ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第68話「なつよ、千遥のためにつくれ」【第12週】

あらすじ

思いもよらなかった千遥の消息に、大きなショックを受けるなつ(広瀬すず)。咲太郎(岡田将生)や亜矢美(山口智子)のなぐさめにも、かたくなに心を閉ざしてしまう。翌朝、遅刻して東洋動画に出社すると、仲(井浦新)や井戸原(小手伸也)、下山(川島明)ら、アニメーターたちが集まり、キャラクター検討会が行われていた。そこでなつは、仕上げていた常盤御前のキャラクターを提出するが…。

68話ネタバレ

栄春荘

なつ「千遥は… 私らに会いたくなって 家出したんですよね? 私や兄に会いたくて…。」

幸子「うちの母から 逃げたんだと思います。」

おでん屋・風車

1階店舗

なつ「奇跡なんてないんだわ。」

2階なつの部屋

(ノック)

亜矢美「なっちゃん まだ起きてる? 開けるよ。 なっちゃん…。 ちゃんと寝ないと 明日から仕事でしょ。」

なつ「はい…。」

亜矢美「明日着てく服 見てあげようか?」

なつ「大丈夫です。 何のために 私は生きてるんだろう…。 自分だけ 好きな夢追って… それで いいんでしょうか?」

亜矢美「生きてるんだから… しょうがない。 生きてる理由なんて… どこにもないんじゃないの? 自分で作るしかないのよ きっと。」

(戸が開く音)

咲太郎「なつ…。 俺が悪かった。 俺が千遥を あんな目に遭わせてしまったんだ。 けど 俺は 千遥が どこかで生きてると信じてる。」

なつ「お兄ちゃん… だったら 今すぐ 千遥を捜さないと… 私は 絵なんて描けないよ…。」

咲太郎「どうして? 千遥のために描くんだよ。 お前 言ったよな? 漫画映画は 子どもの夢なんだって。 だったら その夢を千遥に見せてやれよ。」

なつ「千遥に?」

咲太郎「ああ。 お前 これを動かしてたんだろ? 子どもの頃 この絵を生かそうとして  それで 漫画映画を作ろうとしたんだよな? みんな生きてたんだろ? そんないい夢 千遥に見せてやらないで どうするんだよ! これからも 千遥に見てほしいものを作れ。 千遥のために作れ。」

なつ「千遥のために…?」

咲太郎「絵を描け なつ。 お前は 絵を描け。」

なつ「お兄ちゃん…。」

咲太郎「うん?」

なつ「これ描かないと 明日 会社に行けないから…。」

咲太郎「うん…。 うん。 分かった…。」

柴田家

夫婦の部屋

剛男「どうした?」

富士子「夢を見たわ…。 子どもの頃のなつが 一人で泣いてた…。 誕生日だから そんな夢見たんかね…。 大丈夫かね…?」

剛男「大丈夫だよ…。 なつは もう子どもじゃないんだから。」

富士子「そだね…。」

おでん屋・風車

2階なつの部屋

なつ「あっ…。 やっば…。」

1階居間

咲太郎「おはよう。」

亜矢美「おはよう。」

なつ「おはようございます…。」

亜矢美「せ~の…。」

2人♬『ハッピーバースデー』

咲太郎♬『なつ』

亜矢美♬『なっちゃん』

2人♬『ハッピーバースデー』

咲太郎♬『なつ』

亜矢美♬『なっちゃん』

亜矢美「せっかく 信さんが買ってきてくれたから。」

咲太郎「なつ 二十歳の誕生日おめでとう。」

なつ「ありがとう。」

亜矢美「ねえ 願い事して フ~ フ~ フ~…。」

(拍手)

咲太郎「よし 食うか!」

なつ「あっ… ごめん 時間ないから。 もう かなり遅刻だけど…。」

亜矢美「じゃ 一口…。」

なつ「んんっ… おいしい。」

亜矢美「あっ お握り 作っといた。」

なつ「亜矢美さん… ありがとうございます。 心配かけて すいませんでした。」

亜矢美「ううん…。」

なつ「行ってきます。」

亜矢美「行ってらっしゃい。」

1階店舗

咲太郎「なつ。」

なつ「うん?」

咲太郎「行ってらっしゃい。」

なつ「行ってきます。」

亜矢美「あんたも ゆうべは寝てないんでしょ? 偉かったね 咲太郎。」

咲太郎「なつだけでも 守らないとな…。 千遥には 本当に かわいそうなことをした。」

東洋動画スタジオ

会議室

井戸原「それじゃ 牛若丸は 仲ちゃんの絵を基本に 候補に挙がった いくつかの絵の要素をまとめながら 仲ちゃんに リライトしもらうってこどいいね?」

下山「意義なし!」

(拍手)

仲「分かった。 じゃ 次は…。」

なつ「おはようございます。」

井戸原「うん?」

なつ「遅れて すいません…。」

<なつよ 千遥のために 夢を捨てるな。>

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