ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第102話「1994-2001」【第21週】

あらすじ

いよいよハリウッドの映画製作チームが視察のために来日。英語で映画村を案内するという大役を任されたひなた(川栄李奈)は、緊張しながらもなんとかその役目を果たします。上司の榊原(平埜生成)から、この映画で日本人俳優の大規模オーディションが行われることを聞くと、俳優を辞めて去って行った五十嵐(本郷奏多)のことが頭をよぎり…。

102話ネタバレ

太秦映画村

ひなた「A ninja was a kind of spy.(忍者はスパイのようなものです)They served under the lord, collecting information and assassinating enemies,(彼らは領主に仕え 情報を集めたり)using various techniques known as the art of the ninja.(敵を暗殺したりしていました そのために 様々な忍術を使いました)Like that.」

(爆発音と歓声)

(歓声)

俳優会館

道場

ひなた「And this is the practice room, called a “dojo”.(そしてこちらが練習場です 道場といいます)」

ミラー「Dojo. We’ve heard about that. That’ great!」

ひなた「It’s a sacred place.(神聖な場所です)Now we’ll see the “shiho-giri”(これより『四方斬り』をご覧いただきます『It7s kind of purification ritual.(お祓いの一種です)』

(シャッター音)

「Wow!」

「えいっ!」

(拍手と歓声)

「Thand you very much. It was all very inspiring.」

パトリシア「ありがとうございました。 全てに刺激を受けました。」

口々に『Thank you.』

榊原「そう言っていただけると…。」

パ取した「We’re so happy to hear that.」

ミラー「We will come again.」

パトリシア「また来ます。」

榊原「ありがとうございます。 お待ちしてます。」

パトリシア「Thank you. We are waiting gor you.」

八代「では 私が お見送りさせていただきます。」

ミラー「Thank you very much.」

榊原「ありがとうございました。 ありがとうございます。」

「Thank you.」

榊原「ありがとうございました。」

口々に「Thank you.」

榊原「Thank you.」

ひなた「はあ~。」

榊原「はあ~。」

ひなた「緊張した。」

榊原「お疲れさん。 いや~ すばらしかったわ 大月さん。」

ひなた「ありがとうございます。 原稿読んだだけですけど。」

榊原「いやいや。」

ひなた「日系アメリカ人ですかね?」

榊原「うん?」

ひなた「あの アニー・ヒラカワさん いう人。」

榊原「ああ。 キャスティングディレクターの?」

ひなた「はい。」

榊原「多分 そやろ。 えっ 何で?」

ひなた「何か すてきな人やなあ思て…。」

榊原「主演は マット・ロリンズらしいで。

ひなた「えっ うそやん!」

榊原「ホンマ ホンマ。」

ひなた「めちゃくちゃ大型企画やないですか。」

榊原「僕も びっくりしたわ。」

ひなた「それで 江戸時代の日本が舞台って どういうことなんやろ。」

榊原「う~ん… 詳しいことは公表されてへんけど 日本人にも かなり大きい役どころがあるみたいやで。」

ひなた「へえ~。 誰が抜てきされるんやろ。」

榊原「多分 さっきのアニー・ヒラカワさんが 何人かピックアップして 監督に推薦して そこから決まっていくんやないかなあ。」

ひなた「そうか…。 そうれが キャスティングディレクターの 仕事なんや。」

榊原「それ以外は かなり大規模な オーディションがあるらしいわ。」

ひなた「オーディション?」

榊原「うん。 戦のシーンとかあるみたいやから 何百人規模やと思う。」

ひなた「何百人!?」

榊原「そや。 当然 立ち回りとか スタントとかできたら 有利やからな。 条映の俳優さんや 大部屋さんらにも チャンスがあるで。」

回想

五十嵐「五十嵐文四郎です。 五十の嵐と書いて 五十嵐。 アラカンの五十倍です。 よろしくお願いします。」

回想終了

大月家

ひなたの部屋

ひなた「あほやなあ。 あんたは。 あと もうちょっと我慢してたら スターになれたかもしれへんのに。」

(風鈴の音)

太秦映画村

「お待たせしました。 中へ どうぞ。」

ひなた「フフッ。」

アニー「Oh.(あら)」

ひなた「あっ…。 Sorry.」

アニー「Hello, Ms. Otsuki.(こんにちは 大月さん)」

ひなた「Hello, Ms. Hirakawa.(こんにちは ヒラカワさん)」

「Here’ your change. Thank you.」

アニー「It’s a cozy space.(居心地のいい空間ね)」

ひなた「Thank you.(ありがとうございます)May I… May I join you?(ご一緒してもいいですか)」

アニー「Of corse! Here. Have a seat!(もちろんよ どうぞ! 座って!)」

ひなた「Thank you.(ありがとうございます)」

アニー「Would you like one?(ひとついかが?)」

ひなた「Thanks, but I can eat them any time.(ありがとうございます でも わたしはいつでも食べられますから)」

アニー「I see.(そう)」

ひなた「Where is everyone?(みなさんは?)」

アニー「On the top of a mountain.(山のてっぺんよ)」

ひなた「A mountain?(山?)」

アニー「They went to see some old temples.(古いお寺を見に)」

ひなた「Oh. Location hunting.(ああ ロケハンですね)」

アニー「Right. I decided not to go today so I stopped by here.(そう 今日はわたしは行かずに ここに立ち寄ったの)I know…(知っているのよ)Kibinojo loves these dumplings, right?(黍之丞がこのおだんごを好きなのよね)」

ひなた「That’s right! You know a lot.(その通りです! よくご存じですね)I’m glad Kibinojo is so well-known even in the U.S.(黍之丞がアメリカでも そんなに有名やなんてうれしいです)」

アニー「Ms. Otsuki.(大月さん)」

ひなた「Yes?(はい)」

アニー「How do you come to speak English so well?(どうしてそんなに英語が上手に話せるの?)」

ひなた「I don’t think my English ability is that good.(それほどの英語力やないと思います)」

アニー「Don’t be modest. Your English is impeccable.(謙遜しないで あなたの英語は申し分ないわ)」

ひなた「Well….(ええと…)I liste to English lessons on the radio every morning.(毎朝ラジオで 英会話の番組を聴いています)」

アニー「Ah…. Is it still being broadcast?(まだ放送されているの?)」

ひなた「Still?(まだ?)」

アニー「Ah. I mean…, it’s a little old-fashioned.(なんていうか…古風なやり方だと思って)」

ひなた「I know. I didn’t think I’d be able to leara so much English by radio.(わかります わたしもラジオでこんなに 英語が身につけられると思っていませんでした)To be honest, I thought I’d get tired of listening evety day.(それにわたしは 番組を聴き続けるなんて とてもできない人間だと自分で思っていました)」

アニー「ウン.」

ひなた「Yes. But at first, I had something to keep me going.(でも初めのうちは あるものが助けになりました)」

アニー「Something?(あるもの?)」

ひなた「A card my father made for me.(小学生のとき 父が作ってくれたカードです)He would stamp the card.(父がカードにスタンプを押してくれたんです)」

アニー「How smart your gather is.(賢いお父さんね)」

ひなた「And how simple-minded I am.(そしてわたしは単純なんです)」

(笑い声)

ひなた「Usually, cards like that are used to motivate school kids(ふつうは そういうカードは子どもを早起きさせて)to get up early and join the radio exercise.(ラジオ体操に行かせるために使うんです)」

アニー「Radio exercise….」

ひなた「Yes. Early in the morning,  people from the neighborhood get together in an open space(はい 近隣住民が朝早く広場に集まって)to exercise along with the radio.(ラジオに合わせて体操するんです)I think it’s unique to Japan.(日本独自の文化だと思います)Have you heard that before?(聴いたことがありますか?)」

アニー「No! No, I haven’t.(いいえ 全然)It’smy first time in Japan.(日本に来るのは初めてですから)」

ひなた「I understand.(そうなんですね)」

アニー「I have to go.(行かなくちゃ)」

ひなた「Oh. Sorry to bother you.(あ…お邪魔してすいませんでした)」

アニー「You didn’t. It was nice talking to you.(邪魔だなんて おしゃべりできてよかったわ)」

ひなた「Likewise.(こちらこそ)When are you leaving for the U.S.?(いつアメリカへ向けて出発されるんですか)」

アニー「Tomorrow.(明日よ)」

ひなた「Oh….(そうですか)」

アニー「But we’ ll be back in two years.(でも2年のうちには戻ってきます)」

ひなた「For the auditions.(オーディションで)」

アニー「Right.(そう)」

ひなた「I’m looking forward to it.(その日を楽しみにしています)」

アニー「Yeah. Ms. Otsuki.(大月さん)Keep on learning English.(英語の勉強を これからも続けてください)I’m sure it will take you somewhere you never imagined.(きっとあなたを どこか 思いもよらない場所まで 連れて行ってくれますよ)」

大月家

ひなたの部屋

ひなた「ホンマにええの!? 結婚式のデザートが回転焼きで。」

一恵「ええねんて。 お父さんとお母さんの時も そうやったんやから。」

ひなた「そうか。 ほな 心込めて焼かせていただきます。」

一恵「ありがとうございます。」

小夜子「あとは ひなちゃんだけやね。」

ひなた「えっ・」

小夜吉「お母ちゃん。 そうないなこと言うたらあかんで。 お嫁さんになるかならへんかは 人それぞれなんやさかい。」

一恵「フフッ ホンマ。」

ひなた「フフフフ…。」

一恵「小夜吉っちゃんの言うとおりやわ。」

小夜子「ごめんね ひなちゃん いらんこと言うて。」

ひなた「アハハッ 全然。 お見それしました。」

小夜吉「はい。」

一恵「さすがやわ。」

小夜吉「おいしい。」

一恵「フッ おいしい。」

俳優会館

休憩所

<いよいよ ハリウッド映画 『サムライ・ベースボール』の 出演オーディション 参加募集が始まりました。 関西地方のオーディションは 条映で行われることが決まっています>

ひなた「虚無蔵さん。」

虚無蔵「身の上書きか。」

ひなた「はい。 エントリーシートです。 大部屋のみんなが 次々に持ってきはるんです。 あっ 英語で出さんとあかんから 手伝うて 言われて。」

虚無蔵「おひな。」

ひなた「はい。」

虚無蔵「近頃のそなたの八面六臂の活躍ぶり 見事なものじゃ。 あの夏 そなたをここへ誘うたこと我ながら慧眼と自賛しておる次第。」

ひなた「虚無蔵さん…。 あっ 虚無蔵さんも はよ持ってきてくださいね。 エントリーシートです。 オーディション受けはるんでしょ?」

虚無蔵「フッ 戯れを。 御前芸比べには懲りたわ。」

ひなた「えっ?」

虚無蔵「拙者は 西洋の映画になど関心なし。」

ひなた「いや そないなこと言わんと 受けてください。」

虚無蔵「老兵は消え去るのみ。」

ひなた「いや それ時代劇っぽいけど 西洋のやつやし。」

虚無蔵「この大作が成功すれば きっと時代劇は救われるであろう。 その日を心待ちにしておるぞ。」

ひなた「えっ? あっ いや そやなくて…! はあ…。 そやからこそ 虚無蔵さんにも出てほしいのに…。」

別日

(テレビの音)

<オーディション直前に放送されていた『連続テレビ小説』は 『オードリー』でした。 京都・太秦が舞台で 時代劇に診せられた ヒロインのお話です。 自分と共通点の多いヒロインの物語を ひなたも熱心に見ていました>

榊原「おはよう。」

ひなた「おはようございます。」

榊原「今日 オーディションに先立って ハリウッドのアクション監督が 来はるそうや。」

ひなた「えっ そうなんですか?」

榊原「うん。 まっすぐ道場に入らはるらしいから 先 行って 開けといてくれる?」

ひなた「はい。」

道場

(足音)

ひなた「Hello….」

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