ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第95話「1992-1993」【第20週】

あらすじ

商店街でダンスを披露し、場を湧かせた算太(濱田岳)ですが、実は病を患っていることが発覚。心配するるい(深津絵里)に、算太はクリスマスプレゼントを渡します。中に入っていた物を見て、過去に思いをはせるるい。その様子を見ていた錠一郎(オダダギリジョー)は、ひなた(川栄李奈)と桃太郎(青木柚)、そして算太を連れて家族で岡山に里帰りしようと提案し…。

95話ネタバレ

大月家

居間

算太「るい…。」

るい「はい。」

算太「すまなんだなあ。 わしが悪いんじゃ。 全て わしが…。 安子あ な~んも悪うねえ。」

ひなた「安子…?」

清子「やっぱり。 算太ちゃんやね?」

回想

金太「生まれたんか!」

金太 算太「かうぇえらしいのう!」

清子「ねえ あなた。 おめでたい時なんやさかい。」

回想終了

算太「あ… 清子さんじゃ… ケチ兵衛の奥さんの…。 吉右衛門か?」

吉右衛門「そうじゃ。 あんたがラジオを盗んだ朝に生まれた 吉右衛門じゃ。」

算太「ああ… 雪か。 あ… るい。」

るい「はい。 算太伯父さん。」

算太「メリークリスマス。 はあ…。」

<算太の弔いは モモケンこと桃山剣之介が 静かに執り行ってくれました>

錠一郎「何やったん? 算太伯父さんのクリスマスプレゼント。」

るい「通帳。」

錠一郎「通帳?」

るい「古いのと 新しいの。」

錠一郎「昭和24年。」

るい「多分 算太伯父さんが 戦争から帰ってきてすぐやわ。 その年から ちょっとずつ ためて… 昭和26年には だいぶたまってる。 算太伯父さんが失踪した年。 そして… お母さんが出ていった年や。」

錠一郎「新しい方は?」

るい「昭和59年に開設してる。 ひなたが ここへ 伯父さんを 連れてこようとしたいう年や思う。 その年の秋から 10年間。 頻繁に入金されてる。 私 伯父さんに聞いたんや。」

るい「『何で あの時 伯父さんは 姿消したん?』て。『何で お母さんは あないに慌てて 伯父さんを追って 大阪へ行ったん?』て。 けど 伯父さんは… そんな昔のことは忘れた言うて とうとう何も教えてくれへんかった。」

錠一郎「るい。 来年 岡山に行こか。 ひなたも 桃太郎も それから 算太伯父さんも連れて。 里帰りや。」

回想

るい「私… 家を出らあ。 家を出て 岡山も出る。」

回想終了

雉真家

正門

るい「ここや。」

ひなた「えっ この家!? すごいお屋敷やん!」

桃太郎「雉真?」

るい「そうや。」

桃太郎「雉真繊維の?」

るい「そうや。」

桃太郎「あの実業団野球で有名な?」

るい「そうや。」

桃太郎「えっ それがお母ちゃんの父方の家なん?」

るい「そうや。」

桃太郎「それ はよ言うてえな!」

るい「聞かへんさかい。」

桃太郎「いや…。」

勇「るいか?」

るい「勇叔父さん…。 ご無沙汰しておりました。」

勇「よう帰ってきたのう!」

るい「あの… 主人です。 錠一郎さん。」

錠一郎「あっ 初めまして。」

勇「ああ あんたが るいの…。」

るい「それから娘の…。」

勇「ええから。 まあ入れ。」

るい「えっ?」

勇「早う。 今 ええとこなんじゃ! 早う ほら。」

るい「何が?」

勇「入れ 入れ。」

リビング

テレビ『ワンナウト 三塁。 先制のチャンス…』。

勇「お~ ワンナウト 三塁か。 チャンスじゃ 岡山関西!」

るい「相変わらずやねえ。」

桃太郎「ここは スクイズやな。」

勇「おっ? 分かっとるのう。」

るい「息子の桃太郎です。 野球部で…。」

勇「おおっ さすが るいの子じゃ!」

桃太郎「えっ?」

勇「るいは 野球の塁からとった 名前じゃからのう!」

桃太郎「あっ そうなんですか。」

るい「…と叔父さんは信じてはんの。」

錠一郎「ああ…。」

勇「おっ! おおっ!」

桃太郎「おっ。 やっぱりスクイズや。」

勇「やったあ! 関西1点先取じゃあ! おう 入れ。 早う こけえ座れえ。 え~っと…。」

錠一郎「あっ 娘のひなたです。」

ひなた「こんにちは。」

勇「ひなた。 ええ名前じゃが。 ああ はよ 座れ。 座れ 座れ。」

テレビ『ピッチャーが捕って ここで投げていれば クロスプレーかという場面では ありましたが…』。

るい「雪衣さん?」

雪衣「るいちゃん…。 お帰り。」

るい「ただいま帰りました。」

客間

雪衣「ごめんね。 久しぶりじゃいうのに 勇さん あの調子で。」

るい「いえ。 かえって安心しました。 全然変わってはらへんから。」

雪衣「どうぞ。 うれしいんじゃろうねえ。 昇は昔から野球に興味ねえし 孫も おなごの子ばあじゃから。」

るい「孫て 昇ちゃんの子?」

雪衣「うん そうじゃ。 出勤に便利じゃからいうて 会社の近くのマンションに 家族で住んどる。」

るい「会社 順調みたいですね。」

雪衣「おかげさんで。 るいちゃんが使よおった部屋も 残っとるけど こっちの方が広えから。」

るい「ありがとうございます。」

るい「算太伯父さん。 岡山 帰ってきたよ。 久しぶりでしょ。 ゆっくり くつろいで。 聞いてます。 橘の家のお墓 あれからずっと 勇叔父さんと雪衣さんとで 世話してくれてはるて。 ありがとうございます。 明日… 算太伯父さんのお骨も 納めさしてもらいます。」

雪衣「あ…。 あっ…。 私のせいなんじゃ。 あの時… 算太さんが おらんようになってしもうたんは… 多分 私のせいなんじゃ。」

るい「どういうことですか?」

雪衣「算太さんは 優しい人じゃった。 私ゃあ 女中の立場もわきまえんと ずっと勇さんを思ようった。 一度は諦めたんじゃ。 そねえな時 算太さんが…。」

るい「算太伯父さんらしい…。」

雪衣「算太さんは 安子さんと一緒に たちばなを立て直すつもりで お金ょお たみょおったんじゃ。」

回想

算太「雪衣ちゃん。 店を始める家が手に入ったら… そこで わしと 一緒に暮らしてくれんか?」

回想終了

るい「伯父さんが そんなことを…。」

雪衣「私… そねんしても ええかもしれん 思よった。 じゃけど… 私 結局 算太さんを傷つけてしもうた。 算太さんが 黙って家を出ていったんは 私のせいじゃ思う。 たちばな再建のための通帳 持ったまま…。」

回想

安子「よろしゅうお願いします。」

算太「うん。」

回想終了

るい「お母さんは…? お母さんは ホンマに伯父さんを捜すために それだけのために 大阪へ行ったんですか?」

雪衣「もちろんじゃ。」

回想

ロバート「I love you!」

安子「Thank you. I’m glad.」

回想終了

るい「ロバートさん…。 ロバートさんと会うため いうことは…?」

雪衣「ロバートさんとのこたあ よう知らんのんじゃ。 私も 勇さんも。 じゃけど… 算太さんと一緒に たちばなを立て直す。 あのころの安子さんは その一心じゃった。」

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