ドラマダイジェスト

夜ドラ「ミワさんなりすます」(第5回)

あらすじ

なりすまし家政婦の久保田ミワ(松本穂香)は、元カレ(水間ロン)にまともな生活を送れと説教されたり、八海(堤真一)の知り合いだと名乗る怪しい人物と関わってしまったりしながら、なんとか仕事を続けている。ミワが映画ファンだと知った八海とは大好きな映画の話をしたり撮影現場に誘われたりと少し距離が近づいた気がしていた。しかしそんなミワの正体を知るある人物が動きだし、最大の身バレの危機がミワを襲うが…。

第5回ネタバレ

八海邸

リビング

八海「お茶をいれて頂けますか。」

ミワ「は… はい ただいま。」

八海「ミワさんの分も。 もう少し映画の話 しませんか。」

<神様。 こんなこと あっていいのでしょうか>

(ドアの開く音)

藤浦「ミワさん。 ちょっと話があるんだけど。」

<バレ… た?>

控え室

藤浦「あなたの会社から電話がありました。 このままでいいと思いますか?」

<言わないと ちゃんと正直に。 手紙…>

ミワ「あれ!? ない…。 あの… すいません 私 その…。」

藤浦「来月のシフト 月水金の週3回でいいですか?」

ミワ「えっ… あっ はい。」

藤浦「では そのように会社に伝えておきます。 今日は これで上がって下さい。」

ミワ「はい… あっ お疲れさまです。」

藤浦「お疲れさまでした。」

<バレてなかった…。 いや このままでいいはずがない>

リビング

(ノック)

ミワ「失礼します。」

<言わなきゃ… なりすましの罪を誤らなきゃ>

ミワ「あの…。」

八海「ミワさん。」

ミワ「はい。」

八海「次は ゆっくり 映画の話 しましょうね。」

ミワ「はい…。 失礼します。」

<言えなかった…>

道中

<あれだけ心の準備をしてたのに。 手紙まで書いて 覚悟を決めたはずなのに。 いざ罪を告白しようとしたら 息もできなくなってしまった>

<あの胸のつかえ。 言葉を詰まらせた原因は…>

ミワ「色欲…。」

回想

ミワ「実は私…。 八海サマ!」

八海「ミワさん…。」

回想終了

<ただ 私は色欲に負けたのだ。 自分勝手な幸せが 惜しくなったのだ>

ミワ「さもしい…。」

雲海「色欲!」

ミワ「えっ?」

雲海「そして罪悪感!」

ミワ「えっ!?」

雲海「あんた 今にも その罪悪感に 押し潰されそうな顔してるねえ。」

ミワ「そうなんですか。」

雲海「でも まだ その罪を告白することはできない。 そして まだ その甘い蜜を味わっていたい。 そうだね?」

ミワ「どうすれば いいですか?」

雲海「その先は…。」

ミワ「高っ!」

雲海「ふふ…。 迷ったら いつでもいらっしゃい。」

ミワ「失礼します。」

紀土「あれ ミワちゃん? あっ やっぱ ミワちゃんじゃん。」

ミワ「き… 紀土くん。」

<あっ 一応 私の元カレ?>

居酒屋 酒地獄

紀土「今日 たまたま飲み会の帰りでさ。 あっ お通しはカットで。」

店員「あ… こちら 必ずお出ししてまして。」

紀土「いつも言ってるんだけど それ おたくのルールですよね?」

店員「はい。」

紀土「法律で決まってるわけじゃないですよね?」

店員「はい…。」

ミワ「紀土くん。」

紀土「僕が注文したわけじゃないんで いらないです。」

店員「あっ えっと…。」

ミワ「もらいます 二人分。」

紀土「えっ もったいなくない? いいの?」

ミワ「お通しは2つ 私が払うから。 ほかを割り勘にしよ。」

紀土「OK。 じゃあ 生2つで。 いいよね?」

店員「生お二つで。」

紀土「そうやって無駄な気遣いするとこ つきあってた時から変わんないよね。」

ミワ「紀土くんも変わんないよ。 絶対に正論を曲げないとことか。」

紀土「ああ そう? あっ ミワちゃん まだフリーターやってんの?」

ミワ「うん。」

紀土「ほら 何か さっき占いやってたじゃん? 人生迷ってんのかなと思って。」

ミワ「ん~ そんなことはないけど。」

紀土「相変わらず毎日見てんの? 映画。」

ミワ「うん 見てるよ。」

紀土「ヤッバ。 毎日でしょ? さすがだね。」

ミワ「そう?」

紀土「マジでさ いいかげん 卒業したほうがいいって 映画なんか。」

店員「お待たせいたしました 生ビールお二つです。」

紀土「あっ 今日 半額券 使えるよね?」

店員「あっ お会計の時で。」

<何か また地獄の予感。 やはり苦手だ… この感じ>

紀土「あ~。 もうそろそろ地に足着けてさ 真剣に将来のこと 考えたほうがいいと思うよ。 もう若くないんだしさ。」

<かくいう紀土くんも 私と出会った頃は プロの俳優を目指していた>

回想

紀土「あっ そうだ。 今度 シモキタで舞台やるからさ ミワちゃんも見に来てよ。 関係者も呼んでるし これが勝負だと思ってるから。 演出家の天沢さんが すっげえ…。」

<それから何回か見に行ったけど やがて紀土くんは 演劇のことを語らなくなり…>

紀土「俺 就職するわ。」

ミワ「え?」

紀土「役者は もう やりきったかな。 つ~か ずっとバイトやっていくわけには いかないじゃん。」

回想終了

ミワ「仕事は順調?」

紀土「まあ あんまり休みはないけどね。」

ミワ「そっか。 今日は飲み会の帰りって言ってたよね? 会社の人?」

紀土「いや ネットで知り合った連中なんだけど すっげえ盛り上がってさ。 今度 キャンプ行こうよってなった。」

ミワ「へえ~。」

紀土「ミワちゃんもさ 映画ばっか見てないで もっと外に出て いろんな人と出会って 人脈つくって 視野を広げていかないと。 一人で ずっと家に籠もってたら 寂しい老後を送るこになっちゃうよ。 あっ そういえばさ 昔 1回 一緒に映画見たことあったよね。 何だっけ? あっ ブルース・ウィルスが出てる。」

ミワ「『ダイ・ハード』。」

紀土「ああ そうそう そうそう。 あれさ 何かパッとしなかったよね。 いかにも大衆映画って感じでさ。」

<いや 超名作ですけど…>

ミワ「まあ 合わない人もいるよね。」

紀土「ミワちゃんって たくさん映画見てる割に ああいうベタベタな大作映画が 好きだったよね。 あれあれ あの~ 誰だっけ? うわ~ 名前出てこない。 あっ 八海 崇とかさ。」

ミワ「うん 好きだよ。」

紀土「最近 見なくない? 消えた?」

<いや あんたが知らないだけだよ>

紀土「まあ そもそも 若い子って映画見ないもんな。 2時間も耐えられないじゃん。」

<んなことないって>

紀土「八海 崇もさ オワコンだよな。」

紀土「えっ どうした?」

ミワ「帰る。」

紀土「何 ごめん。 もしかして まだ好きだった? 八海 崇。」

ミワ「それじゃ。」

紀土「ちょちょ… ちょっと待てって。 まだいいだろ? 7時だぞ。」

ミワ「そういえば 引っ掛かってたんだけど まだ7時だよね。 ネットの人たちとの飲み会 終わるの早くない? ホントに盛り上がってた?」

紀土「え?」」

ミワ「あなたの話がつまんなくて みんな帰っちゃったんじゃないの? あとね ブルース・ウィルスじゃなくて ブルース・ウィリスだから!」

(戸の開閉音)

ミワ宅

<無意識に ニンジンを花の形に切っていた。 私だけしか食べないのに ただの自己満足。 これも紀土くんに言わせれば 無駄で 非生産的な行動なのだろう>

<私も 紀土くんのように 合理的な生き方を選んでいれば もっとマシな人生を贈れたかもしれない>

<八海 崇との交流は なりすましの産物。 こんなことを続けて 一体 何になるというのか>

<いい年して 何をしてるんだろ…>

<もう映画を捨てよう。 思いを断ち切ろう!>

(荒い息遣い)

<学生の頃から ずっと書いてはためらい 出せなかったファンレター。 言いたいことも言えず 将来のことも考えないまま 世間から邪魔者扱いされてきた 私の人生。 でも あの方だけは 分かってくれた>

回想

八海「秘すれば花… というような美徳です。」

回想終了

(泣き声)

八海邸

園庭

<そして 私はまた ここに戻ってきてしまった>

八海「おはようございます。」

ミワ「おはようございます。 咲きましたね。」

八海「ええ。 毎年楽しみにしてるんですよ。」

ミワ「きれいです。」

八海「うん。 クチナシの香り… 思い出がよみがえります。」

リビング

池月「ニンジンを花形にねえ…。 私も そういうとこ見習わないとダメね。」

ミワ「いやいや そんな…。」

池月「つい 何でも効率重視で動いちゃうから。」

ミワ「効率のほうが大事だと思います。」

池月「でも ここでやっていくには プラスアルファが求められるから。」

ミワ「プラスアルファ…?」

池月「そのスタッフしか持ってない 個性っていうのかなあ。 もちろん 主張しすぎない程度にね。」

ミワ「個性…。」

回想

八海「よほど お好きなんですね。 映画。」

回想終了

ミワ「はい 出過ぎないように気を付けます。」

池月「大丈夫。 この家には ミワさんに負けないぐらい 個性強い人いるから。」

一駒「はあ… 遅くなりました。 今日は タマネギが安かったんで オニオングラタンスープに しましょうかね。」

池月「あっ 一駒さん。 こちら 新しく入られた…。」

一駒「ああ お昼まで あと47分。 急ぎます! そこのスーパーが特売で すごい行列だったのよ。」

ミワ「あっ… ご挨拶 してきます。」

キッチン

一駒「えっと… 余ったニンジンとチーズで キャロットラペを作るでしょ。 それから え~っと…。」

ミワ「あの…。」

一駒「この辺の野菜はまとめて ラタトゥイユにしましょうかね。」

ミワ「あの…。」

一駒「それで この買ってきたタマネギで オニオングラタンスープに…。 あら やだ。 ひき肉がこれだけじゃ メインに足りないから そうだ 確か ジャガイモがあったはずだから…。」

ミワ「あの…。」

一駒「アッシ・パルマンティエでいいじゃない! 何?」

ミワ「あっ あの… 新しく入りました ミワです。」

一駒「家政婦っぽくないわね。」

ミワ「え… そうですか?」

<バレ… てる?>

一駒「何 ミワさん ミワ 何さん?」

ミワ「美羽… さくらです。」

一駒『(フランス語)ジャガイモの皮むき手伝ってくださる?』

ミワ「は… はい?」

一駒「『ジャガイモの皮むき スィル ヴ プレ?』」

ミワ「あ… はい。」

<またしても強敵 現る!>

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