あらすじ
嵐の翌日、復旧作業に追われていた。荒れ果てた天陽の畑では靖枝(大原櫻子)がジャガイモを掘り起こしており、なつ(広瀬すず)と泰樹(草刈正雄)も手伝う。照男(清原翔)と砂良(北乃きい)も散らかった小屋で落胆していたが、再び一からやり直すことを決意。一方、麻子(貫地谷しほり)から次回作について電話を受ける坂場(中川大志)。再び、皆日常の中でせわしなく自分の道を切り開いていくのだった。
156話ネタバレ
山田家の畑
泰樹「なつ。」
なつ「うん?」
泰樹「わしが死んでも 悲しむ必要はない。」
なつ「じいちゃん… 何言ってんの。」
泰樹「天陽と同じじゃ。」
なつ「天陽君と?」
泰樹「わしの魂も この大地に しみ込ませておく。 ハハハハ…。 寂しくなったら いつでも帰ってこい。 お前は 大地を踏み締めて 歩いていけば それでいい。」
なつ「分かった。」
泰樹「それに… わしは もう お前の中に残ってるべ? お前の中に生きとる。」
なつ「うん。」
泰樹「それで十分じゃ…。 しかし よくやったな なつ。」
なつ「えっ?」
泰樹「お前は よく 東京を耕した。」
回想
泰樹「行ってこい。 漫画か映画か知らんが 行って 東京を耕してこい! 開拓してこい!」
回想終了
泰樹「いつでも 東京 帰れ。 わしは いつでも お前と共におる。」
なつ「じいちゃん… 大好き。」
回想
なつ「おじいちゃん 大好き。」
回想終了
泰樹「えっ? おおっ…。」
なつ「あっ ちょっと…! ちょっと じいちゃん!」
泰樹「おお…。」
なつ「じいちゃん… じいちゃん 大丈夫?」
(笑い声)
なつ「えっ?」
(笑い声)
なつ「じいちゃん…。」
柴田家
居間
坂場「すみません。」
富士子「あっ それ。」
坂場「あっ はい。 もしもし」
麻子『あっ イッキュウさん。 ねえ いつまで そっちにいるの?』
坂場「あ… まだ はっきりとは決めてないんです。」
麻子『次回作の企画が 決まりそうなのよ。』
坂場「企画ですか。」
麻子『そう。 同じ時間 同じ枠でね。 それで 早く相談したいんだけど。』
坂場「分かりました。 なつと相談して なるべく早く戻ります。」
麻子『待ってるわね。 なっちゃんにも よろしく。』
坂場「はい。」
回想
麻子「ここからの遅れは 仕上に迷惑かけるばかりだからね。 分かってる? 奥原さん。」
なつ「分かってます。 今 描いてます…。」
麻子「手 休めないで答えなさいよ。」
回想終了
富士子「仕事かい?」
坂場「あっ… はい。 けど 慌てません。 少しは なつを休ませたいんで。」
富士子「イッキュウさんもでしょ。」
坂場「あ… いや 僕は もう退屈で。」
富士子「えっ?」
坂場「あっ いや あの… ここがという意味じゃありません。」
(笑い声)
富士子「イッキュウさん これからも なつを よろしくね。」
坂場「こちらこそ。」
詰め所
砂良「牛舎の建て替えは どうする?」
照男「まだ早いべ。 また こっから出直しだ。」
砂良「そうだね。」
照男「あっ アイスクリーム屋は どうする?」
砂良「また お義母さんと やり直すわ。 今度は ちゃんと宣伝も考えて。 まだまだ 私らは先が長いもね。」
照男「そうだな。」
回想
照男「俺と一緒に生きて下さい!」
弥市郎「どうする? 撃つか?」
砂良「撃つ時は 自分で撃つから。」
回想終了
照男「これからも よろしく頼む。」
砂良「こちらこそ。 お願いします。」
<明くる日 千遥と千夏は 先に帰ることになりました。>
台所
夕見子「そしたら 空港まで送ってくわ。」
なつ「夕見 ありがとう。 お願いね。」
夕見子「うん。 なんもだ。」
なつ「千遥 千夏ちゃん それじゃ 東京で またね。」
千遥「うん。 お姉ちゃんも ゆっくりしてね。 イッキュウさんも。」
坂場「うん。 また。」
千夏「優ちゃん バイバイ! また 東京でね。」
優「千夏ちゃん バイバイ!」
富士子「千遥ちゃん 千夏ちゃん 来年も来て。」
剛男「そうだ 来年も待ってるからな。」
千遥「はい。」
照男「毎年 来い。」
砂良「待ってるからね。」
菊介「必ず来いよ。 菊介さんに会いに来い!」
(笑い声)
悠吉「わしが元気なうちに来てくれや。」
千遥「はい。 皆さん ありがとうございました。」
剛男「元気でな!」
千遥「はい。 皆さんも どうか お元気で。 おじいさん ありがとうございました。」
泰樹「気ぃ付けてな。」
千遥「じゃ さようなら。」
夕見子「行こっか。」
しばた牧場
(クラクション)
富士子「来年も 必ずね! 必ず待ってるからね!」
<千遥は こうして東京に帰りました。 何 すぐに 私を超える料理人になるでしょう。>
風車プロダクション
咲太郎「はいはいはい…。 はい 風車プロです。 はい いつも お世話になっております。 はい…。 泥棒の一味?」
<そして 東京では 咲太郎も ますます忙しくしていました。 やがて アニメや声優という言葉が ブームとなり 数々のスターを 送り出すことになるのです。>
咲太郎「皆さん 次の仕事が決まりました。 魔女と 手下が2人 どうやら 泥棒の一味らしいです。」
松井「面白そうじゃねえか。」
島貫「泥棒か。 お前 得意じゃないかよ。」
松井「うるせえ バカヤロー!」
蘭子「じゃあ 私が魔女ね 任せてちょうだい。」
レミ子「えっ じゃあ 私は 何をやればいいんですか?」
佐知子「レミ子さん 予定 びっしり詰まってるじゃないですか。
レミ子「あっ そうか ハハハ…。」
光子「あたらしい仕事も決まったし 今日は お祝いしません?」
咲太郎「お~ いいね! じゃあ 母ちゃんの 新しいおでん屋に行きましょう!」
(拍手と歓声)
島貫「おごりね おごりね!」
咲太郎「おごりです。」
柴田家
しばた牧場
坂場「いつか 君たち きょうだいの戦争を 描いてみたいな。」
なつ「私たちの戦争?」
坂場「うん。 過酷な運命に 負けずに生きる子どもたちを アニメーションで リアルに描くことに挑戦してみたい。」
なつ「テレビ漫画で?」
坂場「う~ん これは… できるとしたら 映画だろうな。」
<イッキュウさんと なつは およそ12年後に その夢をかなえます。>
なつ「ここから また 始まるんだね 私たちの開拓が。」
坂場「うん。」
なち「私たちも また 何もない道を歩いていきたい。」
坂場「君と出会っていなければ 僕の未来は きっと つまらないに違いない。」
なつ「お~… いいこと言うね!」
坂場「そう? 率直な感想だけど。」
なつ「私も きっと あなたと出会っていなかったら 今も こんなに面白くなかったと思うわ。」
回想
露木「よ~い スタート!」
(カチンコの音)
坂場「あっ いって…。」
露木「大丈夫か おい…。」
坂場「ありえないことも 本当のように描くことです。 違う言い方をするならば ありえないことのように見せて 本当を描くこと…。」
坂場「うわっ…!」
なつ「あ~あ…。」
なつ「優。」
坂場「優。」
回想終了
坂場「なつと優と 家族になれてよかった。」
なつ「これからよ。 これからも 一コマ一コ アニメーションみたいに 家族の夢を描いていきましょう。」
坂場「また大変なことが 待ってるかもしれないけど。」
なつ「それでも また始めましょう。」
優「ママとパパ ソラとレイみたい!」
なつ「えっ?」
坂場「そうか。 それじゃ…。」
優「それは ダメ! 優ちゃんも!」
なつ「じゃ 行こうか。」
<日本のアニメーションが 世界に誇れるほど 大きく成長していくのは これからなのです。 その未来に向かえよ なつよ。 なつよ… 『朝ドラ』よ 101作目に続けよ。>
なつ「ありがとうございました。」