ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」104話「君と僕のイナムドゥチ」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」104話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)のもとに、三郎(片岡鶴太郎)から「智(前田公輝)が事故で瀕死だ」と連絡が来た。和彦(宮沢氷魚)、歌子(上白石萌歌)らと病院にかけつけるが、実際には誤解の連鎖が招いた連絡だったことが分かる。そんな事件から歌子と智の距離は縮まっていき…。賢秀(竜星涼)は清恵(佐津川愛美)と東京に出張中、意外な人物に遭遇する。

104話ネタバレ

沖縄料理店・ちむどんどん

暢子「えっ? 智が 瀕死の重体?」

病院

暢子「智? 生きてるわけ?」

和彦「あっ… よかった~。」

智「えっ 何で?」

暢子「トラックに ひかれて 生きるか死ぬかだったんじゃ…。」

智「誰が そんなこと。」

暢子「三郎さんが 電話で 救急車で運ばれて 頭蓋骨陥没で 生死の境をさまよったって。」

多江「私が うちの人に伝えたの。 トラックに ひかれて 頭を打って 救急車に運ばれたって。 だけど 生死の境をさまよってるなんて 言ってません。 私は 順次さんから 電話で聞いたとおりに。」

順次「いや だからさ。 智本人から電話で トラックに ひかれて 頭強く打って 救急車に運ばれたって。 言ってません!」

智「トラックに ひかれそうになって 頭を軽く打ったって。」

順次「アイ 大丈夫? ひかれてない?」

智「ひかれそうになっただけです。 念のため 一晩 入院して 様子を見ようって言われただけです。」

暢子「順次さん。」

和彦「お願いしますよ。」

順次「ごめんごめん。」

多江「まあ 思い込みで話を大きくしたのは うちの人も 一緒だから。 とにかく よかった。」

順次「俺だけの責任 違うよね? ハハハ…。」

トミ「いいから 開店準備! 智君 お大事に。」

智「ありがとうございます。」

暢子「安心したら おなかすいた。」

和彦「下の売店で 何か買って帰ろう。」

暢子「うん。」

和彦「歌子ちゃんも。」

歌子「うちは 少し休んでいくから 先に行ってて。」

暢子「大丈夫?」

歌子「うん。 走ったら 少し疲れてしまって。」

暢子「分かった。 じゃあ 先に帰ってるね。」

歌子「うん。」

暢子「智 お大事に。」

智「うん。」

和彦「じゃあね。」

智「ありがとう。」

智「ごめん 心配かけて。」

歌子「ここに来るまで ずっと 心臓が潰れそうだった。 あんなして ケンカ別れして 智ニーニーが死んでしまったら どんなしようって。」

智「心配してくれて ありがとう。」

歌子「あっ…。」

智「あっ 大丈夫。 まあ よく分からんけど…。 仲直りヤサ。」

(ドアが開く音)

歌子「あっ…。」

三郎「智… 大丈夫か?」

歌子「失礼します。」

三郎「あれ? みんなは?」

沖縄料理店・ちむどんどん

暢子「ど~ん! 試作 第6号です。」

暢子「第7号!」

暢子「8号!」

開店まで 3日。 暢子が 最後までこだわったのは 沖縄そばでした。

矢作「なあ 勘弁して。 もう そばは食えねえ。」

和彦「僕も… もう駄目。」

歌子「ネーネー ごめん。」

暢子「東京の人に合う つゆの味付け 麺の太さ かたさ。 うん このバランスで作ったのが ちむどんどんの沖縄そばということで 決まりにしたいと思います。 矢作さんも 確認してください。」

矢作「俺は お前に言われたとおりに作るから。」

暢子「じゃあ そばは これで決まりとして あとは 接客 予約の受け方の確認を…。」

矢作「それは 俺の仕事じゃねえ。 言っただろ? 俺は 厨房から一切出ねえ。」

歌子「そばが出来てよかった。 ねっ。 ああ ほかのことも 打ち合わせしよう。」

暢子「うん。」

レストラン・フォンターナ

一方 ここ フォンターナには 東京での営業を終えた2人が…。

清恵「高そうなお店だね。」

賢秀「そう?」

清恵「お金持ってるの?」

賢秀「親父さんが 預けてくれた。」

清恵「お父さんが?」

賢秀「うん。」

二ツ橋「ご注文は?」

賢秀「俺は いつもの 一緒でいいな。」

清恵「あっ うん。」

二ツ橋「いつものと おっしゃいますと?」

賢秀「カ~ッ 特上ランチを2人前!」

二ツ橋「こちらの ランチを お二つ お持ちいたします。」

賢秀「じゃっ それで。」

清恵「何よ…。」

賢秀「何か そういう服着てると…。」

清恵「似合ってなくて悪かったわね。」

賢秀「いや 似合ってる。 意外と美人… チュラカーギーヤサ。」

清恵「見ないでよ。 もう…。 あ~ こんなお店で食事するの 何年ぶりだろう。 ああ もう 昔… 何年前だったかな。 もう 忘れた。」

賢秀「誰と?」

清恵「友達と。」

賢秀「男?」

清恵「女の友達。」

賢秀「ふ~ん…。」

清恵「バカな子でね 華やかな都会の暮らしに憧れて 生まれ育った田舎を飛び出して。」

賢秀「俺と一緒ヤッサー。 ハッハッハ。」

清恵「最初は 工場で 女工してたんだけど 悪い男に引っ掛かって 行き着いた先が 水商売。 さんざん男に貢いで 気が付いたら借金地獄。 ある日 とうとう親に見つかって 生まれて初めて ひっぱたかれて 無理やり 田舎に連れ戻された。」

賢秀「それから?」

清恵「毎日コツコツ 泥んこになって働く父親を 見ているうちに 一から生まれ変わってみようって。 バカだよね。 今更 生まれ変わっても 親不孝は 償い切れないのに。」

賢秀「償えるさ。 人はよ 何回でも人生をやり直せる。」

清恵「いいこと言うね たまには。」

賢秀「そう思わないと 俺自身 やっていけないのに。 俺なんか その娘さんより もっと恥ずかしい過去ばっかりヤサ。 はぁ~。」

清恵「確かに…。」

賢秀「今日の営業 俺 まあまあ やれてたよな?」

清恵「うん。 意外とちゃんとしてた。」

賢秀「俺も 本気で 心入れ替えて コツコツやってみようかな。 地道にコツコツ お前と2人で。」

清恵「えっ…?」

賢秀「えっ?」

清恵「本気?」

(ドアベル)

二ツ橋「いらっしゃいませ。」

涌井「清恵! 久しぶりだな 清恵。」

賢秀「えっ?」

涌井「清恵!」

賢秀「おい! ちょっ…。」

(ドアベル)

二ツ橋「お食事が出ますので…。」

賢秀「釣りは 取っとけ! おい!」

二ツ橋「足りないんですけれど。 あの…。」

沖縄料理店・ちむどんどん

暢子「和彦君 歌子とも相談して 東京風に メニューも考えてみたわけ。 ゴーヤーチャンプルーは ニガウリの肉炒め。 どう?」

和彦「なるほど。 それなら 東京に人にも どんな料理か分かるよね。」

暢子「うん できることは全部やったはず。 いよいよ 明日か…。 何してるの?」

和彦「明日 オープンだから。」

暢子「ハッ…。」

和彦「はい。 ちむどんどん 僕からの前祝い。」

暢子「アキサミヨー イナムドゥチ!」

和彦「歌子ちゃんに教えてもらいながら 作ってみた。」

暢子「懐かしい。 お正月に 家族みんなで食べたさぁ。」

和彦「イナムドゥチは 沖縄のお祝い料理の定番なんだよね。」

暢子「うん。 頂きます。」

和彦「どうぞ。」

暢子「ん~ マーサン! うち この白みそ 大好き。 フフフ…。」

和彦「よかった。 料理を作って 喜んでもらえるって 気持ちいいね。」

暢子「うん! うれしい。」

和彦「あんまり力になれなくて ごめんね。」

暢子「ううん。 ありがとう。 最高のお祝いさ。 和彦君も 一緒に食べよう。」

和彦「うん。 ついでくる。」

暢子「うん…。 アイ!」

和彦「どうした?」

暢子「蹴った。」

和彦「蹴った?」

暢子「うん。」

和彦「えっ…。 あっ… 動いた!」

暢子「蹴る力が デージ強い。 男の子かね?」

和彦「どうだろう。 暢子にそっくりな 女の子かも。」

暢子「早く会いたいさー。」

和彦「うん。 楽しみだね。」

暢子「うん。 フフフッ…。」

1979年(昭和54年)9月

そして 暢子の店 沖縄の味 ちむどんどん 開店の日。

(戸が開く音)

田良島「あれ 俺が お客様第1号?」

暢子「田良島さん! すいません まだ開店前で。」

田良島「あ~ 表で待ってた方がいい?」

暢子「いやいやいや。 どうぞ。 歌子 看板出して。」

歌子「はい。」

田良島「お~い いいってさ。 お邪魔しま~す。」

歌子「おっ…。 えっ あっ…。」

暢子「いらっしゃいませ。 お好きな席にどうぞ。」

智「暢子 オープンおめでとう。」

暢子「智! もう来てくれたわけ?」

智「当たり前ヤサ。」

歌子「いらっしゃい。」

田良島「とりあえず 沖縄そば。」

「俺も!」

「俺も!」

田良島「人数分と…。」

暢子「はい。」

田良島「あとは 暢子ちゃんのおすすめを 適当に お願いしていい?」

暢子「分かりました。 ありがとうございます。」

田良島「はい。 あと これ。 差し入れ。」

暢子「えっ? 頂きます。」

田良島「はいはい。」

暢子「いらっしゃいませ。 矢作さん ニガウリの肉炒め もう出せます?」

矢作「はいよ。 …ったく ようやく仕込みが終わったと思ったら。 よし…。」

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