ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第24話「1946-1948」【第5週】

あらすじ

1947(昭和22)年。米や砂糖、小豆など菓子作りの材料が少しずつ手に入るようになり、安子(上白石萌音)はおはぎやおまんじゅうを作って売り、るいとつつましく暮らしていました。カムカム英語は日本中で爆発的な人気を誇っています。倹約して買ったラジオから聞こえるカムカム英語は安子とるいの毎日の楽しみでした。そして1年の時がたった頃…安子のもとにおはぎを毎朝200個仕入れてほしいという依頼が舞い込みます。

24話ネタバレ

おぐら荘

安子「小豆の声を聴けえ。 何ゅうしてほしいか 小豆が教えてくれる。 食べる人の 幸せそうな顔を思い浮かべえ。 おいしゅうなれ。 おいしゅうなれ。 おいしゅうなれ。」

るい「お母さん。 おはよう。」

安子「おはよう るい。 フフフッ ええ匂いじゃな。」

<お米やお砂糖 小豆などが 少しずつ 手に入るようになりました。 安子は おはぎや おまんじゅうを作って売り るいと2人 つつましく暮らしていました>

「こんにちは。」

安子「あ~ こんにちは。 いらっしゃいませ。」

るい「いらっしゃいませ。」

「おはぎ 10 頂戴。」

るい「は~い ただいま。」

安子「ハハハハッ。」

「これな。」

安子「あっ ありがとうございます。」

るい「はい どうぞ。」

「ありがとう。 るいちゃん。 またね。」

安子「ありがとうございました。」

るい「ありがとうございました。」

「ありがとう。」

安子「ご苦労さまでした。」

ラジオ『次のニュースです。 第29回 全国中等学校優勝野球大会が 本日 開幕いたします。 昨年は 西宮球場で開催されましたが 今年は 7年ぶりに甲子園球場に 球児たちが戻ってまいりました』。

回想

勇「甲子園は中止になった。 最後の夏は終わったんじゃ。」

勇「この家を出て るいと2人で暮らすんじゃ。」

安子「じゃけど…。」

勇「あたあ わしが なんとかする。」

回想終了

<勇は どうしているだろう。 安子は気がかりでした>

<安子は倹約して ラジオを買うことができました>

ラジオ『平川先生の 「英語会話」の…』。

るい「お母さん。 『カムカム英語』の時間じゃ。」

安子「はい。」

♬~(ラジオ『COME COME EVERYBODY』)

♬『Come, come, everybody How do you do, and how are you? Won‘t you have some candy? One and two and three, four, five? Let’s all sing a happy song a happy song Sing tra la la la la』

ラジオ・平川『Good evening, everybody. 皆さん ラジオの前に にぎやかに お集まりですね。 全国 何十万 何百万の 英語のかわいい赤ちゃんが 皆さんと仲よく 同じように ラジオの前で胸を躍らせながら 今か今かと待っていらっしゃるのが はっきり見えますよ。 さあ 皆さん 今日は 総ざらいの日。 ゲストは ヘレンさんです。 Good evening, Helen』.

ラジオ・ヘレン『Good evening, Mr,Hirakawa Good evening, everybody』.

ラジオ・平川『今日は 朋子とお父さんの おしゃべりを聞いてましょう。 まずは 私がお父さんで ヘレンさんに 朋子をやっていただきます。 Tomoko! Tomoko!』.

ラジオ・ヘレン『Yes, Dad』.

ラジオ・平川『Aren‘t you up yet?』.

ラジオ・ヘレン『No, I‘m still in bed』.

ラジオ・平川『Then, you had better get up』.

ラジオ・ヘレン『What time is it, Dad?』.

ラジオ・平川『It‘s six-thirty』.

ラジオ・ヘレン『Then, here I come, good morning, Dad』.

ラジオ・平川『Good morning, Tomoko』.

るい「『Tomoko! Tomoko!』, 『Yes, Dad』. 『Aren‘t you up yet?』.

<『カムカム英語』のテキストには 日本人のありふれた日常が 描かれていました>

稔「るい。 まだ起きんのんか?」

るい「まだ眠てえ。」

稔「フフッ もう起きにゃあいけんで。」

るい「今 何時?」

稔「今 6時半じゃ。」

るい「ほんなら 起きよっと。」

稔「よし。 ほい。」

るい「お父さん。 おはよう。」

稔「おはよう るい。 よし ラジオ体操しようか。 おいで。 はい よいしょ。 よいしょ。」

ラジオ・平川『Now, get ready for radio exercises. One, two, three, four, five, six, seven, eight. では次に 少しだけ ゆっくり読んでみるので 皆さんも…』。

るい 稔「1 2 3 4 5 6 7 8. 2 2 3 4 5 6…。」

<そこには 安子が欲しかった でも 手に入れることのできなかった 家庭の姿がありました>

ラジオ・平川『今晩は ここまで。 明晩は 皆さんの愉快なお手紙を公開して 英語の遊びをいたしましょう。 ヘレンさん どうも ありがとうございました』。

ラジオ・ヘレン『Good-bye, everybody』.

るい「お母さん。」

安子「うん?」

るい「どねんしたん? 悲しいん?」

安子「ううん。」

るい「じゃけど…。」

安子「るいが おるんじゃもん。 な~にも悲しいこたあねえよ。」

♬~(ラジオ『COME COME EVERYBODY』)

♬『Good-bye, everybody Good night until tomorrow Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, Sundya Let‘s all come and meet again, Sing tra la la la la』

ラジオ『担当は 平川 唯一先生でした。 これで 今日の『英語会話』の時間を終わります』。

安子「ありがとう。」

岡野「すいません。」

安子「はい。 あっ いらっしゃいませ。」

岡野「こんにちは。 住吉で店やってる岡野いうもんです。」

安子「岡野さん。」

岡野「折り入って ご相談がありますねん。」

安子「何でしょう?」

岡野「こちらのおはぎを うちの店に卸してもらえまへんやろか。」

<住吉の岡野商店に 毎朝200個のおはぎを 卸すことになりました>

<安子が初めて受けた 大口の注文でした>

道中

るい「痛え 足が痛え。 もう歩けん。 (泣き声)」

安子「ごめん ごめん。 るい。 ほら おいで。」

るい「(泣き声)」

安子「ごめんね。 しっかり つかまっとれえよ。」

岡野商店

岡野「え~! 我孫子から歩いてきたんかいな。」

安子「すみません…。こねん遠いたあ思わなんで…。」

正子「小さい子連れて むちゃしたら あかんで。」

岡野「座りぃ。」

正子「お座り。」

安子「すんません。」

正子「いいえ。」

安子「ああ…。」

正子「はい どうぞ。」

安子「ありがとうございます。」

正子「いいえ。」

るい「ありがとうございます。」

正子「フフフッ ええ子やなあ。」

(自転車のベル)

回想

稔「怖おねえから。 前見て 前。」

安子「あ~ いけん いけん いけん! 離したらいけん!」

稔「離すよ!」

安子「いけん いけん いけん いけん!」

稔「大丈夫。 顔上げて こぎ続けとったら 前 進むから。 そら!」

安子「あ~! あ~ いけん! あ~!」

回想終了

るい「ハハハハッ! フフフフッ。」

安子「るい。 転ばんっように気を付けられえ。」

るい「は~い! これ 何じゃろう?」

安子「まあ ヨモギじゃな。」

るい「ヨモギ?」

安子「うん そうじゃ。 あっ 食べられるんよ。 摘んで帰ろうえ。」

るい「は~い。」

安子「そう そう そう。 こねんして… ほっ フフフッ。 う~ん 天ぷらにしょうか お浸しにしょうか…。 あっ! ええこと思いついた。」

るい「何?」

安子「お楽しみじゃ。」

おぐら荘

安子「るい。」

るい「はい。」

安子「天ぷら揚がったっよ。」

るい「は~い!」

安子「ほら。」

るい「わあ~! おいしそう! 食べてえ!」

安子「まだいけん。 熱いよ。 フフフフフッ。」

大家宅

安子「これ 今月のお家賃です。」

くま「ああ 確かに。」

安子「それから これ…。」

くま「ウフフッ。」

安子「代わり映えせんもんで 申し訳ねえんですけど。」

くま「いや 代わり映えしてもうたら 困んねんがな。 わてな 毎月 これ 楽しみにしてんねん。」

安子「ありがとうございます。」

るい「ありがとうございます。」

くま「いや~ るいちゃん。 おっきなったなあ。 お父さんに そっくりやなあ。」

安子「はい。」

くま「でも あんたが この子 せたろうて ここへ来た時は もう どないなるやろ思たけども ホンマに よう頑張ったな。 雉真君も そない言うて 笑てると思うわ。」

道中

るい「お母さん。」

安子「うん?」

るい「お父さんって どねんな人?」

安子「優しい人。 それから 大きい夢ょお持った人じゃ。」

るい「夢?」

安子「うん。」

安子「るい。 お父さんはな るいの名前に 夢ょお託したんじゃ。 どこの国とも自由に行き来できる。 どこの国の音楽も自由に聴ける。 自由に演奏できる。 ひなたの道を歩いてほしい。 そねん願うて アメリカの ルイ・アームストロングいう人から 名前をもろたんじゃ。」

るい「ルイ・アームストロング?」

安子「そう。 トランペット吹きょうる人じゃ。 さあ おうちに帰ろうえ。」

るい「うん!」

るい 安子♬『Come, come, everybody How do you do, and how are you?』

おぐら荘

安子「あっ すんません お買い物ですか?」

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