んにも変わんないんだから。 たまには まっすぐ自分のこと見てほしいのよ。」

榊原「一恵ちゃん。 一恵ちゃんと会うた頃から 時代劇は衰退する一方で…。」

ひなた「いや そやから仕事の話は…。」

榊原「僕は万年係長から やっと名ばかりの課長になったけど その間に一恵ちゃんは… お茶の先生になってた。 そやから ずっと会われへんかった。 言われへんかった。 僕は毎朝 一恵ちゃんのお茶が飲みたい。 お茶室のお茶やなくて 台所で 急須でお茶をいれてほしい。」

一恵「フッ…。」

榊原「えっ…?」

一恵「フフフフ…。」

榊原「何か変なこと言うたかな?」

一恵「いや… 言うてることは おかしないけど…。 けど そんな大事なことを ひなちゃんち そんな姿で…。」

(笑い声)

ひなた「ホンマですよ 榊原さん。」

すみれ「真面目も行き過ぎると滑稽よ!」

(笑い声)

榊原「まあ ええわ。 一恵ちゃんが機嫌よう笑てくれたら それで。」

玄関前

すみれ「あ~あ ばかばかしい。 いい大人がする恋愛じゃないわね。」

ひなた「すみれさん。 もうちょっと飲みますか?」

すみれ「ううん。 ひなた。 聞いてるわよ。 ハリウッド映画の話。 これまでのキャリア 無駄にしたくない。 出演が決まるまで断酒するわ。」

ひなた「フフフッ…。 頑張ってください。」

すみれ「私を誰だと思ってるの? 美咲すみれよ。」

(笑い声)

居間

一恵「はい。」

榊原「ありがとう。 おいしい。」

一恵「よかった。 フフフッ。」

榊原「えっ 何?」

一恵「ううん。」

別日

♬~(テレビ)

ひなた「頂きます。」

テレビ『ランドセルは学校が始まってからに しなさいて言うてるやろ』。

るい『ただいま~。』

回転焼き屋・大月

ひなた「あ~! お帰り~!」

るい「ただいま。」

ひなた「思たより はよ着いたなあ。」

トミー「おう ひなたちゃん。」

ひなた「トミーさん。 お帰りなさい。」

るい「付き人さんの車で送ってくれはったんや。」

ひなた「ああ… 何から何まで すいません。 お世話になりました。」

トミー「いいや。」

ひなた「うん? あれ? お父ちゃんは? 今ちょうど 『やんちゃくれ』最終回やってる。」

るい「ピアノ弾きに 稽古場行ってるわ。」

ひなた「えっ?」

トミー「空港から直行や。」

ひなた「な… 何で?」

トミー「じっとしてられへんのやろ。 まあ そらそうや。 初めて本場のジャズ聴いたんやからなあ。」

居間

るい「トミーさんのステージで 1曲上がらせてもろて…。 あっ すいません。 『あかん あかん』 もっともっと練習しな」言うて。」

トミー「俺から見たら上出来やったけどな。」

るい「ありがとうございます。」

トミー「ジョーより すごかったんは サッチモちゃんやで。」

ひなた「えっ?」

るい「言わんといてください。」

トミー「フフフッ クラブで オープンマイクいうのがあってな。」

るい「トミーさん 言わんといてて。」

トミー「誰でも飛び入りで歌えるんや。 それ聞いて サッチモちゃんが…。」

ひなた「えっ… 歌たん!?」

るい「ちょっと… 酔っ払ってたんや。」

ひなた「ええ~!」

トミー「アメリカ人も 『うわ~!』 拍手喝采や。」

ひなた「すごいな お母ちゃん。 私 絶対できひんわ。」

トミー「サッチモちゃんは 度胸あるからなあ。 ほな 俺は ここで。」

るい「いや 上がってってください。」

トミー「ベリーにお茶に誘われてるんや。」

るい「あっ お茶室。」

トミー「アメリカ帰りの一服は 最高や。」

玄関

ひなた「ありがとうございました。」

るい「ありがとうございました。 一子さんに よろしゅう。」

ひなた「お母ちゃんも上がって一服しい。」

回転焼き屋・大月

るい「うん。 なあ ひなた。 あんこ作ったある?」

居間

るい「すごいやない ひなた。 こんなん英語で書くやなんて。」

ひなた「まあな。 ちょっと おっきい仕事が控えてるさかい 頑張ってしもたわ。 はい どうぞ。」

るい「ありがとう。 頂きます。 はあ… おいしい~。」

ひなた「フフフフフッ。」

るい「やっぱり あんこの味が一番やわ。」

ひなた「最近は だんごに押され気味やけどな…。」

るい「うん?」

ひなた「ううん。 フフフフッ。」

るい「う~ん。」

ひなた「ええ顔やなあ。」

るい「ええっ?」

ひなた「いや ここんとこ 店番してて思たんや。」

るい「うん。」

ひなた「怖い顔して お菓子食べる人は いてへんやん?」

るい「そうやねえ。」

ひなた「怒ってても 疲れてても 悩んでても 自然に明るい顔になる。 見てて うれしなるわ。 フフフッ。 それで? 何か分かったん? おばあちゃんのこと。 その… ロバートさんが シアトル出身いうことまでは 分かってたんやんな?」

るい「うん。 行く前には シアトルの 日系人の団体に手紙も送ったんや。」

ひなた「おお。 何か ネットワークありそうやな その団体。」

るい「直接 訪ねて いろいろ相談さしてもろて…。 向こうでも 手ぇ尽くしてくれたはるけど…。」

ひなた「う~ん… 広いからなあ アメリカは。」

るい「うん…。」

ひなた「まあ また行ったらええやん。 お父ちゃんの音楽に連れてってもらい。 フフッ。 なあ。 何 歌たん?」

るい「えっ?」

ひなた「その オープンマイクいうやつで。」

るい「もうええやない その話は。」

ひなた「もちろん英語の歌やんな?」

るい「もうええて…。」

ひなた「『サニーサイド』? フッ やっぱり。 おばあちゃんに向けて歌たんやろ?」

るい「うん…。」

ひなた「届いたらええなあ いつか。 食べえ。 フフフフッ。」

るい「おいしい。」

ひなたの部屋

ひなた<You know…(いよいよ)it’s almost the July of the prophecy.(もうすぐ あの予言の7月がやってきます)Which prophecy?(どの予言かって?)From the sky will come a Great King of Terror…. (空から恐怖の大王が降ってくる)>

ひなた<Keep on working every day,(日々 鍛錬して いつ来るともわからない機会に備えよ)for whatever opportunity comes your way>

太秦映画村

(セミの声)

榊原「どうぞ。」

(拍手)

「うお~!」

「えい!」

「やあ!」

「とう!」

「うあ~!」

(歓声)

「とりゃ~!」

(歓声)

「えい!」

「やあっ! うあ… てやっ!」

(拍手)

「Undelievable!」

八代「ようこそ おいでいただきました。 ウェルカム!」

パトリシア「Welcome. It’s an honor for us to have you here.」

ミラー「Thank you. Thank you, very much.」

パトリシア「ありがとうございます。 監督のニコラス・ミラーです。」

榊原「映画村の案内は この大月がいたします。」

パトリシア「This is Ms. Otsuki and she’ll show you around the park.」

ひなた「Hello. It’s nice to meet you.(こんにちは よろしくお願いします)」

「Nice to meet you, too.」

アニー「Nice to meet you, Ms. Otsuki.」

ひなた「I’ll take you to Nihondashi bridge.(では 日本橋からご案内します)」

<結局 7の月に恐怖の大王は来ませんでした。 代わりに 驚きの女神が来ていたことに ひなたは まだ 気付いていませんでした。 Instead, a Goddes of Surprise had come from the United States . Although, Hinata hadn’t realized it yet>

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