ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」111話「豚とニガナは海を越えて」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」111話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は、自身の店『沖縄料理ちむどんどん』を立て直すための課題を見つけた。それは「沖縄料理に適した、美味(おい)しい豚肉を調達すること」。しかし、暢子の希望の豚肉は東京ではなかなか手に入らない。豚肉について矢作(井之脇海)と相談していると、そこへやってきたのはなんと清恵(佐津川愛美)だった。賢秀(竜星涼)が清恵を探していることを全く知らない暢子は、清恵に店の料理の試食をお願いする…。

111話ネタバレ

スナック街

ママ「リリィ 待って! 大事なこと 忘れてた。 角煮用の豚肉も お願い。 ほら この前の すっごくおいしかったから。」

清恵「あ~ うちのの実家の。 分かりました 知り合いの肉屋なら置いてるんで。」

ママ「珍しいね。 皮付き肉 卸してるなんて。」

清恵「実家の養豚場で 沖縄出身の人が働いてて 優秀な人なんです。 その人のアドバイスで。」

ママ「へえ。 じゃあ その豚肉よろしく。」

清恵「は~い。」

沖縄料理店・ちむどんどん
店内

矢作「何かが欠けてるような イマイチ物足りねえ。」

玄関前

清恵「ちむ どんどん?」

店内

歌子「もしかしたら…。豚肉… かも。」

矢作「豚肉…。」

暢子「であるよね 豚肉。 やっぱり 足りないのは おいしい豚肉だよね。」

清恵「ごめんくださ~い。」

暢子「いらっしゃいませ。」

矢作「おい。 すいません 休業中で。」

清恵「あ… また来ます。」

暢子「あっ 待ってください! お食事に いらっしゃったんですよね? あの もしよかったら 食べていってください。」

清恵「あっ いや でも…。」

暢子「どうぞ。 歌子 お水。」

歌子「はい。」

暢子「お代は要りません。 そのかわりに おすすめのメニューを出すので 是非 感想を聞かせてください。」

清恵「あっ はい…。」

暢子「あっ どうぞ どうぞ。」

清恵「失礼します。 沖縄の方?」

歌子「はい。 うちと姉は 沖縄のやんばる出身で 姉が店を開きまして。」

清恵「やんばるの…。 暢子さん ですね?」

暢子「えっ 何で うちの名前 知ってるんですか?」

清恵「えっ? えっと… えっ… ちょっ それは えっと あの… あっ あれです。 あれ。」

暢子「あ~! うちが 青柳暢子です。 沖縄 お好きなんですか?」

清恵「あっ 私の友達に 沖縄の方で比嘉さんという人がいて。」

歌子「ニーニーだったりして。」

暢子「まさかやー。 うちたちのニーニーも こっちに出てきていて 比嘉賢秀っていうんですけど 違いますよね?」

清恵「違います。」

暢子「であるよね。『比嘉』は 沖縄で 一番多い名字らしいです。 そのお友達の比嘉さんは 何をされてるんですか?」

清恵「あっ… 千葉で豚を。」

暢子「千葉で豚?」

清恵「ぶた…。 ぶた… ぶた… 舞台関係の仕事を。」

暢子「舞台関係。」

清恵「ええ… フフッ…。 あっ お兄さんは ここにもよく?」

暢子「まだ 一度も。」

歌子「ニーニーは 風来坊で いつも「ビッグになる!」とか言ってて どこで 何やってるのか謎なんです。」

清恵「困ったお兄さんね。」

玄関前

賢秀「ここか…。 フッ…。」

智「賢秀!」

賢秀「ん?」

賢秀「おお 智。」

智「何してる?」

賢秀「何って 腹減ったから。」

智「今は まずい。」

賢秀「何がよ?」

智「とにかく まずい。 メシは別の場所で 俺がおごるから。」

賢秀「おお…。」

智「うん。」

賢秀「俺が行くと 何かまずいのか?」

智「違う 違う。 中で お前の誕生パーティーの 打ち合わせをしている最中なわけ。」

賢秀「アキサミヨー。 俺の誕生日は もう3か月前に…。」

智「だからよ。 ドッキリ誕生会。」

賢秀「ドッキリ誕生会?」

店内

歌子「ご感想は 後で。」

清恵「どれもおいしそう。」

暢子「看板メニューの沖縄そばです。」

暢子「こっちは コーレーグース。 島トウガラシを泡盛に付け込んだ 調味料です。 お好みでかけて お召し上がりください。」

清恵「はい。 これが 沖縄そば…。 頂きます。」

清恵「ごちそうさまでした。 おなかいっぱい。」

暢子「あの 出汁の味付け 麺のゆで具合 太さ かたさ… ほかの料理のことでも何でもいいので 是非 感想を教えてください。」

清恵「どれも おいしかったです。 フーチャンプルーは 味が よくしみていたし にんじんしりしりーは いくらでも食べられそう。」

暢子「ありがとうございます。 あの 何か不満な点とかは…。」

清恵「強いて言えば…。」

暢子「はい。 是非 お願いします。」

清恵「豚肉。」

暢子「やっぱり…。」

清恵「そうだ。 これ よかったら使ってみて。」

暢子「これって…。」

清恵「知り合いの養豚場の豚肉。 いけない もう戻らないと。」

暢子「あっ…。」

矢作「お住まい この辺ですか?」

清恵「あっ 近くの店に 住み込みで働いてるの。」

暢子「あっ よかったら 名前 教えてください。」

清恵「リリィです。」

暢子「リリィ?」

清恵「暢子さんの料理を食べて 元気出た。 どうもありがとう。」

暢子「元気 なかったんですか?」

清恵「一番 大事な人に ひどいことしちゃって…。 落ち込んでたの。 ごちそうさま。」

暢子「ありがとうございました。」

歌子「ありがとうございました。」

(戸の開閉音)

清恵「ありがとう。」

暢子「リリィさんって 外国の人じゃないよね?」

歌子「変わった名前だね。」

矢作「何も知らねえんだな。 源氏名。」

暢子「源氏名?」

矢作「水商売の人が お店で名乗る名前。」

暢子「ふ~ん…。 はぁ~…。 やっぱり 問題は豚肉か。」

矢作「今 沖縄から仕入れてる皮付き肉は 冷凍だからな。」

暢子「全ての条件を満たしてくれる。 そんな仕入れ先が この近くにあれば…。」

歌子「あっ… 皮付きだよ!」

暢子「まさかやー。」

暢子「頂きます。」

歌子 矢作「頂きます。」

矢作「何だ これ うんめえ!」

歌子「おいしい!」

暢子「最高の豚肉!」

矢作「明日にでも 買いに行ってみるか!」

暢子「うん!」

矢作「何て店だっけ?」

暢子「リリィさんに聞いてみよう!」

矢作「うん。」

歌子「あっ でも どこのお店で働いてるか 分からないよね?」

暢子「アイヤー…。」

矢作「店の名前も 聞いてねえ。」

暢子「この豚肉 絶対に仕入れたい! どこの仕入れ先か 分かったら…。 リリィさん また来てくれないかね?」

(戸が開く音)

歌子「智ニーニー。」

矢作「お前かよ。」

智「何でよ。 まずかった?」

暢子「今 すっごいことが起こったわけ!」

歌子「お客さんが 最高の豚肉を持ってきてくれた!」

智「豚?」

暢子「これで お店を復活できるかも! オーナーが言ってた 知らないお客さんで 満席になる日も 夢じゃないさ!」

歌子「本当に おいしいわけ!」

矢作「ちょっと 食ってみな。 ほら ほら!」

智「ちょっと! ちょっと 盛り上がってるところ 悪いんだけど。 明日 賢秀のドッキリ誕生会やらない?」

暢子「えっ?」

スナック街

ママ「いつも ありがとね~。」

客「そういえば 最近 この辺で 変な男が うろついてんだって?」

ママ「そうそう 何か 人捜し?」

客「リリィちゃんも 気を付けてな。」

清恵「はい。」

客「ハハハッ じゃあ お休み!」

ママ「は~い。」

清恵「お休みなさ~い。」

客「ママ 次の曲入れてよ。」

ママ「は~い。 はいはいはい…。」

回想

賢秀「『ちむどんどん』。 俺の妹がオープンした店の名前。 ちむどんどんは ここが ドキドキするって意味。」

清恵「ちむどんどん?」

賢秀「はぁ~。 太鼓をたたくように。 はい ちむ…。」

清恵「どんどん。」

賢秀「おう。ちむ…。」

清恵「どんどん!」

賢秀「ちむ…。」

清恵「どんどん! アハハッ…。」

回想終了

清恵「妹さんに うちの豚だって 教えてあげればよかった。」

ママ「リリィ お願~い。」

清恵「は~い!」

賢秀「離せ! あっ… アガッ!」

マスター「こんな女 知らねえ! 営業妨害だ。 帰れ。」

マスタ「ごめんね。」

(ドアが閉まる音)

賢秀「いてっ… はぁ…。 あの すいません…。」

沖縄料理店・ちむどんどん
店内

矢作「あっ もう…。 何で 俺が こんなことしなくちゃいけねえんだよ。」

智「しかたないでしょ 店を守るため。」

(戸が開く音)

三郎「よう。」

暢子「あっ… 三郎さん!」

三郎「おう…。 あちこち声かけてみたんだけど 何せ 昨日の今日だし あまゆも 今夜は 組合の宴会だって。」

暢子「ああ… お忙しいところ すいません。 和彦君も 今日は 取材でいないんです。」

三郎「…で ドッキリの主役は?」

智「そろそろ来ると思います。 歌子 表のアレ。」

歌子「ああ… そうだ。」

(戸が開く音)

暢子「三郎さんも これ つけてください。」

三郎「これ 俺か。」

玄関前

歌子「よし…。」

清恵「あれ?」

賢秀「おい!」

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