あらすじ
なつ(広瀬すず)の陣痛が始まり、病院にやってきた富士子(松嶋菜々子)たち一同。いても立ってもいられない坂場(中川大志)と咲太郎(岡田将生)、剛男(藤木直人)の男性陣。やがて病室から赤ちゃんの元気な産声が聞こえてくるとみんな喜びの表情を浮かべるのだった。赤ちゃんの名前は、なつたちの希望により泰樹(草刈正雄)に名付けてもらうことになる。その名前は…。
125話ネタバレ
坂場家
寝室
なつ「痛い…!」
富士子「大丈夫 大丈夫。」
なつ「ううっ… 痛い… この前と全然違う!」
坂場「何分間隔ですか?」
富士子「そんなの分からない! 病院に連絡して 今から連れていくって。」
坂場「はい… はい!」
富士子「あっ それと 咲太郎さんにも連絡して。」
坂場「咲太郎… はい 分かりました!」
富士子「大丈夫…。」
なつ「ううっ!」
産婦人科
待合所
咲太郎「何だよ…。」
分娩室
なつ「ん~… ううっ…。」
秀子「はい もう少しよ 頑張って。 痛くても息まないで。 おなかの力抜いて 陣痛の波に合わせていくからね。」
なつ「はい…。フフフフ…。」
秀子「えっ 何 笑ってんの?」
なつ「何でもないです…。」
回想
(鳴き声)
泰樹「陣痛に合わせて引くぞ。」
回想終了
なつ「うう~っ…。」
秀子「はい 来た! はい ゆっくり息吐いて!」
なつ「フ~ フ~…。」
秀子「フ~…。」
なつ「フ~…。」
回想
泰樹「よし 引け! よ~し 出るぞ。」
回想終了
なつ「ううっ…。 フ~ フ~ フ~…。 ううっ… ううっ…。 会いたい…。 早く会いたい…!」
秀子「もうすぐ もうすぐ会えるよ! はい ゆっくり息吐いて!」
なつ「フ~ フ~…。」
待合所
(産声)
剛男「おお…。」
咲太郎「生まれた… 生まれた!」
光子「おめでとうございます。」
泰樹「ご苦労さん…。」
分娩室
秀子「はい 生まれました。 元気な女の子です。」
<本日 私の孫が この世に誕生しました。>
病室
富士子「もう絵を描くの?」
なつ「生まれたばかりの姿も 記録しておきたいから。」
咲太郎「そんなことしなくたって カメラ持ってきたぞ。」
光子「バカね そういうことじゃないでしょ。」
なつ「ありがとう。 写真も撮ってほしいけどね。」
剛男「名前は もう決めてあるのかい?」
坂場「あっ いえ。 なつが付ければいいと思って。」
富士子「女の子だって さっき知ったんだもね。」
咲太郎「俺は一応 男でも女でも 両方 考えておいたぞ。」
光子「あなたは 出しゃばらなくていいんじゃないの。」
咲太郎「そうか?」
光子「うん。」
咲太郎「まあ… 困ったら言え。」
坂場「お義兄さんでも なつでもいいですから いい名前を付けて下さい。」
なつ「本当にいいの?」
坂場「うん。」
なつ「それじゃ…。」
咲太郎「よし 分かった。」
なつ「じいちゃん 付けて。」
咲太郎「えっ?」
泰樹「ん?」
なつ「この子に 名前を付けてほしいの…。 じいちゃんに。」
泰樹「いや わしはいいから…。」
なつ「お願い じいちゃん。 じいちゃんの夢を 少しは この子にも継がせてやってよ。」
泰樹「なつ…。」
富士子「付けるしかないしょや もう。」
剛男「なつの頼みですよ。」
泰樹「よし 分かった… そったら考えるべ。」
なつ「うん。 よかったね…。」
坂場家
リビング
<泰樹さんは 結局 東京にとどまり 7日間 考え抜きました。>
寝室
<そして なつと赤ちゃんが退院し お七夜を迎えた その日。>
富士子「何て読むの?」
泰樹「ゆう。」
なつ「ゆう?」
泰樹「そうだ。 なつのように 優しい子になってほしい。 わしの願いは… 夢は ただ それだけじゃ。」
なつ「ゆう…。」
剛男「坂場 優か。」
富士子「なつの子だから 優子にしないで 優がいいかもね ハハ…。」
なつ「どう? イッキュウさん。」
坂場「え… うん いい名前だ。」
なつ「そうだよね? うん いい名前…。 優! 優ちゃん…。 今日から あなたは坂場 優です。 じいちゃん ありがとう。」
剛男「優のじいちゃんは 私なんだけどな…。 優ちゃん。」
富士子「ハハ…。」
なつ「優ちゃんですって… はい。」
(泣き声)
泰樹「お~ ごめん ごめん…。 優… 優… 優…!」
<翌日 泰樹さんと剛男さんは 北海道に帰っていきました。>
富士子「勤めに出たら 優ちゃんには どうやって乳をあげるの?」
なつ「粉ミルクにするしかないわ。」
富士子「粉ミルクで育てんのかい?」
なつ「うん。 私が ずっと そばにいられるわけじゃ ないから しかたないしょ。」
富士子「でも 本当に 6週間で仕事に復帰して 大丈夫なのかい?」
なつ「私は大丈夫。 そのために イッキュウさんも 協力してくれてるんだから。 いつまでも休んでたら申し訳ない。 あんたは母親なんだよ もう。」
なつ「うん。 それは分かってるから…。」
(優の泣き声)
なつ「まただ。」
坂場「また おなかがすいたのか?」
なつ「イッキュウさん 大丈夫。 仕事してて。 あ~ ぬれてる。 おしめだわ…。 はいはい… よいしょ。 はいはい…。」
富士子「私 こっちにいようか?」
なつ「母さん… そんなに心配しないで。 母さんは 十勝の家に 絶対に必要な人でしょ。 照男兄ちゃんにも砂良さんにも 2人目が生まれるんだし 夕見子にも生まれるんだよ。 母さんが そばにいなくてどうすんのさ。」
富士子「あんたを 一人にしておく方が心配だわ。」
なつ「一人じゃないってば…。」
坂場「本当に大丈夫ですよ お義母さん。」
富士子「そりゃ 私がいたら邪魔だろうけど。」
なつ「そういうことじゃないってば…。 これ以上 母さんに甘えたら 私が 母さんみたいになれないでしょ。」
富士子「えっ?」
なつ「母さん…。」
富士子「ん?」
なつ「私は 母さんみたいになりたいの。 強くて たくましく。」
富士子「美しくね…。 そりゃ なるでしょや… あんたは 私の娘だもの。」
なつ「うん。 優… よろしくね。 できたよ。」
<そうして たちまち ひとつきが過ぎました。>
玄関
富士子「何かあったら すぐ連絡してね。 したらね。 体に気を付けて。」
なつ「母さんも気を付けてね。」
富士子「バイバイ。」
なつ「バイバイ…。」
寝室
なつ「優。」
なつ「あ…。」
坂場「おいしい? 優。」
なつ「アハハ…。」
坂場「ハハハ 優…。」
(泣き声)
坂場「もういらない? もういらないかな?」
<優が生まれて 6週間が過ぎ なつが 職場に復帰する日が やって来ました。>
なつ「優… ママ 行ってくるからね。」
坂場「おいおい…。」
なつ「大丈夫…。」
坂場「おい。」
なつ「優ちゃん… ママ すぐ帰ってくるからね。 待っててね… ごめんね。」
(泣き声)
なつ「起こしちゃったね。」
坂場「はいはいはい どうしましたか? 大丈夫 大丈夫。」
なつ「行ってきます。」
坂場「行ってらっしゃい。 心配するな。」
なつ「うん。 お願いね。」
坂場「うん。」
(泣き声)
坂場「あ… はいはい。 どうしました? 大丈夫よ。」
(泣き声)
坂場「はいはい どうした…。」