あらすじ
「クリスマス・ジャズ・フェスティバル」で、いよいよ錠一郎(オダギリジョー)とトミー(早乙女太一)のセッションが始まった頃、ひなた(川栄李奈)は会場のそばでアニー・ヒラカワ(森山良子)の姿を発見。急いで駆け寄ろうとしますが、それに気づいたアニーは走り出し、再び姿を消してしまいます。その頃、控室で一人出番を待っているるい(深津絵里)のもとに、親友の一子(市川実日子)が現れて…。
110話ネタバレ
映画村
回想・小川「大月さん。 講師になっていただけませんか?」
回想・ひなた「えっ?」
回想・小川「大月ひなたさんが講師の 新しいラジオ英会話番組を 作りたいんです。」
虚無蔵「おひなではないか。」
ひなた「虚無蔵さん。 ご無沙汰してます。」
虚無蔵「うむ。 堅個で何より。」
ひなた「今日も撮影ですか?」
虚無蔵「いかにも。 されど その前に後進の指導が控えておる。」
ひなた「頑張りますねえ。」
虚無蔵「なんぞ あったか?」
ひなた「えっ?」
虚無蔵「ここへやって来るは 何かに思いを巡らすためであろう。」
ひなた「かなわへんなあ 虚無蔵さんには。『ラジオで英語教えてみませんか』て 言われたんです。」
虚無蔵「なんとな。」
ひなた「けど そんなん やったことあらへんし…。」
虚無蔵「おひな。」
ひなた「はい。」
虚無蔵「そなたが鍛錬し 培い 身につけたものは そなたのもの。 一生の宝となるもの。 されど その宝は 分かち与えるほどに 輝きを増すものと心得よ。 御免。」
偕行社
会場
和子「うん! おいしいわあ。」
木暮「ホンマ。」
健一「横須賀におった時からの 気に入りの店じゃ。 今日のスポンサーになってくれとる。」
和子「あら。」
勇「えっ そねん遠くの店が。」
健一「いやいや 岡山の百貨店にも入っとるんですよ。」
和子「あららら。」
勇「ふ~ん。」
♬~(ピアノ)
控え室
桃太郎「お姉ちゃん!?」
ひなた『桃。』
桃太郎「どこら辺?」
ひなた『今 新幹線や。 もうすぐ新神戸。』
桃太郎「間に合いそう?」
ひなた『分からん。 ゲートくぐってしもたら しまいやさかい。』
空港
ジョージ「Okay? Aunte, right over there.」
ひなた「アニーさん? ジョージさん? いてますか!? Annie? George? Are you there?」
偕行社
会場
(拍手)
控え室
桃太郎「もしもし!」
ひなた『あかんかった…。 おばあちゃん 行ってしもた。 ごめん。』
桃太郎「分かった。 お疲れさま。」
るい「もしもし? ひなた?」
ひなた『お母ちゃん…。』
るい「ご苦労さんやったね。 ありがとう。」
ひなた『ごめん お母ちゃん。 堪忍や。 けど 居場所は分かったんやさかい こっちから連絡したり 会いに行くことはできるえ。』
るい「もう ええんや。 お母さんのことや。 アメリカへ帰ったら キャリアも何もかも捨てて…。 そのまま姿消す思う。 そういう人やさかい。 私のお母さんは。」
空港
(電話を切る音)
ひなた「はあ…。 はあ…。」
偕行社
会場
慎一「さあ 皆さんお待ちかね いよいよ本日のメインイベントです。 トミー北沢&大月錠一郎です!」
(拍手)
(拍手と歓声)
(拍手)
♬~(『What’s modern』)
玄関前
ひなた「はあ…。」
ひなた「おばあちゃん!」
安子「あっ…!」
ひなた「えっ… 待って! 待って おばあちゃん!」
回想
るい「二度と会いとうねえ。」
るい「I hate you.」
道中
ひなた「おばあちゃん! おばあちゃん… 鍛え方が違う…。」
偕行社
控え室
(ドアが開く音)
一子「サッチモ。」
るい「あっ 一子さん! 遠いとこ わざわざ。」
一子「ううん 構へん。 今さっき 客席で木暮さんに会うたわ。 懐かしいて泣いてしもうた。」
るい「客席に行かはったんやったら 何で ここに?」
一子「桃ちゃんが『お母ちゃんとこ行ったって』て。 何かあったんか?」
会場
♬~(『Rhythm Exchange』)
控え室
るい「今日は… お母さんに届けるために 歌うつもりやった。 けど… お母さん自身が もう私に会わへんて 決めてるんやったら…。 歌う意味あるんやろか…。」
一子「私も分からんわ。 そのお茶に 意味があんのかどうか。 けどな 意味があんのかないんか 分からんことをやる。 誰かのことを思てやる。 それだけで ええんとちゃう?」
朝丘神社
安子「あっ… あっ! るい…。」