ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第32話「なつよ、雪原に愛を叫べ」【第6週】

あらすじ

東京でなつ(広瀬すず)は、兄の咲太郎(岡田将生)と再会を果たす。しかし、咲太郎は再び行方がわからなくなってしまう。北海道に戻り、酪農の仕事に精を出すなつ。そんなある日、なつは照男(清原翔)から呼び出され、帯広で上映するディズニー映画のチケットを2枚渡される。大喜びするなつに、なぜか天陽(吉沢亮)とふたりで行ってこいと促す照男。そんなふたりのやり取りを泰樹(草刈正雄)が遠くから見ていた…。

32話ネタバレ

柴田家

咲太郎「なつ~! なつ…。 なつ 寒いぞ! 北海道め! なつ… くそ! お~寒い…。」

詰め所

なつ「よいしょ…。」

(窓をたたく音)

なつ「お兄ちゃん…。」

咲太郎「なつ! 来たぞ! ここまで来てやったぞ!」

なつ「どして?」

咲太郎「逃げてきたんだ…。 なつ! 一緒に逃げよう! お前を 迎えに来たんだよ。 これからは 兄ちゃんと一緒だ。 ずっと 一緒にいられるんだよ!」

泰樹「どこ行く気だ?」

咲太郎「誰だよ お前は!」

なつ「お兄ちゃん この人は…。」

咲太郎「お前に なつは連れていかせん。」

咲太郎「おいっ…。」

なつ「お兄ちゃん!」

悠吉「なっちゃん!」

菊介「ダメだ!」

咲太郎「なつ! なつ!」

なつ「お兄ちゃん 待って!」

咲太郎「なつ~!」

なつ「お兄ちゃん 待って! お兄ちゃ~!」

子供部屋

なつ「ひゃっこい! ううっ…。 冷た!」

明美「目 覚めた? 時間だよ。」

なつ「ねえ 明美! ひどいな 何すんのさ。」

夕見子「フフフフ…。」

明美「なつ姉ちゃん 寝言 言ってたよ。」

なつ「えっ?」

明美「お兄ちゃんを呼んでた。 あれ どっちのお兄ちゃんのこと?」

夕見子「そんなこと 聞かなくていいの。 あんたは無神経なんだから。」

明美「いや 雪ぶっかけちゃえって言ったのは そっちしょ! どっちが無神経さ。」

夕見子「フフッ。 ほら 今朝は すっかり 積もっちゃったわよ。 よいしょ…。」

なつ「うわ~! 寒~…。」

<十勝は 厳しい冬を迎えました。 なつの高校生活も あと僅かです。>

詰め所

菊介「なっちゃん。」

なつ「うん?」

菊介「スキー教えてやる。 今年は 大会出るべ。」

なつ「何で そこまで スキーやんなくちゃなんないのさ。」

菊介「いや いや いや いや この大会に出なくちゃ スキーを やったことにはならねえべさ。」

なつ「あっ! 学校遅れちゃう! はい!」

菊介「おおっ…。」

なつ「行ってきま~す。」

悠吉「はい 気ぃ付けてな。」

なつ「あっ 照男兄ちゃん 行ってきます。」

照男「あっ なつ ちょっと…。」

なつ「ん?」

菊介「あっ 照男君は 今年も出るべ 開拓青年団スキー大会。」

照男「あ 今年はいいべさ。 出なくても。」

菊介「なして! 去年の雪辱を果たすべ 負けたままでいいのか?」

照男「ちょっと なつに話があるから。」

菊介「何の話?」

なつ「何の話?」

照男「ちょっと…。」

菊介「えっ?」

照男「菊介さん また後で。 な…。」

菊介「出るべよ。 なっちゃんも誘って。 必ず出るべよ!」

照男「後でね…。」

なつ「自分が出ればいいのに。」

照男「人を勝たせるのが 今の菊介さんの楽しみなんだ。」

なつ「ふ~ん。」

照男「それより ちょっと…。」

なつ「どしたの? 何かあった?」

照男「たまたま こんなの もらったから。」

なつ「えっ?」

照男「見ないか?」

なつ「ああっ! えっ ディズニー! ものすごく見たかったやつ! え~ うれしい! 見に行っていいの?」

照男「うん。」

なつ「2枚も? じゃあ 明美と行くわ。」

照男「いや…。」

なつ「あっ もしかして 照男兄ちゃんと 一緒に行く?」

照男「あ いや…。 天陽君と行けば?」

なつ「天陽君? 何で?」

照男「ほら 東京で お世話になったんだろ お兄さんに。」

なつ「ああ…。」

照男「漫画映画作ってたんだろ お兄さん。 だったら そういうの いいかなと思って。」

なつ「そんで わざわざ買ってきてくれたの?」

照男「いや たまたま もらったって言ったろ。」

なつ「ああ…。」

照男「2人で行ってこいよ。」

なつ「うん… じゃあ 聞いてみるよ。」

照男「うん。」

なつ「うん。 あっ ありがとう! あっ… じいちゃん 行ってきます。」

回想

泰樹「お前… なつと結婚しろ。」

照男「えっ?」

泰樹「なつと結婚するんだ。 そしたら なつは 正真正銘の柴田家の家族になる。 一生 この家にいることになるんだ。」

照男「何言ってんだよ…。」

泰樹「すぐに そうなれとは言わん。 そうなるように 心の準備をしていけばいいんだ。」

照男「準備って…。」

泰樹「当分 なつには言わん。」

照男「ちょっと待って!」

泰樹「お前には できる! できるだろ。」

回想終了

道中

<冬の間は 自転車が使えず スキーと鉄道で通学します。>

なつ「夕見! 大丈夫? 朝方2時間しか寝てないしょ?」

夕見子「大丈夫。 倒れるくらいで寝ると ちょっとの睡眠時間でも 頭が すっきりするのさ。」

なつ「体 壊すべさ。」

夕見子「受験生だから しかたないしょ。」

なつ「本当に すごいな 夕見は。」

夕見子「本当は 北大なんて 行かなくてもいんだけどね。」

なつ「じゃあ 何で行くの? 札幌なんて遠いとこへ。」

夕見子「だって 負けたくないしょ。」

なつ「人に負けたくないから行くの?」

夕見子「人っていうか… そんなの無理だとか 女のくせに無理だとか そういう世間の目にさ。」

なつ「う~ん… よく分かんない。」

夕見子「私は なつみたいに 分かりやすく戦ってないからさ。」

なつ「どういう意味?」

夕見子「なつは どこにいたって戦ってるしょ。 私には 何もないから 自分の生きる場所は 自分で選べるような人間になりたいのさ。 ごめん 寝不足で 訳 分かんないこと言ってるね。」

なつ「分かるわ そんくらい…。」

列車

雪次郎「おっ なっちゃん おはよう。」

なつ「おっ おはよう。」

雪次郎「あっ! 夕見子ちゃん おはよう!」

<夕見子ちゃんは 勝農とは反対に 街の高校に通っています。>

雪次郎「夕見子ちゃ~ん…! 気付いて… 夕見子ちゃん…。 君の名は!」

なつ「今 呼んだべさ。」

十勝農業高校

畜産科

太田「冬乳で作るバターは 夏乳で作るバターに比べて 色が白~くなるべ。 放牧されて 青草を食べた牛の乳は黄色っぽい。 バターの風味も 夏は強~く 冬は強くない。 どっちが いいバターかは 好き好きだ。」

(笑い声)

太田「手 動かせよ。」

一同「はい。」

雪次郎「なっちゃん。」

なつ「うん?」

雪次郎「そういえば うちの父ちゃんが なっちゃんとこの牧場は いつんなったら バターを作るんだって 気にしてたわ。」

なつ「おじさんが?」

雪次郎「うん。 地元のバターを使ったお菓子を 考えてるみてえだ。」

なつ「バターを作っても 流通させる方法がないとね。」

雪次郎「うちの店なら 喜んで買うけどな。」

良子「雪次郎君は そのために ここへ入ったんじゃないの? 自分で作ればいいべさ。」

なつ「そだよね。」

雪次郎「だけど 牛飼いになるのは大変だべ。」

良子「それなら… 牛飼いの娘と結婚すれば早いべさ。」

雪次郎「夕見子ちゃんとか…?」

良子「はい?」

雪次郎「いや… それなら なっちゃんが作ってくれた方が 早いべさ…。」

なつ「うん… 私も 作りたいなとは思ってるけどね。 いつかは…。」

雪次郎「疲れた。 なっちゃん 交代。」

なつ「はい。」

山田家

天陽「なっちゃんは 漫画映画を作りたいのか?」

なつ「えっ?」

天陽「兄ちゃんが 手紙で そんなようなこと書いてたから。」

なつ「見せてもらっただけだって 作ってるとこを。 そう話したしょ。」

天陽「うん。 そこが 今度 大きな映画会社と 一緒になったって。」

なつ「ああ そんなこと言ってた。」

天陽「うん。 兄ちゃんも 結局 その会社の試験受けて 採用されたらしい。」

なつ「えっ 陽平さんも入ったの?」

天陽「うん。」

なつ「漫画映画作るんだ これからも…。」

回想

仲「本当だよ。 ちゃんと勉強すれば アニメーターになれると思うな。」

回想終了

天陽「それで… もし なっちゃんも来たいなら 相談に乗るって。」

なつ「えっ? 行けるわけないしょ 私が!」

天陽「牧場があるから?」

なつ「えっ?」

天陽「捨てられないのか?」

なつ「捨てるとか 捨てれないとかって…。 牧場をやりたいからに決まってるしょ。 映画は 見るだけでいいのさ。 ねえ いつ行こうか? ディズニーの映画。」

天陽「いつでもいいよ。」

なつ「楽しみだなあ…。」

柴田家

詰め所

剛男「今 何て言いました?」

泰樹「照男を なつと結婚させると言ったんじゃ。」

富士子「何 バカなこと言ってるの。」

泰樹「バカなことじゃない。 できないことじゃねえだろう。」

剛男「できないことでは ないでしょうけど… できないでしょう 本人たちが。」

泰樹「照男には ず~っと前に話してある。」

剛男「えっ?」

富士子「はっ?」

泰樹「嫌だとは聞いとらん。」

富士子「何 勝手なこと言ってるの!」

剛男「富士子ちゃん ここは 一旦 落ち着こう。 ね。 それで なつにも話したんですか?」

泰樹「なつには まだた。」

剛男「ああ~ よかった…。」

泰樹「何が いんだ?」

剛男「いや なつに どんな顔したらいいか 分からなくなりますから。」

富士子「照男は いいんですか?」

剛男「まあ 照男は大人だから…。」

なつ「子どもですよ 私たちの。 私たちに相談もなく そんなこと。」

泰樹「だから 今 相談してるべ。 お前たちは反対なのか?」

剛男「反対も何も…。」

富士子「考えてもなかったわよ。」

泰樹「考えろ。 それが 一番いいと思わんか?」

富士子「父さん 何を怖がってるの?」

泰樹「怖がる?」

富士子「なつが 本当のお兄さんに 会ったからかい? そんで なつが 東京に戻ると 言いだすとでも思ったんですか?」

泰樹「そんなことじゃない。 なつと照男が もし それを望むなら それに越したことはないと思わんか? きょうだいを捨てなくても 柴田なつになれるんだ。」

なつ『ただいま。』

剛男「あっ なつが帰ってきた。」

富士子「とにかく なつには 変なこと言わないで下さいよ。 今の話は 聞かなかったことにするから。 あんたも いいわね?」

剛男「うん。」

なつ「ただいま。」

富士子「お帰り。」

剛男「お帰り。」

なつ「何さ 3人そろって…。 どしたの? 何かあった?」

<なつよ それを聞くな。>

モバイルバージョンを終了