ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第108話「なつよ、どうするプロポーズ」【第18週】

あらすじ

なつ(広瀬すず)から事情を聞いた咲太郎(岡田将生)は、妹の不憫(ふびん)さに胸が締めつけられる。その時、なつを訪ねて坂場(中川大志)が風車にやってくる。なつに謝罪をしたいという坂場に対し、どうしても許すことができない咲太郎は、帰れと言う。しかし、なつと咲太郎、亜矢美(山口智子)を前に、坂場はこれまで口にしてこなかったなつへの思いを語りだす。なつと結婚させてほしいと懇願する坂場に、兄の咲太郎は…。

108話ネタバレ

喫茶店・リボン

なつ「あなたを好きになったの ありえないくらい…。 だけど あなたは違った…。 好きじゃないことを 才能のせいにしないで下さい。 そんな人とは 一緒にいたくない…。 さようなら。」

おでん屋・風車

1階居間

咲太郎「何だ? それは。 婚約解消ってことか!」

なつ「婚約なんてしてないよ。」

咲太郎「だけど プロポーズされたんだろ?」

なつ「映画が成功したらって…。 あ… まあ つまり 約束を守ったんだ。」

咲太郎「うん? 何を言ってんだ?」

なつ「うん… もういい。」

咲太郎「そんなやつと わざわざ結婚することはないよ。 よし 忘れちまえ。 こっちから願い下げだ。 俺に任せろ。 兄ちゃんが もっと お前を幸せにしてくれるやつを 見つけてやるから。」

なつ「いいって。」

咲太郎「いいわけないだろ…。」

亜矢美「誰か来た。」

坂場『ごめんください。』

1階店舗

坂場「突然すみません。」

咲太郎「何しに来たんだよ?」

坂場「謝りに来ました。」

咲太郎「謝ってくれなくたっていいんだよ。 たった今 家族会議を開いて お前のことは忘れることになったんだ。 どうぞ お引き取り下さい。」

亜矢美「咲太郎。」

咲太郎「俺は やだからな! 今更 こいつを 認めることはできないからな。 仕事がないから結婚できないっつうのは てめえの都合しか 考えてないやつの言うことなんだよ。 一度は約束したなら すぐに仕事を見つけるから 結婚してくれってのが筋だろうが!」

坂場「おっしゃるとおりです。」

咲太郎「分ったら帰れ。 帰ってくれ!」

なつ「お兄ちゃん!」

咲太郎「黙ってろ! なつが悩む前に帰れって言ってんだよ。」

坂場「なつさんに… 許してもらおうとは思っていません。」

咲太郎「何?」

坂場「昨日のことは 許さなくてもいいんです。 その上で もう一度 話をさせてもらいたいんです。」

咲太郎「回りくどいこと言ってんじゃねえよ!」

坂場「ゆうべ 一晩 あなたのことを思い… あなたを失う恐怖を感じました。 それで分かったんです。 あなたが 今まで どれほどの恐怖を味わってきたか… 大切なものを失う怖さを どれほど味わってきたか…。 そのことを 一晩考えました。 あなたの気持ちになりたくて 考えました。 あなたに 少しでも近づきたくて… 考えたんです。」

坂場「それで 結局 たどりついた答えは…。 あなたのことが… 奥原なつのことが… 僕は 心の底から 好きだということです。 もう遅いかもしれないけど… 心の底から言わせて下さい! あなたが好きです。 あなたのことが大好きです!」

咲太郎「もう遅いんじゃないかな。」

亜矢美「遅くない! まだ生きてるんだから いっくら間違えたっていいの!」

咲太郎「母ちゃん…。」

亜矢美「いっくら失敗したって へっちゃらだよね なっちゃんは。」

咲太郎「なつ…。」

坂場「お兄さん… どうか許して下さい! 妹さんを 奥原なつさんを… 僕に下さい! 結婚することを許して下さい。 奥原なつさんと結婚させて下さい!」

咲太郎「バカヤロー…。 まずは なつの許しを取れ!」

坂場「どうか… 結婚して下さい。 もう一緒に 漫画映画は作れないかもしれないけど あなたの人生を作ります。 一生かけて 一緒に作ります。」

なつ「うん…。 ありがとう。」

坂場「必ず傑作にします。」

咲太郎「普通でいいんだよ 普通で! 気取ったこと言うな。」

坂場「僕と結婚して下さい。」

なつ「はい…。 喜んで。」

咲太郎「なつを幸せにしろよ! 不幸にしたら 絶対に許さねえからな! 覚えとけ。」

坂場「はい。」

川村屋

野上「いらっしゃいませ。」

なつ「野上さん こんにちは。」

野上「まあ 珍しいですね こんなお時間に。」

なつ「野上さん こちら 坂場一久さん。」

野上「会社のご同僚でございますね。 何度か うちに お見えになって頂いております。」

なつ「今度 私の夫になるんです。」

坂場「よろしくお願いします。」

なつ「野上さん?」

野上「ちょっと待って! いや どうぞ…。 あっ… お席にご案内して。 待って… ちょっと ちょっと…! 痛っ… ちょっと!」

光子「なっちゃん!」

なつ「マダム。」

光子「いらっしゃい。 この度は なっちゃんを どうか よろしくお願いします。」

坂場「いえ こちらこそ。」

なつ「マダム…。」

光子「どうぞ 座って。」

坂場「はい。」

光子「うれしいわ なっちゃん。 もう ないかと思ったわ こんなこと。」

なつ「えっ?」

光子「よかったわね。」

野上「当店からお二人へ 心ばかりのお祝いでございます。」

なつ「えっ! ありがとうございます。」

坂場「ありがとうございます。」

光子「お兄さんも喜んでくれてるんでしょう?」

なつ「はい。 まあ 最初は反対されましたけど 最後は喜んでくれました。」

野上「こんなに遅い結婚でも 反対されるもんなんですね。」

光子「だって バカだもん。」

野上「さようでした。」

なつ「ん?」

野上「そのバカを待ちわびている ふびんな人もいるかもしれませんね。」

光子「えっ?」

野上「いや…。 それでは 末永く… ごゆっくりと。」

光子「お幸せにね。」

2人「はい。」

光子「それじゃ。」

なつ「頂きます。」

坂場「頂きます。 ここのバターカリーを食べるのは これが初めてだ。」

なつ「あっ そう… たまには こういう ぜいたくもしましょう。」

坂場「えっ? あっ…!」

なつ「あっ ほら!」

坂場「ああ…。」

東洋動画スタジオ

作画課

仲「そう! それは おめでとう。」

なつ「変なタイミングになりましたけど。」

坂場「仲さん 本当にお世話になりました。」

仲「その決意は変わらないか。」

坂場「はい。」

なつ「私は これからもお世話になります。」

仲「うん。 とにかく 2人の結婚を心から祝福するよ。」

なつ「ありがとうございます。」

坂場「ありがとうございました。」

仲「ほら みんなも祝福してるよ。」

下山「おめでとう!」

一同「おめでとう!」

(拍手)

なつ「皆さん どうも ありがとうございます!」

坂場「皆さんと一緒に 映画を作ったことは 一生忘れません。」

下山「一生忘れられないよ こっちだって。 ハハハハハ…。」

茜「なっちゃんの幸せが あの作品がよかった証しってことよ。」

神地「世界が いつか気付く時が来るさ! あの映画のよさに! 堂々と こんな会社 辞めちまっていい!」

(笑い声)

坂場「ありがとう。」

下山「おめでとう!」

(拍手と歓声)

なつ「ありがとうございます。」

階段

なつ「いろいろあったね。」

坂場「うん…。」

なつ「うん… これからも いろいろあるよね きっと。」

坂場「ありえないことが 本当のようにね。」

なつ「うん…。」

柴田家

しばた牧場

<そして 2人は 北海道・十勝にやって来ました。 ああ なつよ… 2人の夢は ここから また続くよ。 また始まる。 来週に続けよ。>

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