ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第31話「1948-1951」【第7週】

あらすじ

クリスマスの日、雉真家に算太(濱田岳)がやってきました。兄の無事の帰りを安子(上白石萌音)は涙をこらえ喜びました。そして、算太が戦争に行っている間に起きた出来事、その全てを打ち明けました。金太(甲本雅裕)、小しず(西田尚美)、杵太郎(大和田伸也)、ひさ(鷲尾真知子)が亡くなったこと、そして稔(松村北斗)と結婚したこと、娘を産んだこと、稔の戦死も。そうして当面は算太も雉真家で暮らすこととなり…。

31話ネタバレ

進駐軍

ロバート「Be careful.」

安子「Thank you. ありがとうございました。」

ロバート「これ お嬢さんに。」

安子「あっ いやいや そねえな…。」

ロバート「ノーと言わないでください。 今日は Christmasですよ。」

安子「ありがとうございます。」

ロバート「Merry Christmas, Mrs.Kijima.」

安子「Merry Christmas, Mr.Rosewood.」

雉真家

稔の部屋

るい「どねんしたん? これ。」

安子「るいに クリスマスプレゼントじゃて。 進駐軍さんから もろうたんじゃ。」

るい「進駐軍さん?」

安子「るい。 前に話したじゃろう。 お父さんは 大きい夢ょお持った人じゃったって。 雉真の製品を アメリカと取り引きしてえ。 そねん言うて 熱心に英語を勉強しょおった。」

るい「お父さんが?」

安子「そうじゃ。 お父さんからもろうた英和辞典じゃ。 お母さんの宝物じゃ。 メリークリスマス るい。」

るい「メリークリスマス お母さん。」

雪衣「安子さん。」

安子「はい。」

雪衣「あの… お客様が来とられます。」

玄関

安子「お兄ちゃん…。」

算太「ただいま帰ってまいりました。」

<クリスマスに 算太がやって来ました>

稔の部屋

<安子は 算太に これまでのことを全て話しました。 祖父 杵太郎が病気で亡くなったこと。 祖母 ひさと 母 小しずが 空襲で亡くなったこと。 父 金太も 戦後すぐ世を去ったこと。 安子が結婚した事。 娘 るいを産んだこと。 夫 稔が戦死したこと。>

算太「安子 いっぺんに多すぎるじゃろ!」

安子「ごめん。 そうじゃね。」

算太「そうか… みんな 死んだんか…。 まあ 4人一緒じゃったら そっちの方が にぎやかじゃろう。 おい。 あんまり騒ぎ過ぎて 極楽から追い出されんようにのお。」

算太「安子。 よう生きとってくれた。」

安子「お兄ちゃんこそ…。 生きとって よかった。 お兄ちゃんが生きとって…。」

算太「おうおう 安子。 泣くな。 ハハッ。」

安子「フフフッ。」

算太「ヘヘヘヘッ。 おっ 誰じゃ。」

安子「るい。 入ってええよ。 娘のるいじゃ。 るい。 算太伯父さんじゃ。」

るい「サンタのおじさん?」

安子「ハハッ。 サンタクロースのおじさんじゃのうて 算太伯父さん。 お母さんのお兄ちゃんじゃ。」

算太「ほい。 こっち けえ。 おっ! ヘヘヘヘッ。 う~ん? おお かうぇえらしいのう。 ヘヘヘッ 本当に安子が産んだんか?」

安子「ハハッ 当たりめえじゃろう。」

ダイニング

回想

<とある南の島…>

算太「腹減った もう進めん おはぎじゃ!! チャ… チャップリン?」

回想終了

算太「…と まあ そねえなわけで わしゃあ 戦争が とうの昔に 終わっとったことを知ったわけじゃ。」

千吉「何にしても よう帰ってこられました。 ご苦労さまでした。」

勇「ご苦労さまでした。」

算太「あっ いえいえ…。」

雪衣「ご苦労さまでした。」

算太「ああ すんません。 あらあ べっぴんさんじゃのう。」

勇「女中の雪衣さんじゃ。」

算太「おお。 おおきに 雪衣さん。」

雪衣「ありがとうございます。」

千吉「当面は どうぞ遠慮のう うちで寝泊まりしてください。」

算太「あ~ そら助かります。」

千吉「金太さんが 悔いとられました。 出征の時 意地ゅう張って 家にも入れてやらず 見送りにも行かなんだ言うて。 算太さんは この先 悔いのねえように生きてください。 それが 金太さんの望みじゃ思います。」

安子「また ダンスのお仕事探すんじゃろう? お兄ちゃん。」

算太「あ~。 うん… もう その必要ねえじゃろう。 おうおう… あっ! それより 安子。 おめえ うめえことやりよったな。 このぉ! ヘヘヘッ。」

安子「な… 何が?」

算太「いや まさか 安子が この雉真繊維の嫁さんに おさまっとるたあ 夢にも思わなんだ。」

安子「は…?」

算太「ははあ… ええ? おめえ 意外と わしより策士じゃのう。 ヘヘヘヘッ。」

安子「お兄ちゃん。 失礼な言い方せられな!」

算太「ほれ 安子!」

安子「すんません。」

千吉「いやいや。」

算太「おう おう。 そうじゃ 雪衣さん いうた?」

雪衣「はい…。」

算太「どねんなら? 女中やこやめて わしの嫁さんならんか? いやいや わしゃあ もう雉真家の親戚じゃあ。 あんたも その仲間入りができるっちゅうことじゃ。 一生 安泰じゃが。 ヘヘ… 何じゃあ おお つれねえのう 雪衣ちゃん。」

安子「お兄ちゃん!」

算太「おい どこ行く…。」

安子「お兄ちゃん やめて!」

算太「何じゃあ。」

安子「お父さんとお母さんが どねえに お兄ちゃんのこと心配して 帰りを待ちょったと思よんでえ? お父さんやこ 亡うなる間際まで…。」

算太「死んだ親父が 何ゅう思よろうが知ったことじゃねえ。」

安子「お兄ちゃん!」

算太「ハッ。 あ~ もうええ 安子。 ヘヘヘッ。 あ~ 酒が まずうなる。」

勇「母さん…。」

算太「すんません。」

美都里「恋しいんじゃろう? お父さんと お母さんに 会いとうて たまらんのじゃろう?」

回想

算太「あ… 腹減った…。 目が回る…。 もう進めん…。 あっ… お… おはぎじゃ…。」

算太「ハッ… ハッ… ハッ… ハッ… ああ…。 父ちゃん…。 母ちゃん…。 どうやら わしゃあ ここまでのようじゃ…。」

算太「母ちゃん…。」

小しず「算太。 久しぶりじゃね。 元気しょおった?」

算太「元気かどうか 見りゃ分かろうが。」

小しず「もう戦争は終わっとるんよ。」

算太「えっ?」

小しず「この先に港があるから そこで船に乗られえ。」

算太「ええ?」

小しず「フフフ… 本当に あんたは 賢えようで抜けとるんじゃから。」

回想終了

算太「謝りてえと思ようった。 今までのこと 父ちゃんと母ちゃんに謝って… それから…。 わしのダンス 見てもらいてえ思ようった。 しゃあけど… わしゃあ もう 何の気力も湧かんのじゃ…。」

美都里「あほうじゃねえ。 生きとるだけで ええんじゃ。 自分らが死んでも あんたが生きとりゃあ それだけでええ。 お父さんも お母さんも そねん思うとるんよ。」

回想

小しず「算太。 よう生きとってくれたねえ。 算太。 お母さん もう それだけで十分じゃ。」

算太「母ちゃん…。」

回想終了

算太「母ちゃん…。 (すすり泣き) 母ちゃん…。 (すすり泣き) 母ちゃん…。 (泣き声)」

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