ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」115話「豚とニガナは海を越えて」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」115話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)の店『沖縄料理ちむどんどん』が営業再開して1か月。矢作(井之脇海)、歌子(上白石萌歌)も献身的に働き、店内はお客さんで大にぎわい。ついにフォンターナのオーナー・房子(原田美枝子)との約束が果たされた。そして暢子の出産予定日が近づき、母・優子(仲間由紀恵)や姉・良子(川口春奈)らも手伝いに上京してきたある日、賢秀(竜星涼)が清恵(佐津川愛美)を連れてやってきて、驚きの報告をする。

115話ネタバレ

沖縄料理店・ちむどんどん

ちむどんどんが 年内の営業を終えたその夜…。

房子「では 暢子さんのお店に…。」

三郎「乾杯。」

多江「乾杯。」

三郎「何年ぶりなんだ? 40年とかか? あ~っ…。 うまい。 うまいなあ。」

房子「少し座ってなさい。」

暢子「はい。 ありがとうございます。 これが終わったら。」

暢子「にんじんしりしりーです。 ネギ油で サッと炒めました。」

多江「頂きます。 う~ん おいしい。」

房子「うん いい仕事です。」

暢子「ありがとうございます。 ネギ油は 矢作さんの仕事です。」

房子「フフフッ…。」

多江「もう寝ちゃったの?」

房子「そっとしといてあげましょう。」

多江「そうですね。」

矢作「明日から 女房と田舎に帰ってくる。 本当に 休んでいいのか? 大丈夫か?」

暢子「うん。 年末ぐらい ゆっくり休んでください。」

矢作「いや 身重のオーナーを置いて そんな のんびり休んじゃいられねえよ。」

暢子「ありがとうございます。」

矢作「ずっと考えてたんだ。 俺とお前は 何が違うのかって。 俺は フォンターナで オーナーやシェフが『お客様の笑顔』って 何度も言うのを 内心 バカにしてた。 技術があって でかい街で うまいもん出せば勝ちだって。 でも やっと分かった。 それじゃあ… 続かねえんだって。 ありがとう。 今まで いろいろ すまなかった。」

暢子「矢作さんがいなかったら ここまで やってこられなかったと思います。 本当の ありがとうございます。 フフッ…。」

矢作「うん。」

暢子「うん。」

1980年(昭和55年)1月

暢子は 出産を控え 医師と相談して 今日から入院することになりました。

手伝いのため 優子と良子が 沖縄から上京してきました。

歌子「お母ちゃん 掃除はうちが。」

優子「いいから いいから。 矢作さんが来たら 仕込みは 言うとおりすれば いいんだよね?」

歌子「うん。 もうすぐ来てくれるから。」

智「おばさん 暢子に 荷造りさせてください。」

良子「いいかげんにしなさい!」

優子「ねえ どうしたわけ?」

良子「見て。」

暢子「お弁当に入りきらないものは 今のうちに。 お産は体力勝負さぁ。 にんじんしりしりー 病院では出ないよね。」

和彦「いや だから まず 必要なものから先に。」

(戸が開く音)

賢秀「ハッハッハッハ…。」

暢子「ニーニー!」

良子「ニーニー?」

智「賢秀。」

暢子「元気だった?」

賢秀「暢子! おなかが デージなってる!」

暢子「アイ どうしたわけ?」

賢秀「あああっ…。 んっ? ああ 歌子から 母ちゃんが来てるって聞いて 飛んできたわけ。 ヘッヘッ。」

優子「賢秀 久しぶり。 元気そうだねぇ。」

賢秀「母ちゃん 実は 今日 大事な話があって。」

優子「大事な話?」

賢秀「おい!」

暢子「あ~ 清恵さん!」

良子「清恵さん?」

歌子「ニーニーの…。」

(戸を閉める音)

賢秀「今 世話になってる養豚場のお嬢さんで 猪野清恵さん。」

清恵「初めまして。」

優子「賢秀の母です。」

良子「妹の良子です。」

賢秀「母ちゃんと暢子以外 ちょっと 席を外してもらおうかね。」

賢秀「母ちゃん この人と 結婚したいと思ってる。」

清恵「ええっ!? えっ ちょっと待って だって今日は 皆さんにご挨拶をしようとしか。」

賢秀「だからよ。」

暢子「清恵さん 聞いていなかったんですか?」

清恵「初耳です!」

暢子「アイヤー。」

賢秀「アガッ! くっ…。」

優子「大丈夫ね?」

賢秀「清恵… 俺と…。」

優子「えっ?」

賢秀「すまん! 中身まで用意できなかった。」

智「はあ?」

暢子「ええっ?」

良子「ありえん!」

智「このぽってかす!」

歌子「ニーニー しっかりして!」

和彦「今日のところは 出直した方が。」

賢秀「うるさい! 外野は黙っとけ! 今は 空っぽヤサ。 だけど いつか ダイヤモンドの指輪を買ってやる! だから… だから 俺の… 俺の… 俺の嫁さんになってくれ! 嫌か? いいのか? いいだろ? みんな見てるから とりあえず いいってことに…。」

清恵「とりあえずってわけに いかないでしょ。」

賢秀「じゃあ…。 うお~!」

(拍手)

優子「賢秀 おめでとう!」

賢秀「清恵 一生 幸せにするからよ! やった~!」

良子「おめでとう!」

賢秀「やった~! お~! 俺が 沖縄の一番星だ~! ハッハッハッハ…!」

清恵「あの! お義母さん 皆さん 私 言っておかないと いけないことが…。」

賢秀「余計なことは 言わなくていい。」

清恵「もう 隠し事はしたくないの。」

優子「聞いていますよ。」

清恵「えっ?」

優子「清恵さんは 強くて 優しくて 誠実で 賢秀には もったいないくらいの人って。 賢秀は 昔っから わがままで ケンカばかりで 欲張りで だまされやすくて だけど 本当に心のきれいな まっすぐな子なんです。」

優子「何より 心が健やかなんです。 これから いろんなことが あると思いますけど 何があっても 2人で力を合わせて 生きていってください。 お願いします。」

清恵「ふつつか者ですが どうぞ よろしくお願いします。」

暢子「清恵さん… ありがとう!」

清恵「暢子さん…。」

(拍手)

和彦「賢秀 よかったな。」

賢秀「ありがとう!」

智「おめでとうヤー!」

暢子「あっ そうだ お祝いに みんなで何か食べよう!」

賢秀「おっ!」

暢子「あっ うちのお弁当が すぐ食べられる。 にんじんしりしりー おいしいよ。」

賢秀「いいなあ! 暢子のにんじんしりしりー デージマーサンドー! あ~ 緊張した~!」

(笑い声)

暢子「うっ…。 アイヤー…。」

和彦「暢子? 暢子!?」

良子「あっ 破水してる!」

賢秀「破水!? おい…。」

暢子「あっ あ~ にんじんしりしりー それだけ 清恵さんに。」

病院
分娩室前

賢秀「落ち着け…。 歌子 落ち着け。」

歌子「ニーニーがね。」

重子「大丈夫なの!? 産まれたの? どうなの? こんな所で何してるの!」

波子「奥様 落ち着いて。 待っているに決まってるじゃないですか。」

重子「あ~…。」

賢秀「おばさん 落ち着いて!」

暢子「ふぅ~!」

重子「暢子さん ああっ…。 しっかり!」

分娩室

暢子「ふぅ~!」

医師「ほら 頑張って!」

看護師「大丈夫ですよ。」

医師「赤ちゃんも頑張ってますよ。」

暢子「ふぅ~!」

医師「息止めないで。」

暢子「ふぅ~…!」

分娩室前

(産声)

和彦「暢子!」

賢秀「やった~!」

重子「波子さん!」

波子「奥様!」

(産声)

賢秀「万歳! 万歳! 万歳! 暢子! おめでとう!」

沖縄料理店・ちむどんどん

智「男の子 母子ともの健康。」

矢作「よかった~。」

清恵「おめでとう!」

客「やった~!」

(拍手)

智「聞こえるか!」

病院
病室

暢子「うん フフフッ。 ん… フフッ。 名前 どうするかね。」

和彦「健やかっていう字で『健彦』。 勉強や運動ができなくても お金持ちになれなくてもいい。 ただ 心のきれいな まっすぐな人に育ってくれればいい。 心が健やかなら それで十分。」

暢子「心が健やか… 健彦…。 うん すごくいい!」

和彦「健彦 よろしくね。」

暢子「健彦。 フフフッ…。 フフッ。 フフフフッ…。」

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