ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第41話「なつよ、今が決断のとき」【第7週】

あらすじ

東京に行きたい本当の理由を家族に伝えられないまま、泰樹(草刈正雄)から後押しされてしまったなつ(広瀬すず)。日が替わり、雪月に立ち寄ったなつは、雪之助(安田顕)から、泰樹にお願いされ、東京の川村屋で働けるよう手はずを整えたと聞かされる。ますます自分のために東京に行くと言えなくなってしまうなつだったが、とよ(高畑淳子)だけは、そんななつの気持ちを察し、なつにアドバイスを送るのだった…。

41話ネタバレ

列車

回想・泰樹「お前が もし… 東京で幸せになるなら… それも 立派な親孝行じゃ。 それを忘れんな。」

雪月

とよ「あっ なっちゃん。」

なつ「とよばあちゃん…。」

とよ「あっ 東京のことかい? 柴田のじいさんから…。」

なつ「ばあちゃん!」

とよ「おっとっと! どしたの?」

なつ「私は ずるい…。」

とよ「ずるい?」

なつ「じいちゃんを… 裏切ってしまった。」

雪之助「なっちゃん あの 川村屋のマダムに 電話して聞いてみたんだわ。」

なつ「マダムに?」

雪之助「うん そしたら マダムは いつでも なっちゃんに 来ていいってさ。」

なつ「えっ?」

雪之助「お兄さんに会えるようにするって 言ってくれたよ。」

妙子「いかったね。」

雪之助「そんで 向こう行ったら 仕事を見つけなきゃなんないと思うけど なっちゃんがよければ 川村屋で雇ってもいいってさ。」

なつ「えっ!」

雪次郎「いかったな! 俺も なっちゃんがいてくれたら心強いわ。」

妙子「バカ! あんたが なっちゃん頼ってどうすんのよ。 あんたが なっちゃんの力に なってあげるんでしょや。」

雪次郎「あっ そだった。 俺がついてるよ なっちゃん!」

妙子「白々しい…。」

雪之助「どうした? なっちゃん。 川村屋は嫌かい?」

なつ「なんも そじゃない とっても ありがたいわ。 けど… 仕事は 自分で見つけるつもりだから。」

妙子「いや… なっちゃん 人の世話になることを 心苦しいなんて思うことないわから。」

とよ「知ったようなこと言うんじゃないよ。 なっちゃんには なっちゃんの考えがあるべさ。 何でもかんでも 親切にしてやることが なっちゃんを助けることになるとは 限らんべさ。」

なつ「とよばあちゃん いいのさ…。 全部 私のわがままだから…。」

とよ「わがままに選らんで 何が悪いの? それが 柴田家を裏切ることにならんべさ。」

なつ「違うの…。 そじゃない…。 私は ずっと いつか ここを出なくちゃなんないって そう思ってた。 それを隠してた。 隠しながら 酪農をするのが自分の夢って 言ってきたんだわ…。」

雪之助「そりゃ しかたないべさ。 なっちゃんには 本当のきょうだいが… 本当の家族が ずっと どっかにいたんだから。」

雪次郎「なっちゃんは ずっと苦しんでたのかい?」

とよ「だから ずるいのかい?」

妙子「そんなこと ちっとも ずるいなんて 思うことないわよ。」

なつ「違う! 本当は違うの。 本当は 自分勝手で… 自分勝手な理由で… 今は あの家を出たいって思ってんのさ。 ここまで大きくしてもらって 何の恩返しもやんないまま じいちゃんにまで 気ぃ遣わせて…。 私は じいちゃんを だましてしまったことになったんだわ…。」

とよ「なっちゃん… よく分かんないけど 東京行ったらいい。 そこまで 自分の気持ちが分かってんなら 行くべきだ。 したけど そういう気持ちも じいちゃんに しゃべったらいい。」

とよ「なっちゃんと じいちゃんは な~んでも言い合える仲になったんだべ? な~んでも 我慢しないで 言い合えなければ ここでは 心まで しばれてしまうんだわ。」

なつ「とよばあちゃん…。」

とよ「そう思って 私は 舅 小姑とも戦ってきたよ! 夫が エンドウ豆の相場で 女と借金作った時も 子どもを守るために 家を出たんだ。 後悔はない。 したから なっちゃんも強くなんないと…。」

妙子「お義母さん! お義母さんの体験 なっちゃんには当てはまらんべさ。」

とよ「そうかい…?」

なつ「ありがとう とよばあちゃん おじさん 妙子さん 雪次郎君 ありがとう。」

雪次郎「なっちゃん 東京行くべよ。 一緒に頑張るべ!」

妙子「あんた やっぱり頼ってるっしょ。」

雪之助「お前は お前が頑張ればいいんだ。」

妙子「うん。」

とよ「ハハハハ…。」

雪次郎「そだね。」

なつ「みんな 本当にありがとう。 うん… じいちゃんに話してみる。」

とよ「うん。」

柴田家

新牛舎

回想・天陽「泰樹さんは たった一人で 海を渡って 北海道に来たんだべさ。 泰樹さんは なっちゃんにとって 見本だべさ。 誇りだべ? したら なっちゃんが どうすべきか 自然と分かるだろ。」

詰め所

悠吉「なっちゃん。 東京行くって 本当かい?」

菊介「おやじ。」

なつ「うん… 春になったら そのつもり。」

悠吉「そのまま こっちに 帰らないってこともあんのかい?」

菊介「そんなことないべさ。 帰るべよ。 帰るべ?」

悠吉「帰んなきゃダメだ! そりゃ 兄さんのことが心配なのはわかる。 したけど… おやっさんの気持ちだって ちょっとは分かってやれんべか…。」

なつ「分かってる。 それは よく分かってる。」

菊介「おやじ。 俺らが口挟むことじゃないべよ。 おやっさんも言ってたべ なっちゃんを自由にしてやれって。」

悠吉「俺だった… なっちゃんの家族だと思ってんだよ!」

菊介「俺だって そうだよ! 家族だから 待っててやればいいべさ。」

泰樹「おい 仕事しろ。」

悠吉「はい…。」

なつ「じいちゃん…。」

新牛舎

なつ「じいちゃん!」

泰樹「ここにいる時は 牛のことだけ考えろ。」

居間

泰樹「ごっつぉうさん。」

なつ「じいちゃん… ちょっと待って。」

なつ「ごめんなさい。 私 うそつきました。」

富士子「なつ…。」

剛男「うそって何だ?」

明美「もしかして 東京行かないってこと? なつ姉ちゃん。」

なつ「本当は 東京に行きたいのは 兄に会うためではなくて… 本当は やりたいことがあるからです。」

剛男「やりたいことって何だ?」

富士子「黙って聞いてやればいいべさ。」

剛男「ああ…。 しゃべれ… 何でもしゃべれ。」

なつ「漫画映画を作りたいのさ。」

剛男「漫画映画?」

富士子「やっぱり…。」

剛男「えっ 知ってたのかい? 富士子ちゃんは。」

富士子「黙って聞こ。」

剛男「うん…。」

なつ「作れるかどうかわからんけど… どう作ってるのかも分からんけど… やってみたいのさ。 挑戦してみたいのさ。 じいちゃんが 一人で北海道に来て 開拓したみたいに…。 私も 挑戦したい。 さっき やっと分かったのさ。 私 じいちゃんみたいに なりたかったんだって…。」

なつ「それが 私には 漫画映画を目指すことなのさ。 そんなの無理って思おうとしたけど 今は そう思えなくなったのさ。 思いたくない。 じいちゃん ごめんなさい。 酪農を… じいちゃんを裏切っても 私はやりたい。」

泰樹「何が裏切りじゃ! ふざけるな!」

泰樹「よく言った。 それでこそ わしの孫じゃ! 行ってこい。 漫画か映画か知らんが 行って 東京を耕してこい! 開拓してこい!」

なつ「じいちゃん!」

泰樹「行ってこい… なつ。 行ってこい。」

照男「それが なつの夢だったのか…。」

夕見子「初めから そう言えばいいのよ。」

山田家

馬小屋

なつ「天陽く~ん! 天陽君!」

天陽「どうした?」

なつ「許してくれた! じいちゃんが認めてくれた!」

天陽「そうかい…。」

なつ「天陽君のおかげ。 ありがとう。」

<なつよ… それは 天陽君に 別れを告げてもいるぞ。>

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