ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」107話「豚とニガナは海を越えて」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」107話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)の沖縄料理店『ちむどんどん』は、客が全く増えてくれない。「このままだと矢作(井之脇海)さんへの給料が支払えない」と暢子は焦り、頭を抱える。そんなとき重子(鈴木保奈美)が「ちむどんどん」を訪れて…。養豚場では、清恵(佐津川愛美)の過去が暴かれたことから、賢秀(竜星涼)と清恵が大喧嘩(げんか)。賢秀は養豚場を去ることを決意。寛大(中原丈雄)に別れを告げるが…。

107話ネタバレ

養豚場

賢秀「俺に ウソをついて だましたわけ?」

清恵「前に話した。」

賢秀「前に?」

清恵「家出同然で飛び出して 悪い男に引っ掛かって 借金地獄になって。」

賢秀「お前の話だったわけ?」

清恵「誰の話だと思ってたの?」

賢秀「何で 友達の話って。」

清恵「全部 私の話。 普通 分かるでしょ。」

賢秀「あの男と 結婚してたのか? 結婚してたことを隠して…。」

清恵「一緒でしょ。 養豚の仕事してること 家族に隠して ビッグなビジネスだの グレイトになるだの ウソつきまくってんじゃん!」

賢秀「黙れ!」

清恵「いい年して 倍にして返すだの 沖縄の一番星だの言いながら 簡単に 変な話に引っ掛かって…。」

賢秀「出ていけ! お前の顔とか 見たくない!」

清恵「悪いけど ここ あたしんち!」

賢秀「だったら 俺が出ていく!」

清恵「勝手にすれば!」

賢秀「全部 終わりヤサ!」

翌日

賢秀「親父さん 長い間 お世話になりました。」

寛大「清恵が出ていった。」

賢秀「はっ?『さようなら 私が出て行きます 清恵』。

沖縄料理店・ちむどんどん

坂田「一応 私ども信用金庫としても 相談はしたんですが 追加融資は やはり…。 ここから先は 無駄な経費を切り詰め 経営の健全化を ご提案するほかには…。 そうだ! 以前 頂いた計画書と 現在の出納上京を見比べると 人件費が かなり高くなってます。」

暢子「それは きちんとした技術と 経験のある料理人さんに 働いてもらうことになったので。」

坂田「仕入れ原価は どうです? 例えば 豚肉。 わざわざ 沖縄から仕入れるから 運賃の分 高くなって。」

暢子「うちの希望どおりに加工してくれる 仕入れ先が 関東では見つからなくて。」

坂田「ああ… では やなり人件費。 この料理人さん… 要ります? 現状の客数なら 多少レベルが低くても 人件費の安い料理人の方がいいのでは?」

暢子「いや 今は そうだとしても…。」

坂田「今でしょ? 資金繰りに困ってるのは。」

暢子「それは そうですけど…。」

坂田「ああっ はっ… しまった! 私 次の約束が。 すいません。」

暢子「あ… あっ あっ…。」

坂田「ごめんなさい。 何か途中で… 無念です。 すいません 失礼します。」

歌子「ネーネー 何か手伝えることある? どんなことでも。」

暢子「そしたら 買い物 お願いしてもいい?」

歌子「うん。」

暢子「矢作さん もうすぐ来ると思うから。」

歌子「任せて。」

暢子「ありがとう。」

(扉が開く音)

歌子「お帰りなさい。」

和彦「ただいま。」

歌子「行ってきます。」

ちむどんどん・2階

和彦「原稿料 入ったから。 これだけ なんとか。」

暢子「ありがとう。 本当に ごめんね。」

和彦「なんとかなる?」

暢子「支払いは なんとか。 だけど 矢作さんの給料までは…。」

和彦「ずるずる引き延ばして 結局 辞めてもらうようになことになるより 早めに次の仕事を探してもらった方が 誠実だと思う。」

暢子「うん…。」

矢作「おい! おい いねえのか!」

沖縄料理店・ちむどんどん

矢作「あ~あ…。」

和彦「どうしたんです?」

矢作「どうしたもこうしたも 見ろ これ。 あ~ もう…。」

暢子「まさかやー…。」

矢作「火 かけっ放しで 店空けるバカが どこにいんだよ!」

暢子「すいません。」

矢作「材料を無駄にするようなやつに 経営者なんか務まるか! しっかりしてくれよ…。(舌打ち) はぁ~…。」

(戸を閉める音)

(戸が開く音)

暢子「すいません まだ…。 しーちゃん 波子さんも…。」

重子「近くまで用事で来たから ついでに。」

波子「失礼します。」

暢子「すいません まだ 準備中で…。」

重子「いいの。 すぐ帰りますから。 あ~ また大きくなったわねぇ!」

和彦「母さん!?」

重子「それで どっち?」

暢子「えっ どっち?」

重子「決まってるじゃないの。 男の子? 私は 女の子じゃないかと にらんでるんだけど。」

和彦「そんなの まだ…。」

重子「女の子なら ピアノを習わせましょう。 習い事は…。 ピアノで決まりね。」

和彦「まだ 生まれてもないのに…。」

重子「波子さん。」

波子「はい。」

波子「こちらが スケトウダラと車麩を使った 煮しめ。」

波子「こっちが 菱の実ご飯。 どちらも栄養満点です。」

波子「私の田舎では 菊は 妊娠中や授乳時に欠かせないもので。」

波子「こっちのいごねりは 貧血予防。 プロの暢子さんに こんな田舎料理 差し出がましいと思ったんですが。」

重子「たまには 沖縄料理じゃないものもと思って。」

暢子「こんなにたくさん…。」

重子「あなたのためじゃない。 おなかの子が食べるの。 毎日3食 規則正しく食べてる?」

暢子「最近は あんまり…。」

重子「食べなきゃ駄目! 何があっても 食べるの。」

暢子「はい…。」

重子「おなかが すかなくても 頑張って食べる。 できるだけ 一緒に食べてあげなさい。 妻に ちゃんと食事をとらせるのも 夫の仕事。」

和彦「はい。」

重子「あなたみたいに 冒険をする女の子なんて 私が生きてきた世界では ありえなかった。」

暢子「冒険?」

重子「遠い南の島から たった一人でやって来て 自分で船を作って 広い海に こぎ出して そんな生き方ができるあなたが 羨ましい。 あなたの冒険旅行を 私たちも 一緒に楽しみたい。 あなたの船の 乗組員のつもりでいるの。」

重子「あなたの冒険旅行は もう 私たちみんなの冒険。 もちろん 晴れの日ばかりじゃない。 大きな波も来る 嵐の夜もある。 失敗しても 立ち止まってもいい。 とにかく どんな時でも 食べるの。 食べて 休んで 前より もっと強くなって すてきな船長に お母さんに なってね。」

暢子「ありがとうございます。」

養豚場

寛大「突然 すいません。 いえ もしかしたら またお世話にな なってるんじゃないかと思いまして。 ええ 今日で もう丸3日…。 分かりました。 お願いします。」

賢秀「親父さん! これ。」

清恵<208番の母豚は いつも予定日より 分娩が早いので 気にかけて下さい。 清恵>。

寛大「あのバカ 分娩のことより 自分こと心配せえ。」

賢秀「捜しましょう。 2人で東京に。」

寛大「保証人もいない女が 手っ取り早く働くとなれば 住み込みの水商売だ。」

賢秀「本気で捜せば 絶対に見つかります。 行きましょう!」

夜の街

客♬『ふたりでドアをしめて ふたりで名前消して』

清恵「はいはい はいはい。 寄り道しないで まっすぐ帰ってくださいね。」

客「リリィちゃんもね~ グンナ~イ。」

清恵「はい グンナ~イ。 またね~。」

沖縄料理店・ちむどんどん

暢子「あっ いらっしゃいませ。」

(無言で立ち去る客)

閉店後

和彦「何か手伝おうか?」

暢子「大丈夫。」

和彦「子供のためにも 早く休まないと。」

暢子「向いていないのかもしれない。」

和彦「この間 ここで二ツ橋さんが 言ってくれたこと 覚えているよね?」

回想

二ツ橋「うまくいかない時は たとえ悔しくても 悲しくても やめてもいいんです。 一度 止まって 休んでもいいんです。」

回想終了

和彦「一旦 店を閉めよう。 やめるんじゃない。 一度 立ち止まって じっくり考えて またやり直そう。」

暢子は ちむどんどんを 一旦 休業することに決めました。

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