ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第42話「なつよ、今が決断のとき」【第7週】

あらすじ

自分の夢を追うために東京に行きたいと家族に打ち明けたなつ(広瀬すず)。泰樹(草刈正雄)から認められ喜ぶなつは、真っ先に天陽(吉沢亮)のもとへとかけつけ報告する。天陽の父・正治(戸次重幸)は、なつが陽平(犬飼貴丈)と同じアニメーションの世界を目指していることを知り、なつとつながっていられることに安どする。ただタミ(小林綾子)は、天陽のなつへの気持ちを推し量ってしまい…。

42話ネタバレ

山田家

馬小屋

なつ「天陽く~ん! 天陽君!」

天陽「どうした?」

なつ「許してくれた! じいちゃんが認めてくれた!」

天陽「そうかい…。」

なつ「天陽君のおかげ。 ありがとう。」

天陽「よかったな なっちゃん。」

なつ「あっ…。 天陽君が 私に教えてくれたから。」

天陽「何を?」

なつ「何もかもよ!」

なつ「北海道に来て 私は 天陽君に出会えて いかった。」

居間

なつ「頂きます。」

タミ「そんじゃ なっちゃんも 本気で 陽平の会社に行くんかい?」

なつ「入れるかどうかは分からんけど そこを目指します。」

天陽「兄ちゃんに 手紙書くよ。 なっちゃんを よろしくって。」

なつ「それなら 自分で書くわ。 陽平さんの連絡先は知ってるから。」

天陽「そうか。」

正治「東京行っても なっちゃんとは 陽平で つながっていられるんだな。」

なつ「そうなれたらいいけど…。」

タミ「何よりも なっちゃんには 本当のお兄さんが ついてるんだから 一緒にいられたら安心でしょ。」

なつ「そうだといいけど…。」

阿川家

弥市郎「おう いらっしゃい。」

なつ「いいですか?」

砂良「どうぞ。」

なつ「お邪魔します。」

天陽「お邪魔します。」

なつ「弥市郎さん 砂良さん この人が 山田天陽君。」

砂良「舞台の絵を描いた人?」

なつ「あっ 2人とも 倉田先生の知り合いなの。 だから 私らの舞台も見てくれたんだって。」

天陽「初めまして。」

弥市郎「あんたは 何作ってんだ?」

天陽「あっ ジャガイモに ビートや そばとか それに 牛飼いも。」

弥市郎「それに 金にもならんもんか…。 俺も ここで生きていなくちゃ 何も作れないんだ… 困ったことにな。」

天陽「いいですね。」

(戸をたたく音)

照男「こんにちは!」

なつ「照男兄ちゃん!」

照男「なつ! 天陽も…。」

天陽「こんにちは。 あの… 牛乳をお届けに来ました。」

砂良「別に 頼んでないけど…。」

柴田家

詰め所

なつ「ねえ どういうこと?」

照男「何が?」

なつ「あの牛乳は どういう意味?」

照男「牛乳に 意味なんかあるか。 牛乳に 意味があったら 牛は 年中 悩んでなきゃなんねえべ…。」

なつ「あっ 照男兄ちゃんが 砂良さんのことを 好きんなったっていう意味か!」

照男「はんかくさい!」

なつ「違うの?」

照男「お前こそ 意味の分かんねえこと言うな。」

なつ「したら 分かりやすくするべさ。」

照男「おい 何すんだ?」

なつ「砂良さんに 照男兄ちゃんのこと どう思ってんのか聞いてくんのさ。」

照男「お前な!」

なつ「ん?」

照男「お前は 何でも そう勢いでやろうとするから 自分を苦しめることにもなるんだ。 目標達成には じっくり時間をかけることも大事だべ。」

なつ「うん… そりゃ そだね。」

照男「気を付けれ。」

なつ「でも 照男兄ちゃんは ちょっと 時間をかけ過ぎるところがあるから 気を付けれ。」

照男「うん…。」

なつ「うん。」

照男「フフフ…。」

<時間は 瞬く間に過ぎて 3月。 今日は 夕見子ちゃんの出陣式です。>

台所

泰樹「行くのか。」

富士子「うん。」

夕見子「行ってきます。」

悠吉「これから試験かい?」

富士子「今日は 札幌に行くだけ。 試験は明日から。」

悠吉「いや~ なまら すごいもな。」

剛男「夕見子。」

夕見子「ん?」

剛男「頑張れ。 父さんは お前が誇らしいぞ。」

夕見子「受かってから言ってよ そんなこと。」

剛男「父さんは お前を信じてる。」

なつ「夕見なら 絶対大丈夫! あんなに 寝ないで頑張ったんだから。」

明美「家事もしないで頑張ったんだから 大丈夫!」

夕見子「あのさ みんな 大げさにしないでよ。 私は 大学受験で 人生が決まるなんて 思ってないから。 スキー大会に行くようなもんでしょや。」

悠吉「ひえ~ こりゃ大物だわ。」

菊介「夕見子ちゃん そりゃ違うわ。 スキー大会は 人生かけた大勝負だ。」

悠吉「そりゃ おめえだけだべ。」

菊介「そったらことねえべ。」

富士子「そいじゃ 夕見子。」

夕見子「うん。 頑張ってくるわ。」

泰樹「頑張ってこい。」

夕見子「うん。」

玄関前

剛男「夕見子! 頑張れ~!」

なつ♬『エフ エフ ジェイ エフ エフ ジェイ 我らの誇り』

照男「それは違うべや。」

なつ「北大だって もともとは農業高校でしょ?」

新牛舎

<東京に行くまで なつは 酪農に精を出しました。 酪農は なつにとって もう人生そのものです。 農業高校で学んだことや 十勝で培われたこと全てが 今のなつを作っています。 そして こらからも それは なつを支えてゆくでしょう。 幼い頃からの生活は やがて 掛けがえのない ふるさとになるのです。>

十勝農業高校

<十勝の卒業式は 春といっても 雪の中で迎えます。>

演劇部

♬『若い息吹を吹き入れる エフ エフ ジェイ エフ エフ ジェイ 我らの希望』

倉田「何で この歌が 演劇部の歌になってんだ?」

雪次郎「倉田先生 本当に お世話んなりました!」

一同「ありがとうございました!」

倉田「いいか。 お前らの魂の舞台の幕は これから上がるんだ。 北海道でも 東京でも 魂は一つ。 それを 目いっぱい育てろ!」

なつ「はい。」

倉田「よし。 じゃあ お前ら あとは 思い残すことはないな?」

一同「はい!」

門倉「良子~!」

良子「何!?」

倉田「門倉 どした?」

門倉「卒業したら 言うべと思ってたんだ。」

なつ「えっ?」

門倉「居村良子~! 俺の… 嫁になってくれ~!」

良子「ごめんなさい それは できない。」

門倉「何で… 何でだ!?」

良子「何でって 何でよ? 私は 断っちゃダメなのかい!」

門倉「俺は諦めねえぞ!」

雪次郎「番長… 選ぶ範囲が狭すぎるぞ。」

なつ「ダメ! よっちゃんは 私のもん!」

良子「なっちゃ~ん…!」

門倉「先生~…!」

<そして なつには もう一つの卒業が待っていました。>

山田家

牛舎

なつ「こんにちは。」

(鳴き声)

天陽「なっちゃん…!」

なつ「えっ! 生まれたの!?」

正治「ああ。 さっき生まれたんだわ。」

なつ「どっち?」

タミ「メスさ!」

なつ「やった~!」

天陽「やったわ なっちゃん!」

なつ「初乳は飲ませた?」

天陽「あっ いや まだ…。」

なつ「何やってんの! 教えるから!」

道中

天陽「なっちゃん!」

なつ「天陽君…。」

天陽「なっちゃん…。」

なつ「どしたの…?」

天陽「なっちゃん… 俺は待たんよ。」

なつ「えっ?」

天陽「なっちゃんのこと ここで… 帰るのは待たない。 なっちゃん… 俺にとっての広い世界は ベニヤ板だ。 そこが 俺のキャンバスだ。 何もないキャンバスは広すぎて そこに向かってると 自分の無力ばかり感じる。]

天陽「けど そこで生きている自分の価値は ほかのどんな価値にも流されない。 なっちゃんも 道に迷った時は 自分のキャンバスだけに向かえばいい。 そしたら どこにいたって 俺と なっちゃんは 何もない 広いキャンバスの中で つながっていられる。 頑張れ! 頑張ってこい なっちゃん。」

<ああ なつよ 万感の思いを込めて 未来に向かえよ…。 来週に続けよ。>

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