ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第25話「なつよ、お兄ちゃんはどこに?」【第5週】

あらすじ

なつ(広瀬すず)たちの演劇大会終了後、泰樹(草刈正雄)は、牛乳の販売を協力することを決意。そして柴田牧場では、干し草作りを行っていた。ある日、泰樹は天陽(吉沢亮)との関係をなつに問いかける。突然のことに驚くなつに、泰樹は、自分の思い描く将来の牧場について語りだす。その後、泰樹といっしょに天陽の家を訪れたなつは、東京から送られてきたというあるものを、天陽から手渡される…。

25話ネタバレ

柴田家

旧牛舎

なつ「じいちゃんに 何も感じてもらえんかったら 私の負けだから。」

泰樹「ん?」

演劇コンクール 十勝地区予選大会

雪次郎「勝農演劇部!」

一同「そ~れ~!」

回想・なつ「私が この芝居 見したいのは じいちゃんだけだから。」

一同「ペチカ様!」

なつ「そして 川では オショロコマが たくさん取れるでしょう。 それを分け合って 川下の村と仲よくなって下さい。 そして 平和に暮らして下さい。」

雪次郎「待ってくれ!」

<なつたちの表現が 泰樹さんの心に響きました。>

音問別農協

泰樹「わしは 決めた。」

(拍手)

<泰樹さんは 早速 組合員に 団結を呼びかけたのです。 十勝の酪農は 新な一歩を踏み出しました。>

十勝農業高校

演劇部

門倉「次!」

<こうして なつたちの演劇は終わったのです。>

門倉「次!」

雪次郎「したけど もったいねえな 大作だったにな。」

天陽「背景だけ 取っておいたって しょうがないべ。」

なつ「何日もかけて描き上げたのに 消えちゃうんだね。」

天陽「それは みんなの舞台も おんなじだべさ。」

なつ「そだね。」

雪次郎「じゃあ 2年生 来年 頼んだぞ。」

<勝農演劇部は 地区大会で負けました。 誰も 口にはしなかったけど あの歌が 敗因ではないかと思います。>

回想

門倉♬『みのる稲穂に富士と鳩』

一同♬『エフ エフ ジェイ エフ エフ ジェイ』

回想終了

門倉「俺たちは 試合に負けて 勝負に勝ったんだよな?」

良子「え? あんたが それ言うのかい?」

門倉「おい 奥原!」

なつ「えっ?」

門倉「俺は… この舞台が成功したら 言うべと思ってたんだ。」

なつ「何さ?」

門倉「言っていいか?」

なつ「どうぞ。」

門倉「奥原! 言うぞ。」

なつ「どうぞ。」

門倉「卒業したら 俺の… 嫁になってくれ! 答えは もちろん 今すぐじゃなくていい。 いつか… そのうち… 気が向いたら…。」

なつ「ごめんなさい。 それは できない。」

良子「即答だったね。」

雪次郎「番長… 舞台は 決して成功してねえべよ。」

なつ「うん…。」

門倉「そだな… それじゃ しかたない。 よし 分かった! 今のは きっぱり忘れてくれや!」

雪次郎「うん 男らしい。」

門倉「よし! ハッ… 忘れた! ハハハハハ…。 あ~! あ~!」

なつ「番長!」

良子「追わないのが 思いやりだわ。」

なつ「ごめんね 番長…。 だけど びっくりした~。」

<私もです。 私も きっぱり忘れます。>

良子「なつ! 私の嫁になってくれ~!」

なつ「よっちゃん やめてよ!」

雪次郎「番長 かわいそうだべ。」

(笑い声)

なつ「ちょっと…。」

柴田家

牧場

<8月に入り なつたちは 夏場の牧場に欠かせない 草刈をしました。 3日続けて晴れる日をねらい 刈った草を乾燥させて 干し草を作るのです。 それを分けてもらうため 天陽君の家族も手伝いました。>

台所

富士子 なつ「お帰んなさい。」

照男「腹減った~。」

タミ「ご苦労さんです。」

天陽「お邪魔します。」

悠吉「お~ いい匂いだ。 さあさあ 入って…。」

菊介「おっ これ 照男君の好物でねえか?」

照男「あっ トマト?」

菊介「おむすび… トマト? トマトか…。」

子供部屋

一同『頂きま~す。』

(おなかが鳴る音)

夕見子「う~ん…。」

居間

夕見子「もう! 私も ごはん呼んで!」

悠吉「勉強中 悪いべや。」

菊介「食ったら眠くなっぞ。」

菊介「何だ この野郎。」

悠吉「ハハハ…。」

牧場

泰樹「おう…。」

富士子「はい。」

タミ「はい。」

菊介「はい。」

天陽「はいよ。」

なつ「はい。」

山田家

タミ「干し草にするのって 大変なことなんだねえ。 お天気まで読んで。」

なつ「じいちゃんは 天気を読むのが名人だから。 牛飼いにとって 草刈は大事だも。」

タミ「そだね。」

天陽「なっちゃん これ。」

なつ「なしたの?」

天陽「なっちゃんに あげるわ。」

なつ「えっ?」

天陽「うちは 柴田さんには 何も お返しなんてできないから せめて なっちゃんに。」

なつ「いいよ そんなの! 困るよね? じいちゃん。」

泰樹「うん…。」

天陽「いや そでない。 別に うちが 無理して買ったわけじゃない。 東京の兄ちゃんから送られてきた。」

なつ「陽平さんから?」

天陽「うん。」

タミ「そうなの。」

天陽「なっちゃんにって。」

なつ「ふ~ん… 本当にいいの?」

天陽「いいんだよ。」

泰樹「なつは… 絵を描きたかったのか?」

なつ「うん…。 天陽君みたいに うまくはないけど。 舞台で見たでしょ? 天陽君の絵。」

泰樹「ああ。」

なつ「私も 絵を描くことは好きなんだわ。 天陽君みたいに 絵で 自由に 何か表現できたら どんなにいいだろうって思うさ。 うれしい…! ハハハ…。」

道中

泰樹「おい なつ。」

なつ「何? じいちゃん。」

泰樹「言ってもいいか?」

なつ「えっ… じいちゃんまで…? どうぞ。」

泰樹「お前を 天陽とは 一緒にさせられん言ったら どうする?」

なつ「えっ? 何なの? 突然。」

泰樹「天陽が うちの婿になるんなら別だが…。 なつには 将来 わしの牧場を継いでもらいたい。」

なつ「うちには 照男兄ちゃんいるし…。」

泰樹「照男だけでは支えきれん。 いずれ バター工場も造りたいしな。」

なつ「バターか…。」

泰樹「それが嫌なら はっきり言ってほしい。 お前の意志を 無視する気はない。 無理強いはせん。」

なつ「急に そんなこと言われても…。 じいちゃん 私と天陽君は そんな仲じゃないから。」

泰樹「そうか。 それなら 安心した。」

丘の上のキャンパス

柴田家

居間

夕見子「私 北大を目指すことにしたから。」

剛男「ほく… 北大って 北海道大学のことか!?」

夕見子「ほかにあるの? 北大って。」

富士子「大学行って 何するのさ?」

夕見子「大学は 勉強するとこでしょや。」

富士子「女の子が 大学に行って どうするのさ?」

夕見子「はあ?」

剛男「まあ 北大は もともと農業学校だしな。」

夕見子「農業とは関係ないさ。 私が目指すのは文学部だし。」

富士子「文学って… 十勝に帰ったら 国語の先生にでもなるのかい?」

夕見子「母さん 視野が狭すぎるよ。 どうするかなんて 学んでから考えることだべさ。」

富士子「いや 考えてるうちに年取っちゃうよ。」

夕見子「年取ったっていいじゃない 別に。」

富士子「4年も 大学に行ってたら いい縁談だって 少なくなるかもしれないんだから 女は。」

夕見子「つまんない! 母さんが そんなに つまんない人だと 思わなかったわ!」

富士子「えっ?」

剛男「おい 夕見子。 母さんは お前のためを思って つまんないことを言ってんだ。」

富士子「つまんないの?」

剛男「あ… いや…。」

夕見子「母さんは つまんないことを つまんないと自覚できないんだわ。 それは 結局 この町でしか生きてないからね。 私は 努力して この町から出ていきたいの。 何になるとかじゃなくて 自由になるために。」

富士子「ここには 自由がないって言うのかい?」

夕見子「もっと 広い世界を見たいってことよ。 いいしょや。 ここには なつだって いるんだから。 土地に縛るのは なつだけにしてよね。」

富士子「えっ?」

剛男「夕見子。」

明美「あれっ? なつ姉ちゃん どこ行った?」

夕見子「えっ?」

明美「なつ姉ちゃんに お客さんが来てるわ。」

玄関

信哉「初めまして。 佐々岡信哉と申します。」

富士子「あっ はい…。」

剛男「佐々岡信哉さん?」

夕見子「もしかして…。」

信哉「東京から参りました。」

富士子「東京…?」

信哉「こちらに なつさんという方が お世話になっていないでしょうか?」

泰樹「どした?」

丘の上のキャンパス

<なつよ のんびり 絵を描いてる時では ないかもよ。>

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