ドラマダイジェスト

夜ドラ「ミワさんなりすます」(第18回)

らすじ

久保田ミワ(松本穂香)は、このまま家政婦を続けてほしいという八海崇(堤真一)の願いを受けて今日も八海邸で働いている。大掃除の最中にミワが無茶な使い方をして掃除機を壊してしまうと、家政婦派遣会社の社員が代わりの掃除機を持ってやってくるという。それは今までで最大の身バレの危機だった。なんとか見つからないように屋敷中を逃げ回るミワだったが、とうとう派遣会社の社員に控室に追い詰められ顔を見られてしまう。

第18回ネタバレ

八海邸

書斎

八海「どうでしょう これは私とミワさんだけの 秘密にしませんか。」

ミワ「えっ…。」

八海「ミワさんだって 中途半端な覚悟で 始めたわけじゃないでしょう。 ここで逃げても 罪は消えません。 家政婦のお仕事 このまま続けてもらえませんか。」

<私は 神のご意志に 従うことにした>

控え室

<そして 八海サマが海外にたった次の日も…>

ミワ「おはようございます。」

<私は何食わぬ顔で なりすましていた。 それにしても 神はどうして この あさましき私に 身に余るお言葉をかけて下さったのか…>

回想

八海「掛けがえのない人です。」

回想終了

<いや そんな…。 いやいや 私は本当にこのまま 偽り続けてもいいのでしょうか>

一駒「リーダー 準備できました。」

ミワ「あ… はい。」

池月「今日から大掃除ですね リーダー。」

ミワ「では 始めます!」

池月「はい!」

園庭

回想

藤浦「この機会に ここの大掃除をお願いしたいの。 あなたをリーダーにしてもいい?」

回想終了

<大掃除リーダーとして 期待に応えなければ>

ミワ「よしっ。」

キッチン

ミワ「え… えっ これってビールですよね?」

一駒「賞味期限の切れたやつね。 しつこい油汚れが浮くのよ。」

ミワ「へえ~。 それは?」

一駒「柑橘類の皮はね こういうところを拭くのにいいの。」

ミワ「へえ~。 洗剤じゃダメなんですか?」

一駒「合成洗剤もいいけど こっちのほうが 環境にいい気がするでしょ?」

ミワ「確かに。 知らなかったです。」

一駒「SDGs。」

ミワ「SDGs…。」

一駒「最後のsは ちっちゃいs。」

ミワ「最後のsは ちっちゃいs…。 SD…。」

リビング

<これは私の得意分野。 大切なボトルシップの輝きを 常に保つための裏技>

ミワ「こうやって除光液を使うと くすみが取れるんです。」

池月「うん 知ってる。」

<えっ>

一駒「壊さないように あえて触らないようにしてるのよ。」

ミワ「えっ そうなんですか?」

池月「ミワさんも初日に壊しちゃったでしょ。」

ミワ「はい…。」

一駒「じゃあ リーダー。 次は これを持って 書庫に移動しましょうか。」

ミワ「はい。 うん? これは…。」

一駒「薄めたハッカ油。 虫よけに よく効くのよ。」

ミワ「へえ~!」

<知らないことが多すぎる…。 このままじゃ私 リーダーは務まらない>

ミワ「行ってきます。」

道中

<こうなったら 中途半端な考えは捨てよう。 バレたら それまで。 とことん なりすましを極めて 本物のスーパー家政婦になればいい>

ミワ宅

さくら「おかえり。」

さくら「ふ~ん… 八海サマに引き止められて 続けることにしたんだ。」

ミワ「はい。 神の啓示には背けませんでした。」

さくら「まあ ここまできて辞めるのは ずるいしね。」

ミワ「…ずるい?」

さくら「だって 罪を犯してる自覚は 最初から あったわけでしょ? なのに いい思いをさんざんして バレる前に逃げたいって それは虫がよすぎるよ。」

ミワ「…そうですね。」

さくら「全てがバレ ろう獄にぶち込まれる そのギリギリまで 己の欲望のままに突っ走っていく。 それが 久保田ミワっていう人なんじゃないの?」

ミワ「そんな 欲望の暴走機関車みたいな…。」

<いや 確かに さくらさんの言うとおりかもしれない>

<この 欲望の暴走機関車が 行き着く果ては…>

ミワ「詐欺罪 住居侵入罪 器物損壊罪…。」

<懲役16年!>

(ノック)

<えっ… 何!?>

(ノック)

「久保田ミワさんですね。 詐欺 不法侵入 器物破損の容疑で 18時46分 通常逮捕します。」

<ウソ… どういうこと?>

「今 捜査員に囲まれて 女が出てきました。 両手には手錠をかけられているのが…。 久保田ミワ容疑者 29歳。 別人になりすまし 大胆にも家政婦として…。」

<こうして 私のなりすまし人生は 突然 終わりを迎えた>

<そして…>

2039年 夏

ミワ「ありがとうございました。」

「二度と なりすますんじゃないぞ。」

<45歳となった私は…>

さくら「バカじゃないの?」

ミワ「えっ?」

さくら「懲役16年なんか あるわけないでしょ。」

ミワ「ですかね…。」

さくら「で これは何?」

ミワ「ああ どうせ続けるなら 一流の家政婦さんに ちょっとでも近づけたらと…。」

さくら「それでフランス語を?」

ミワ「はい。」

さくら「偽物が だんだん 本物になっちゃうみたいな映画あるよね。」

ミワ「『ギャラクシー・クエスト』とか 『ポストマン』とか。」

さくら「でも 語学に家事に一般教養って 短期間では無理じゃない? さすがに。」

ミワ「ですよね…。」

さくら「まあ 頑張って。 私としては 久保田さんを通じて 八海サマの最新情報が 得られたらいいので。 じゃあ 『今週の八海サマ』教えて。」

ミワ「はい。 昨日から海外ロケに出発したんですけど 新しく買った炊飯器を持っていきたいと 八海サマがおっしゃって。」

さくら「えっ 炊飯器?」

回想

八海「どうですか 閉まりますか?」

ミワ「もうちょっとです。」

池月「手伝います。」

ミワ『でも ちょっと大きすぎて スーツケースに入らなかったんです』

ミワ「あああ ダメです 閉まりません!」

八海「ああ…。」

回想終了

ミワ「それで 最終的には手持ちで…。」

さくら「尊い… 何 その尊い生き物は!」

ミワ「以上になります。」

さくら「すごい! これは 久保田さんしか知り得ない情報だね。 本気で勉強頑張って!」

ミワ「ジュフェドゥ…。」

さくら「Je fais de mon mieux.」

ミワ「えっ…。 ジュフェドゥ…。」

さくら「Je fais de mon mieux.」

八海邸

控え室

ミワ「On y va!」

ミワ「それでは 大掃除の2日目 始めていきましょう。」

池月「はい!」

一駒「はい リーダー!」

ミワ「On y va!」

一駒「Oui!」

リビング

<昨日 本で読んだお掃除のテクニック。 重曹を満遍なくカーペットにまき においや汚れをとる>

<そして この まいた重曹を 掃除機で吸い取るだけ。 これで たまった汚れを隅々まで…>

ミワ「えっ… あれ?」

池月「どうしたの? ミワさん。」

一駒「何?」

ミワ「汚れを取ろうと 重曹をまいてみたんですけど 掃除機が止まっちゃって。」

池月「ああ 詰まっちゃったのかもね。」

一駒「もう~ 多すぎたんじゃない?」

池月「あっ もしかしたら 三毛猫の営業所に 使ってない掃除機があるかも。」

一駒「それ 借りましょうかね。 (くしゃみ)」

ミワ「すみません。 あっ どうしよう…。」

控え室

ミワ「はあ… 調子に乗った。 やっぱり 付け焼刃の知識なんてダメだ…。」

(チャイム)

リビング

池月「わざわざ すみません。」

関口「いえ たまたま1台余ってましたから。」

池月「助かります。」

一駒「あら 関口さん わざわざ ごめんなさいね。」

関口「いえ これも仕事のうちなんで。 美羽さんにも ちょっと用事がありましたし。」

<えっ…>」

一駒「ミワさんに?」

関口「はい。 今 どちらに?」

池月「どこですかね。」

<まずい… 会社の人は きっと 採用した さくらさんの顔を 知っているはず。 っていうことは 顔を見られたら 一発で偽物だとバレてしまう>

ミワ「あっ。 えっ どうしよう…。」

控え室

<美羽さくらは帰ったことにして 私は更に他人のふりをする? いや そんなウソは すぐにボロが出る。 ああ どうしよう。 どうしよう どうしよう…>

(ノック)

関口「お疲れさまです 関口です。」

ミワ「あっ えっと…。」

関口「ちょっと 今 お話 よろしいですか?」

ミワ「ご… ご用件は何でしょうか。」

関口「美羽さんだけ働き方アンケートが まだ提出されたなくて。 出して頂きたいんですよ。」

ミワ「あ…。」

<そんなの知りません…>

ミワ「家にあるかもしれないので 見ておきますね。」

関口「メールでお送りしてまして。」

ミワ「あっ そうなんですか。」

関口「はい。 スマホで すぐ回答できますので。」

ミワ「あっ はい。」

関口「今 できますか?」

ミワ「手元にスマホがないので 後で やっておきます。」

関口「分かりました。 お疲れさまです。」

ミワ「ふう…。」

<アンケートは さくらさんのところに 来てるってことか。 後で聞いておかなきゃ>

ミワ「はあ…。」

関口「美羽さん。」

<まだいた! ウソ… 何で? どういうこと?>

関口「故障した掃除機なんですが ちょっと私に見せて頂けませんか? こういうの直すの得意なんで。」

<掃除機>

<顔を見られずに 掃除機を渡すなんて無理。 もはや ここで終わりなのか…>

回想

八海「ミワさん? 家政婦のお仕事 このまま続けてもらえませんか。」

回想終了

<いや こんなところで諦めちゃダメだ…>

関口「美羽さん?」

ミワ「今… 今 渡します。」

関口「どうしました?」

<八海サマ ごめんなさい。 やっぱり もう 無理です>

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