ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第52話「1962-1963」【第11週】

あらすじ

ドライブの帰りに錠一郎(オダギリジョー)から思いを伝えられたるい(深津絵里)。しかしるいは額の傷を気にして錠一郎の気持ちを受け入れることができません。コンテストに向けて調子の上がらない錠一郎の様子から、るいがなかなか返事ができずにいることを知ったベリー(市川実日子)は激怒。そして、錠一郎の将来のため、るいはある決心を固めます。

52ネタバレ

竹村家

玄関

錠一郎「もし… 僕が優勝したら 一緒に 東京に行ってくれる?」

優勝したら 東京で暮らすことになると思う。 僕は この先もずっと サッチモちゃんと一緒にいたい。 一緒に生きていきたい。 僕は サッチモちゃんのことが好きなんや。」

るい「あの… 私… 私…。」

和子『るいちゃん? 帰ったんか?』

錠一郎「そしたら また。」

るい「あっ…。」

錠一郎「おじさんとおばさんに よろしくね。」

居間

平助「お帰り。」

和子「楽しかったか? ドライブ。」

るい「あっ はい…。」

るいの部屋

<るいも 同じ気持ちでした>

<けれども 額の傷が るいを ためらわせていました>

ジャズ喫茶・Night and Day

<錠一郎に返事ができないまま コンテストの日が近づいていました>

ホール

木暮「ジョー。 衣装 買うたんか?」

錠一郎「えっ?」

木暮「コンテスト用の衣装や。 新調した方がええぞ。」

錠一郎「うん…。」

(ドアが開く音)

錠一郎「明日行く。」

ベリー「木暮さん レスカ頂戴。」

木暮「久しぶりやな ベリーちゃん。 何や 学生さんみたいな恰好して。」

ベリー「当たり前や。 学生なんやさかい。」

木暮「え~っ!」

ベリー「単位取って 来年こそ卒業せんとあかんねん。」

木暮「今更…。」

ベリー「ジョー 調子悪そうやなあ。」

木暮「なあ。 じき コンテストやのに。」

ベリー「何か あったん?」

木暮「さあ…。」

(ドアが開く音)

るい「こんにちは。」

木暮「ああ ご苦労さん。 あっ そうや! サッチモちゃん ジョーの衣装 選んだってえな。 ジョー! 明日 ダグラスで買うんやろ?」

るい「私は そんなん選ぶセンスありませんから。」

木暮「いやいや そんなことあれへんと思うで。」

るい「いや 失礼します。」

木暮「えっ サッチモちゃん? あっ あれ… 集荷の分 忘れてる…。」

ベリー「ジョー。 サッチモと何があったん? それくらい聞く権利あると思うけど?」

竹村家

居間

テレビ『大阪から東京まで 僅か3時間で走る夢の超特急。 その車両の内容が明らかになりました。 7~8号車が1等車 それ以外が2等車で 計12両。 5号車と9号車の半分が 食堂車になるそうです』。

平助「食堂車… へえ~。」

和子「乗ってみたいなあ るいちゃん。 ハハッ。」

るい「えっ?」

和子「なっ?」

るい「あ… はい。」

『ごめんください。』

るい「あっ 私 出ます。」

平助「うん。」

玄関

るい「ベリーさん…。」

商店街

ベリー「あんた 何様? ちんくしゃの洗濯屋が 私の邪魔して ジョーの気持ち かき乱しといて。 いざ プロポーズされたら 返事もしいひんて どういうこと? 何で 私が諦めた思てんの? ジョーに幸せになってほしいからに 決まってるやんか。 あんた… ジョーのこと好きなん? 嫌いなん?」

るい「…。」

ベリー「何とか言うたらどうやの…。」

ベリー「何や やっぱり好きなんやんか。 ごめん。 でも ちゃんと返事はしてあげて。 このままやったら ジョー… コンテストで負けてまう。

洋服店・ダグラス

るい「何を吹くんですか?」

錠一郎「『サニーサイド』。」

るい「じゃあ どうします? 『サニーサイド』に合わせて 衣装 選びますか? あっ でも それより 大月さんに似合う方がいいですもんね。 あ… これなんか どうですか?」

錠一郎「サッチモちゃん。」

るい「私 初めの頃 この人 何なんやろと思てました。 ほら お店に 袋いっぱいに洗濯物持ってきて。 やけにシックなのやら 派手なのやら いろんな服が入ってて。 どういう生活してる人なんやろって。 まさか トランぺッターやなんて 想像もつきませんでした。 けど いろいろ思い起こしてみたら なるほどって。 あっ これもええなあ。」

錠一郎「サッチモちゃん。」

るい「こんな派手な衣装着て ステージで演奏するなんて そんな職業があるんやなあって。 これ 着てみてください。」

るい「楽しかったです。 大月さんと出会って。 ジャズに出会って。 きっと優勝できます。 大月さんやったら きっと銀座のステージでも成功します。 レコードだって売れます。 大月さんの演奏は 海を越えて…。 そうや ルイ・アームストロングだって 大月さんのトランペット聴いて びっくりするわ。」

るい「そしたら 私 自慢します。 私… フッ… 大月錠一郎の演奏 生で聴いたことあんねんでって。 大月さんの衣装 洗濯してたんやでって。 ハハッ ちょっと派手すぎですね。 もっとシックな方がいいですね。 探してきます。」

錠一郎「サッチモちゃん。」

るい「これも あかんなあ。」

錠一郎「何であかんの?」

るい「そやから 派手すぎますって。」

錠一郎「何で 僕じゃ あかんの。」

るい「私 東京なんか行きたくないんです。」

錠一郎「何で?」

るい「遠いから。」

錠一郎「もうすぐ 夢の超特急 出来るやんか。」

るい「おじさんとおばさんとも離れたくない。」

錠一郎「僕とは離れてもええの?」

るい「クリーニング屋の仕事も辞めたくない。」

錠一郎「僕のシャツ洗ってほしい。」

るい「嫌やわ。 毎日毎日 ケチャップのついたシャツ。」

錠一郎「もうホットドック食べるのやめるよ。」

るい「うそばっかり。」

錠一郎「うそばっかりは サッチモちゃんやん。 僕のこと…。」

錠一郎「サッチモちゃん。 開けるよ。」

回想

ベリー「あんた… ジョーのこと好きなん? 嫌いなん?」

回想終了

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