ドラマダイジェスト

夜ドラ「ミワさんなりすます」(第22回)

らすじ

久保田ミワ(松本穂香)は八海崇(堤真一)が密着取材を受けようとしていると知って戸惑う。これまで避けてきたのになぜ今回は八海本人が受け入れたのだろうかと。そんな折、元カレ(?)の紀土(水間ロン)が部屋にやってきてミワに復縁を迫る。いよいよ邸内での撮影が始まり、八海との対談のために越乃彩梅(高岡早紀)がやってくる。越乃はミワを覚えていてくれた。八海に来客を告げようと邸内を探すがなぜか姿が見えない。

第22回ネタバレ

八海邸

書斎

ミワ「番組出演のオファー お断りするんですか?」

八海「いえ 受けようと思ってるんです。」

ミワ「えっ!?」

<あれ? どういうこと? そういう話の流れだった?>

八海「しかし 藤浦さんは出るべきではないと。」

ミワ「それは プライベートな部分も 密着されるからですか?」

八海「恐らく。 ミワさんは どう思いますか?」

ミワ「えっ。 ああ えっと… 八海 崇ファンの一人としては 役作りとか新作の映画に どう向き合ってるとか 制作の裏側を見てみたいという気持ちは あります。」

八海「なるほど。 じゃあ やはり この話は 受けることにしましょう。 収録が始まれば この家にも 番組スタッフが たくさん出入りすることになります。 ミワさんたちのお仕事を 増やしてしまうかもしれませんが よろしくお願いします。」

ミワ「承知しました。」

控え室

池月「えっ 八海さん 『プロフェッショナル』に出るの!?」

ミワ「…みたいです。」

池月「あれって有名な番組ですよね!? 全国で映りますよ 私たち!」

一駒「舞い上がらないの。 私たちは ただの家政婦よ。 いつもどおりにやるだけ。」

池月「まあ そうなんですけど… あっ。」

回想

藤浦「明日から 敷地全体の清掃を強化します。 ほこりひとつ残らないよう 徹底してお願いしますね。」

回想終了

池月「藤浦さんが掃除しろって言ってたのは 収録のためだったのか…。」

ミワ「ああ…。」

一駒「そうね。 最近のテレビカメラは 性能がよすぎるから。」

池月「とにかく 明日も頑張りましょ。」

一駒「いつもどりに。」

ミワ「お疲れさまでした。」

<俳優をやめると言ったり 番組に出ると言ったり 神は一体 何をお考えなのだろうか…>

ミワ宅

ミワ「え… えっ 紀土くん!?」

紀土「あっ ミワちゃん… ちょっと おなか痛くてさ。 お手洗い 貸してくんないかな。」

ミワ「えっ ああ… いいけど。 大丈夫?」

紀土「うん 大丈夫。」

ミワ「じゃあ うち…。」

ミワ「どうぞ。 トイレ あっち。」

紀土「あっ こんなふうにさ 簡単に男を入れちゃダメだよ。」

ミワ「はあ!? おなか痛いっていうから入れたんでしょ。」

紀土「ああ… ごめん。」

<さくらさんといい 紀土くんといい ちょっと みんな うちに来すぎじゃない? 本来 人を入れていいような家じゃないんだけど…>

(トイレを流す音)

ミワ「大丈夫?」

紀土「うん 大丈夫。 八海 崇 ここに来たよね?」

ミワ「えっ?」

紀土「この前 たまたま通りかかったら あれ 八海じゃんって。」

ミワ「見間違いじゃないの?」

紀土「間違えないよ。」

ミワ「あっ いや おなか大丈夫になったら…。」

紀土「目を覚ましなよ。」

ミワ「え?」

紀土「向こうは芸能人だよ。 八海 崇がミワちゃんのほうを 振り向くなんてこと 絶対ないから。 1万パーセントないから。」

<そんなこと 言われなくても分かってる。 っていうか 紀土くんに言われたくない>

ミワ「私は あの家で 家政婦として働いてるだけだから。」

紀土「でも 八海のことが好きなんだよね?」

ミワ「それ 紀土くんに関係ある?」

紀土「あるよ。 俺とやり直さない?」

ミワ「え?」

(チャイム)

紀土「八海?」

ミワ「いや そんなわけ…。」

紀土「いいよ 俺が言ってやるよ。」

ミワ「え? あっ いや ちょっと待って…。」

さくら「あっ ごめん。 お取込み中?」

ミワ「ああ いや 全然 全然 大丈夫 大丈夫。」

紀土「俺 もう帰るんで どうぞ。」

ミワ「どうぞ。」

さくら「あっ じゃあ お邪魔しま~す。 実家から 桃がたくさん送られてきてさ 久保田さん 食べるかなあと思って。」

ミワ「ありがとう。」

紀土「どうも 紀土です。 はじめまして。」

さくら「美羽です。」

紀土「美羽? えっ すげえ! どっちもミワじゃん!」

さくら「私は名字だけどね。」

ミワ「紀土くんも 1個持って帰る?」

紀土「何で そんな帰らせようとすんのよ。」

ミワ「いや 別に そういうわけじゃないけど…。」

紀土「ミワとは どういう知り合いですか?」

さくら「え~ 何だろう?」

ミワ「何でしたっけ?」

さくら「まあ 二人とも 熱狂的な八海 崇のファンっていう。」

紀土「へえ~ やっぱ そこなんだ。」

さくら「きっかけは そこだね。」

紀土「今 ちょうど話してたんですよ。 いつまでも 八海八海って言ってないで 現実を見たほうがいいよって。」

さくら「やいてんだ。」

紀土「いやいや そういうことじゃなくて。」

さくら「二人 つきあってるの?」

ミワ「いやいや…。」

紀土「まあ。」

ミワ「え!? いや 友達です 友達。」

さくら「あっ 仕事辞めたいって言ってた人?」

ミワ「いや その人じゃなくて…。」

さくら「そっか。 紀土くんって言ったっけ?」

紀土「あっ はい。」

さくら「久保田さんを本気で落としたいなら 八海 崇より いい男になるしかないよ。」

紀土「えっ?」

さくら「久保田さん 案外 モテるからね~。」

ミワ「さくらさん…。」

さくら「はい 頑張って。 あっ。 はい。」

紀土「じゃあ さっきの返事 待ってるから。」

ミワ「あ… うん。」

(ドアの閉まる音)

ミワ「はあ…。」

さくら「これでよかった?」

ミワ「はい… ありがとうございます。」

さくら「冷やしとくね。」

ミワ「はい。」

さくら「うん。」

ミワ「さくらさん 『プロフェッショナル』っていう番組 ご存じですか?」

さくら「うん。 あの一流の仕事人が 出てくるやつでしょ?」

ミワ「今度 その密着取材が始まるんです。」

さくら「えっ マジ!?」

ミワ「はい。」

さくら「えっ でも あの番組って結構 プライベートな部分も掘り下げるよね?」

ミワ「はい。」

さくら「それをOKしたってこと?」

ミワ「そうみたいなんです。」

さくら「ええっ。 いや その判断はどうなんだろう? SNSに続いて 藤浦マネージャー ちょっと やりすぎなんじゃない?」

ミワ「いや 番組に出るって決めたのは… 八海サマなんです。」

さくら「えっ… 自分から? 何で!?」

ミワ「それが分からなくて。」

さくら「何でだろう…。 仕事に区切りをつけるつもりなのかな。」

ミワ「区切り?」

回想

八海「そろそろ… 俳優をやめようかと。」

回想終了

さくら「例えば 何か重い病気を患ってるとか…?」

ミワ「病気?」

さくら「だって 有名な俳優さん よく最後に ドキュメンタリーに出たりするじゃん。 人生の記録みたいな感じで。 うわ… やだ きっとそうだよ。 はあ…。」

<重い病気って そんな…>

八海邸

リビング

「ソファーのここに 八海さんが座って…。」

<そして数日後 八海 崇の密着取材が始まった>

「その前に まず 八海さんがリビングに入ってきて 二人が会うところから おさえたい。 カメラは 八海さんを追っかける形で…。」

キッチン

一駒「まだ打ち合わせしてる?」

ミワ「はい まだ やってらっしゃいます。 お握り 今がちょうどいいかもです。」

池月「ありがとう。 何か緊張しちゃうね。」

一駒「私たちは いつもどおりに やるだけですから。」

池月「ちょ… 梅干し3つ入ってます!」

一駒「えっ!? あら やだ。」

池月「ミワさん これ スタッフさんに持ってって。」

ミワ「かしこまりました。」

リビング

ミワ「失礼します。 皆様 どうぞ お召し上がり下さい。」

「ありがとうございます。 頂きましょうか。」

「はい。」

藤浦「ミワさん。」

ミワ「はい。」

藤浦「ゲストをお迎えしてくれる? そろそろ いらっしゃる頃だから。」

ミワ「かしこまりました。」

玄関

越乃「は~い ありがとうございます。」

ミワ「あっ 越乃さん!」

越乃「あっ え~っと…。 家政婦のミワさん!」

ミワ「はい ミワです!」

廊下

ミワ「例の密着取材 ですよね?」

越乃「そう。 はっちゃんと対談なんだって。」

ミワ「今 書斎にいらっしゃると思います。」

越乃「いや~ 広すぎて目が回るね。」

ミワ「私も 最初の頃は迷子になってました。」

越乃「家政婦の仕事 うまくいってるの?」

ミワ「はい おかげさまで なんとか。」

越乃「この前 会った時は 落ち込んでたもんね。」

回想

越乃「大丈夫?」

ミワ「え…。」

越乃「おいしいお菓子があるんだけど 楽屋に来ない?」

越乃「もし ホントの自分にウソついてるようなことが あるんだったら 正直になったほうがいいよ。」

回想終了

ミワ「その節は ありがとうございました。」

越乃「まあ 生きてれば いろいろあるよ。」

ミワ「こちらです。」

書斎

(ノック)

ミワ「越乃様がいらっしゃいました。 失礼します。 あれ?」

越乃「いないね。」

ミワ「となると… 書庫ですかね。」

越乃「書庫? えっ 行ってみた~い!」

ミワ「あ… じゃあ 一緒に。」

書庫

ミワ「八海さ~ん。」

越乃「いないね。」

ミワ「ああ… すいません。 応接室で いったん お待ち頂いてもいいですか?」

越乃「うん 分かった。 うわ~。」

<えっ 八海サマは どこに行ったのだろう?>

キッチン

ミワ「あの~ 八海さんって どこにいらっしゃいます?」

池月「えっ 書斎じゃないの?」

ミワ「それが どこにもいなくて。 ゲストがお待ちなんですけど。」

一駒「そういえば 今日は まだ一度も お見かけしてないわね。」

池月「あら すっぽかした?」

ミワ「私 捜してきます。」

一駒「あっ これ アイスコーヒー。」

ミワ「あっ はい。」

リビング

ミワ「失礼します。 どうぞ。 こちらにアイスコーヒーご用意しました。」

スタッフ「ありがとうございます。」

藤浦「ゲストは?」

ミワ「応接室でお待ちです。 失礼します。」

回想

さくら「有名な俳優さん よく最後に ドキュメンタリーに出たりするじゃん。 人生の記録みたいな感じで。 例えば 何か重い病気を患ってるとか…?」

回想終了

ミワ「ないない…。」

控え室

ミワ「八海… さん。」

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