ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第37話「1951-1962」【第8週】

あらすじ

雉真家を出るという決意を固めた安子(上白石萌音)でしたが、千吉(段田安則)は安子が出ることは受け入れたものの、るいを連れていくことは許しませんでした。「るいの額の傷を治すには莫(ばく)大な金がかかり、それは雉真繊維の力が無ければ不可能。雉真の子として育てられるのがるいにとって一番幸せなことなのだ」という千吉の言葉に反論できなかった安子。そんなある日、算太(濱田岳)が失踪したという知らせが入り…。

37話ネタバレ

雉真家

台所

勇「あんこ。 わしと結婚してほしい。 これからは わしが守りてえ。」

ダイニング

安子「この家を出てえと思ようります。 お義父様のご厚意に甘えすぎとりました。 申し訳ありません。」

千吉「そうか…。 そういうことか。 それが あんたの出した答えじゃったら 止みゃあせん。 じゃけど そりゃあ もう るいたあ暮らせんいうことじゃ。 その覚悟はできとるんじゃろうな?」

勇の部屋

るい「お母さん。 袖 詰めてくれたんじゃね。 ありがとう。」

安子「るい。」

るい「お母さん… どねんしたん? お母さん?」

(すすり泣き)

道中

(犬の吠え声)

勇「あ~。」

雉真家

玄関

勇「はあ~。 あ~。 ああ~。」

勇の部屋

雪衣「何かあったんですね? 安子さんと。」

勇「アメリカじゃ。 あんこは アメリカの男に 心引かれとる。 やっと進駐軍に… 兄さんを殺した国に勝った思うたら…。」

雪衣「無様ですね。 そねんことで お酒ょう飲んで暴れるじゃなんて。 雉真の坊ちゃんの面目 丸潰れじゃね。」

勇「何じゃと? いっ 痛っ! あっ… 何ゅうすんなら。」

雪衣「お酒臭え。」

勇「あ~。」

雪衣「もう寝てください。 朝一番に お風呂に入れるようにしときますから。」

勇「無様で結構じゃ 赤チンくれえで この傷が治るなら 世話あねえ。」

雪衣「ひでえ人じゃね。 今も… たった今も 安子さんのことを思うとるくせに。」

勇「分っとるんじゃったら 出ていきゃあええが。 出ていけえ。」

廊下

(戸が開く音)

稔の部屋

安子「そしたら お兄ちゃん。 よろしゅうお願いします。」

算太「うん。」

るい「行ってらっしゃい。 算太伯父さん。」

安子「るい。」

るい「何? お母さん。」

安子「信用金庫からお金を借りる話が まとまって 新しい家とお店が手に入ったら… お母さん 算太伯父さんと一緒に その家に住もうと思う。」

るい「おはぎのお店に?」

安子「そうじゃ。」

るい「楽しそう!」

安子「るいは このまま この家に住むんじゃ。」

るい「えっ…。」

安子「けど 会えんようになるわけじゃねえ。 お母さん 毎日 会いに来る。 るいのお弁当だって 毎日作って持ってくる。」

るい「嫌じゃ! 何で そねんことを言ん? ずっと一緒におれるって言よおったが? 何があっても お母さんは るいを離さん 言うて。」

安子「るい。 これは るいのためなんじゃ。 るいが幸せになるために 必要なことなんじゃ。」

回想

千吉「実は こねえだ 大阪の医者に るいを診てもろうた。」

安子「えっ。」

千吉「途方もねえ金がかかることじゃ。 雉真繊維の力がなかったら 治してやれん。 雉真の子として 生きていく。 それが るいにとっては一番えんじゃ。」

回想終了

るい「嫌じゃ…。」

(泣き声)

安子「るい。 もうすぐ入学式じゃなあ。 お母さん 楽しみにしとる。 るいの晴れ姿。」

(泣き声)

町中

回想

算太「雪衣ちゃん 店を始める家が手に入ったら 一緒に暮らしてくれんか?」

回想終了

算太「ハハッ。 ハッハッハッハッ ハハハッ。 ハッハッハッハッハッ! ハッハッハッハッ…。 ハッハッハッハッ…。 ハハハハ…。」

雉真家

るい♬『Come, come, everybody How do you do, and how are you? Won’t you have some candy? One and two and three, four, five?』

水田屋とうふ

安子「できるだけ早う迎えに行こう思ようる。 たちばなを大きゅうして 治療費が払えるようになったら そん時ゃあ…。」

きぬ「るいちゃんは 賢え子じゃ。 いつかきっと分からあ。 安子ちゃんが いつも どねん時も るいちゃんのことを 一番に思うとるいうこと。」

卯平「あっ! お~ 安子ちゃん。 算太は どねんしたんなら?」

安子「信用金庫に行っとります。」

卯平「それが 行ってとらんらしいで。」

安子「えっ?」

回想

金太「安子。 たちばなを建て直すで。」

算太「安子。 一緒に 立て直さんか… たちばな。」

安子「本当に楽しみです。 ぼんやり思い描いとった いろんな夢が 一つの形になろうとしょおるみてえで…。」

回想終了

<安子は 町を駆け回って捜し ようやく 算太が大阪行きの切符を 買っていたことを突き止めました>

雉真家

稔の部屋

るい「お母さん。 もう新しい家に行くん?」

安子「大阪じゃ。」

るい「大阪? 何で?」

安子「たちばなのお店のことで 大事な用ができたんじゃ。 算太伯父さんが先に行っとるから お母さんも行かんと。」

るい「早う帰ってきてね。」

安子「もちろんじゃ。」

おぐら荘

くま「そやけど あんた。 お兄さん捜すて どないして捜す気ぃやの? そんなもん あんた 大人が家出したからいうてやで? 警察が あんた まともに聞いてくれるか? そういうて やみくもに捜しても そら見つかれへんて。」

進駐軍

ロバート「Yasuko.」

安子「Robert. I’m sorry to bother you…, but I have nobody else to turn to….(すみません ほかに頼る人がいなくて)」

ロバート「What happened?」

ロバート「Don’ worry. I’ll help you find him.(大丈夫 一緒にお兄さんを探しましょう)So you can get home to Rui as soon as possible.(できるだけ早く るいちゃんの元へ帰るためにも)」

安子「Thank you. Thank you, Robert.(ありがとう ロバート)」

ロバート「Describe your brother’s features in as much detail as you can.(お兄さんの特徴をできるだけ詳しく書いてください)」

安子「Yes.」

<ロバートが情報を集め それをもとに 安子は 算太のいそうな所を訪ね歩きました>

BAR

「あっ いや。 最近 こっちは来てへんで。 ああ。」

ダンスホール

「算太 最近 見た?」

「いや 見てない。」

「見てない。」

おぐら荘

<しかし 数日歩き回って 方々捜しても 算太の消息は 一向につかめませんでした>

道中

(笑い声)

(雷鳴)

安子「(心の声)るい…。」

(雷鳴)

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