ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちむどんどん」116話「ゆし豆腐のセレナーデ」

【 連続テレビ小説「ちむどんどん」116話のネタバレです。

あらすじ

暢子(黒島結菜)は無事に男の子を出産した。和彦(宮沢氷魚)とふたりで、健やかに育つようにと「健彦(たけひこ)」と名付けた。時は流れて…1984年4月。暢子の店、『沖縄料理ちむどんどん』は多くの客でにぎわい、健彦は名前のとおりすくすく元気に成長していた。一方、和彦は仕事で少し不満があるようで…。そんななか、連休を使って暢子たちは沖縄やんばるに里帰りすることに。

116話ネタバレ

病院

和彦「健彦 よろしくね。」

暢子と和彦に 男の子が誕生しました。

1年後(昭和56年)

ちむどんどんの営業も順調で 暢子は お店と子育てで 忙しいながらも 充実した日々を送っていました。

ちむどんどん・2階

和彦「はい こっち向いて。 いくよ~。」

(シャッター音)

沖縄料理店・ちむどんどん

そして  健彦が2歳になる頃 歌子は やんばるに帰りました。

気が付けば 暢子が上京して 10年がたっていました。

(戸が開く音)

暢子「いらっしゃいませ。」

猪野養豚場

1984年(昭和59年)4月

暢子<ニーニー お元気ですか。 今度の連休は 沖縄に帰れないと聞きました。 清恵さんの出産も間近だし しょうがないよね。 元気な赤ちゃんが生まれることを 祈っています>。

沖縄料理店・ちむどんどん

吉岡「ありゃ…。」

暢子「あっ 吉岡さん いらっしゃい。」

吉岡「おう。」

従業員「いらっしゃいませ。」

矢作「いらっしゃい。」

暢子<おかげさまで お店は大繁盛。 猪野養豚の豚肉も 大好評です>。

従業員「そばセット 1つ。」

暢子「はい。」

矢作「はいよ。」

吉岡「暢子ちゃん 今度の連休は?」

暢子「お店は 休まず営業しますけど うちは 沖縄に帰ってきます。」

矢作「いいなぁ 沖縄。」

暢子「えっ もうですか? 行ったばかりじゃないですか。」

矢作「もっと 本場の味を 味わい尽くしてえんだよ。 まだまだ 行ったこともない離島もある。 はい これ。 3番さんのラフテー定食。」

従業員「はいよ。」

健彦「ママ ただいま~!」

暢子「おお 健彦 お帰り。」

矢作「お帰り タケ坊。」

多江「ただいま。」

暢子「多江さん いつも ありがとうございます。」

多江「いいえ。」

健彦「滑り台 10回やった!」

暢子「おっ すごいね。 アイ おやつあるから 手洗っといで。」

健彦「は~い!」

多江「じゃあ…。」

重子「健彦ちゃ~ん…。 多江さん! どうしてここに?」

多江「いや あの その あの ほら…。」

重子「多江さんは 火曜 木曜 土曜。 今日は 私が子守当番の日でしょ。」

暢子「まあまあ。 お二人には いつも デージ感謝しています。」

重子「それとこれとは 話が別です。」

多江「あら…。」

暢子<4歳になった健彦も 重子さんと多江さんのおかげで 健やかに育っています>。

重子「健彦ちゃんが<しーちゃん来て>って。」

多江「しーちゃん…。」

居酒屋・珊瑚礁

(拍手と指笛)

♬~(三線)

暢子<歌子は やんばるに帰ってから 時々 お店で 歌わせてもらっているそうです>。

歌子♬『南風吹けば 咲く花の美(ちゅ)らさよ 島の美童の…』

暢子<お客さんの前でも 堂々と歌えるようになってきたと 言っていました>。

歌子♬『想い染めてよ ジントヨー ジントヨー』

店主「どんなね? 智も そろそろ いい年だし 歌子と結婚とか。」

智「シーッ。 いろいろあるわけ。 歌子に 余計なこと言わないでくださいよ。」

暢子<智は 今年になって スナガワフードの拠点を やんばるに移しました>。

暢子<それから お母ちゃんが ニーニーの仕送りのおかげで 家の借金を 全部返し終わったと 言っていました>。

優子 良子「あっ!」

猪野養豚場

暢子<ニーニーに また会える日を 楽しみにしています 暢子>。

寛大「部長 豚舎の掃除 頼んだぞ。」

賢秀「はい 社長!」

清恵「部長も社長もないでしょ? たった3人しかいないのに。」

賢秀「主任 そういう言い方は主任らしくないな。」

清恵「大体さ 何で 私が主任で あんたが部長なわけ?」

賢秀「決まってらぁ。 俺が部長顔で お前が主任顔だからさ。」

喫茶・サーカス

和彦「新しい連載?」

編集者「『70年代のふるさと』シリーズが 大好評で 次は 引き続き 1980年代をお願いしたいんです。」

和彦「だけど 次は 沖縄特集をって。」

編集者「もちろん 沖縄特集も そのうち きっと。 原稿料も アップしますんで まずは 80年代 よろしくお願いします!」

和彦「はい。」

西山原バス停

春の連休 暢子は 和彦と健彦と共に 沖縄に里帰りしました。

暢子「健彦。 健彦 着いたよ。 起きて 起きて。」

健彦「うわ~ 海だ!」

暢子「あっ 待って お~!」

良子「健彦 また大きくなったね。」

和彦「うん。 晴海ちゃんは?」

良子「この連休は 臨海学校。」

健彦「うわ~!」

暢子「お~ 危ないよ。」

健彦「見て。 クリームがのってる。」

歌子「あっ すごいね。」

健彦「ソフトクリームだ。」

良子「うちらも よく遊んだよね。 潮干狩りとか。」

暢子「デージおいしかったよね。」

良子「うん。」

歌子「何それ。 聞こえる?」

健彦「聞こえない…。」

歌子「聞こえる? 聞こえない? こっちは?」

健彦「聞こえない。」

暢子「いいね~ やんばるは。 東京だと 子供が伸び伸び遊べる場所は 少ないから。」

良子「うちは ちょっと暢子が羨ましい。」

暢子「ん?」

良子「東京は 何でもあって便利だし。」

健彦「うわ~!」

比嘉家

石川「フッフッフッ…。 あっ 割れた。」

良子「ほい。」

和彦「じゃあ 良子たちも 昨日から泊まりに。」

優子「暢子たちが来ると聞いて どうせなら 一緒にどうかと思って。 和彦君も お仕事 忙しいんでしょう?」

和彦「まあ。 でも 本当にやりたい仕事は なかなか。 ぜいたくな悩みかもしれないけど 僕も あのころの父のように もっと 沖縄に じっくり向き合えたらって。 親になってから 特に 父のことを よく思い出すようになりました。」

優子「すてきなお父さんだったよね。」

回想

和彦「父さん。 やっぱり 僕 高校はアメリカに行く。 沖縄に来て分かった。 最初は なかなか なじめなくても 思い切って 一歩踏み出したら なんとかなる。 そう思えてきたんだ。」

史彦「思ったとおりにすればいい。 応援するよ。」

和彦「うん。」

回想終了

シークワーサーの木

健彦「嫌だ 僕が取る!」

暢子「あっ ごめんね。」

回想

史彦「はい どうぞ。」

暢子「ありがとう。 本当は 自分で取れるようになりたい。」

史彦「あっ そうだったんだ。 ごめん ごめん。 暢子ちゃんにとっては この村がふるさと。」

暢子「ふるさと?」

史彦「いつか 暢子ちゃんが大きくなって 今の暢子ちゃんみたいな子に シークワーサーの実を取ってあげる時が きっと来るから。 そしたら もう一度考えてみるといい。 この村が 本当につまらないかどうか。」

回想終了

比嘉家

和彦「みんな元気でよかった。」

良子「それが みんなというわけでは…。」

和彦「えっ?」

良子「歌子と智。」

和彦「あの2人 何かあったの?」

良子「何もないから困っているわけ。」

和彦「僕はてっきり 歌子ちゃんが こっちに帰ってきたら結ばれるものだと。」

良子「みんな そう思ってたさ。」

和彦「うん。」

良子「和彦君 この機会に 智に 聞いてみてくれない? 歌子のことを どう思っているのか。」

和彦「いや 僕は そういう役回りは…。」

良子「博夫さんは 融通が利かない。 お母ちゃんは 考えていることが すぐ顔に出てしまう。 暢子は 何も分かっていない。 うちの言い方は 何でも 怒ってるみたいに 聞こえて怖いって よく言われるし あとは ニーニーぐらいしか…。」

和彦「分かった 分かった。 僕が聞く。」

智「和彦。」

和彦「あっ…。」

歌子「ただいま。」

良子「2人で買い物?」

智「いや そこでばったり。 なあ。」

歌子「うん。」

良子「あっ 歌子 こっち 台所手伝って。」

歌子「うん。」

良子「智も 夕ごはん食べてって。 和彦君が たまには 智と じっくり話したいって。」

智「どうした?」

和彦「あ… 実は…。」

智「何か 言いにくいこと?」

和彦「好きなのか? 歌子ちゃんの…。」

智「あ~… 伸びる~ 気持ちい ありがとう。 フフッ…。」

和彦「ごめん…。」

智「何か 突然。」

和彦「好きなんだろ? 歌子ちゃんのこと。 好きじゃないのか?」

智「いや そんなことは…。」

和彦「だったら どうして はっきり 好きって言わないんだ。」

智「それは…。 仮に告白して もし よくない返事だった場合 気まずくなってしまうアラニ。」

和彦「だけど みんな心配してるよ。」

智「みんな?」

和彦「暢子だけは知らない。 そういうことには かなり鈍感だから。」

歌子「智ニーニー ちょっと手伝ってくれる?」

智「うん。」

智「絶対に 余計なこと言うなよ。」

和彦「はぁ~。」

暢子「うん! おいしい。」

優子「この畑で 昨日取れた 島らっきょうだよ。」

暢子「ん~!」

優子「はい。 モーウイのお刺身。 おいしいよ。」

暢子「う~ん 最高! やんばるの畑 最高! ちむどんどんする。」

(笑い声)

暢子「ん~っ うん。」

モバイルバージョンを終了