ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第35話「なつよ、雪原に愛を叫べ」【第6週】

あらすじ

クロスカントリーのスキー大会が開かれ、天陽(吉沢亮)と照男(清原翔)が出場することになった。大会の当日の朝、照男は天陽を呼び出し、なつ(広瀬すず)に対する思いを聞き出す。一方の天陽も、照男に自分の思いをぶつける。そして天陽と照男はある約束を交わす。そしてスタートのフラッグが振られた。天陽と照男の約束を知らないなつは、ふたりを同時に応援するが…。

35話ネタバレ

スキー大会

天陽「何ですか? 大事な話って…。」

照男「うん… なつのことだ。」

天陽「なっちゃんが どうかしたんですか?」

照男「お前… なつのこと どう思ってる?」

天陽「えっ?」

照男「好きなのか?」

天陽「なしてですか?」

照男「答えろよ。」

天陽「好きです。」

照男「だべ?」

天陽「えっ?」

照男「そのことを なつに言ったのか?」

天陽「いいえ…。」

照男「言えや!」

天陽「なしてですか?」

照男「いいから。」

天陽「なして 照男さんが そんなこと 言うんですか?」

照男「俺は… 兄貴だからだ! 正真正銘 なつの兄貴だ。 なつのことが好きなら ちゃんと言ってやれ。」

天陽「好きだけど 言えません。」

照男「どうして?」

天陽「言うと なっちゃんが 夢を諦めるかもしれないから。」

照男「夢? それは どういう意味だ?」

天陽「すいません。 これ以上は言えません。 なっちゃんが 自分で言うのを 待って下さい。」

照男「なつの夢は お前と一緒になることだべさ!」

天陽「分かりません。」

照男「何が分からない?」

天陽「なっちゃんの気持ちが…。」

照男「なつの気持ちの前に… まず お前の気持ちだべ! よし 俺と勝負しろ。」

天陽「勝負?」

照男「俺が スキーで お前に勝ったら お前は なつに 好きと言え。」

天陽「俺が勝ったら?」

照男「そん時は… お前の好きにしろ!」

天陽「分かりました。 俺が勝ったら なっちゃんのことは諦めます。」

照男「よし。 分かった。 お前には負けん!」

なつ「おじさん! おばさん!」

タミ「なっちゃん 明美ちゃん フフフ…。」

なつ「天陽君は?」

正治「うん その辺にいるんじゃないか? あっ いた。」

タミ「あっ。」

なつ「あっ 天陽君!」

天陽「やあ。」

なつ「どう? スキーの調子は。」

天陽「うん まあまあだ。」

なつ「いや~ すごい 本当に作っちゃったんだ。 私も出れば いかった。」

天陽「大丈夫。 なっちゃんも ちゃんと参加してるよ。」

なつ「応援してるだけじゃ つまんないんだわ。 したけど 応援してるから 頑張ってね!」

天陽「うん。」

富士子「はい 豚汁。」

剛男「ありがとう。」

泰樹「なつは どうしたんじゃ?」

富士子「天陽君のところでないですか?」

泰樹「敵陣営に行ってるのか。」

富士子「は?」

泰樹「ん? いや…。」

富士子「そういうつもりで 照男に出ろって言ったんですか。」

泰樹「何も言っとらん! 照男の気持ちが 見たいだけじゃ。」

『青年の部 選手は スタート地点に集まって下さい』。

<さて この開拓青年団のスキー大会は 山のコースを1週して順位を争う クロスカントリーの一種です。 ちなみに 戦後の初代チャンピオンは この菊介さんでした。>

菊介「前の選手のスキー ちょっと踏んでもいいから。」

照男「踏むの!?」

菊介「大丈夫 大丈夫…。 罰則ねえから大丈夫だ。 でよ 後ろから追いつかれようとしたら時は…。」

明美「お兄ちゃん 頑張って!」

照男「おう!」

菊介「そうだ。 でよ 後ろから 追いつかれてきたら…。」

「おい! おい! おい!」

菊介「あ~ 分かったって…。 おい 頑張れよ!」

「位置について よ~い…。」

(ホイッスル)

(歓声)

タミ「天陽!」

正治「頑張れ!」

なつ「天陽君 頑張れ!」

回想

照男「俺と勝負しろ。 俺が スキーで お前に勝ったら お前は なつに 好きと言え。」

天陽「俺が勝ったら なっちゃんのことは諦めます。」

回想終了

(歓声)

菊介「おい 照男君 まだ追いつけるぞ! 照男君 もっと 押せ押せ! 手ぇ仕え! 頑張れ!」

明美「頑張って!」

「頑張って!」

照男「何でだよ!」

菊介「頑張れ 照男! もっと 腰…。」

正治「負けんな~!」

泰樹「行け 行け 行け…。」

富士子「頑張れ~!」

なつ「頑張れ~!」

(歓声)

泰樹「これで あいつの気持ちが分かったな。」

富士子「ただのスキーよ…。」

剛男「でも 何だか怖かったな… 照男のやつ。」

照男「お前… ふざけんな。 諦める気か。」

天陽「負けました。」

照男「約束は守れよ。」

天陽「はい。」

照男「なつを頼む。」

天陽「分かりました。」

なつ「いや~ なまら すごかった! 2人とも よく戦ったわ! 照男兄ちゃん 速かったね。」

照男「おう。」

なつ「でも 天陽君も あの板で頑張ったんだから 負けてないよね。」

照男「負けたのは俺だ。」

なつ「2人とも勝ち! ハハハ… それでいい。」

天陽「なっちゃん。」

なつ「ん?」

天陽「冬休みの間に 一度 うちに来てくれんか?」

なつ「天陽君のところに?」

天陽「うん。 牛が 子を宿してるべ。 見に来てくれんか? まあ 話したいこともあるし。」

なつ「うん 分かった。 いいよ。 なら 明日行く。 いい?」

天陽「うん。 したら じゃ。」

なつ「うん。 行こう。 みんな待ってる。」

照男「うん。」

柴田家

台所

なつ「ただいま!」

富士子「明美 今日は 三平汁にするから 野菜持ってきて。」

子供部屋

なつ「夕見! 夕見 ただいま!」

夕見子「うん。」

なつ「ねえ 照男兄ちゃん すごかったよ。」

夕見子「へえ~ 興味ない。」

なつ「話ぐらい聞きなよ。」

夕見子「あっ それより あんたに 手紙が来てたわよ。」

なつ「手紙?」

夕見子「うん。 東京の信さんから。 あれ。」

夕見子「何て書いてあるの?」

なつ「お兄ちゃんが 新宿に戻ってきたって…。」

信哉『咲太郎が 新宿の川村屋にやって来たそうです。 直接会ったわけではないので 住んでいる所や 今 何をしているのかは まだ分かっていません』。

回想

咲太郎「マダム すみませんでした!」

信哉『咲太郎は 川村屋のマダムに 1万円だけ返しに来たそうです。 突然のことに マダムも驚いていたみたいです』。

咲太郎「妹が… なつが…。」

信哉『妹が お世話になって すみませんでしたとも 言っていたそうです』。

光子「嫌がらせ?」

野上「おやめなさい。」

咲太郎「野上さん! すみませんでした!」

野上「営業妨害だから!」

信哉『咲太郎は きっと また 川村屋に 返しに行くと思います。』

回想終了

信哉『僕は 咲太郎を信じます』。

<なつよ よかったな。 しかし なつを思っているのは 咲太郎ばかりではないぞ。>

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