ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第30話「1948」【第6週】

あらすじ

ロバート(村雨辰剛)に招かれ将校クラブに立ち入った安子(上白石萌音)。これまでの人生で見たこともないけんらん豪華な会場の空気に圧倒されてしまいます。稔(松村北斗)の命を奪った国の豊かさを前に呆(ぼう)然と立ち尽くすばかり。そんな中、会場にシンガーたちの歌声が響き渡ります。アカペラコーラスに聞き入る安子は、いつの間にか涙を流していました。そうしてロバートは安子をこの場へ連れてきた意味を語りはじめ…。

30話ネタバレ

進駐軍

廊下

定一「え~ テナー!」

「はい!」

定一「アルト。」

「はい。」

定一「トランペット。」

「はい。」

定一「ピアノ。」

「はい。」

定一「ビブラフォン。」

「はい。」

定一「ドラム。」

「はい。」

定一「ベース。 よ~し みんな そろうとるの。 すぐ出番じゃ。 急いでくれ。」

一同「はい。」

定一「こりゃ こりゃ。 おい! このくそガキ! ここはの アメリカじゃ。 密入国は禁止なんじゃ こりゃ! …ったく。」

将校クラブ

ロバート「どうぞ お入りください。」

安子「アメリカ…。 これが アメリカなんですね。」

ロバート「Wait, please. Mrs,Kijima.」

安子「何で 私ゅう こけえ連れてきたんですか? こねえに豊かな国と戦うて… 稔さんが帰ってこれなんだなあ 当然じゃいうことですか?」

ロバート「No. 違います。」

安子「そんなら 何なんですか?」

♬『Silent night, holy night All is calm, all is bright Round yon virgin mother and child Holy infant, so tender and mild Sleep in heavenly peace Sleep in heavenly peace Silent night,』

ロバート「『Silent Night』という歌です。」

安子「『Silent Night』… 静かな夜…?」

ロバート「そうです。 静かな 美しいChristmasの夜を歌っています。 Christmasは Jesus Christの誕生日を祝う日です。 そして 大切な人のことを思う日です。 Americaでも 多くの人たちが亡くなりました。 My wife too…. 私の妻も。 亡くなった人たちが 安らかに眠れるように この聖なる夜に祈りたい。 ここにいる者は みんな そう思っています。 同じように 愛する人を失ったあなたや 全ての日本人のためにも。」

♬『Silent night, holy night』

ロバート「『静けきこの夜。 聖きこの夜』。」

♬『All is calm, all is bright』

ロバート「『あたり静かに 光輝く』。

♬『Round yon virgin mother and child Holy infant, so tender and mild Sleep in heavenly peace Sleep in heavenly peace Sleep in heavenly peace』

3人「Merry christmas!」

一同「Merry christmas!」

♬~(『Jingle Bells』)

定一「なにが『Merry Christmas』じゃ。 ええ気なもんじゃ。 このくそガキ! おめえ 密入国しやがったな。」

回想

安子「名前は るい いいます。」

定一「るい?」

安子「稔さんが付けてくれました。 どこの国とも自由に行き来できる。 どこの国の音楽でも自由に聴ける。 自由に演奏できる。 私たちの子供にゃあ そねえな世界を生きてほしい。 ひなたの道を歩いてほしいって。」

定一「ひなたの道。」

回想終了

♬~(『聖者の行進』)

ロバート「妻とは high schoolの同級生でした。」

安子「そうじゃったんですか。」

ロバート「ずっと私の片思いでした。 何度も dateに誘っては 振られました。 ある時 彼女に言われました。 『私と同じcollege 大学に合格したら dateしてあげてもいい』。 私は勉強しました。 勉強して 勉強して 勉強して それで passしました。 彼女は言いました。 『ばかだ ばかだと思ってたけど 本当に ばかね。 結婚しましょう』。 それで すぐに結婚しました。 While we were still in college.(学生のままで)」

安子「すてきな人ですね。」

ロバート「はい。 すてきな人でした… とても。 Her brother was killed in battle.(彼女の弟が戦死しました。)She was heartbroken… 彼女は とても悲しんで もともと悪かった心臓を 余計 悪くしました。 それで…。」

安子「I‘m sorry.」

ロバート「Thank you. 彼女を追いかけて入ったcollegeで Japanese studies 日本学を専攻しました。 理由はありませんでした。 ただ合格できれば よかったのですから。 でも そのbackgroundがあtったから 私は今 日本にいます。 始めは気が重かった。 敵であった国のために働くなんて と。」

ロバート「でも この国に来て そんな気持ちは すぐに吹っ飛びました。 この町の人たちが どれだけ ひもじく 苦しい生活をしてきたか すぐに分かりました。 この人たちの生活を 少しでも よくしたい。 心から そう思いました。 そして 分かったのです。 私に この任務を与えたのは 上官ではなく 亡き妻だと。 彼女と出会わなかったら 私は Japanese studiesと出会わなかった。 この国に来ることもなかった。」

ロバート「Isn‘t it the same with you? あなたも同じではありませんか? ご主人と出会わなかったら 英語とも出会わなかった。 毎日 radioで英語の勉強することもなかった。 ご主人と出会ったから あなたは今日も生きている。」

定一「おい ストップ ストップ ストップ。 ストップじゃ ストップ ストップ。」

(ざわめき)

定一「よし メンバーチェンジ。 メンバーチェンジ。 ええか? いくで! 1(ワン 2(ツー)。)」

(『On the sunny side of the street』)

定一♬『Grab your coat, grab your hat Leave your worries on the doorstep Just direct your feet On the sunny side of the street Can‘t you heat thet pitter-pat?』

定一♬『That happy tune is yout step Life can be so sweet On the sunny side of the street I used to walk in the shade With those blues on parade But I’m not afraid baby My rover crossed over If I never have a cent I‘d be rich as Rockefeller With gold dust at my feet On the sunny side of the street』

ロバート「あなたは言いました。 ご主人は 娘さんには ひなたの道を歩いてほしい そう望んでいたと。 でも それはきっと娘さんにだけじゃない。 あなたにも望んでいた。 そうではありませんか?」

回想

安子「稔さん。 私も 稔さんと生きていきたい。 あなたと ひなたの道を歩いていきたい。」

稔「安子ちゃん。 メリークリスマス。」

回想終了

定一♬『I used to walk in the shade With those blues on parade But I‘m not afraid baby My rover crossed over If I never have a cent I’d be rich as Rockefeller With gold dust at my feet On the sunny On the saunny On the sunny sunnyy side of the street!』

(拍手と歓声)

定一「Thank you!」

(拍手)

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