ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第43話「1962」【第10週】

あらすじ

るい(深津絵里)がジャズ喫茶で出会ったのは、クリーニング店を時々訪れていた「宇宙人(オダギリジョー)」でした。「ジョー」と呼ばれたその男の正体は、ジャズトランぺッター。楽器仲間のトミー(早乙女太一)とジョー一筋のベリー(市川実日子)のやりとりに巻き込まれたるいでしたが、店を出ようとしたところをマスターの小暮(近藤芳正)に声をかけられて…。

43話ネタバレ

竹村家~映画館

<Rui moves to a new place>

るい「新しい町で 一人で生活う始めるんじゃ。」

<She gets ajob>

るい「ここで働かせてもらうわけにゃあ いかんじゃろうか。」

平助「あっ?」

和子「えっ?」

るい「本当に おもしれえ仕事ですねえ。 洗濯もんの数だけ 人生がある思うたら 何か 汚れた服も いとおしゅう思えてきます。」

<She falls in love>

片桐「よかったら もうちょっと話がしたいなあと思て。」

<She gets hurt>

るい「私も もっと お話がしてえです 片桐さんと。」

(風の音)

片桐「あっ…。 やっぱり 帰ります。」

<るいは 惨めでした。 勝手に浮かれて。 たたき落されて>

ジャズ喫茶・Night and Day

(拍手)

<そのトランぺッターは るいが ひそかに宇宙人と名付けた 謎の男でした。 Rui discovered the trumpet player was the mysterious man she’d secretly named the “alien”>

竹村家

竹村クリーニング店

和子「今頃 楽しんでるやろか るいちゃん。」

平助「うん…。」

和子「そわそわして かいらしかったわあ。 初めてのデートなんやろねえ。」

平助「どないな毎日やったんやろなあ 岡山で。 ハンカチにアイロンあてたったぐらいで あないに うれしそうに…。 そやけど 申し訳なさそうに笑て…。 よっぽど 甘えることに慣れてへんのやろ。 わしは あの子の笑た顔が 悲しそうにしか見えへんのや。 あの小さい 細い体で どんだけのもん 抱えてんねやろ思て…。」

和子「デート… 楽しんでるといいね。」

平助「うん。」

ジャズ喫茶・Night and Day

(拍手)

ベリー「ジョー! ジョー!」

(拍手)

木暮「ご苦労さん。 ご苦労さん。 ご苦労さん。 ジョー よかったで。」

「よかったぜ ジョー。」

「ご苦労さん ジョー。」

るい「(心の声)『ジョー?』」

(拍手)

トミー「ジョー。 お前のトランペットは いつ聴いても… 仕入れが極端な すし屋みたいやな。 アジだけで勝負。」

(笑い声)

ベリー「ジェラシーで言うてんねやろ トミー。」

るい「(心の声)『トミー?』」

トミー「黙っとけ ベリー。」

るい「(心の声)『ベリー!? 何 ここ。 何 この人ら…。 ちいてけん。』」

ジョー「やっぱり ジャズが好きなんや。」

るい「えっ? やっぱりって…?」

ジョー「ルイちゃんって呼ばれてたから。」

回想

和子「るいちゃん。 後で こっち お願い。」

るい「あっ はい。」

回想終了

るい「違います。 別に ジャズが好きなわけじゃ…。」

(指で机をたたく音)

るい「(心の声)『またじゃ。 何ゅう いらだっとんじゃろう? 一方的に質問してきといて 返事が待てんいうこと?』

ジョー「ありがとう。 食べながら話していい?」

るい「あっ どうぞ… えっ?(心の声)『いや 何で そもそも ここに座っとるん? 何で話さなきゃいけんの?』

ジョー「サッチモのルイと ちゃうの?」

るい「サッチモ…?」

るい「(心の声)『何じゃあ サッチモて。 いや その前に 何じゃあ この人。 全然 会話が成り立たん。』はあ…!(心の声)『これえ! これじゃったんか! いっつも シャツのおんなじとこに ちいとるケチャップ。 ああ… ほっといたら染みになるのに…。 洗いてえ… 今すぐ洗いてえ。 よかったら また洗います。』」

ジョー「ああ。 ありがとう。」

ベリー「ちょっと あんた。 ジョーと どういう関係なん?」

るい「えっ…。」

トミー「やるやないか ジョー。 お前がトランペット以外のもんを めでるとはな。」

るい「あっ… ち… 違います! 私ゃあ クリーニング屋の店員です。」

ベリー「クリーニング屋?」

るい「この人は お店の常連さんで…。」

ベリー「な~んや 洗濯屋か。」

トミー「ますます やるやないか ジョー。」

るい「(心の声)『何で いちいち語尾に名前うつける?』」

トミー「クリーニング屋でガールハントとはなあ。」

るい「違います!」

ベリー「じゃあ 何で ここにいてんの?」

るい「何でって…。」

るい「(心の声)『あれ? 何でじゃったかなあ。 何で 私ゃ この店に…。』 えっと… 帰ります。」

ベリー「逃げんの?」

るい「ええっ。」

ベリー「言うとっけど ジャズマン追っかけ回すいうんは 思てるより お金かかんねん。」

るい「お… 追っかけ回す?」

ベリー「あんたに その覚悟と経済力があんの?」

るい「(心の声)『いけん。 変なとこに 迷い込んでしもうた。 これ以上 巻き込まれんうちに…。』失礼します。」

ジョー「あっ ちょっと。」

るい「えっ。 毎度ありがとうございます。」

木暮「あっ お嬢さん。」

竹村家

居間

和子「るいちゃんは 夕飯済ましてくるみたいやなあ。」

平助「ああ そやろなあ。」

和子「何 食べてんのやろ。」

平助「知らんがな。」

和子「しゃれた店やろなあ。 ビフテキでも 食べさせてもろてんちゃんか。」

平助「いや いきなり そんな店連れてく男は かえって怪しいで。」

和子「ほな… ラーメンとギョーザやろか。」

平助「極端やな。」

和子「天ぷらやろか。 おすしやろか。 いや うなぎもええなあ。」

平助「お前が食べたいもん 言うとるだけやないかい。」

和子「肝吸い… 肝吸い…。」

るい『ただいま 帰りました!』

2人「お帰り!」

和子「うん? 何? それ。」

るい「洗濯物です。」

和子「洗濯物?」

るい「Night and Dayいうジャズ喫茶の 支配人さんから預かってきました。」

平助「ジャズ喫茶。」

るい「お店の人らの制服です。 これまで頼んどったお店が 値上げしたんじゃそうです。 せえで 試しにいうて。」

和子「あ… そら ありがたいねえ。」

平助「うん。」

和子「ありがたいいけど るいちゃん。」

るい「はい。」

和子「何で デート行って 洗濯もん抱えて帰ってくんの?」

平助「そう。 それやがな。」

るい「私も よう分からんのんです。」

2人「えっ?」

るい「フフッ。 ええ匂い。 煮物ですか?」

和子「ああ そうや。 そら豆と厚揚げの。」

るい「おいしそう。 着替えてきます。」

和子「食べてへんの?」

るい「ひあ。 おなか すきました。」

和子「映画のあと 2人でジャズ喫茶行ったんやろか。」

平助「そやったら 飯も済ませてくるやろ。」

和子「そやんなあ。」

平助「けど… 初めてちゃうか?」

和子「えっ?」

平助「るいちゃんが あないに明るい顔で笑たん。」

るいの部屋

<初めて聴いた生のジャズが るいの心の奥深くに 柔らかく入り込んでいました>

♬~(ハミング)

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