あらすじ
ひなた(新津ちせ)は、映画村で出会って初恋に落ちた外国人の少年・ビリーと英語で話せるようになることを夢みながら、ラジオ英語講座で勉強を続けていました。るい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)もひなたの気持ちを知って応援します。しかし、小学生のひなたにはテレビや漫画など誘惑も多く、だんだんと英語の勉強は後回しになっていってしまいます。そんなある日、ビリーが一人で店を訪ねてきて…。
69話ネタバレ
大月家
ひなたの部屋
ひなた「『サム サシミ。 お刺身なの』。 『オウ ザ ワノブ マイ フェイバリット デッシー』。
ビリー「What did you buy?(そう なにを買ってきたの?)」
ひなた「Some sashimi.」
ビリー「Wow! That’s one of my favorite dishes.(うぁー 僕の好物のひとつなんだ)」
ひなた「Why don’t you come over to my place, Billy?(ビリー うちに寄っていきませんか?)」
ひなた「『ワー ドンチュー カン オーバー トゥ マイ プレイス ビリー?』。」
ひなた「Why don’t you come over to my place?(うちに寄っていきませんか?)」
ビリー「O.K.(いいよ)」
ひなた「Oh, good! Let’s enjoy Kaiten-yaki together.(ああよかった 一緒に回転焼きを食べましょう)」
小学校
ひなた「おはよう。」
小夜子「ひなちゃんとこの回転焼き すごくおいしいってビリーが言うてたわ。」
ひなた「えっ!」
一恵「ああ 映画村の外国の男の子?」
小夜子「そう。」
一恵「あの子 どこの国から来たん?」
小夜子「アメリカやて。」
ひなた「アメリカ…。」
大月家
居間
ひなた「お父ちゃん。 アメリカって どこにあるん?」
錠一郎「アメリカ?」
ひなた「うん!」
錠一郎「え~。」
るい「ここや。」
ひなた「アメリカ… これが…。 日本は?」
錠一郎「日本は… ここや。」
ひなた「遠い?」
るい「そうやね…。 ちょっと遠いね。」
回想
錠一郎「お母さんの顔が浮かんでる?」
るい「大月さんこそ。 トランペットが聴こえてますか? ルイ・アームストロングの吹く トランペットが。」
錠一郎「吹いてみたいなあ。 いつか アメリカの空の下で。」
回想終了
別日
♬~(ラジオ『英語会話』のテーマ音楽)
ラジオ・東後『That’s all the time we have today. See you next time. Good bye.』
ラジオ・バッハ キャロル『Bye!』
2人「バ~イ。」
錠一郎「一週間 よう頑張ったな ひなた。」
ひなた「お父ちゃんもな。」
錠一郎「はい。」
ひなた「ありがとう! 6つたまった。」
錠一郎「うん。 大福が6つやな。」
ひなた「パンダやろ?」
小学校
小夜子「今日の『全員集合』 百恵ちゃん出るね。」
一恵「ホンマ!」
ひなた「楽しみ!」
一恵♬『恐くない』
ひなた 小夜子♬『ah ah ah』
一恵♬『恐くない あなたとだったら』
3人♬『何でも出来る』
吉之丞「百恵の100分の1が何か 歌てるぞ。」
一恵「吉之丞!」
ひなた「ちょっと吉之丞。 いっちゃんに ひどいこと…! フフ…。 フフ… いや 百恵の100分の1て ちょっと おもろい思て…。」
一恵「もう ひなちゃんまで。」
(笑い声)
ひなた「百恵が100で 一恵が1やから…。」
大月家
居間
テレビ♬『ババンババンバンバン』
テレビ♬『アービバノンノン』
テレビ♬『ババンババンバンバン』
♬~(テレビ 『8時ョ! 全員集合』のエンディング曲)
<ひなたの土曜日は あっという間に暮れます>
ひなたの部屋
<日曜日は 『英語会話』の放送はありません>
玄関
ひなた「行ってきま~す。」
るい「は~い。」
ひなた「いっちゃ~ん!」
広場
ひなた「どうなった!? マヤと亜弓さん どうなった?」
一恵「ちょっと やめてえな。」
ひなた「お願い! はよ読みたいねん。」
一恵「遅れてくるもんが悪い。」
ひなた「いっちゃ~ん。 友達やろ?」
修治「行くで 行くで!」
ひなた「どこ行くん?」
修治「賀茂川!」
哲也「ザリガニ捕り!」
ひなた「ザリガニ!?」
大月家
回転焼き屋・大月
るい「ひなた。 どないしたん それ。」
ひなた「ザリガニ捕りしててん。」
るい「何匹捕れたん?」
るい「はよ着替えなさい。」
ひなた「は~い!」
居間
テレビ♬『ホラホラ みんなの声がする サザエさん サザエさん サザエさんは 愉快だな』
<ひなたの日曜日は あっという間に暮れます>
るい「ひなた。 はよ食べて お風呂入りなさいよ。」
ひなた「『母をたずねて』見てから。」
るい「はあ… もう テレビばっかり見て。」
錠一郎「マルコ 果たして船に乗れるやろかな。」
ひなた「なあ。」
るい「ホンマや…。」
ひなた「なあ。」
るい「ひなた。 はよ食べなさい。」
ひなた「は~い。」
居間
ひなた♬『朝ぼくを おこしたおひさまが ほら もう ま上 いま かあさんを』
るい ひなた♬『おこしてるんだ はるかな国の空にのぼって』
ひなた♬『かあさん おはよう』
錠一郎「あっ ひなた。 ひなた。 ひなた。 それ 昼間 いっちゃん持ってきてくれたで。」
ひなた「あっ 『ガラスの仮面』!」
ひなたの部屋
ひなた「わあ~。」
翌日
♬~(ラジオ『英語会話』のテーマ音楽)
ラジオ・東後『Hello, everyone. Welcme to our English conversation program. How are you today?』
錠一郎「ひなた~。 ラジオ始まってるで~。」
<月曜の朝 ひなたは 『英語会話』の時間に 起きることができませんでした>
錠一郎「ひなた~。」
ひなた「明日は ちゃんと聴く…。」
小学校
(チャイム)
<せめて テキストは読んでおこうと 思いましたが…>
<夜 家でやろうと思いましたが…>
大月家
居間
『ノストラダムスの大予言。 1999年7の月 空から恐怖の大王が降ってくる。 ご存じですか? 皆さん…』。
るい「ひなた。 怖いの見たら寝られへんようになるよ。」
錠一郎「えっ。 えっ えっ… 1999年って何年後や。」
ひなた「23年後。」
テレビ『今夜は この予言を 徹底的に解剖し 恐怖の大王の実態について 迫りたいと思います』。
ひなた「34歳…! わあ…。」
『番組取材班は 世界中の研究機関から情報を集め…』。
翌日
ひなた「ほっ ほっ。 はっ ほっ…。」
錠一郎「おう… 見な テレビ。」
ひなた「あ~。」
るい「はよしなさい。 遅刻するよ。」
ひなた「分かってる。 う~ん…。 あ~あ。 学校なんか行ったかて あと23年で 地球は滅亡すんのに。 はあ…。」
♬~(テレビ)
るい「しょうもない口答えしなさんな!」
ひなた「恐怖の大王は うちにいた!」
<こうして結局…>
ひなたの部屋
るい『ひなた~。 ごはんよ~。』
ひなた「は~い!」
<毎朝 『英語会話』を聴く ひなたの習慣は 定着しないまま 途絶えてしまいました>
居間
るい「はあ… ホンマに飽き性なんやから。」
♬~(ラジオ『英語会話』のテーマ音楽)
ラジオ・東後『Hello, everyone. Welcome to our English conversation program. How are you doing today? Hello, Ken. How are you?』
ラジオ・ケン『Fine, thank you. Hello, everyone.』
ラジオ・東後『Hi, Chris.』
ラジオ・クリス『Hi, Mr. Togo. Hello, everybody.』
荒物屋・あかにし
ひなた♬『雪が溶けて川になって 流れて行きます つくしの子が恥ずかしげに 顔を出します もうすぐ春ですね』
清子 ひなた♬『ちょっと気取ってみませんか』
(拍手)
吉右衛門「もう初夏やけどな。」
ひなた「おっちゃん。 ええ歌は いつ歌ても ええ歌なんやで。」
吉右衛門「一理ある。」
ひなた「せやろう! じゃ!」
清子「バイバ~イ。」
ひなた「さいなら~! ♬『もうすぐ春ですね 彼を誘ってみませんか』」
大月家
回転焼き屋・大月
ひなた「病院か。」
ビリー「Hello.」
ひなた「あ…。」
ビリー「Closed today?(今日は休み?)」
ひなた「えっ? あっ あ…。」
ビリー「I’m here to buy some…(いつかの あのお菓子を買いに来たんだけど)uh, the sweets. Where’s your mom?(お母さんはいないの?)Never mind. Bye.(いいよ さよなら)」
ひなた「あっ あの! えっと… 何やったっけ…。 あ…。」
回想・ラジオ・クリス『Why don’t you come over to my place?』
ひなた「ラ… ラジオで言うてたやつ。」
回想・ラジオ・クリス『Why don’t you come over to my…。』
ひなた「あ… あ…。」
回想・ラジオ・クリス『Why don’t you come over to my…。』
ひなた「あ… あ…。」
回想・ひなた『ワー ドンチュー カン オーバー…』。
ひなた「習たやん!」
回想・ひなた『Why don’t you come over to….』
ひなた「覚えたやん!」
回想・ひなた『Why don’t you come over to….』
ひなた「えっと…。」
「Billy!(ビリー) Are you ready? You’ll gonna be late for the flight.(もういいかい 飛行機に乗り遅れるよ)」
ビリー「O.K. I’m coming.(いま行く)Good bye.(さよなら)」
ひなた「あ…。」