ドラマダイジェスト

【行列の女神~らーめん才遊記~】6話ネタバレ

2020年5月25日放送の【行列の女神~らーめん才遊記~】6話のネタバレです。

らーめん才遊記はテレビ東京で放送しているドラマです。

現在は(2020年5月現在)Paraviでも視聴可能です。

テレビまたはParaviが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。

あらすじ

初めて店の手伝いが出来ることになり、浮かれているゆとり(黒島結菜)。

一方、白坂(小関裕太)は担当する店の新メニュー開発でトラブルが。

流行に乗ろうとする白坂に、クライアントが納得いっていないようだ。

そんな中、業界最大手チェーン店を経営する蒲生が、芹沢(鈴木京香)に新メニューの開発を依頼。

ただし、2社で争うコンペ形式で、相手はあの「味惑コーポレーション」難波倫子(松井玲奈)だという……。

6話ネタバレ

回想

客A「ねえ?ラーメン早くしてよ!」

客B「あーあ、こってり系にラーメン食いたかったなー」

客A「仕方ねえじゃん、あっちすげー行列だもん。この店なら、いつもガラガラだしさー」

客B「ここのラーメン、スープが薄っぺらくてコクがねーだろ?パンチがたりねーんだよパンチが!」

客A「まあま、たまにはシャレでさ、不味いラーメンでも食おうぜ!」

それを聞いてラードを追加する芹沢

回想終了

清流企画の調理室

芹沢「よし!」

清流企画

ゆとり「皆さんどうですか、これ?似合ってます?」

河上「よーく似合ってますよ」

須田「というかテンション高いな」

ゆとり「だって、初めてらあめん清流房のお手伝いに入れるんですもん!もう昨日の夜から、楽しみで楽しみで!」

夏川「ランドセル背負った小学1年生か?あんたは?浮かれてヘマしないでよ?店の厨房ってのは戦場なんだから!」

ゆとり「あれ?白坂さんは?」

夏川「人の話し聞けコラ」

河上「白坂君なら今電話中です」

電話中の白坂

白坂「担担麺より麻婆麺っスよ、最近は専門店も増えてきて勢いがあるんですよ勢いが!」

ゆとり「何かトラブルですか?」

須田「担当している店の新メニューのことでね。まあ内容で揉めてるというより熱量に違いって感じだけど」

夏川「今はこういうのが流行ってるから、それでいいんじゃないですか?とか適当に言っちゃうわけよ、あいつは」

ゆとり「白坂さん、流行りものに詳しいですしね」

夏川「女性客のニーズをリサーチするためとか言って、下は女子大生から上は50代まで見境なくナンパする奴だから」

ゆとり「見境なしかー。私にはそんな感じでは来ないですけど?」

須田「そりゃ、汐見さんにはねー」

夏川「だって汐見だもん」

ゆとり「どういう意味ですか、それ?」

白坂「部長、ちとクライアント先、行ってきます。なんか流行りものには乗っかりたくないとか言い始めちゃって」

河上「自分の店で出すとなると色々考えもあるでしょうからね。しっかり要望を聞いてより良い結論が出せるようにしてください」

白坂「はい」

ゆとり「白坂さん、これどうですか?」

白坂「うん、似合ってる似合ってる。じゃあ行ってきまーす」

ゆとり「なんか、あしらわれたんですけど・・・」

夏川「あいつクライアントと相性悪いとすぐぶー垂れるから」

河上「彼は勉強熱心ですよ、顧客のニーズを掴んだアドバイスも実に的確です。難点を言えば自分の提案に確固たる信念を持ちきれないところですか」

夏川「あんたは、その恰好でいつまでウロウロしてるわけ?」

ゆとり「私、チャーシュー取りに来たんでした」

らあめん清流房

蒲生「うん、上手い素晴らしい!まるで絶品のフグ鍋を食べているようだ!このクオリティのラーメンを月替わりで出すとは流石!ラーメン界屈指のカリスマ・芹沢達美さんの店だー」

ゆとり「あのお客様、店内であまり大きな声は・・・」

蒲生「ああ、すいません」

芹沢「お褒め頂き光栄です蒲生社長」

蒲生「お久しぶりです芹沢社長」

ゆとり「楽麺フーズって、あの楽麺フーズですか?」

夏川「その楽麺フーズよ。経営している楽麺房は業界最大手のチェーン店で蒲生社長はそこのトップ」

須田「まあ楽麺房のラーメン自体はシンプルだし、安さで急成長したものの最近は伸び悩んでて居酒屋経営できるよう工夫したりもしてるみたいだけどねー」

仕事に依頼をする蒲生

河上「楽麺房のメニュー開発をわが社に!」

蒲生「ええ、近々池袋駅の最寄りに新店舗をオープンさせるんですが、そこの店舗限定メニューをその店の看板にと考えとりまして、そのメニューを是非」

芹沢「都内有数に学生街でオフィスも多い地域ですね。となるとジャンルはボリューム系ラーメンですか?」

蒲生「その通りご明察です。実はわが社も成長期を過ぎまして開発部の連中も守りに入っとります。そこで創作ラーメンの第1人者である芹沢社長のお力をお借りしたいと、如何でしょうか?」

芹沢「もちろん喜んでお引き受けいたします」

河上「楽麺フーズさんほどの企業からメニュー開発ををご依頼いただけるなんてことは光栄の極みですんで」

蒲生「そういっていただけると助かります。ただ1つ、ちょっとご了解いただきたいことがあるんですが・・・」

芹沢「なんでしょう?」

蒲生「わが社が外部に仕事を依頼する場合はですね、必ず2社以上のコンペ形式で決めることにしておりまして、今回も清流企画さんの他にもう1社、お声がけしてるんです」

河上「つまり、そちらとメニューの出来を競う形になると?」

蒲生「芹沢さんの実力を信頼していないようで誠に心苦しいお願いなんですが」

芹沢「なるほど、だからまず店にいらっしゃって私のラーメンをお褒めになったわけですね?負けることを恐れてコンペを断るという選択を阻止するために」

蒲生「流石は芹沢社長」

芹沢「内は構いませんよ。リスクヘッジを行うというのは経営者として当たり前のことですし、真っ向勝負で負けるつもりもありませんから!で?相手のもう1社というのは?」

そこにタイミングよく福花と難波が登場する

芹沢「お相手は味惑コーポレーションさんでしたか、前回はお互い痛み分けでしたがこれでスッキリ決着がつきますね」

難波「内は今回も私が担当だけど、そちらの担当は汐見さん?」

ゆとり「いやーそれは?」

芹沢「ご希望なら汐見にやらせるわよ?」

難波「よかった。じゃあまた直接対決出来るね」

ゆとり「痛った!!」

難波「今度こそギッタンギタンにしたるさかい覚悟しとけよ!」

ゆとり「いたーい!!!」

清流企画の調理室

ゆとりのサポートに白坂がつくということでラーメン作りの相談をしている。

白坂曰くリーズナブルでボリューム満点さえクリアしていれば、あとは自由とのこと

今回は前回のコンペみたいに尖りすぎないようにと忠告する白坂

白坂「商売は儲けてなんぼ変なこだわりを持つより客ウケが1番だと思ってるからねー。せっかくだから1軒くらいが実際に食べに行こうか?」

白坂に連れられてラーメン屋に行くゆとり

白坂「俺が清流企画に入社して初めて担当した店だけど、多分良い参考になるから」

ゆとり「ここですか?油そば専門店きよた。」

ゆとり「並盛、中盛、大盛値段は一緒。お好みでマヨネーズ、ケチャップ、ポン酢味、ニンニク!相当濃ゆそう!」

白坂「おかしいな・・・ちょっと待って!」

店内に入る白坂とゆとり

白坂「すいません、この店前は油そば専門店牧原って名前だったと思うんですけど?」

店長「ああ確か1年前はそうでしたね。内が買い取ってから、代えさせていただきましたけど」

白坂「買い取った!?牧原さん、前の店長だった人からですか?この人なんですけど?」

店長「いや、いきなりそんなこと聞かれても、お宅どちらさん?」

白坂「フードコンサルタントです。前にこの店をコンサルティング、担当したんで」

店長「じゃあ味惑コーポレーションの方?」

白坂「は?」

清流企画

白坂「どういうことですか?俺が担当して牧原さんの店が人手に渡ってたんです。それも味惑コーポレーションが権利を買い取ったって。社長、このことご存じだったんですか?」

芹沢「さあ?河上さん、知ってる?」

河上「牧原さんというと、あの油そばのお店ですね。そうですか人手に渡ってたんですか」

白坂「いや、これって問題じゃないですか、内がコンサルを担当した店を別のコンサル会社に売却するなんて?」

芹沢「問題ないわよ、自分の店をどうするかなんて、その店の持ち主が好きに決めることでしょ」

河上「もう終わった案件ですよ白坂君」

依頼人は白坂の大学時代の先輩だったとのこと、そしてゆとりが動く。

ゆとり「おそらく、その牧原さんは殺されてますね!」

夏川「何言ってるの?」

ゆとり「状況的にそう考えるのが自然です。きっと味惑コーポレーションが前に店主を亡き者にしてお店の権利を奪ったんです!間違いありません!」

須田「もっと詳しく聞かせて!」

ゆとり「とにかく、このまま放置はできませんよ!私、味惑コーポレーションに言って話しをつけてきます」

須田「ちょっ、どういうことですかー!!」

芹沢「白坂、あなたもついていきなさい」

味惑コーポレーション

ゆとり「犯人はあなたですね。難波倫子さん?」

難波「人の会社に来て早々何藪から棒にわけわからんことほざいとんねん?このボケ!」

ゆとり「痛い痛い!折れます折れます」

難波「あんたら豊島区にある油そば専門店のことで来たんやろ?さっきお宅の部長さんから電話あって聞いたわ。ドアホが2人そっちに行くから適当にあしらって帰してくれって」

とりあえず帰りそうもないので話しを聞くことにした難波

白坂「牧原さんは当時あの場所で麺工房まきはらって店をやってた。職人気質で芹沢社長に憧れてて、その店でも月替わりで新作の創作ラーメンを出してたんだ」

白坂「でも、すぐ目の前にボリューム自慢のつけ麺屋がオープンして牧原さんの店の客足は途絶えた」

白坂「俺も協力して対抗するための新メニューを作ったけど、なかなか上手くいかなかった。牧原さんの食へのこだわりが強すぎるのが一番の理由だったけど」

白坂「そんな時に決定的な出来事が起きたんだ。牧原さんはバイトのアキちゃんのことがずっと好きだったんだ。なのに彼女は店を辞めて」

白坂「しかもよりによってライバルのぶっとい軒でバイトを始めて、しかもそこの店長と付き合い始めて」

難波「急に話しがあらぬ方向に飛んだな?」

白坂「とにかく、牧原さんはそこで吹っ切れたんだ」

牧原「こだわりなんか捨てるから相手の店に勝ちたいんだ!」

白坂「油そば専門店にすることを提案してくれたのは芹沢社長だった」

白坂「油そばはスープを作る必要がないし調理の手間も簡単、原価率も人件費も抑えられる上にお客が食べるスピードも速いから回転率も良いメニューだって」

難波は話しを聞いて商売敵に親切する義理はない、人探ししてる暇あったら必死こいて研究しろと言って立ち去るのだった

清流企画の調理室

ゆとり「やっぱりイメージがわかないんですよね。他のお店のボリューム系ラーメンを真似しても仕方ないですし・・・白坂さん、聞いてますか?」

白坂「聞いてるよ。それこそ社長に相談に乗ってもらったらいいんじゃない?」

ゆとり「それは最終手段です。ギリギリまで自分で考えないと」

そこに夏川と須田が来る

夏川「どう?コンペのメニューの進み具合は?」

ゆとり「もう、さっぱりです白坂さんは例の件で元気ないですし」

白坂「元気だよ」

ゆとり「元気ないよ」

夏川「白坂さ、あんた、牧原さんに会って話し聞いてきたら?」

白坂「え?」

夏川「なんとなくだけど社長も部長も何も言わないのって、あんたに何か気づかせようとしてるっぽいからさ」

白坂「とは言っても、連絡先も居場所もわからないですし」

須田「ほらこれ!」

白坂「麺屋まっきぃ?これって?」

須田「その牧原さんがやってる店。前の店を売ったからってラーメンから足を洗ってたとは思えなかったかし、ラオタ仲間の情報網で探してもらったんだ。間違いないと思うよ」

ゆとり「須田さん、凄い!」

須田「後輩が悩んでるんだから、これくらいはね」

白坂「須田さん、俺、今まで誤解してました。須田さんのこと、ラオタで地味で根暗でぶっちゃけ苦手な先輩だなって思ってたんですけど、バカにしてたんですけどスイマセン、ありがとうございます」

須田「いや、メモ返せ!」

麺屋まっきぃ

白坂「牧原さん」

牧原「白坂」

牧原「悪かったな、お前に一言もないままあの店を売っちまって」

白坂「それより、どうして?」

牧原「ある日店閉めた後にさ」

回想

閉店後、店にやってきた河上

牧原「おかげ様で大繁盛ですよ。清流企画さんには感謝してもし切れないぐらいで」

河上「それがコンサルタントの仕事ですから。ただ、牧原さんご自身が納得してるかどうかも大事なことなんで」

牧原「どういう意味ですか?それ?」

河上「失礼、先ほど少し泣いておられたようなので」

河上「商売というのは難しいものです。自分の作りた物とお客様の求める物は必ずしも一致しませんし、自分が信じた味がお客様にお客様に受け入れていただけるとも限らない」

牧原「なんで・・・泣いたんですかね、俺。自分でもわからないんですよね。繁盛したことが嬉しいのか、こだわりを捨てたことが悔しいのか」

河上「どちらもではないでしょうか?あなたが流した涙は嘗て内の社長も流した涙ですから」

牧原「え」

回想終了

牧原「そのあと味惑コーポレーションで働いている知り合いって人の名刺くれたんだ。もしいまた新しい店を持ちたければ相談してもいい。芹沢社長も了解してるって」

白坂「社長と部長が・・・」

牧原「清流企画さんに店を手放す相談はし難かったし、お前にも申し訳ないってのもあってな。今はこの小さな店で自分が作りたいラーメンを作ってる。相変わらず客は少ないけどな、満足しているよ、俺は」

そこにお客さんがくる

客「まっきぃ、新作ラーメン、ラーメンライスでよろしく!」

牧原「はい、お待ちください」

ゆとり「ラーメンライス?」

牧原「あれ?知らないラーメンライス?じゃあせっかくだから2人も食べて行きなよ。新作でいい?」

ゆとり「これってただの白いご飯ですよね?おかずは?」

白坂「ラーメンライスってのはこうやって食べるんだよ。まずラーメンを啜って、それからご飯を食べる」

ゆとり「主食をおかずに主食を食べるってことですか?」

牧原「そう、麺がなくなったら残ったご飯をスープの入れるとね、オジヤ風になってまた美味いんだ」

白坂「苦手な人は苦手だけど、元祖ボリューム系の食べ物だよ。ライス無料サービスの店もあるしね」

牧原「そうそう」

白坂「なんか懐かしいっスね。大学ん近くの中華料理屋にみんなで食いにいって」

牧原「ラーメン専門店はあんまり最近こういうのはやらないんだけどな。内は材料拘ってるから原価かかっちゃてて、足りないボリュームをライスで補ってるわけよ」

ゆとり「いただきます」

ゆとり「お?」

白坂「どうしたの?」

ゆとり「変な感じ、でもちょっとワクワクします!」

清流企画

白坂「おはようございます」

芹沢「おはよう。早いわね」

白坂「昨日泊ったんですよね。ゆとりちゃんが閃いてコンペメニューの試作を始めたんで手伝ってて」

芹沢「そう」

白坂「あの社長、牧原さんの件、申し訳ありませんでした。俺の考えが至らなかったせいで」

芹沢「白坂、あなた大きく間違えたわけじゃないのよ。商売である以上顧客のニーズに沿うのは当然。内の社員は特にラーメンフリーク的な、そんなメンバーが多いからリサーチやトレンドを重視した、あなたみたいなタイプは貴重な戦力だと思ってる」

白坂「ありがとうございます」

芹沢「だからその武器を生かすためにも、次のステップに進んでほしいの、特に最近あなたのタイプが陥りがちな落とし穴にハマりかかってるんじゃない?」

白坂「落とし穴?」

調理室からゆとりが声をかける

ゆとり「社長、おはようございます。コンペメニューの試作、見ていただけませんか?」

ゆとり「どうでしょうか?楽麺房のメニューとしては少し凝り過ぎてるかも知れませんが」

芹沢「確かに、賭けの要素がややあるわね」

芹沢「いいわ、内はこれでいきましょう」

ゆとり「はい」

芹沢「白坂、明日のコンペ、あなたもついてきなさい」

コンペ当日

蒲生「それではラ楽麺房池袋店・店舗限定メニューのとして提供するボリューム系ラーメンのコンペを始めさせていただきます」

蒲生「ジャッジはラーメン評論家の有栖さん、私、そして弊社の若手社員8名が務めます。実際に来店されるお客様の年齢層に近い食いっぷりにいい連中を集めましたのでラーメン2杯程度ならペロリの平らげるでしょう」

有栖「それではまず、清流企画さんからお願いします」

ゆとり「はい」

調理を開始したゆとり

蒲生「具材は揚げ物ですか」

有栖「ボリューム系では無難な選択ですね。問題は何をもってくるかですよ」

ゆとり「お待たせしました。完成です」

福花「これはご飯を挙げた所謂オコゲですか」

有栖「いただきますか」

蒲生「いただきます」

蒲生「サクサクして実に美味い」

ゆとり「お米をカツオだしで炊いてラーメンの醤油ダレをたっぷりまぶし冷凍して水分を飛ばしてから揚げました」

有栖「これは良いラーメン自体こってりしたとんこつスープにプルプルの太麺で、そこにカリカリのオコゲが加わることで2つの食感を楽しめる」

芹沢「そのオコゲラーメンには、もう1つ仕掛けがあります。そろそろ効いてくるかと」

難波「味が変わった?とんこつ味のスープがとんこつ魚介しょうゆ味に」

蒲生「なるほど、オコゲの味付けのカツオだしと醤油ダレが溶け込んだんだ、美味さだけでなく楽しさも満載ですな」

有栖「山あり谷ありで口を飽きさせない創意工夫、これはつまりラーメンライスの進化系ってわけだ」

ゆとり「そうです!ラーメンライスをヒントにしたってよくわかりましたね」

有栖「そりゃボリューム系ラーメンの原点だからね。僕も学生時代はライス無料の店に通い詰めてお代わりし過ぎるもんだから、何件出禁になったことか」

蒲生「私もラーメンライスは若い頃によくやりました。このメニューの考案はそちらの汐見さんが?」

芹沢「ええ、私は最終チェックをしただけです」

蒲生「若いのに大したもんだ」

ゆとり「ありがとうございます」

有栖「それでは続いて味惑コーポレーションさんに調理していただきましょうか」

蒲生「清流企画さんが大好評だったので少々やり難いかも知れませんが」

難波「蒲生社長、お言葉を返すようですが、やり難いどころか、むしろこのコンペの勝利を確信して安心しております」

蒲生「随分強気ですね」

難波「確かに素晴らしい味でしたが清流企画さんはボリューム系にとっての肝を掴んでおられなかったので」

芹沢「お手並み拝見します。難波さん」

調理を開始する難波

ゆとり「あっちも揚げ物」

難波「お待たせしましたご賞味ください」

蒲生「これはまた豪快な!ではいただきます」

有栖「鶏のから揚げですか、京都あたりではラーメンのお供として珍しくない組み合わせです」

福花「流石は有栖さんです。これは京都のラーメン・唐揚げセットや、」

福花「中華料理の排骨麺をヒントに難波が考案したんです」

白坂「唐揚げは生姜が効いていて富山ブラックばりにニンニクがたっぷりと効かしてある」

ゆとり「それだけじゃありません。この唐揚げの衣って」

芹沢「麺よ細かく刻んた麺を衣に使ってある」

難波「その通りです麺を蒸して水分を抜いたものを衣として利用しました」

蒲生「衣が剥がれてスープが濁らないための工夫、良いアイディアですね」

有栖「味も生姜にニンニクとシンプルながら食欲を掻き立てるガツンとくる味、言わばボリューム系ラーメンの王道です」

難波「ありがとうございます」

結果発表

蒲生「審査員の8名にはどちらのラーメンが良かったか理由も書いて投票してもらいました。開票する前に少しお時間を頂きたい。難波さん」

難波「はい」

蒲生「あなたは清流企画のラーメンはボリューム系ラーメンとしての肝をつかんでいないと仰いましたが、その意味をご説明願えますか?」

難波「わが社の唐揚げラーメンですが清流企画さんのオコゲ・ラーメンに比べて味が単調だったと思われませんか?」

蒲生「まあ確かにオコゲ・ラーメンは食感や味の変化を楽しめましたが」

難波「内はあえて、生姜やニンニクを軸に味付けはシンプルに仕上げました。その理由はボリューム系ラーメンはだからこそ良いと判断したからです」

白坂「つまりこういうことです?楽麺房・池袋店のメイン客層である若い男性客にはそういう単調な味の方がウケやすい」

難波「そうそうそういうこと、ようするに若い男っちゅうのはニンニク味とか生姜味とか単純な味にしか反応出来ん舌バカが多いちゅうことや」

福花「おい難波、蒲生社長の前でそのキャラ止めろ」

難波「失礼しました」

蒲生「確かにその傾向はあるのかも知れませんね。若者はボリューム第1、味もシンプルなものを好む」

有栖「実際に好まれるのはハンバーグ、カレー、焼肉に牛丼などでしょうし」

難波「そうです。オコゲ・ラーメンのように高度で複雑な味わいは理解されない可能性が高い、だからボリューム系ラーメンをわかってないと申し上げたんです」

蒲生「なるほど、芹沢社長はこの意見になにか反論は?」

芹沢「彼女の言葉は間違ってません。ただわかってないのはどちらなのかは結果を見てから」

有栖「仰る通りです。開票します」

有栖「3対5勝負がつきました」

難波「結果は?」

蒲生「難波さん・・・残念ながらあなたの予想は外れたようですオコゲ・ラーメンに5票。8名の審査員の内5名が清流企画さんのラーメンが美味しいと判断しました」

有栖「ボリューム系ラーメンの欠点はその量の多さから食べている途中で味に飽きてしまうオコゲ・ラーメンはその欠点を見事に克服していたと」

福花「完敗だな難波」

芹沢が難波に優秀なコンサルタントだと思っていることと忠告を伝える

難波「ご忠告感謝します」

清流企画

ゆとり「部長、この間牧原さんに聞いたんですけど・・・」

河上「何か?」

ゆとり「やっぱりいいです」

外から雷が聞こえる

河上「今日は夕方から大雨らしいですよ。せっかく社長が店に出てるのに客足に影響が出なければいいですけど」

らあめん清流房

ゆとり「お疲れ様です」

芹沢「お疲れ、雨だから気を付けて帰りなさい」

ゆとり「いえ、帰りにラーメンを食べて行こうかと思って、いつもは混んでますし、考えてみたら私看板メニューを食べたことなかったんです」

芹沢「社員割引はないわよ」

ゆとり「はい、濃口醤油ラーメンをお願いします」

芹沢「はいどうぞ」

ゆとり「いただきます」

ゆとり「おいしい。あゆの煮干しの風味とヘッドのこってりがマッチしていて凄い完成度です」

芹沢「ワクワクする?」

ゆとり「え?それは・・・」

芹沢「正直ね。じゃあこっちも食べてみなさい」

芹沢「淡口醤油らあめんよ。こっちは奢ってあげるわ」

ゆとり「いただきます」

ゆとり「これ凄い。社長この味」

芹沢「そうよ、その淡口醤油らあめんこそ、私が自分の職人魂をかけて生み出した作品だもん」

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