ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第105話「2001-2003」【第22週】

あらすじ

ハリウッド映画「サムライ・ベースボール」のメインキャラクターに推薦したい、という度重なるオファーを、虚無蔵(松重豊)が断り続けていることを知り、ひなた(川栄李奈)は唖然(あぜん)とします。必死の説得もむなしく、その場を立ち去ろうとする虚無蔵。すると、その前に五十嵐(本郷奏多)が立ちはだかって…。

105話ネタバレ

俳優会館

道場

五十嵐「『どこで何をして生きようと お前が鍛錬し 培い 身につけたものは お前のもの。 一生の宝とせよ』。 俺が時代劇のスターの夢を諦めた時に 虚無蔵さんがくれた言葉です。」

ひなた「Those are the words you said to me when I gave up my dream of becoming a samurai movie star.」

五十嵐「この言葉を支えに アメリカで たった一人 生き抜くことができました。」

ひなた「Those are the words that helped me survive the hardships I faced living in America all alone.」

五十嵐「この言葉が… 俺を侍にしてくれたんです。」

ひなた「Your words made me a samurai.」

五十嵐「俺は 日本の俳優の中で 誰よりも一番 侍というものを体現してるのは 伴 虚無蔵だと思います。」

ひなた「Above all other actors in Japan. I believe it’s Kyomuzo Ban who embodies what a samurai is. 私も そう思います。 So do I.」

五十嵐「虚無蔵さんという人が侍なんです。」

ひなた「You are a samurai. めちゃくちゃ同感です! I totally agree!」

五十嵐「侍なら 時代劇を救ってください。」

ひなた「Please, use your samurai spirit to bring Japanese period dramas back to life!」

(バッグを置く音)

五十嵐「いいですか?」

虚無蔵「いかようにも。」

ミラー「Ready, action!」

虚無蔵「やあっ!」

五十嵐「く…。 えい!」

虚無蔵「ふん!」

五十嵐「やっ!」

虚無蔵「うっ… くっ。」

五十嵐「てやあっ!」

虚無蔵「ふん。 ふん。 ふん。 ふん。 ふん。 ふん!」

五十嵐「くっ!」

虚無蔵「うう! うりゃあ!」

五十嵐「ああっ!」

虚無蔵「うう…。」

五十嵐「うっ…。」

虚無蔵「えいっ。」

五十嵐「くっ…。」

虚無蔵「ぐわあ…! くっ…。」

五十嵐「くっ!」

虚無蔵「ぐわあっ! があ…。」

ミラー「Cut!」

クラーク「Bravo!」

ミラー「Perfect!」

パトリシア「完璧です。」

アニー「Congratulations, Mr Ban.」

パトリシア「おめでとうございます。 伴さん。」

(拍手)

休憩所

ひなた「お疲れさまでした。」

虚無蔵「かたじけない。 いまだに げせぬ。 何故 拙者のような名もなき者を…。」

ひなた「聞いたら アニーさんは 『黍之丞』シリーズは 全部見たはるそうですよ。」

虚無蔵「たとえ そうであろうと げせぬ。」

ひなた「さすが ハリウッドの キャスティングディレクター。 お目が高い いうことです。」

虚無蔵「あのアニーなる刀自…。」

ひなた「刀自? 年配の女性いうことですか?」

虚無蔵「さよう。」

ひなた「すっと言うてください。」

虚無蔵「なんとも麗しき座礼であった。」

ひなた「ホンマですね。」

虚無蔵「メリケン育ちとは にわかに信じ難い。」

ニック「Oh, no! Oh, no! It’s too tight. Do they have any bigger ones?」

パトリシア「かなりきついです。 あの もっと大きいサイズありますか?」

「あ~ これが一番大きいわあ。」

パトリシア「Oh. It’s the biggest.」

五十嵐「…too big. American size.」

(笑い声)

五十嵐「ニックの足が大きすぎるんだよ。 アメリカンサイズだもの」

ミラー「You’re funny, Bun.」

五十嵐「ちょっといいですか?」

パトリシア「Daisy, can you make bigger ones? In America?(デイジー もっと大きい足袋作れる? アメリカで?)

デイジー「Hmm…. Ah… they are made by artisans.(うーん これは職人技ね…)」

五十嵐「う~ん。 う~ん。」

ひなた「I’m sorry to interrupt.(お話し中失礼します)Japanese tea and traditional Japanese sweets.(日本茶と和菓子です)

「Wow.」

「Great!」

「Nice.」

休憩所

ひなた「Isn’t it fate?(運命じゃないの?)」

(足音)

五十嵐「ひなた。」

ひなた「うん? あっ 文ちゃん。 ど… どないしたん?」

五十嵐「今日 2人で飲みに行かない?」

ホテル

アニーの部屋

アニー「What is it?(これは何?)」

ジョージ「Traditional Japanese sweets.(日本の伝統的なお菓子)A present from Ms. Otsuki.(大月さんからのプレゼント)」

アニー「Oh, yes, we didn’t have time to try them.(ああそうそう 今日はみんな食べる暇なくて)Does her family’s businesss make them?(彼女の家がお店なの?)」

ジョージ「I don’t know. Why?(知らないよ どうして?)」

アニー「It says “Otsuki”.(『大月』って書いてあるじゃないの)」

ジョージ「Really?」

アニー「Yeah.」

ジョージ「Kanji is too complicated.(漢字は難しすぎるよ)」

アニー「“Otsuki” is simple.(『大月』は簡単よ)

ジョージ「For you, mayde.(伯母さんにはね)Good night. 」

アニー「Good night. 」

ジョージ「See you tomorrow.」

アニー「Have a good night.」

ジョージ「Bye.」

アニー「Bye.」

回想

アニー「May I have your first name?」

ひなた「Of course. It’s Hinata.」

回想終了

大月家

回転焼き屋・大月

♬~(ラジオ)

るい「♬『素肌に片袖 通しただけで 色とりどりに 脱ぎ散らかした 床にひろがる』」

森岡「奥さん ええ声やなあ。

るい「♬『絹の』」

森岡「歌手になれるんと違うか?」

(笑い声)

るい「いや~。」

ラジオ♬『着ていく服が まだ決まらない いらだたしさに 唇かんで 私はほんのり 涙ぐむ』

ジャズバー

(ドアの開閉音)

五十嵐「乾杯。」

ひなた「乾杯。」

五十嵐「じゃあ ひなたのお父さん ジャズピアニストになったんだ。」

ひなた「うん。 フフッ 私も びっくりしたわ。」

五十嵐「本当によかった。」

ひなた「けど 文ちゃん 何で知ってんの? いつ お父ちゃんから トミーさんのCDもろたん?」

五十嵐「ひなたと別れてすぐ。」

ひなた「えっ?」

五十嵐「わざわざ条映に来て 俺を捜してくれて。」

ひなた「えっ…。」

回想

錠一郎「Life can be sweet. On the sunny side of the Street ひなたの道を歩けば きっと人生は輝くよ。」

回想終了

五十嵐「俺は 本当に幸運だったんだと思う。 京都に来て ひなたと出会えて。 ひなたがいなかったら 今の俺はなかった。 ひなた。 ありがとう。 久しぶりに ひなたと会って ひなたと話して… やっと決心がついた。」

ひなた「うん?」

五十嵐「ひなた。 俺…。 結婚するよ。」

ひなた「えっ? だ… 誰と…?」

五十嵐「デイジーと。」

ひなた「デイジー?」

五十嵐「『サムライ・ベースボール』コスチューム担当の子。」

ひなた「あ… はあ~。」

五十嵐「俺は まだまだ駆け出しで 英語だって片言だし…。 本当に この先 アメリカで やっていけるのかって思ってたけど もう迷わない。 堂々とプロポーズするよ。」

ひなた「そ… そう。」

五十嵐「ひなたは?」

ひなた「ほえっ?」

五十嵐「誰か いい人いないの?」

ひなた「私は 今は仕事が楽しい。」

五十嵐「かっこいいよ。 ひなた。」

ひなた「かっこいい?」

五十嵐「うん。 ちゃんと 『ひなたの道』を見つけて まっすぐ歩いてる ひなたは すごくクールだよ。」

ひなた「フフッ… ありがとう。 よかった。 また文ちゃんと会えて。」

五十嵐「うん。」

ひなた「もう帰り。」

五十嵐「えっ?」

ひなた「デイジーが待ってるんやろ。」

五十嵐「まだ仕事してるよ。」

ひなた「帰ったげ。」

五十嵐「でも…。」

ひなた「こないなクールな元カノと 飲んでるて聞いたら泣くで。 フフッ。」

五十嵐「じゃあ。」

ひなた「うん。 あっ 文ちゃん。 Congratulations.(おめでとう)」

五十嵐「Thank you.」

(ドアが閉まる音)

ひなた「That’s life.(これが人生)」

大月家

回転焼き屋・大月

ひなた「行ってきます。」

るい「行ってらっしゃい。」

(飛行機の飛行音)

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