ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第5話「1925―1939」

あらすじ

ラジオ英語講座を聴くことは安子(上白石萌音)の毎朝の日課になっています。そして安子の中には稔とのささやかな甘い夢が芽生えようとしていました。ある日、そんな様子を見た親友のきぬ(小野花梨)の計らいで、安子と稔は2人で夏祭りに行くことに。しかし、稔の弟で幼なじみの勇(村上虹郎)から、社長の跡取りの稔と「あんころ屋の女では釣り合わん!」と言われてしまいます。落ち込む安子は、稔の前から走り去ってしまい…。

5話ネタバレ

水田屋・とうふ

卯平「よ~し。」

丹原「おはようございます。」

卯平「はい おはよう。」

丹原「お願いします。」

花子「はいよ~。」

丹原「ありがとうございます。」

卯平「はい ありがとう。」

橘家

お菓子司・たちばな

安子「丹原さん おはようございます。」

丹原「おはようございます。 お嬢さん 近頃 お早いですね。」

安子「フフフ…。」

居間

ラジオ・ピンダー『Oh. May I stop that little curio shop?』.

<朝の6時半に ラジオの英語講座を聴くことは 安子の日課になっていました>

稔「これ よかったら。」

安子「え…。」

稔「僕が中学の時に使ようった 英語の辞書じゃ。」

安子「えんですか?」

稔「お古で悪いけど。」

安子「ありがとうございます。 うれしいです。」

稔「じゃあ 始みょうか。」

安子「はい。」

稔「よいしょ。」

「1 2…。」

一同「1 2 3 4!」

「1 2…。」

一同「1 2 3 4!」

「1 2…。」

一同「1 2 3 4!」

安子「あっ あっ あっ…。」

稔「そうじゃ そう。」

安子「あ~! ちょっと…!」

稔「ごめん ごめん。 離すの早かった。」

橘家

お菓子司・たちばな

安子「ただいま帰りました!」

きぬ「お帰り。」

安子「あっ きぬちゃんが お店番してくりょうったん。」

きぬ「うん。おばあちゃん 講談の時間じゃから 代わって言うて。」

安子「あ~ ごめんね 私が遅うなったから…。」

稔「すんません 僕が時間に気が付かなんで。」

安子「雉真 稔さん。 ほら 勇ちゃんのお兄さん。」

きぬ「ええっ!?」

安子「フフフッ お豆腐屋のきぬちゃん。」

稔「あっ こんにちは。」

きぬ「こんにちは。」

安子「自転車の乗り方 教わりょうったんじゃ。」

きぬ「へえ~。」

安子「ついでに 家に お土産を買いに寄ってくれたんじゃ。」

稔「あっ そうじゃった…。」

きぬ「へえ~。」

安子「どうぞ 特訓のお礼です。」

稔「それじゃあ 遠慮なく頂きます。 ん~ うまい! やっぱり たちばなのあんこは 絶品じゃあ。」

安子「フフフ… 私 うちのお菓子が大好き。 しゃあけど お菓子ゅう食びょうる人の顔を見るんは もっと好きです。 甘うて おいしいお菓子を 怖え顔して食べる人はおらんでしょう。 怒りょっても くたびれとっても 悩みょうっても 自然と明るい顔になる それが うれしいんです。」

稔「フフッ。」

安子「フフフッ。」

きぬ「安子ちゃん。」

安子「うん?」

きぬ「朝丘神社の夏祭りなあ あれ 行けんようになったわ。」

安子「えっ?」

きぬ「うん。 あの 悪いけど 一人で行って。」

安子「何で? 毎年 一緒に行きょうるがん。」

きぬ「ごめんな。 用事できたんじゃ。」

安子「何? 用事って。 きぬちゃん なあ!」

稔「一緒に行こうか? 僕でよかったら。」

雉真家

台所

勇「ただいま。」

「お帰りなさいませ。」

美都里「お帰り。 まあ そねん泥だらけで お台所に入られな。」

勇「腹が減ったよ。 夕飯まで待てん。」

美都里「そこのおまんじゅうでも食べとかれ。」

勇「おう。」

美都里「稔が買うてきてくれたんよ。」

商店街

<夏祭の日が来ました>

♬~(歌声)

菊井「おおっ。 ぎゃ~。」

♬~(歌声)

清子「あなた。 もう…。」

♬~(歌声)

安子「あっ 煎餅じゃ。」

稔「あれ 安子ちゃん 髪飾り つけとらなんだ?」

安子「えっ? あっ…。」

稔「捜してくるよ。 ここにおって。 すぐに戻るから。」

勇「あんこ。」

安子「あっ 勇ちゃん。 どねんしたん? 誰かと一緒?」

勇「兄さんは いずれ雉真の社長になる人じゃあ。 あんころ屋の女なんか 釣り合うもんか!」

稔「安子ちゃん あったよ。 さっきの射的の所に落ちとった。」

安子「稔さん。 夏の間 いろいろと ありがとうございました。 楽しかったです。」

稔「どないしたん 急に。 まだ自転車も 乗れるようになっとらんのに。」

安子「もう… やめにします。」

稔「えっ?」

安子「自転車なんか… 乗れなんでもええ!」

稔「安子ちゃん? 安子ちゃん? 安子ちゃん!?」

橘家

寝室

<目覚ましは かけなかったのに いつのの時間に目が覚めてしまいました>

居間

ラジオ・ハリス『I hope they serve you well』

ラジオ・ピンダー『I know they oill』.

ラジオ・ハリス『why?』.

ラジオ・ピンダー『Because I know how to take care of them』.

安子「(すすり泣き)」

ひさ「もう 14なんじゃ。 泣きてえこともあろうえ。」

旭川

(自転車のベル)

橘家

お菓子司・たちばな

<稔と会わないまま 夏が終わろうとしていました>

(足音)

安子「いらっしゃいませ…。」

勇「大福 1つ。」

安子「はい。」

勇「悪かったな こねえだ。 言い過ぎた。」

安子「本当のことじゃから。」

勇「兄さん 明日 朝一番の汽車で 大阪へ帰るそうじゃ。 もう夏休みは しまいじゃあ。」

居間

ラジオ・ハリス『今日は 今月学んだことの復習をいたします』。

ラジオ・ピンダー『Oh』

安子「オウ。 メイ アイ ストップ バイ ザッ リトゥー キョウリオ ショップ?」

回想

稔「きゅうり? これ キュウリじゃのうて キュウリオ。」

回想終了

(ラジオ)

稔「よかったら 僕が教えたぎょうか。」

安子「えっ…。」

稔「前見て 前。 お~ その調子!」

回想終了

回想

稔「May I put sugar in your coffee?」

安子「メイ アイって…。 あっ はい。 あ… イエス。」

稔「これ よかったら。」

安子「ありがとうございます。 うれしいです。」

回想終了

岡山駅

安子「稔さん! 稔さん!」

稔「安子ちゃん。」

安子「あっ…。」

稔「安子ちゃん! 大丈夫?」

安子「メイ アイ…。 メイ アイ ライト ア レター トゥ ユー?」

稔「Of course. I will write to you in return. 僕も返事を書くよ。」

<安子は まだ ほんの14歳でした。 Yasuko was only fourteen years old then>

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