あらすじ
映画村から帰ったひなた(新津ちせ)は、クラスメイトの小夜子ちゃんのように英語が話せるようになりたいと思うようになります。ただ、回転焼きの売り上げが落ち込んでいる今、大月家には英語教室に通うようなお金はありません。しかし、錠一郎(オダギリジョー)に相談したところ、「お父ちゃんに任せろ」と頼りがいのある台詞(せりふ)が。と、錠一郎がポケットから取り出した札束を見たひなたは喜ぶのですが…。
67話ネタバレ
太秦映画村
ひなた「落ちましたよ。」
「Oh! Thank you!(ああ! ありがとう!)Thank you so much.(ありがとう)Do you know where I can take a photo with a ninja?(ニンジャと写真が撮れるのはどこか知ってる?)」
ひなた「あ…。」
「I want a photo with a ninja.(ニンジャと写真を撮りたいんだ)」
小夜子「Behind that building.(あの建物の向こうです)」
「Which one?(どの建物?)」
小夜子「That one. Can you see the red flag?(あれよ 赤い旗が見える?)」
「Oh! Right. Thanks a lot.(わかった どうもありがとう)」
小夜子「You are welcome. Bye.(どういたしまして じゃあね)」
「Thanks. See you.(ありがとう それじゃ)」
広場
ひなた「あんこは好きですか?」
「あ… あんこ?」
ひなた「うちの回転焼きを食べに来ませんか?」
「もちろん!」
ひなた「あ~! 行きましょう!」
ひなた「って英語で何て言うんやろ…。」
錠一郎「ひなた。」
ひなた「お父ちゃん。」
錠一郎「どうしたんや?」
ひなた「えっ?」
錠一郎「サイン会から帰ってきてから 何や おかしいで。 お父ちゃんでよかったら 話聞くで。」
ひなた「お父ちゃん。 私な…。」
錠一郎「うん。」
ひなた「英語教室に通いたいねん。」
錠一郎「英語教室?」
ひなた「小夜ちゃんが通っててな 英語ペラッペラなん。」
錠一郎「へえ~。 すごいな。」
ひなた「そやけど 月謝聞いたら ものすごう高うてな。 あかんやんな。 赤ちゃん生まれてくんのに…。」
錠一郎「そんなことか。」
ひなた「えっ?」
錠一郎「お父ちゃんに任せとき。」
ひなた「え~?」
荒物屋・あかにし
ひなた「お父ちゃん どこ行くん? お父ちゃん。 お父ちゃん。 そんなお金 どっから…! 福引き券? しかも 補助券やんか。」
錠一郎「よう見てみい。 1等の賞品 何や。」
ひなた「熱海(ねっかい)旅行。」
錠一郎「熱海(あたみ)旅行や。」
ひなた「あ~ 惜しい!」
錠一郎「ええか ひなた。 あの1等 熱海旅行を当てて お金に換えれば 英語教室ぐらい通えるはずや。」
ひなた「お父ちゃん 天才や!
錠一郎「皆まで言うな。 いざ出陣や。」
ひなた「いざ! 頼もう~! おっちゃん!」
森岡「うわ~! びっくりした。 ひなたちゃん。 えらい元気やなあ。」
ひなた「ヘヘヘヘッ。」
錠一郎「これで お願いします。」
森岡「あっ はいはい。」
錠一郎「1等は赤玉や。」
ひなた「出るように念じといて。」
錠一郎「分かった。」
ひなた「よし。」
森岡「足らへんな。」
錠一郎「えっ。」
森岡「補助券 9枚しかないで。 1枚足らへん。」
錠一郎「いやいやいや… そんな…。」
ひなた「おっちゃん。 1枚くらいええやんか。」
錠一郎「ひなた。」
森岡「いや~ そない言われてもなあ…。」
ひなた「後生や! お願いします!」
吉右衛門「お断りします。」
ひなた「出た。」
吉右衛門「1円足らんでも 物は買えしまへん。 福引きの補助券も またしかり。 この赤螺吉右衛門 あかね通り商店街会長として 断固として 不正は認めまへん。 福引き 引きたかったら 補助券10枚 耳をそろえて お持ちいただこ。」
大月家
回転焼き屋・大月
♬『まいにち まいにち ぼくらは てっぱんの うえで やかれて いやになっちゃうよ あるあさ ぼくは みせのおじさんと』
錠一郎「ただいま。」
るい「お帰り。」
♬『うみに にげこんだのさ』
錠一郎「まだ たい焼き売れてんねんな。」
るい「ホンマ いつまで続くんやろ…。」
♬『はじめて およいだ うみのそこ』
錠一郎「ええ曲やな…。」
るい「そうなん?」
錠一郎「うん。 みんなが心つかまれんの 分かるわ。」
♬『おなかの アンコが おもいけど』
賀茂川
ひなた「もう~ 結局 また 空き瓶探すしかないやん。」
一恵「ひなちゃ~ん!」
ひなた「あっ いっちゃ~ん!」
一恵「何してんの~?」
ひなた「空き瓶探し! あっ! あった! 一升瓶や。 30円や! えっ。 私が先に見つけたんえ!」
吉之丞「俺の方が先や!」
ひなた「うっ 離してえな。」
吉之丞「お前こそ 離せ!」
ひなた「うっ 離してえな!」
吉之丞「お前こそ… あっ!」
一恵「ひなちゃん!」
大月家
居間
一恵「おばちゃん! ひなちゃんのおばちゃん!」
るい「いっちゃん。」
一恵「ひなちゃんが… ガラスの瓶が割れて…。 ひなちゃんが… けが…。」
るい「ひなた…。」
錠一郎「あっ るい あかん。 走るな。」
ひなた「お母ちゃん。 ばんそうこう頂戴。 吉之丞が引っ張るさかい 空き瓶が割れてな。 びっくりして 転んでしもてん。 痛っ…。」
るい「はあ~。 よかった…。 顔 切ってたら どないしよか思ったわ。 はあ~ よかった…。 はあ よかった。 はあ~。」
洗面所
ひなた「お母ちゃん。」
るい「何?」
ひなた「今日は 心配かけて ごめんなさい。」
るい「もうええから はよ寝なさい。」
ひなた「うん。 おやすみなさい。」
るい「おやすみ。」
ひなた「お母ちゃん。 お母ちゃんのこれ 旗本退屈男みたいで かっこええな。」
玄関前
「こんにちは。」
居間
吉右衛門「この度は せがれが 大変ご迷惑をおかけしました。 このとおり おわび申し上げます。」
錠一郎「あ~ いやいや…。」
るい「赤螺さん どうぞ お手を上げてください。 ひなたかて悪いんです。」
吉右衛門「いや。 男子たるものが おなごに けがを負わせるやなんて 言語道断です。 この私が厳しゅう叱っておきました。 後で 本人にも謝りに来させます。」
るい「わざと やったわけやありませんし…。」
吉右衛門「聞いたら 10円の小銭を得るために 空き瓶を拾い集め その一本を取り合うたと 言うやありませんか。 情けない。」
ひなた「いや それ 私の悪口やない?」
吉右衛門「これは 心ばかりのおわびです。 どうぞ お納めください。」
るい「困ります 赤螺さん。 こんな…。」
吉右衛門「いや。 こうでもしいひんと 私の気ぃが済みません。」
るい「いや でも…。」
吉右衛門「どうか これで ご勘弁を。」
るい「あっ ちょっ… 赤螺さん? いや でも…。 ちょっ 赤螺さん? あっ ねえ ちょっと 赤螺さん。」
錠一郎「あかんで ひなた。」
ひなた「何で?」
錠一郎「いや さすがに これは… 分厚すぎる…。」
るい「帰ってしもた。 後で返しに行くわ。 ちょっと。 何してんの?」
錠一郎「97 98 99 100。」
ひなた「さすがケチエモン。」
錠一郎「ちょうど100枚や。」
ひなた「100枚!」
錠一郎「ああ。 ということは?」
ひなた「100回引ける!」
錠一郎「10回や。」
ひなた「あ~ 惜しい。」
錠一郎「よっしゃ ひなた。 今度こそ熱海旅行や。」
ひなた「うん。」
るい「熱海旅行? ちょっ… 何の話?」
錠一郎「あ~… ひなた もう言うてええか?」
ひなた「うん。」
錠一郎「いや 福引きで 1等の熱海旅行当てて で… お金に換えよう言うてたんや。」
るい「えっ?」
錠一郎「ひなたが英語教室 通いたいんやて。」
ひなた「お父ちゃん。 はよ福引きしに行こ。」
錠一郎「よし 行こか。」
るい「英語…?」
荒物屋・あかにし
森岡「…95 96 97 98 99 100。 確かに 100枚。 10回や。」
錠一郎「よっしゃ いけ ひなた。 狙いは赤玉や。」
ひなた「あ~。」
森岡「ハズレ。」
ひなた「うう…。」
森岡「風船ガム。」
ひなた「くっ…。 お父ちゃん。」
ひなた「あ~。」
森岡「ハズレ!」
森岡「あ~ ハズレ。」
ひなた「惜しい!」
森岡「ハズレ。 ハズレ。 ハズレ…。 ハズ…。 ハズレ~。」
ひなた「お父ちゃん。 最後の一回や 頼んだ!」
錠一郎「これで また白玉やったら お父ちゃん 腹切って おわびするわ。」
ひなた「うん。」
森岡「いや そない大層なことやない!」
錠一郎「いざ!」
るい「待ち!」
ひなた「お母ちゃん。」
るい「私が引く。」
ひなた「えっ!」
(ベル)
大月家
居間
るい「これが 3等…。」
ひなた「絶対 ケチエモンの店の蔵に眠ってた 大昔の売れ残りや。」
錠一郎「これは 質屋に持ってっても お金にならへんな。」
るい「大体 鳴るんやろか…。」
♬~(ラジオ)
錠一郎「お~ 鳴った 鳴った。」
ラジオ♬『証 証 証城寺 証城寺の庭は ツ ツ 月夜だ みんな出て 来い来い来い』
回想
るい 安子♬『Come, come, everybody How do you do, and how are you? Won’t you have some candy? One and two and three, four, five?』
回想終了
ラジオ♬『おい等の友達ァ ぽんぼこ ぽんの ぽん』
<ラジオの英語講座が 今でも放送されていることを るいは 初めて知りました。 Rui was surprised to learn the English conversation program was still being broadcast on the radio>