ドラマダイジェスト

夜ドラ「ミワさんなりすます」(第27回)

らすじ

久保田ミワ(松本穂香)は一駒(片桐はいり)、池月(小泉もえこ)とともに八海崇(堤真一)の失踪理由と行き先を推理しようとする。心配して駆けつけた越乃彩梅(高岡早紀)と藤浦(山口紗弥加)の話では八海は次の出演作で迷っていたようだ。SNS関係でトラブルがなかったか調べるため紀土(水間ロン)を呼ぶと、なぜか美羽さくら(恒松祐里)まで変装してやって来る。帰り際にトイレを借りた紀土は屋敷の中で迷ってしまい…。

第27回ネタバレ

八海邸

書斎

ミワ「藤浦さん!」

藤浦「何?」

ミワ「これが。」

藤浦「どこに行ったの?」

廊下

ミワ「え?」

藤浦「え?」

一駒「え?」

池月「え?」

リビング

ミワ「防犯カメラって 何か所くらい設置してあるんですか?」

藤浦「20… ぐらいかな。」

ミワ「そんなに。」

藤浦「多すぎて どこを見たらいいか分からないわね。」

一駒「確か 玄関にもありましたよね。 そこに絞ったらどうですか?」

藤浦「そうね そうしましょう。」

池月「あっ 止めて下さい! 八海さんですね。」

藤浦「5時3分… こんな早朝に?」

<八海サマ スーツケースを持って 一体どこに…>

池月「事件性はなさそうですけど。」

一駒「お仕事の予定 大丈夫ですか?」

藤浦「関係先に連絡しなきゃ。 あの 今日はもう 結構なので 上がって下さい。」

(ドアの開閉音)

ミワ「どう… します?」

一駒「こんな緊急事態に 私たちだけ知らん顔できないでしょ。」

池月「そうですけど…。」

一駒「ご主人様がどこへ行ったか… 推理しますよ。」

池月「えっ!?」

ミワ「推理?」

ミワ「八海 崇失踪事件…。」

池月「そんな大げさな話じゃなくて 普通に一人になりたくて旅に出た とかじゃないんですか?」

一駒「もちろん その可能性はあります。 まずは あらゆる可能性を排除しないで フラットに考えましょう。」

ミワ「スマホとお財布 時計は 書斎からなくなってましたが 車や自転車は表にありました。」

一駒「つまり 最初は徒歩で それから電車 あるいはタクシーを使って 移動したっていうことね。」

池月「パスポートは書斎にありましたので 移動先は国内に絞られます。」

一駒「それは重要な情報ね。 持ち出された衣服は特定できましたか?」

ミワ「はい。 シャツとズボン 下着が 1週間分なくなっていました。」

一駒「一気に捜査本部っぽくなってきたわね。」

池月「スニーカーって珍しいね。」

ミワ「そうなんです。 ふだん お履きにならないので。」

一駒「う~ん ご自分の意志でいなくなったのか それとも やっぱり 何かの事件に巻き込まれてしまったのか。」

ミワ「えっ。」

池月「事件っていっても 八海さん 誰かに恨みを買うような人じゃないですよね。」

一駒「わからないわよ そんなの。 本人の知らないうちに 恨みを買ったのかもしれない。」

ミワ「え…。」

<確かに 何かの事件に 巻き込まれた可能性も捨てきれない>

回想

「ぶっ殺すぞ!」

泉「八海さんが借金の肩代わりをして下さったおかげで 無事に… 組を抜けることができました。」

回想終了

藤浦「何をやってるの? あ~ いいの いいの いいの。 いいわよ 別に。」

一駒「ご主人様がどこへ行かれたのか 推理するために 家政婦たちが 気付いたことをまとめています。」

ミワ「藤浦さん。」

藤浦「ん? 八海さんが 誰かに逆恨みされてる可能性って ないですかね?」

藤浦「ん… 調べてみる。」

ミワ「お願いします。」

池月「あと 事件の可能性があるとした SNSかな。」

一駒「SNS。 最近 何かトラブルありました?」

藤浦「全部をチェックしてるわけじゃないけど 引退発表してから 暴走してるファンはいるみたい。」

一駒「それ どういう人か特定できますか?」

藤浦「そこまでは…。」

池月「誰か そういうITに詳しい人 周りにいない?」

ミワ「えっ…。」

回想

ミワ「紀土くん そういうの詳しいんだっけ?」

紀土「まあ ITコンサル的なこと やってるからね。」

回想終了

<紀土くんをここに呼ぶのは んん…>

一駒「ミワさん 何か心当たりありそうじゃない?」

ミワ「まあ あの 知り合いに一人…。」

藤浦「呼んで下さい。」

ミワ「…分かりました。」

(電話の呼び鈴)

ミワ「あっ 私 出ます。 はい。 え… あっ お迎えにあがります。」

玄関

越乃「すいません ありがとうございます。」

ミワ「越乃さん。」

越乃「今日 本当は はっちゃんと一緒の仕事だったんだけど いなくなったっていうから 心配で来ちゃった。」

ミワ「どうぞ。」

越乃「ありがとう。 お邪魔しま~す。」

ミワ「はい。」

越乃「藤浦さん いる?」

ミワ「はい いらっしゃいます。 こちらです。」

<八海サマの心の内を一番知る 越乃さんが来てくれるのは 心強い…>

リビング

藤浦「越乃さん…。」

越乃「ああ 来ちゃった。 ごめんね。」

藤浦「すみません 八海が勝手なことを。」

越乃「ううん。 ちょっと 一人になりたかったんじゃない? いや 何これ。 ちょっと大げさじゃない?」

池月「月並みですけど 引退がらみで 悩んでるんじゃないでしょうか?」

一駒「まあ そう考えるのが自然ですよね。」

ミワ「あの…。」

藤浦「何?」

ミワ「先日 シラー監督にお会いした時に 八海さんが 新作映画のオファーを受けてくれたって おっしゃってたんですけど 本当ですか?」

藤浦「いや お話は頂いたけど まだ正式にはお返事してないの。」

ミワ「あ… そうなんですね。」

藤浦「もう一つ 同時期に撮影する 邦画作品のオファーと迷ってて。」

越乃「あっ それって 私も出るやつだよね?」

藤浦「そうです。」

越乃「ああ あれか…。 結構 大型の企画だから 藤浦さんも迷うよね。」

藤浦「私は 邦画のほうを選んでほしいと 思ってたんですけど…。」

越乃「でも はっちゃんは シラー監督のほうに出たかったんだ?」

藤浦「そうだと思います。」

一駒「なるほど。」

<八海サマが 邦画作品とシラー監督の作品との間で 迷っていた?>

池月「方向性の不一致。」

越乃「いや でも はっちゃんが 意見の違いで 引退だとか失踪だとか そんな子どもみたいなことするかな。」

藤浦「確かに…。」

越乃「きっと 別の理由ね。」

ミワ宅

さくら「えっ!? や… 八海サマが失踪? 警察は?」

ミワ「ううん まだ。 今 いろいろ調べてるところ。」

さくら「調べるって何を?」

ミワ「八海サマが何か悩んでたのかとか トラブルに巻き込まれたのかとか SNSで何かあったとか。 あっ そうだ 紀土くんに連絡しなきゃ ん~ でも…。」

さくら「紀土って あの紀土?」

ミワ「一応 ITの専門家らしいんだけど… やめとこっか。」

さくら「いや しなよ 早く! 背に腹は代えられないでしょ? ほら 早く!」

ミワ「でも 紀土くんは…。」

さくら「八海サマ! 紀土より八海!」

ミワ「紀土より八海…」

さくら「紀土より?」

ミワ「紀土より 八海…。」

さくら「紀土より?」

八海邸

書斎

<八海サマ 一体どこに…>

(ノック)

池月「失礼します。 どうぞ。 SNSに詳しい方がいらっしゃいました。」

ミワ「えっ!?」

紀土「どうも 満天コンサルティングの紀土です。」

藤浦「頂戴いたします。」

さくら「アシスタントの志田あすかです。」

藤浦「よろしくお願いいたします。」

<いや 何で さくらさんまで!>

紀土「ここが八海さんのお部屋ですか。 なるほど。」

さくら「(小声)や… やっば!」

ミワ「あ… あの すいません 控え室にご案内します。 (小声で)ちょ… ドンタッチ! 控え室にご案内いたします。 どうぞ。」

さくら「失礼いたしいます。」

ミワ「どうぞ。

控え室

ミワ「(小声で)紀土くんも早く! ちょっと! 何で さくらさんまで!」

さくら「道で ばったり紀土くんに会ってさ。」

紀土「どうしても アシスタントってことに してくれって。」

さくら「どう? ITコンサルタント 志田あすかです。」

ミワ「今 ふざけてる場合じゃないですから! あっ ちょっと 開けないで。」

紀土「それにしても このお屋敷 想像の何倍もでかいな。」

さくら「ホント ヤバいよね。 ねえ ねえ ねえ 後でさ 書庫に連れてってよ。 久保田さんと八海サマが 閉じ込められたっていう!」

ミワ「そんな 聖地巡礼みたいに言わないで下さい。」

さくら「は~い。」

紀土「で 何を調べたい?」

ミワ「八海さん 何かネットがらみで トラブルとか なかったのかなって。」

紀土「まあ 俺のスマホから ざっと見た感じだと 過激な誹謗中傷はなかったけどね。」

さくら「でも 八海サマに直接攻撃してる人が いるかもよ?」

紀土「ああ…。」

(指を鳴らす音)

紀土「ダイレクトメッセージとかね。」

リビング

藤浦「これが 八海スタッフのアカウントです。」

紀土「…なるほど。 このアカウントを使っているのは 八海さんと藤浦さんのお二人だけですね?」

藤浦「そうです。」

紀土「スマホを見た感じだと 誹謗中傷はなかったんですが 八海さんがブロックしている アカウントを見てみましょうか。」

藤浦「お願いします。」

池月「さすがITのプロ 手際がいいですね。」

一駒「ホントね。」

紀土「ブロックリストは と…。 (小声で)俺じゃん…。」

藤浦「ん?」

ミワ「何か分かった?」

紀土「あっ いや。 特にSNSは問題なさそうですね。 うん ねっ。」

さくら「あっ そうですね。」

藤浦「はあ… SNSは問題なし。」

玄関

紀土「ミワちゃん。」

ミワ「ん?」

紀土「あの… ちょっと お手洗い借りてもいい?」

ミワ「そこ戻って まっすぐで 突き当りを左。」

紀土「サンキュー。 じゃあ 先 帰っといて。」

さくら「うん。 バイバ~イ。 心配だね 八海サマ。」

ミワ「でも やっぱり 周りが騒いでも しょうがないのかなとは思う。」

さくら「ホントは まだ いろいろ見たかったけどね。」

ミワ「怪しい動きをしたら 防犯カメラ 20か所ついてるので。」

さくら「本当は私が本物なんですけど。」

ミワ「…そうですね。」

さくら「じゃあ 志田あすか 帰ります。」

ミワ「はい お疲れさまでした。」

さくら「失礼します。」

リビング

池月「さて 残るは『恨み』の線ですか。」

ミワ「あっ どうでしたか?」

藤浦「心当たりに当たってみたけど 八海に恨みを持ってる人は いないだろうって。」

池月「じゃあ 恨みもなし。」

ミワ「事件性はないってことですかね?」

一駒「じゃあ 今日のところは これで終わりにしますかね?」

藤浦「そうね。 お疲れさまでした。」

3人「お疲れさまでした。」

ミワ「大丈夫ですか?」

廊下

一駒「はあ…。」

(物音)

紀土「あれ? 階段なんか上ったっけ?」

リビング

<どれも失踪の動機じゃないとしたら 一体 何なのだろう?>

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