ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「なつぞら」第75話「なつよ、“雪月”が大ピンチ」【第13週】

あらすじ

雪次郎(山田裕貴)を菓子職人の道に戻すため、北海道から上京した雪之助(安田顕)、妙子(仙道敦子)、とよ(高畑淳子)。雪之助たちの説得に対し、雪次郎は、自分の夢を追わせてほしいと必死に懇願する。しかし、雪次郎の抵抗もむなしく川村屋に連れ戻されてしまう。なつ(広瀬すず)は、雪之助と雪次郎、それぞれの気持ちがわかるだけに、どうしていいのかわからないのだった。

75話ネタバレ

雪次郎宅

妙子「雪次郎!」

とよ「元気かい?」

なつ「雪次郎君 黙って いなくなるなんて それはないっしょ。」

雪次郎「黙って出て すみませんでした…。」

雪之助「すぐ行くべ。」

雪次郎「どこに行くんだ?」

雪之助「川村屋に決まってる。 このまま 挨拶もなしじゃ いかんべ。 それは 人の道に外れてる。 だべ?」

妙子「そだね。」

雪次郎「それは 落ち着いたら 必ず謝りに行こうと…。」

とよ「すぐ行くのが筋だ。」

雪之助「一緒に行くべ。」

雪次郎「父さん! 父さん… その前に 俺 東京で やりたいことに気付いたんだ。 やっと 自分の気持ちに 正直になった。」

雪之助「それは 道を踏み外しただけだ。 戻るなら まだ間に合うべ…。」

雪次郎「いや ちょっと待って ちょっとまって…!」

妙子「雪次郎…。」

とよ「お前 役者になって 食べていけると思ってんのかい?」

雪次郎「ばあちゃん 俺は 食べていきたいんじゃない。 演劇をやりたいだけだ。」

とよ「したけど 腹はすくべさ。」

雪次郎「したけど 食べていくことよりも 何かをやりたいと思うことを 我慢する方が 時として ずっと苦しいことだってある。」

雪之助「お前 我慢足りないだけだ! まだ学生みたいな… 考え違いしてるだけだべ!」

雪次郎「違う! 家のことじゃなく… 自分のことだけを 考えようと思っただけだ。 俺は うちの店が好きだ。 川村屋も好きだ。 だけど ほかにも やりたいことがあった…。 あったんだ!」

なつ「雪次郎君…。」

咲太郎「頑張れ。」

なつ「お兄ちゃんは黙って。」

雪次郎「俺にも たった一度だけ チャンスが欲しい。 自分だけの夢を追わせてほしい。 頼む! お願いします!」

雪之助「よし 分かった! 動かんなら 無理してでも連れてくべや!」

雪次郎「ちょっと待って 嫌だ…。」

雪之助「来い こら!」

雪次郎「嫌だ…。」

妙子「あんた…。」

雪次郎「やめれや…。」

なつ「おじさん! 雪次郎君! やめて下さい!」

とよ「やめて やめてくれ…。」

妙子「あんた…。」

とよ「ほれ…。」

雪之助「行くべよ とりあえず…。」

川村屋

厨房

雪之助「本当に 申し訳ございませんでした。」

雪次郎「申し訳ございませんでした!」

雪之助「杉本さん 日曜日の忙しい時に 申し訳ございません。」

杉本「いいですよ。 おい 君たちはいいから 手 動かせ!」

3人「はい。」

雪之助「それから お願いがあります。 これから こいつも 性根を入れ替えるので 雪次郎を また この店に置いてやって下さい。」

雪次郎「父さん!」

雪之助「お願いします!」

杉本「それは 別に構いませんが…。」

雪之助「私も働きます。 あ… もちろん無給で こいつが ここに落ち着くまで 何日でも働きます。 マダム どうか 許して下さい。」

光子「えっ…。」

ホール

光子「本当に いつも 話をこじらせてくれるわね。」

咲太郎「えっ…。」

光子「趣味? あっちこっちで 話をこじらせるのが 趣味ですか?」

咲太郎「うるさいな。」

光子「うるさい? どの口が言ってんのよ? 反省しなさい。」

野上「反省してたら 誰も こんな苦労はしません。」

咲太郎「ふんっ。」

妙子「お義母さん これから どしたらいんですかね?」

とよ「そんな情けない声 出さんの。 ちょっと 様子を見てくるわ。」

なつ「私も行く。」

妙子「(ため息)」

咲太郎「何か… 本当にすみませんでした。」

妙子「あ… いいんだわ。 あなた 雪次郎の味方に なってくれたんでしょ。 私は それだけでも感謝です。 本当に ありがとう。」

咲太郎「いえ…。」

厨房

雪次郎「(すすり泣き)」

なつ「雪次郎君…。」

とよ「雪次郎! もう行きな。 そのかわり もう二度と ここに戻ってくんでないよ。 自分で決めたんなら その覚悟を貫け!」

雪次郎「ばあちゃん ごめん…。」

雪之助「ダメだ 戻れ! 雪次郎!」

とよ「自分の子どもに 惨めな思い させるんでないわ!」

雪之助「母ちゃん…。 ぶつなや…。」

なつ「とよばあちゃん…。」

とよ「なっちゃんも もういいから ほっといてやって。 皆さん どうも どうも… お騒がせしました。 すいません…。」

おでん屋・風車

1階店舗

咲太郎「なつ。」

2階なつの部屋

なつ「よ~し。 出来た~…。 はあ…。」

東洋動画スタジオ

<そして 翌日です。>

作画課

なつ「どですか?」

下山「う~ん…。 表情は いいんだけど 馬の動きがな…。 うん…。」

なつ「やっぱり まだ どこか おかしいですか?」

下山「おかしいっていうか 何か足りない? うん。 最後かな… 最後だよね?」

麻子「うん。」

下山「馬の脚に勢いがあな…。 最後のもう一押しってのが 何か ないかな?」

なつ「馬が 速く駆け出すとこですか?」

麻子「そうですね… やっぱり まだ タメがないのよ。」

なつ「タメですか?」

麻子「馬が こう脚を上げて 下ろすまでに タメを作ってないから 動きが流れちゃうのよ。 動き出しの動画っていうのは こう 丁寧に 詰めて詰めて描いて 一気に ここ 飛ぶから 緩急がついて 勢いが出るんでしょ。」

なつ「でも 動きを詰めるだけだと 全体の勢いが止まってしまいます。」

麻子「勢いをつけるために詰めるの! 動画の原則でしょう。」

なつ「いや 分かりますが…。」

麻子「分かってるなら やりなさいよ。 もう 私がやる?」

なつ「いえ 最後まで やらせて下さい!」

下山「うん。 じゃ もう一回 考えてみて。」

なつ「はい。」

麻子「待って これも。」

茜「大丈夫 面白くなってきてるわよ。」

なつ「あと少しなんですが…。」

堀内「やっぱり 詰めじゃないかな?」

なつ「はい そなんですけど…。 どうしたらいんでしょうか…。」

階段

なつ「あっ…。」

坂場「また馬ですか?」

なつ「馬です。」

坂場「まだ 馬を描いてるんですか?」

なつ「まだ 馬です。」

坂場「もし お役に立つなら…。」

なつ「えっ?」

坂場「私が 馬になって ここを駆け下りましょうか?」

なつ「大丈夫です…。」

坂場「そうですか?」

なつ「もし それを見てしまったら 当分 馬を描く度に 笑って 手が震えそうですから。 一人で なんとか頑張ります。」

なつ「うわ~!」

坂場「大丈夫?」

なつ「大丈夫…。」

モバイルバージョンを終了